第16戦 中国GP 2004

2004年10月02日(土)

オリビエ・パニス - 中国GPを終えて

上海サーキットは、少し凄すぎると感じてしまうほどに素晴らしいサーキットだ。F1がハイテクであるというなら、上海が正にこれを象徴していると思う。このサーキットの出来といったら、目を見張るものがある。

コースは非常に攻め甲斐があって、とてもトリッキーだ。最初の2日間の練習走行は大いに楽しんだよ。僕は、このサーキットにとても満足している。追い越しができる箇所もあって、とても良いサーキットができたと思う。

一番の抜き所といえば、第13コーナーの後の長いストレートだ。第13コーナーにバンクが着いているので、バンクのおかげでクルマが安定しているので、ダウンフォースを失うことがそれほど問題にならず、前のクルマにぴったり寄せることができるんだ。そして、ヘアピンのセクションでも実際に順位争いが行われていたから、抜き所のひとつと言えるね。その他のセクションは、抜き易いセクションではない。第1コーナーは、コース図だけから判断すると抜ける場所に見えるけれど、実際には、コーナーの入り口がとても速いので難しい。

クルマとの相性を言えば、走行を初めてすぐに、われわれのクルマは、上海で競争力を発揮できることがわかった。それは、まるでインディアナポリスの時のようだった。多分、高い妥協点でのセットアップが必要だという点で似ていたのだと思う。僕らの空力とメカニカルのパッケージから、良いセットアップを見い出すことができた。走り出しからクルマのフィーリングはとても良くて、ストレートで速く、低速のコーナーでも良かった。

とは言っても、僕自身は、週末の間を通して100%満足できているわけじゃなかった。

クルマのセットアップに完璧というのはなかなかなくて、土曜日の練習走行では、クルマのリヤに多くの問題を抱えていた。とても不安定で、オーバーステアーがでてしまい、クルマへの自信が揺らいでしまった。エンジニアのマイク(ガスコイン)とじっくり話し合って、多くの変更をすることにした。スプリング、重量配分、そして車高など全てを換えて、セットアップを完全に変更した。

僕とリカルドは同じようなセッティングをしていたので、二人の状況が違ったのは、不思議だったけれど、それは二人のドライビングスタイルの違いによるものだろう。僕は、初日のセットアップに戻すようにしたら、状況はとても良くなった。

セットアップを換えたことで、クルマは大きく変化した。セットアップの変更は、ちょっとした賭けのような部分があるけれど、第1予選に出走して直ぐに、クルマが断然に良くなっていることがわかった。それで、僕はクルマへの自信も取り戻せたし、積極的に攻めていけた。良い走りができて、決勝で8番手グリッドというのは、チームにとって期待が持てるものだった。

タイヤの評価を行うロングランでは、クルマの調子は良かった。僕らはストレートで速く、ミシュランタイヤの性能は安定していた。スタートライン上で回転が落ちてしまったために、エンジン停止防止装置が作動してしまうというトラブルに見舞われるまで、僕はポイント獲得ができると期待していた。予選での走りが良かっただけに、本当に悔やまれる。

レース以外のことで言えば、上海がとても新しくて都会だと思った。正直言って、どちらかと言えばアメリカンスタイルの街で、中国にいるという感じがしなかったよ。

中国が終わり、われわれは鈴鹿での日本GPに向けて全力を尽くせるよう準備している。トヨタのホームレースなので、チームにとっても重要なレースだ。そして、僕にとっては最後のF1レースとなるだろうから、良い結果を出すために全力で戦い、日本のファンの期待に応えたいと思っている。

がんばります!