第17戦 日本GP 2004
2004年10月08日(金)
F1第17戦日本GP公式練習 大型台風22号の来襲を前に走行開始
大雨に祟られ、J.トゥルーリが唯一TF104Bの慣熟走行。日曜日の天候回復に期待
2004年10月8日(金)(日本・鈴鹿発)
F1世界選手権第17戦日本GPの公式練習が、三重県・鈴鹿市の鈴鹿サーキットで開始された。
大型台風22号が接近し、9日(土)には紀伊半島への上陸が予想され、前線の影響で朝から降り続く雨足が激しさを増す中で、公式練習初日が行われた。
公式練習1回目は、午前11時から1時間にわたって、気温18度、路面温度18度、湿度98%というコンディションの下で、コース上の水溜りをかき分けるように長い水煙の尾を引いて開始された。パナソニック・トヨタ・レーシングは、ヤルノ・トゥルーリとオリビエ・パニスに加え、サードドライバーのライアン・ブリスコが3台体制で臨んだ。しかし、この悪条件下では、1種類のレインタイヤのみの使用となり、本来サードドライバーの役割となるドライ用タイヤの評価選択も不可能なことから、ライアン・ブリスコは、出走を見合わせた。また、決勝レースには、天候の好転が見込まれることから、オリビエ・パニスは悪条件でのセッティングを見送り、1周したのみでタイムは計測されなかった。また、急遽日本GPからTF104Bで出場の決まったヤルノ・トゥルーリが、シート周りや、各種システムの調整、確認のために10周をこなして1分58秒351の14番手タイムを刻んだ。
その後、2時間のインターバルを挟んで午後2時から1時間行われた公式練習2回目は、相変わらず雨が降り続く中、気温17度、路面温度19度、湿度92%というコンディションで行われ、7周をしたヤルノ・トゥルーリが1分50秒386の14番手、1周したオリビエ・パニスは、計測は残らなかった。
なお、大型台風の通過に伴い、明日9日(土)午前中に行われる予定だった公式練習3回目、4回目と、午後の予選を含む、土曜日のスケジュールは全てキャンセルされることが決定した。天候の回復が見込まれる10日(日)、午前9時から予選1回目、10時から予選2回目が行われ、決勝レースは午後2時半から行われる予定。
ヤルノ・トゥルーリ : カーナンバー16 シャシー:TF104/10B
公式練習1回目: 14番手 1分58秒351(トップと10.445秒差) 10周
公式練習2回目: 14番手 1分50秒386(トップと4.998秒差) 7周
「難しいパナソニック・トヨタ・レーシングからのデビュー戦となってしまった。ただ、今まで、TF104Bを雨の中でテストしたことは無く、悪条件の中の走行となったが、有意義な初日だった。とはいえ、とても危険なコンディションで、スピンをしたり、クルマを壊さないことに集中した。周回を重ねたことで、今週末への貴重な経験を積むことが出来た」
オリビエ・パニス : カーナンバー17 シャシー:TF104/09B
公式練習1回目: 計測無し 1周 公式練習2回目: 計測無し 1周
「雨に祟られた1日だった。公式練習の1回目は、様子を見るために一周し、このような悪条件では、セットアップもままならないので、ピットに留まることにした。ヤルノ・トゥルーリが、慣熟走行をしたが、私にとっては、雨の状況でのTF104Bの挙動も分かっているので、その必要も無かった。公式練習2回目も天候は変わらず、他チーム同様にローンチ・コントロールをはじめ、電子制御系の確認を行った。まるで、ボートを運転しているようだったが、特に問題も無く、各部のチェックを行えた」
ライアン・ブリスコ : カーナンバー38 シャシー:TF104/11B
公式練習1回目: 走行せず 公式練習2回目: 走行せず
「レインタイヤしか使用出来ない状況で、私の出番はなかった。レインとドライコンディションの中間仕様のタイヤさえも使用出来ないほどの悪コンディションだった。トヨタのホームGPに出場は出来ないにしても、せめて初めての鈴鹿サーキットを知るチャンスだっただけに残念だ」
マイク・ガスコイン : シャシー部門 テクニカルディレクター
「ライアン・ブリスコとオリビエ・パニスは、トラブル無く1日を終え、ヤルノ・トゥルーリは、初めて雨の中でTF104を走らせ、有意義な周回を重ねることが出来た。確かに、ファンには、周回が少なくて期待はずれとなってしまったが、あまりに、危険過ぎた。ミシュランのレインタイヤの使用本数にも規定があり、レースのために、タイヤを温存するためにライアン・ブリスコは走らなかった。今週末への対応を検討している」
高橋敬三 : 技術コーディネーション担当ディレクター
「ホームグランプリを前に、初日が雨となってしまい、充分な走行が出来なかったことが、心残りだ。この大雨では、満足なセッティングも出来ないので、新たにチームに加わったヤルノ・トゥルーリには、TF104Bに慣れてもらうことに専念した。明日の予選が行われるかどうかは分からないが、日曜日には、天候の回復した鈴鹿サーキットで、良いレースを日本のファンに披露したい」
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