第14戦 ベルギーGP 2004
2004年08月29日(日)
ベルギーGP - 決勝レポート
リカルド・ゾンタはドラマチックな展開となったベルギーGPの終盤、ゴールまであと3周で、エンジンの故障から4位を失ってしまった。スパ-フランコルシャンのレースは高速アクシデントで、3回のセイフティカーが導入されたが、KライコネンがMシューマッハーの連勝を阻みマクラーレン・メルセデスチームに勝利をもたらした。そして、2位に入ったシューマッハーは7度目のチャンピオンを獲得した。
ゾンタは予選第1セッションのクラッシュの影響で、最後尾からのスタートとなったが、これが有利に作用し、混乱のオープニングラップで、順位を10位まで上げることができた。チームメイトのパニスは、1周目に起きたラソースヘアピンの接触事故に巻き込まれて、ピットインを強いられた。
JバトンやDクルサードのパンクによるアクシデントの破片を排除するためのセイフティカーの導入の後に、ゾンタはリーダーのライコネン、フェラーリのシューマッハーとバリチェロに続き、4位を残り3周まで走行していた。そして、パナソニック・トヨタ・レーシングは、42周目のオールージュコーナーの出口でゾンタのRVX-04エンジンからもくもくと煙が上がるのを目撃することになった。不運に見舞われたゾンタは10位となり、8位でチームにポイントをもたらしたパニスのふたつ下の順位にランクされた。
「予選第1回目のアクシデントによって最後尾からのスタートとなったけれど、レースのパフォーマンスは最高だった。僕らが夢に見ていた4位を獲得できていたというのは疑いもない。僕はこの瞬間を何年も待ち望んでいた。もしゴールまで3周という時点で、フェラーリのリヤウイングを見ながら走れれば、うれしいに決まっていると思っていた。それが現実のものとなったのだから、チーム全体にとっては、この結末がとても残念だ」とゾンタはコメントしている。
パニスは自分のレースを振り返って「スパの1コーナーは常に混雑する。そしてラソースの混乱に巻き込まれて、フロントウイングを失ってしまった。タイヤにもダメージを受けていたので、すぐにピットインしなくてはならなかった。セイフティカーが入った後に問題だったのは、われわれが唯一、ミシュランの固めのコンパウンドを選択していたため、温まるのにより時間を要してしまった。それがリスタートの弱点となってしまい、最後にDクルサードに抜かれてしまった」とコメントしている。
ライコネンとシューマッハーの後にフェラーリのRバリチェロが3位。ザウバー・ペトロナスのFマッサとGフィジケラがダブル入賞。ジャガーのCクリエンが6位でクルサードとパニスに先行した。
シャシー担当のテクニカルディレクター、マイク・ガスコインは「素晴らしい順位だっただけに、リカルドにとっては本当に残念な結果だった。しかし、シーズンのここまで高い信頼性を示してきたエンジンに感謝しなくてはならない。モータースポーツではこのようなことは起こりうる。チームは、このパフォーマンスによって、さらに奮起しなくてはならない」
選手権シリーズは、2週間後に再びハイスピードサーキットのモンツァでイタリアGPを迎える。
- トヨタ自動車 モータースポーツ カーレースカテゴリー