2004年08月13日(金)

Ｆ１第１３戦ハンガリーＧＰ公式練習　“トヨタＴＦ１０４Ｂ”順調な仕上がり

オリビエ・パニスが５番手。リカルド・ゾンタとライアン・ブリスコも加わりセットアップ

２００４年８月１３日（金）（ハンガリー・ハンガロリンク発）

Ｆ１世界選手権第１３戦ハンガリーＧＰの公式練習がハンガリー・ブダペスト近郊のハンガロリンクで開始された。

公式練習１回目は気温２６度、路面温度４２度、湿度４４％という、風はあるものの過ごしやすい夏空の下で午前１１時から１時間にわたって行われた。パナソニック・トヨタ・レーシングは、オリビエ・パニスと、新たにレースドライバーとして決勝レースへ臨むことになったリカルド・ゾンタ、そして、テストドライバーからサードドライバーに昇格、金曜日の公式練習を走ることとなったライアン・ブリスコが、３台体制でデータ収集とセットアップを開始した。

公式練習１回目は、オリビエ・パニスが１分２３秒８２７の７番手。ライアン・ブリスコが１分２４秒１０８の８番手で続き、リカルド・ゾンタは１分２４秒２３６の１３番手であった。その後、２時間のインターバルを挟んで午後２時から１時間行われた公式練習２回目では、オリビエ・パニスが１分２１秒３５２で５番手、リカルド・ゾンタが１分２２秒８０８で１８番手、ライアン・ブリスコが１分２３秒１７０の２１番手で、明日午前中に行われる公式練習３回目、４回目と、午後の予選へと臨むこととなった。

オリビエ・パニス　：　カーナンバー１７　シャシー：ＴＦ１０４／０９Ｂ
　　公式練習１回目：　　７番手　１分２３秒８２７（トップと２．２７５秒差）　　　８周
　　公式練習２回目：　　５番手　１分２１秒３５２（トップと０．４６８秒差）　　２３周
「とても良い週末へのスタートとなった。２回の公式練習を何の問題も無く順調にこなすことが出来た。今週から新体制のチームスタッフと共に仕事をすることとなったが、私にとって、すべてのスタッフを知っているということは大きな手助けとなっている。明日も、このペースを維持するために、専念せねばならない」

リカルド・ゾンタ　：　カーナンバー１６　シャシー：ＴＦ１０４／１０Ｂ
　　公式練習１回目：　１３番手　１分２４秒２３６（トップと２．６８４秒差）　　　１４周
　　公式練習２回目：　１８番手　１分２２秒８０８（トップと１．９２４秒差）　　　２８周
「とても、やるべきことが多かったものの、充実した１日であった。ニュータイヤを使用した今日最後の周回で、最終コーナーでミスを犯してしまい、ベストラップタイムは、すでに走り込んだタイヤで記録されたものとなってしまった。とはいえ、初めての公式練習で、レースカーをドライブして、手応えは得られた。いつもの金曜日と同じく、３人のドライバーで、ロングランを行い、ミシュランタイヤの比較も行ったが、唯一の違いは、私は、レースドライバーとして、セットアップの改善のために明日の２回の公式練習も継続して行い、予選、決勝へと臨むことだ。明日も全力を尽くす」

ライアン・ブリスコ　：　カーナンバー３８　シャシー：ＴＦ１０４／０３
　　公式練習１回目：　　８番手　１分２４秒１０８（トップと２．５５６秒差）　　２０周
　　公式練習２回目：　２１番手　１分２３秒１７０（トップと２．２８６秒差）　　２２周
「レースチームの一員としての初めての経験を楽しむことが出来た。また、成果も満足の行くものだった。路面のグリップレベルが低い最初のセッションは、とても難しかったが、徐々に自信も得られた。また、２回目のロングランを行っている時に冷却水漏れが発生してしまい公式練習２回目を早く切り上げなくてはならなくなってしまった。結果としてニュータイヤを使用せず、タイムで競合出来なかったことが悔やまれる。今日は、従来型のＴＦ１０４に改良型の空力パッケージを装着したが、それでも、明らかな改善を実感出来た」

高橋敬三　：　技術コーディネーション担当ディレクター　
「新しい体制のもとで、初日のプログラムを順調にこなすことが出来た。また、ＴＦ１０４Ｂのポテンシャルも確認することが出来た。明日に向けて、まだ、やるべきことがあるが、この好調を維持したい」

冨田　務　：ＴＭＧ会長　兼　チーム代表
「パナソニック・トヨタ・レーシングにとって、納得の行く初日となった。オリビエ・パニスは、１日を通しトラブルも無く、とてもコンペティティブなラップタイムをマークしてくれたが、まだクルマのバランスに完全に満足したというわけではない。同様に、リカルド・ゾンタもクルマのバランスに小さな問題を抱えており、加えて、ニュータイヤでのアタックの際にミスを犯してしまった。ライアン・ブリスコは、初めての公式練習において、良い仕事をこなしてくれたが、冷却水漏れに見舞われ、最後に予定されていた２種類のニュータイヤで走行する事が出来なかった。我々がここ２レースの間に行ってきた変更が、着実に結実していることを、今週末の成果として示さなければならない。また、ノルベルト・クライヤーが解雇されたという記事を見かけたが、これは事実と異なっている。技術部門の再構築のためにも、彼は今年１２月末日までチームの一員として残ってもらうことになっている。これは、彼の要望によって合意に達したものである」