第17戦 日本GP 2004
2004年10月10日(日)
第17戦日本GP 惜しくも予選の好調を決勝レースへと結びつけられず
移籍初レースとなったJ.トゥルーリが11位。F1GP最終戦となったO.パニスは14位
2004年10月10日(日)(日本・鈴鹿発)
第17戦日本GPは、大型台風22号の来襲が懸念され、9日(土)に予定されていた公式練習3回目と4回目、そして、予選のすべてが中止。10日(日)に予選1回目と2回目に続いて、決勝レースが行われることとなった。台風22号は進路をずらしたために、鈴鹿サーキットに被害はなかったものの、金曜日には、完成していたグランドスタンド裏のPRブースは一時避難撤去され、再び日曜早朝から設置が行われ、決勝日を待ちわびた観衆も過去最高の15万6千人が午前9時の予選開始を前にグランドスタンドを埋め尽くした。
午前9時から行われた公式予選1回目は、台風一過とはいえ、前線の影響で未明に降った雨がコースを濡らす曇り空の下、気温24度、路面温度24度、湿度90%のウェットコンディションで始められた。前戦中国GPの決勝レース成績順で、14番目にコースインしたオリビエ・パニスは1分40秒029で5番手。20番目にコースインしたヤルノ・トゥルーリは1分37秒716のトップタイムをマーク。その後、午前10時から行われた決勝グリッドを決める予選2回目は、時折太陽も覗き、路面も乾き始めた中で、予選1回目の計測タイムの逆順でタイムアタック。16番目にコースインしたオリビエ・パニスは、1分36秒420で予選10番手。20番目にコースインしたヤルノ・トゥルーリは、1分35秒213を記録し予選6番手から午後の決勝レースに臨むことになった。
決勝レースを前に天候は回復。青空からは強い太陽が照りつけ、気温28度、路面温度32度、湿度78%と、一気に好転。午後2時半に53周の決勝レースがスタートした。パナソニック・トヨタ・レーシングの2台は、予選6番手のヤルノ・トゥルーリが上手いスタートを切り、5位へ躍進。一方、予選10番手のオリビエ・パニスは、先行車に行く手を阻まれ14位から序盤戦へと挑んだ。しかし、両車ともに、タイヤに苦しみ、パナソニック・トヨタ・レーシングでの初戦となったヤルノ・トゥルーリは、11位でフィニッシュ。このレースでF1GPドライバーとして一線を退くオリビエ・パニスは、14位で最後のレースを締めくくった。
優勝はミハエル・シューマッハー(フェラーリ)であった。
ヤルノ・トゥルーリ : カーナンバー16 シャシー:TF104/10B
決勝: 11位 52周/53周
「精一杯戦った結果なので納得している。予選は、とても上手く行き、6番手グリッドを確保出来、スタートでは、5位へと躍進出来た。しかし、レース中にタイヤのグリップレベルが落ちてしまい、クルマのバランスも悪くなり、苦戦を強いられることとなってしまった。私にとって、パナソニック・トヨタ・レーシングでのデビューレースであったが、たくさんの貴重な経験をすることが出来た。この経験こそ、今回、日本GPからTF104Bで出場する大きな目的でもあった」
オリビエ・パニス : カーナンバー17 シャシー:TF104/09B
決勝: 14位 51周/53周
「結果には満足出来ないが、ベストを尽くした。悪天候から、我々のタイヤ選択も制約を受けることになり、決勝レースでは、タイヤの状態が思わしくなく、攻め切れなかった。しかし、日本のレースファンの前で私の最後のレースを完走出来たことは、とても嬉しい。11年間のレースドライバーを退くことは感慨深いが、この2年間、パナソニック・トヨタ・レーシングと共に活動できたことをチームに感謝したい。また、レースドライバーは退くことになるが、サード・ドライバーとして、2年間の契約を結ぶこととなり、さらに挑戦は続ける」
高橋敬三 : 技術コーディネーション担当ディレクター
「2年間一緒に頑張ってくれたオリビエ・パニスに、ありがとうと言いたい。両車ともに、タイヤを上手く使いこなすことが出来ずに苦戦を強いられてしまった。日本のファンの皆さんの声援に応えられなくて、本当に残念だが、次戦、最終戦となるブラジルでは、今シーズンを悔いなくしめくくりたい」
冨田 務 : TMG会長 兼 チーム代表
「とても難しい1日だった。今朝の予選では、両ドライバー共に、トップ10に入るという活躍を見せてくれた。決勝レースでは、オリビエ・パニスは、良いスタートが切れず、レースを通して、柔らかめなタイヤを選んだことで苦しむことになってしまった。一方、固めなタイヤを選択したヤルノ・トゥルーリは、前半、上位争いにも加わったが、タイヤの状態が思わしくなく、惜しくも11位でレースを終えた。ヤルノ・トゥルーリはチームに馴染んでくれたが、難しいデビュー戦となってしまった。我々の50戦目のF1GPに声援を送ってくれたすべてのトヨタファンと従業員に感謝したい。皆さんの熱意には大いに励まされた、これを糧に成果へと結びつけたい。オリビエ・パニスには、この2年間に感謝し、これからの2年間を共に働くことを楽しみにしている」
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