ティモ・グロック -レースドライバー カーナンバー10--
ティモ・グロック プロフィール
ティモ・グロックは2008年、順調に、そして真の意味でF1ドライバーとなり、パナソニック・トヨタ・レーシングにとってこれまでの最高位フィニッシュと同じ、2位表彰台を獲得。そして経験豊かな彼のチームメイトであるヤルノ・トゥルーリと僅差での争いを繰り広げるなど、彼自身が将来のスターであることを示した。
ティモの2004年、ジョーダンチームでのスポット参戦としてF1デビューを果たしている。しかし、昨年GP2シリーズチャンピオンとしてパナソニック・トヨタ・レーシングに加わった彼は、08年の1年間で大きく成長を遂げた。
ティモのフルタイムF1ドライバーへの旅はついに最終地点に到達した。フォーミュラBMW及びドイツF3における成功により、短期間のみGPの洗礼を受けたティモは、その後、チャンプカー及びGP2シリーズでその評価を少しずつ高めていった。
それは頂点へ向かうには遠回りに見えるかも知れない。しかし、ティモのケースでは、上手く行くということを証明した。「私にとって、非常に厳しい時期があった」とティモは明かした。「しかし、全ての時点で、私は諦めないと自分自身に言い聞かせた。私は不運と戦い、それはF1ドライバーという形で報われた」
GP2シリーズタイトルを獲得したティモは、F1ドライバーへのパスポートを手にした。しかし、このF1というスポーツは、彼がGPにデビューしていた頃とは大きく変化しており、もちろん言うまでもなくドライバーとしてのティモも大きく変わっていた。新たな規則は、F1カーが更に速さを増していることを意味しており、ティモはジョーダン時代よりも高い評価を得ていた。しかし、高い期待と共にチームに加わったティモは、すぐに彼ならではの優れたキャラクターを発揮した。
2007年12月の寒い日に、スペインのヘレス・サーキットでティモがトヨタでのデビューを果たした。このときの新ドライバーの第一印象は、今チームの誰に尋ねても、その答えは、信じられないほど熱心に働くということで一致していた。
その印象は、2008年初頭にティモがケルンの、エンジニアが働くファクトリーの近くに引っ越したことでより強まった。彼は説明する。「新しいチームや新しいレースカーに順応するのは容易ではなく、やらなければならないことが多くあるというのは分かっていた。私がチームと共に改良のために働く時間を更に増やせるという点で、ファクトリーの近くに住むことには意味がある」
ティモが“TF108”を初めてドライブしたのは1月のことであり、その瞬間からずっと彼は、チームメイトであるヤルノ・トゥルーリと同じレベルで競い合うために必要なハードワークを開始した。彼は大きな進歩を遂げたが、それでも、シーズン序盤の数戦では、必要なレベルに達するまでに更にやるべきことが残っていた。
「開幕の数戦で私はポイントを獲得できなかった。部分的に、まだ私のドライビングスタイルをセットアップに完全に合わせ切れておらず、自分自身も学んでいる最中だったのだが、それだけではなく、かなりの不運もあった」と彼は語った。「ドライバーとして自分自身が成長し、全力で“TF108”を理解しなくてはならなかった。私はアンダーステア傾向のレースカーは好みではなかったので、私のドライビングスタイルも矯正する必要があった」
皮肉にも、恐らく“TF108”にとってシーズンを通して最も競争力の低いレースだったであろうカナダGPが、ティモにとって結果を得たという意味での転機となった。巧妙な戦略と困難なコンディション下での奮闘によって、短時間ながら、ティモはチャンピオンを争うフェラーリのフェリペ・マッサを抑え、首位を走行。4位でフィニッシュした。
ひどいアクシデントによってレースを終えることとなってしまったが、ドイツGPでティモは素晴らしい走りを見せ、F1での存在感をはっきりと示すこととなった。ホッケンハイムでのクラッシュの直後、ティモはハンガリーGPで目覚ましいパフォーマンスを見せ2位フィニッシュ。今ティモがF1で成功できる能力を持っているということに誰も疑いの余地はないだろう。「良い進歩を遂げられた1年だったと感じている。ハンガリーでは2位に入って表彰台を獲得できた。私のF1フル参戦初年度は完璧な結果だった」と彼は付け加えた。
ティモはシーズン終盤の8レースで、トゥルーリよりも多くのポイントを獲得した。このことはパナソニック・トヨタ・レーシングが、現在において最高のドライバーラインナップの一つを持っているという事実を際だたせている。
ティモ・グロック 経歴*2008年終了時点
- GP デビュー
- 2004 年カナダGP
- GP出走回数*
- 22
- GP最高順位
- 2位
- 表彰台獲得数
- 1
- 勝利数*
- 0
- ポールポジション獲得回数*
- 0
- 通算獲得ポイント*
- 27
- シリーズ最高位
- 10位 (2008)
- 2000年
- ADAC フォーミュラBMWジュニアカップ: シリーズチャンピオン
- 2001年
- ADAC フォーミュラ BMW: シリーズチャンピオン
- 2002年
- ドイツF3 選手権: シリーズ3 位(ルーキー・オブ・ザ・イヤー)
- 2003年
- F3 ユーロシリーズ:シリーズ5位 (3 勝)
- 2004年
- F1 – ジョーダンチーム テスト/レースドライバー 19位2ポイント
- 2005年
- チャンプカー・ワールドシリーズ参戦:シリーズ8位(ルーキー・オブ・ザ・イヤー)
- 2006年
- GP2シリーズ参戦:シリーズ4位(2勝)
- 2007年
- GP2シリーズ参戦:シリーズチャンピオン(5勝)
F1 – BMW ザウバーチーム テストドライバー - 2008年
- F1 - パナソニック・トヨタ・レーシング:シリーズ10位(25ポイント)