第17戦 日本GP 2004
2004年10月10日(日)
日本GP - 予選・決勝レポート
パナソニック・トヨタ・レーシングにとっての日本GPは、今回で現役を引退する38歳のフランス人ドライバー、オリビエ・パニスが158戦目の鈴鹿で14位フィニッシュして一つの時代が終わりを告げ、そして新たにチームに加わったヤルノ・トゥルーリがトヨタでのデビューレースで11位というチームにとって今後に期待の持てる結果かを残してくれて、もう一つの時代が幕を開けるという二つの感情が入り交じったものとなった。
台風22号の影響を考慮した安全策で土曜日のスケジュールがすべてキャンセルされた結果、2回の予選と決勝が日曜日に行われることが余儀なくされた。実際に台風は直撃しなかったものの、オーガナイザーは、観客の安全を考えて上記の決定をせざるを得なかった。
日曜日の朝9時に予選第1回目のために乾き始めてはいるが、まだ滑りやすいコースへクルマをコースインさせた。驚くべきことに、そこでトゥルーリは、TF104Bで初めて装着したインターミディエートのタイヤで最速のタイムをたたき出して、ドライ状況のコースで行われる最も重要な第2回目予選では最終走者としてアタックすることとなった。
トゥルーリは、今シーズンのチームにとってベストとなる6番手のグリッドを奪取。パニスは10番手グリッドを確保して共にトップ10内のグリッドを得た。金曜日、雨に見舞われた練習走行で確認のためにわずかに2周のみを行ったパニスにとって、実際には予選アタック2度だけでこの位置を得たという彼の頑張りは印象的だった。
今回は、最初から雨に祟られてタイヤのデータがほとんどないという状況下で二人のドライバーは、トゥルーリがミシュランのスタンダード、パニスが柔らかめのタイヤでギャンブルにでるという異なったタイヤの選択を行った。
素晴らしいスタートを切って序盤5番手を走行していたトゥルーリは「不運にもタイヤのグリップが大きく下がってしまってクルマのバランスの安定性とグリップの点で苦しい展開のレースとなってしまった。良かったのは今週末の主な目的だったレースチームとの経験を早めに積むことができたことだ」とコメントしている。
パニスは、ギャンブルに出たミシュランの柔らかめのタイヤを2セット使って「終盤はあまり良くなかった。タイヤが摩耗してしまってクルマのリヤが暴れるような状況になってしまった。できるだけ上位でレースを終えたかったけれど、チームの皆が良い仕事をしてくれて2台共にフィニッシュできた」とコメントしている。
F1で11シーズンを過ごし、1996年にはモナコGPで優勝を飾っているパニスにとって最終ラップは感動的なものとなった。そして、2年間共に戦ったパナソニック・トヨタ・レーシングは、思い出としてF1カーを彼にプレゼントした。
「素晴らしいことだ。本当に感動した。これから休暇を取る。それから来年から始まるチームとの新しい仕事に期待している」とパニスはコメントしている。
今シーズンの最終戦となるブラジルGPではトゥルーリと共にリカルド・ゾンタがホームグランプリに参戦する。
日本GPは、シューマッハー兄弟が席巻した。フェラーリの兄ミハエルが今シーズン13勝目を記録、BMWウイリアムズの弟ラルフが2位。BARホンダのJバトンと佐藤琢磨が3位、4位。以下、ルノーのFアロンソ、マクラーレン・メルセデスのKライコネン、BMWウイリアムズのJPモントーヤ、ザウバーのGフィジケラの順。
シャシー担当テクニカルディレクターのマイク・ガスコインはトヨタのホームグランプリで「われわれのクルマに対してミシュランのタイヤがレース中に摩耗しすぎた。しかし、ヤルノのチームデビューレースは、素晴らしかった。彼はチームにとてもうまくなじんでくれた。グランプリ50レース目を地元の声援を受けながらながら行うというのは良かったし、オリビエの100%の頑張りと2年間の貢献に感謝する。彼の専門知識がわれわれの開発する来シーズンのTF105の鍵を握っている」とコメントしている。
チーム代表の冨田 務は盛大な地元応援団に対して「50戦目となるこのレースに応援に駆けつけてくれたトヨタファン、そして従業員の皆さんに感謝申し上げます。彼らの熱心な応援に敬服すると共にわれわれは、素晴らしい結果を目指して今後がんばります」とコメントしている。
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