2008年5月 3日(土)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第10戦 Crown Royal 400

開催日:5月3日

"トヨタ カムリ"のカイル・ブッシュが2位フィニッシュ

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"トヨタ カムリ"のデニー・ハムリン(#11)とカイル・ブッシュ(#18)が1-2体制で再スタート

 NASCARスプリント・カップ・シリーズ第10戦「Crown Royal 400」が5月3日(土)米国東部バージニア州リッチモンドのリッチモンド・インターナショナル・レースウェイで開催された。
 リッチモンド・インターナショナル・レースウェイは50年以上の伝統を誇る0.75マイル(約1.2km)のD型オーバル。

 2日(金)5時半から行われた予選では、地元バージニア州出身のデニー・ハムリンがポールポジションを獲得。チームメイトのカイル・ブッシュが7番手につけ、エントリーした10台の"トヨタ カムリ"全車が予選を通過、決勝レースへと駒を進めた。
 また、ハムリンは予選直後に行われたネイションワイド・シリーズ第11戦でも見事勝利を飾り、リッチモンドでの完全勝利を目指し決勝へと挑んだ。

 3日(土)午後7時50分に0.75マイルオーバルを400周(300マイル:約480km)で競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのハムリンは好スタートを切り、後続勢を大きく引き離し、首位を独走した。229周目には11台が巻き込まれる大クラッシュが発生し、赤旗中断となるなど、多くのクラッシュ、イエローコーションが出されたレースとなったが、ハムリンは再スタートでもポジションを譲ることなく、ピットイン時の1周を除き、全ての周回でトップを走り続ける圧倒的な強さでレースを支配した。
 しかし、残り20周余りとなった時点でハムリンはスローパンクチャー(徐々にタイヤの空気が抜けていく)症状に見舞われてしまった。これでハムリンはペースダウンを余儀なくされ、首位を争っていたKy.ブッシュとデイル・アーンハート・Jr.(シボレー)が両サイドから同時にハムリンをパス。
 ポジションを落としながらも走行を続けたハムリンだったが、389周目についにタイヤがバーストし、スローダウン。ピットへ戻ったものの、首位争いから無念の脱落となってしまった。
 ハムリンのトラブルによりこの日10度目のイエローコーションとなり、395周目、アーンハート・Jr.が首位、Ky.ブッシュが2位で再スタートが切られた。再スタート直後から2台はサイド・バイ・サイドで激しく首位を争い、第3ターンで接触。アーンハート・Jr.はウォールにクラッシュ、Ky.ブッシュもクラッシュこそしなかったものののスピンを喫し、首位の座を奪われてしまった。
 その後10周に渡るこの日最後のイエローコーションの後、409周目に「グリーン・ホワイト・チェッカー」による2周スプリントでレースは決されることとなり、2位のKy.ブッシュは逆転を狙ったが惜しくも叶わず。2位でフィニッシュ。トニー・スチュワートが4位に入った。
 この結果、Ky.ブッシュはドライバーズランキングで首位に浮上した。

 次戦第11戦は5月10日(土)米国東南部サウスカロライナ州ダーリントンのダーリントン・レースウェイで開催される。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「残念な結果となってしまったが、これもレースだ。デニー(・ハムリン)と彼の"トヨタ カムリ"は本当に速かった。ピットでもコース上でも完璧で、地元でのレースを支配していた。それだけに、今彼がどんな気分なのか想像も出来ない。最後の接触については、アーンハート・Jr.と私は激しい戦いを繰り広げながら、第3ターンに進入して行った。私はもう少し下のラインを取れただろうし、彼ももう少し上のラインを取れただろうが、それもハードなレースの結果だ。素晴らしい"トヨタ カムリ"を仕上げてくれたスタッフには申し訳なく思っている。しかし、2位に入って多くのポイントが獲得できたのは良かった」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 31 7 クリント・ボウヤー シボレー 410
2 7 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 410
3 2 8 マーク・マーティン シボレー 410
4 15 20 トニー・スチュワート トヨタ カムリ 410
18 17 22 デイブ・ブレイニー トヨタ カムリ 408
22 14 44 デビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 407
24 1 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 407
28 32 83 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 406
34 43 96 J.J.イェリー トヨタ カムリ 365
37 27 55 マイケル・ウォルトリップ トヨタ カムリ 352
39 18 84 A.J.アルメンディンガー トヨタ カムリ 259
40 29 0 マイケル・マクドウェル トヨタ カムリ 258
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 カイル・ブッシュ トヨタ 1495
2 ジェフ・バートン シボレー 1477
3 デイル・アーンハート・Jr. シボレー 1391
6 デニー・ハムリン トヨタ 1349
8 トニー・スチュワート トヨタ 1297
17 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 1073
30 デイビッド・ロイティマン トヨタ 861
32 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 760
35 デイブ・ブレイニー トヨタ 655
36 J.J.イェリー トヨタ 612
42 マイク・スキナー トヨタ 423
44 マイケル・マクドウェル トヨタ 338
50 A.J.アルメンディンガー トヨタ 129
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 64
2 トヨタ 60
3 フォード 55
4 ダッジ 41

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第11戦 Lipton Tea 250

開催日:5月2日

"トヨタ カムリ"シリーズ5連勝! デニー・ハムリンが地元で嬉しい初勝利を挙げる

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地元バージニア州のリッチモンド戦での初勝利を挙げたデニー・ハムリン

 5月2日(金)リッチモンド・インターナショナル・レースウェイでNASCARネイションワイド・シリーズ第11戦「Lipton Tea 250」が開催された。

 今大会はネイションワイド・シリーズのスケジュールは全て1日で行われるワンデイ・イベント。午前8時45分からの公式練習の後、スプリント・カップ・シリーズの公式練習を経て、午後4時から予選が行われた。予選では、地元出身のデニー・ハムリンが"トヨタ カムリ"勢最上位の3番手グリッドを獲得。デビッド・ロイティマンが8番手、ジェイソン・リフラーが11番手。マイク・ウォレスが18番手につけたが、シリーズ3勝を挙げているカイル・ブッシュはセッティングに苦しみ、25番手スタートとなった。

 午後7時50分、0.75マイルオーバルを250周(187.5マイル:約300km)で競われる決勝レースがスタート。
 3番手スタートのハムリンは、首位にこそ立たないものの常にトップ5圏内で走行。トップ浮上のチャンスを窺いながらのレースとなった。
 ゴール目前となった228周目、この日7度目のコーションが出されると、4位走行中のハムリンはピットインし、給油と共にタイヤを交換。しかし、他の上位勢はピットインせずにコース上に留まる判断を採った。その後、再スタート直後のクラッシュで再びイエローコーションとなり、長いイエローコーションの後、残り12周で再スタートが切られると、ハムリンは目の覚めるような走りを見せ、前走車を次々とパス。残り9周で首位に立つと、更に後続との差を拡げて行った。
 残り4周の時点で出されたイエローコーションにより、レースは最後の2周で勝負を決することとなったが、ハムリンは危なげなく最後のスプリントも制し、地元リッチモンドでの初勝利を挙げた。
 一方、25番手と後方からのスタートとなったKy.ブッシュはレース中も苦戦し、中団グループでの戦いを余儀なくされたが、ピットでの調整が効を奏し、徐々にポジションを挽回。終盤にはハムリンと共に上位争いを繰り広げ、3位でフィニッシュした。

 次戦第12戦は5月9日(金)ダーリントン・レースウェイでスプリント・カップ・シリーズとの併催で行われる。

ドライバー デニー・ハムリン:
「地元のリッチモンドで勝てたということが信じられない。カップ・シリーズや他の全てのレースを含めても、私にとってはこれまでで最大の勝利だ。リッチモンドで勝てたことは、私にとって多くの意味を持っている。今日は最初からずっと調子が良かったというわけではなかった。しかし、クルーチーフがレース中もずっと"トヨタ カムリ"を改良するための努力を続けてくれた。我々にとって信じられない勝利だ。私はいつも、リッチモンドでは勝てる状況が巡ってこないと言っていた。我のレースカーが最高でも、最悪でも、決して勝てないかのように思われた。終盤、ライバル達はピットインせず、タイヤを交換しないという判断をしたとき、我々はまた勝てないのかと思った。しかし、地元のファンの前で念願の勝利を挙げることが出来、本当に素晴らしい気分だ」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 3 20 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 253
2 6 33 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 253
3 25 32 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 253
13 18 7 マイク・ウォレス トヨタ カムリ 253
16 11 38 ジェイソン・リフラー トヨタ カムリ 253
18 8 99 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 251
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 クリント・ボウヤー シボレー 1565
2 カール・エドワーズ フォード 1556
3 カイル・ブッシュ トヨタ 1553
6 デイビッド・ロイティマン トヨタ 1407
8 ジェイソン・リフラー トヨタ 1342
9 マイク・ウォレス トヨタ 1297
23 トニー・スチュワート トヨタ 806
24 デニー・ハムリン トヨタ 795
40 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 472
67 ジェイムス・ビュッシャー トヨタ 109
76 マイケル・マクドウェル トヨタ 82
87 ミシェル・ジョルダインJr. トヨタ 55
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 77
2 シボレー 70
3 フォード 56
4 ダッジ 39