第18戦 ブラジルGP 2004

2004年10月24日(日)

ブラジルGP - 決勝レポート

パナソニック・トヨタ・レーシングにとってブラジルのサンパウロで幕を閉じた2004年のF1シーズン最終戦は、トップから1周遅れでヤルノ・トゥルーリが12位、リカルド・ゾンタが13位という厳しい結果となってしまった。そして、チームは、この冬の間に行う2005年の新レギュレーションに合ったクルマの開発とテストに目を向けている。

ブラジルGPは、コースが少し濡れているコンディションで始まり、一部は急速に乾くがところどころ濡れた路面が残ったので、殆どのドライバーは、インターミディエートタイヤを装着していた。トゥルーリは、素晴らしいスタートを切り、彼のTF104Bは4周目までにはトップ6内まで順を上げていた。そして彼は、5周目に早めにインターミディエートからドライ用のタイヤに交換したが、ハーフウエットのコンディションではタイヤの温度が上がりにくく、難しい展開となった。

「まだ、コースが少し濡れていたので大変な状況だった。あのような状況におけるTF104Bの経験がもう少し必要だったけれど、コースが乾くにつれてどんどん調子が良くなった。ポイントを獲得してシーズンを終えたかったけれど、少なくとも鈴鹿と比較してもパフォーマンスのレベルは良かった。あたたかく迎えてくれたチームに対しても本当に良い印象を得ているので、2005年に向けてトヨタの飛躍に力を尽くしたい」とトゥルーリはコメントしている。

週末を通して風邪に苦しめられたゾンタは、「コースコンディションの変化によっておもしろいレース状況となり、僕はスタートでコースが濡れている時に何台かを抜くことができた。今週末は、新しいスタッフと一緒に闘ったが、彼らは良い仕事をしてくれた。そして地元でレースをするというのは、常に良い気持ちだ」とコメントしている。

先頭では、BMWウイリアムズのJPモントーヤとマクラーレン・メルセデスのKライコネンが最初のピットストップを終えてサイド・バイ・サウイドのトップ争いを演じ、バックストレートでモントーヤが前に出たが、2台は1秒内の差でそのままゴールに突き進んだ。

地元のヒーロー、フェラーリのRバリチェロは、濡れた路面状況に苦しめられて、ポールポジションからスタートしたものの3位でレースを終えている。ルノーのFアロンソは、BMWウイリアムズのRシューマッハー、BARホンダの佐藤琢磨、そしてフェラーリのMシューマッハーとの4台による接戦を制して4位でフィニッシュ。チャンピオンのMシューマッハーは、土曜日のアクシデントの後にエンジン交換を行ったためにスターティンググリッドを10ポジション下げられ、17番手からスタートしている。そして、ザウバーのFマッサが8位に入って1ポイントを獲得した。

チーム代表の冨田 務は「レース結果が今シーズンのわれわれの状態を示している。最終戦にポイントを獲得できなかったのは悔しい。コースが乾いてからは調子が良かったが、まだ所々で濡れている状況ではドライバーにとってはとても大変だった」とコメントしている。

パナソニック・トヨタ・レーシングは、9ポイントを獲得してコンストラクター選手権第8位でシーズンを終えた。シャシー担当のテクニカルディレクター、マイク・ガスコインは「われわれは、来シーズンの初めから目標達成に向けて頑張らなくてはならない。達成は絶対にできるし、達成目前であるとは、全く疑いもない。一足飛びにトップに立つことはできないし、われわれが闘っているのは素晴らしいチーム達ばかりだが、われわれは、目を見張る進歩を遂げると確信している」とコメントしている。