第18戦 ブラジルGP 2004
2004年10月24日(日)
第18戦ブラジルGP 苦戦を強いられるが実り多き3年目を締め括る
刻々と変わる天候と路面コンディションに翻弄 J.トゥルーリ12位。R.ゾンタ13位
2004年10月24日(日)(ブラジル・サンパウロ発)
F1世界選手権第18戦ブラジルGPの決勝レースが10月24日(日)ブラジル・サンパウロ郊外のインテルラゴス・サーキットで行われた。
ブラジルGPは、’73年の初開催から3月~4月の序盤戦として行われてきたが、今シーズンは史上初の最終戦。南半球に訪れた初夏の陽気とはいえ、はっきりしない曇り空から、時折小雨がぱらつき、午後の天気は、予報では降水確率50%。各チーム共、空を仰ぎ、戦線恐々と、午前中を準備に費やした。その予報通り、午後1時半過ぎにグリッドに並んだF1カーには、大粒の雨。いっそうの慌しさの中で午後2時の決勝レースのスタートを迎えた。幸いに雨は上がったものの、路面は、ウェット状態の下、気温24度、路面温度27度、湿度79%のコンディションで、71周にわたる今季最終戦がスタート。パナソニック・トヨタ・レーシングの2台は、共に上手いスタートを切り、ヤルノ・トゥルーリは6位から、母国GPを戦うリカルド・ゾンタは10位から序盤戦を開始した。しかし、天候と共に、刻々と変わる路面コンディション苦しみ、ヤルノ・トゥルーリは12位、リカルド・ゾンタは13位でパナソニック・トヨタ・レーシングのF1参戦3シーズン目を締め括った。
優勝は、J.モントーヤ(ウィリアムズBMW)であった。
ヤルノ・トゥルーリ : カーナンバー16 シャシー:TF104/10B
決勝: 12位 70周/71周
「難しいレースだった。上手くスタート出来、6位へと躍進は出来たが、ウェットコンディションでは苦戦を強いられた。これは、TF104Bにまだ慣れていないことも影響し、路面がドライコンディションになるまで苦戦を強いられた。ベストを尽くしたが、ポイントの獲得には、至らなかった。しかし、前戦日本GPに比べ、TF104Bを理解できたことは収穫だった。ポイントを獲得してシーズンを締め括れなかったことは残念だが、今シーズン最後の2戦に出場するチャンスを与えてくれて、温かく歓迎してくれたチームに感謝したい。2004年シーズンは、私にとって最も良いF1シーズンとなったが、大きな可能性を秘めたパナソニック・トヨタ・レーシングと共に2005年シーズンをさらに良いシーズンにしたい」
リカルド・ゾンタ : カーナンバー17 シャシー:TF104/09B
決勝: 13位 70周/71周
「絶えず変化するコンディションで繰り広げられたエキサイティングなレースだった。レース序盤のウェットコンディションでもスピードは得られ、先行車に追いつくことさえ出来ていた。しかし、終盤戦ではバランスに問題を抱え、苦戦を強いられてしまった。この週末は、体調もすぐれなかったが、母国ブラジルのファンの前で戦えたことには満足している。今週末頑張ってくれた新しいチームスタッフと、今シーズンも支えてくれたチームに感謝したい」
マイク・ガスコイン:シャシー担当 テクニカル・ディレクター
「今シーズンを頑張ってくれた全てのスタッフに感謝する。なかなか、結果に結びつかない苦しいシーズンであったが、全員が凄まじい仕事量をこなしてくれた。我々は、すでに来シーズンを見据えているが、これまでの努力が、来シーズンこそ実ることを楽しみにしている」
高橋敬三 : 技術コーディネーション担当ディレクター
「濡れた路面でのスタートから刻々と変わる路面コンディションの中で、TF104Bの持てる力は発揮した。しかし、難しいコンディションの中で、ダウンフォース不足を克服するには至らなかった。今シーズンは、さらに多くの事を学んだので、その全てを糧に、年末には出来上がる、期待のTF105で、心機一転、来シーズンの飛躍を目指す」
冨田 務 : TMG会長 兼 チーム代表
「パナソニック・トヨタ・レーシングの誰もが、ポイントの獲得を逃したことを悔やんでいると思う。コースが乾いた終盤戦では、とくにヤルノ・トゥルーリは、トップグループと遜色のない速さを発揮していた。しかし、ウェットとドライが混在するコンディションでは、苦戦を強いられ、後退せざるを得なかった。今週末は、予選までの手応えからも、ドライコンディションであってほしかった。今シーズンを戦った、レースチーム、そして、ケルンに働く全てのチームスタッフの労をねぎらいたい。そして、声援し続けてくれるトヨタファミリーとファンの全てに感謝の気持ちを表したい」
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