第15戦 イタリアGP 2004

2004年09月12日(日)

イタリアGP - 決勝レポート

パナソニック・トヨタ・レーシングのリカルド・ゾンタは、苦しい展開となったヨーロッパラウンド最終戦のイタリアGPを11位でフィニッシュした。

決勝日の朝、モンツァには激しい雨が降り、コースを濡らしたが、スタート前には急激に乾き始めていた。ほとんどのドライバーがドライ路面用のタイヤを選択したが、オープニングラップはまだ、スリッピーな状況だった。土曜日の予選後に、オリビエ・パニスが13番手というのはいやな予感がすると恐れていたが、その心配が的中してしまった。パニスは、BMWウイリアムズのAピッツォニアと絡んでしまい、1周もすることなくレースを終えてしまった。

チームメイトのリカルド・ゾンタは、オープニングラップの混乱を逃れて安定したレースを展開、1-2フィニッシュしたフェラーリと同周回した最後のドライバーとなった。

ゾンタは「ドライタイヤでの1周目は、グリップしてくれず、難しいことは誰もが分かっていたと思う。重要なのは、僕のように誰とも当たらないことだったが、思っていた以上にタイヤを温めることに時間がかかった。また、他車の後ろに着く度にダウンフォースがすごく失われてしまったようだ。チームのみんなも頑張ってくれ、僕も最大限の努力はしたけど、11位という結果は残念だった」とコメントしている。

パニスが加えて「このようなコンディションではいつも、1周目は予期せぬ状況となる、Mシューマッハーだってスピンしたんだ。チームのドライタイヤでスタートするという判断は正しかったけれど、全くグリップしなかった。第2シケインでピッツォニアと競っている際、アンダーステアーが出てしまい、彼のクルマの後部にぶつかってしまった。これでフロントウイングが壊れ、グラベルから出られず、レースを終えてしまった」とコメントしている。

優勝したRバリチェロは、インターミディエートタイヤでスタートしたが、ドライタイヤに交換するピットインまでに、序盤でマージンを築くことができた。チームメイトのMシューマッハーが1周目の混乱に巻き込まれたのに対し、バリチェロは、トップをキープして優勝することができた。フェラーリの2台は、 BARホンダのJバトンと佐藤琢磨を従えて、今シーズン8回目となる1-2フィニッシュを成し遂げた。5位にBMWウイリアムズのJPモントーヤ、6位にマクラーレン・メルセデスのDクルサード。以下BMWウイリアムズのAピッツォニアとザウバーのGフィジケラがポイントゲットしている。

シャシー担当のテクニカルディレクター、マイク・ガスコインは「チームにとって残念なレース結果となった。1周目にオリビエを失い、リカルドは序盤苦しいレース展開となった。われわれはドライタイヤでスタートすることを決め、それは正しい選択だったが、いつ誰が競争力のあるタイムで走行していたかを判断するのは難しかった。最後の2スティントでクルマは競争力を発揮したのになぜ最初のスティントであれほど多くのタイムをロスしたのかが分からない。残り3レースを引き続き頑張る」とコメントしている。

残りのレースはアジアと南アメリカへ飛ぶ。第16戦は最新設備の素晴らしい上海サーキットで9月26日に開催される。多くのF1関係者は、この華々しいショーが、13億人以上の人口を有し、成長著しい市場の国で開催されることは、F1の歴史に取って、商業的に素晴らしいことであると認識している。