2008年6月 8日(日)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第14戦 Pocono 500

開催日:6月8日

"トヨタ カムリ" 2-3フィニッシュ

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自身今季最上位の2位でフィニッシュしたブライアン・ヴィッカーズ

 NASCARスプリント・カップ・シリーズ第14戦「Pocono 500」が6月8日(日)米国東部ペンシルバニア州ロングポンドのポコノ・レースウェイで開催された。
 この週末は、スプリント・カップ・シリーズがペンシルバニア州のポコノ、ネイションワイド・シリーズがテネシー州のナッシュビル、クラフツマン・トラック・シリーズがテキサス州のテキサスと、トップ3カテゴリーが全く異なる州、異なる場所でのレース開催となるが、カイル・ブッシュが、この3レース全てに参戦することで注目を集めた。同じ週末、異なる3カ所で行われる3レース全てに、1人のドライバーが出場するのは史上初めての挑戦となる。

 6日(金)午後3時半からスプリント・カップ・シリーズの予選が行われ、A.J.アルメンディンガーが"トヨタ カムリ"勢トップの8番手で予選を通過。Ky.ブッシュも10番手につけ、9台の"トヨタ カムリ"が決勝へと駒を進めた。
 予選を終え、すぐにテキサスへと飛んだKy.ブッシュは、クラフツマン・トラック・シリーズで見事2位フィニッシュ。レース後再びポコノへと戻り、7日(土)の公式練習へと臨んだ。しかし、午前中の公式練習でKy.ブッシュはクラッシュ。車体のダメージは大きく、Ky.ブッシュは決勝レースで、スペアカーへの乗り換えを余儀なくされた。このため、予選で10番手グリッドを獲得していたKy.ブッシュだったが、決勝レースでは最後尾からのスタートとなってしまった。

 6月8日(日)午後2時19分に2.5マイルオーバルを200周(500マイル:約800km)の長丁場で競われる決勝レースがスタート。12番手スタートのトニー・スチュワートと16番手スタートのデニー・ハムリンが序盤から一気にポジションを上げ、8番手スタートのアルメンディンガーと共に上位争いに加わった。
 一方、土曜日の夜もテネシーへと飛び、ネイションワイド・シリーズを戦ってポコノへと戻ってきたKy.ブッシュは、最後尾スタートから徐々にポジションを上げていったが、19位走行中の47周目、最終コーナー立ち上がりで他車と接触してバランスを崩し、壁にクラッシュ。ガレージでの修復を余儀なくされた。
 レースはイエローコーションの多発した前半戦から一転、後半はイエローコーションの少ない展開となった。終盤、トップ5圏で戦っていたハムリンとスチュワートだったが、 171周目のピットインで、スチュワートはピットレーンスピード違反のペナルティのため、無念の後退。176周目にこの日最後のイエローコーションが出されると、上位勢はピットイン。 166周目に、グリーン下でのピットを終えていたヴィッカーズはコースに残り、首位に浮上した。
 しかし、終盤タイヤが厳しくなったヴィッカーズは、新しいタイヤに交換した後続の猛追を受け、185周目にはケイシー・ケイン(ダッジ)に首位の座を譲ることとなった。また、9位で最後の再スタートを切ったハムリンも素晴らしい追い上げを見せ、ヴィッカーズとテール・トゥ・ノーズでの激しい2位争いとなった。しかし、最後はヴィッカーズが逃げ切り、自身今季最上位となる2位でフィニッシュ。ハムリンが3位。34台がトップと同一周回フィニッシュという激戦となったが、常にトップ10圏内でレースを戦ったA.J.アルメンディンガーが、やはり自身最高位となる12位に入った。
 Ky.ブッシュは2時間余りに渡るガレージでの修復の末、コースへ復帰し、最後尾43位でフィニッシュ。Ky.ブッシュはドライバーズランキングで21ポイントまで詰め寄られたものの、首位の座を守った。

 次戦第15戦は6月15日(日)米国北東部ミシガン州ブルックリンのミシガン・インターナショナル・スピードウェイで開催される。

ドライバー ブライアン・ヴィッカーズ:
「2位という結果は嬉しいが、満足はしていない。この結果は多くの意味を持つ。昨日までは苦戦していたが、昨夜から今日にかけてチームは全てをこなし、多くの変更を行ってくれた。素晴らしい仕事をしてくれたチームスタッフを誇りに思う。レースの終盤は、コース上で最も速い1台だった。しかし、タイヤがもたなかった。我々は採りうる限り最善の戦略を採り、最高の"トヨタ カムリ"をドライブしていた。しかし、優勝したケイシー・ケインは更に良いタイヤを持っていたということだ。いつか我々はここで勝利を挙げることが出来るだろう。今日は多くのことを得たレースとなった」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 1 9 ケイシー・ケイン ダッジ 200
2 15 83 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 200
3 16 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 200
12 8 84 A.J.アルメンディンガー トヨタ カムリ 200
19 36 44 デビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 200
22 32 22 デイブ・ブレイニー トヨタ カムリ 200
27 39 0 マイケル・マクドウェル トヨタ カムリ 200
35 12 20 トニー・スチュワート トヨタ カムリ 199
37 19 55 マイケル・ウォルトリップ トヨタ カムリ 199
43 10 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 95
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 カイル・ブッシュ トヨタ 2084
2 ジェフ・バートン シボレー 2063
3 デイル・アーンハート・Jr. シボレー 1939
5 デニー・ハムリン トヨタ 1800
12 トニー・スチュワート トヨタ 1614
17 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 1502
25 デイビッド・ロイティマン トヨタ 1289
29 デイブ・ブレイニー トヨタ 1150
35 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 1064
36 J.J.イェリー トヨタ 842
39 マイケル・マクドウェル トヨタ 644
43 A.J.アルメンディンガー トヨタ 493
45 マイク・スキナー トヨタ 423
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 88
2 シボレー 79
3 フォード 76
4 ダッジ 65

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第15戦 Federated Auto Parts 300

開催日:6月7日

"トヨタ カムリ"のデビッド・ロイティマンが3位フィニッシュ

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3位でフィニッシュしたデビッド・ロイティマンの"トヨタ カムリ"

 6月7日(土)米国南部テネシー州レバノンのナッシュビル・スーパースピードウェイでNASCARネイションワイド・シリーズ第15戦「Federated Auto Parts 300」が開催された。

 7日(土)午後3時から予選が開始。前戦ドーバーでネイションワイド・シリーズにデビュー、予選で9番手、決勝でも6位という活躍を見せた18歳のルーキー、ジョーイ・ロガーノが、デビュー2戦目にしてポールポジションを獲得した。
 前夜、遠く離れたテキサスでクラフツマン・トラック・シリーズを戦い、2位に入ったカイル・ブッシュは、レース終了後すぐにポコノへと戻り、スプリント・カップ・シリーズの練習走行をこなした後、ナッシュビルへと移動。予選を戦い、5番手グリッドを確保。マイク・ウォレスが9番手でトップ10グリッドに入り、6台の"トヨタ カムリ"が決勝へと臨んだ。

 午後7時、1.333マイルオーバルを225周(300マイル:約480km)で競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのロガーノから5番手グリッドのKy.ブッシュまで、上位5台はスタートの順位を保ったまま序盤戦へ突入。その後方では、14番手スタートのデビッド・ロイティマンが一気にポジションを上げ、17周目には6位まで浮上した。
 しかし、87周目にロガーノは激しい接近戦の中で接触からスピンを喫し、壁にクラッシュ。車体に大きなダメージを負い、修復のために後退を余儀なくされた。
 その後は、好調なロイティマンとKy.ブッシュがトップ5圏内での上位争いを展開したが、176周目に5位走行中のKy.ブッシュが突然スローダウン。右フロントタイヤのパンクに見舞われ、ピットイン。21位までポジションを落とすこととなってしまった。
 一方でロイティマンは175周目に首位を奪取。後続を大きく引き離しながら40周以上に渡ってトップを快走し、そのまま逃げ切るかと思われた。しかし、チェッカーまで残り13周の時点でこの日10回目のイエローコーションが出され、マージンは0となり、残り8周で再スタート。
 サイド・バイ・サイド、テール・トゥ・ノーズでの首位争いがファイナルラップまで続いたが、ロイティマンは惜しくも首位の座を守ることが出来ず、3位でチェッカー。"トヨタ カムリ"のシリーズ9連勝はならなかった。

 次戦第16戦は6月14日(土)米国中東部ケンタッキー州スパルタのケンタッキー・スピードウェイで行われる。

ドライバー デビッド・ロイティマン:
「上手く行かないレースだった。我々は勝てる"トヨタ カムリ"を持っていたが、最後のイエローコーションで全てが終わってしまった。レースで勝つというのは容易ではないが、終盤あのようにレースをリードして、勝てるチャンスを得ながら、それが果たせなかったのは残念だ。最後のリスタートの後、No.2(クリント・ボウヤー:シボレー)が私の後方に入り、私はオーバーステア症状に見舞われてしまった。接触することはなかったが、彼がぎりぎりまで接近してきたことで、私の"トヨタ カムリ"は不安定になり、アウトへふくらまざるを得ず、ポジションを失ってしまった。彼に後方に張り付かれた時点で、私のレースは終わってしまった」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 2 88 ブラッド・ケセロウスキー シボレー 225
2 13 64 デビッド・ストレム シボレー 225
3 14 99 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 225
6 9 7 マイク・ウォレス トヨタ カムリ 225
20 5 32 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 222
26 26 38 ジェイソン・リフラー トヨタ カムリ 219
31 1 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 183
33 23 99 ジョシュ・ワイズ トヨタ カムリ 154
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 クリント・ボウヤー シボレー 2198
2 デビッド・ロイティマン トヨタ 2032
3 カイル・ブッシュ トヨタ 2010
9 マイク・ウォレス トヨタ 1779
10 ジェイソン・リフラー トヨタ 1719
19 デニー・ハムリン トヨタ 1160
25 トニー・スチュワート トヨタ 1001
37 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 632
76 ジェイムス・ビュッシャー トヨタ 109
84 マイケル・マクドウェル トヨタ 82
96 ミシェル・ジョルダインJr. トヨタ 55
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 110
2 シボレー 95
3 フォード 73
4 ダッジ 52

NASCAR CRAFTSMAN TRUCK SERIES
第9戦 Sam's Town 400

開催日:6月6日

"トヨタ タンドラ"のカイル・ブッシュが最後尾から追い上げ2位

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最後尾スタートから2位フィニッシュを果たしたカイル・ブッシュ

 NASCARクラフツマン・トラック・シリーズの第9戦「Sam's Town 400」が、6月6日(金)に米国南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイで開催された。

 5日(木)午後7時から行われた予選では、ルーキーのジャスティン・マークスが自身初のポールポジションを獲得。マイク・スキナーが2番手で最前列グリッドを確保し、トッド・ボダインが6番手、デビッド・スターが7番手につけた。この週末異なるコースで開催される3カテゴリー全てに参戦することで注目を集めたカイル・ブッシュは予選を走行せず。J.R.ノリスが51番車の"トヨタ タンドラ"を駆り、17番手グリッドを確保した。

 6日(金)午後8時半に1周1.5マイルのハイバンクオーバルを167周(250マイル:約400km)で競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのマークスは、スタート直後に後続勢に首位の座を明け渡してしまったが、2番手スタートのスキナーが首位に立ったロン・ホーナディ(シボレー)の後方で上位争いを展開した。
 注目のKy.ブッシュは、スプリント・カップ・シリーズの予選を走行した後、3時間ほどのフライトで、クラフツマン・トラック・シリーズ決勝スタートの僅か1時間前にテキサスに到着し、レースに出場。予選時のドライバーズミーティングに出席しなかったため、最後尾からのスタートとなった。
 Ky.ブッシュは公式練習や予選で全くドライブしていない"トヨタ タンドラ"のセッティングが合わず、序盤は苦戦を強いられるも、ピットイン毎に調整を加え、目覚ましい勢いでポジションを上げて行った。
 Ky.ブッシュは30周目には16位、53周目にはトップ10圏内まで浮上。終盤には上位争いに加わり、157周目の再スタートで素晴らしいスタートを切って2位に浮上、首位を行くホーナディを追った。
 レースは終了目前にスコット・スピードがクラッシュ。"グリーン・ホワイト・チェッカー"で勝利を決することとなった。Ky.ブッシュは懸命に首位を追ったが及ばず、0.283秒差で2位フィニッシュとなった。3位にジョニー・ベンソン、5位にボダイン、9位にスキナーが入り、4台の"トヨタ タンドラ"がトップ10フィニッシュを果たした。
 次戦第10戦は6月14日(土)ミシガン・インターナショナル・スピードウェイでスプリント・カップ・シリーズとの併催で行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「最初はアンダーステア症状が強く、更なるグリップを得るために調整しなくてはならなかった。私は練習走行もしていなかったので、タイヤがどのような挙動を示すかも分からなかった。中盤まではとにかく耐えるレースだった。しかし、2位でフィニッシュ出来たというのは、チームにとって非常に重要なことだ。チームと共にクラフツマン・トラック・シリーズを戦ったここ数週間は、苦戦を強いられてきた。前戦ドーバーでも、第6戦シャーロットでも、我々は上手く行かなかった。今日も勝利には届かなかったものの、大きく前進することが出来たと思う。これで、次戦ミシガンへは、勝つために臨めるだろう」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 3 33 ロン・ホーナディ シボレー 172
2 17 51 カイル・ブッシュ トヨタ タンドラ 172
3 15 23 ジョニー・ベンソン トヨタ タンドラ 172
5 6 30 トッド・ボダイン トヨタ タンドラ 172
9 2 5 マイク・スキナー トヨタ タンドラ 172
12 23 15 マーク・ミッチェル トヨタ タンドラ 172
14 1 9 ジャスティン・マークス トヨタ タンドラ 172
16 12 60 テリー・クック トヨタ タンドラ 172
26 16 22 スコット・スピード トヨタ タンドラ 164
27 7 11 デビッド・スター トヨタ タンドラ 147
28 14 59 テッド・マスグレイブ トヨタ タンドラ 146
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ロン・ホーナディ シボレー 1302
2 マット・クラフトン シボレー 1257
3 ジョニー・ベンソン トヨタ 1247
4 トッド・ボダイン トヨタ 1237
7 マイク・スキナー トヨタ 1202
9 テリー・クック トヨタ 1164
10 デビッド・スター トヨタ 1145
13 カイル・ブッシュ トヨタ 1059
15 テッド・マスグレイブ トヨタ 1050
17 ジャスティン・マークス トヨタ 977
23 スコット・スピード トヨタ 815
27 マーク・ミッチェル トヨタ 694
30 シェイン・ジーグ トヨタ 494
31 フィリップ・マギルトン トヨタ 491
48 クリシー・ウォレス トヨタ 109
50 デニー・ハムリン トヨタ 105
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 63
2 トヨタ 59
3 フォード 41
4 ダッジ 35