2008年9月14日(日)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第27戦 Sylvania 300

開催日:9月14日

"チェイス"進出の2台がトップ10フィニッシュ

写真
苦しいレースで8位フィニッシュを果たしたトニー・スチュワート(#20)

 NASCARスプリント・カップ・シリーズ第27戦「Sylvania 300」が9月14日(日)米国東部ニューハンプシャー州ロードンのニューハンプシャー・モーター・スピードウェイで開催された。
 シーズンも今大会を含め残り10戦となり、前戦までのランキング上位12名による"チェイス・フォー・ザ・スプリント・カップ(通称チェイス)"がスタート。"トヨタ カムリ"勢では、カイル・ブッシュ、デニー・ハムリン、トニー・スチュワートの3名が"チェイス"入りを果たし、チャンピオンを争うこととなった。

 12日(金)午後3時から予定されていた予選は、降雨のために中止となり、NASCARのルールに則り、決勝のグリッドはオーナーポイント順で決定された。この結果、Ky.ブッシュがポールポジション。ハムリンが6番手、スチュワートが8番手グリッドを獲得。"トヨタ カムリ"は10台が決勝へ進んだ。
 前戦も同様に雨で予選が中止となったため、初のカップ戦出場がならなかった18歳のルーキー、ジョーイ・ロガーノは、今大会、96号車で出場。40番手グリッドから初のカップ戦決勝へと挑むこととなった。

 決勝レースが行われた14日(日)は、午前中降り続いた雨も止み、ジェットドライヤーカーで路面を乾かした後、午後2時29分に1.058マイルオーバルを300周(317マイル:約510km)して競われる決勝レースのグリーンフラッグが振られた。
 ポールポジションのKy.ブッシュは、スタートから最初の3周は首位を守ったものの、メカニカルトラブルに起因するハンドリングの不調に苦しみ、徐々にポジションダウン。 35周目のコンペティション・コーション(予定されたコーション)までそのまま走行を続けたものの、その後ピットでの修復を余儀なくされ、大きく後退してしまった。
 一方、8番手スタートのスチュワートは快調にポジションを上げ、35周目のコーションの時点では2位に浮上。首位争いを展開した。しかし、87周目のピットストップで、他車と接触。この接触でペナルティを受けたスチュワートは、33位まで大きくポジションを落としてしまった。
 代わって"トヨタ カムリ"勢の最上位に立ったのはハムリン。レースが折り返しとなる150周目前後に、各車グリーン下でのピットストップを行ったが、これを終えた時点で3位に浮上。後方から激しく追い上げたスチュワートは、14位までポジションを上げていたが、このピット時に痛恨のスピード違反。ピットスルーペナルティを科され、周回遅れとなってしまった。
 しかし、諦めずにポジションを戻していったスチュワートは、221周目、この日4度目のイエローコーション時に、"ラッキー・ドッグ"(イエローが出されたとき周回遅れの最上位がトップと同一周回へ復帰できる措置)を獲得し、リードラップに復帰した。
 229周目には、ブライアン・ヴィッカーズらが巻き込まれる多重クラッシュが発生。レースは10分間に渡って赤旗中断となった。
 トップ3での走行を続けていたハムリンだったが、この赤旗中断の直前に、燃料補給のためにピットイン。一時は18位までポジションを落としたが、リードラップに復帰したスチュワートと共に、猛然と追い上げを開始。
 終盤には、トップ10圏内をかけて激しいバトルを展開し、ポジションをアップ。スチュワートは8位、ハムリンが9位でフィニッシュした。
 苦戦を強いられたKy.ブッシュは、12周遅れの34位でチェッカー。この結果、"チェイス"1戦目を終えた時点で、ランキングでは僅か1ポイントずつの差で、ハムリンが6位、スチュワートが7位、Ky.ブッシュが8位につけている。

 次戦第28戦は9月21日(日)米国東部デラウェア州ドーバーのドーバー・インターナショナル・スピードウェイで開催される。

ドライバー トニー・スチュワート:
「チームクルーのことを本当に誇らしく思う。彼らは素晴らしいピットストップで、リードラップへと復帰出来る"ラッキー・ドッグ"の位置まで順位を上げてくれた。このスポーツでは毎週毎週様々な要因がレースを左右するということを示したと言えるだろう。先週はピットクルーのミスがあったが、今週はドライバーのミスだった。接触後のドライブスルーペナルティで大きく遅れ、その後更にスピード違反ペナルティを受けて状況を悪化させてしまった。それだけに、バトルの末に勝ち取った8位というポジションにはとても満足している」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 9 16 グレッグ・ビッフル フォード 300
2 3 48 ジミー・ジョンソン シボレー 300
3 2 99 カール・エドワーズ フォード 300
8 8 20 トニー・スチュワート トヨタ カムリ 300
9 6 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 300
15 27 44 デヴィッド・ロイティマン トヨタ カムリ 300
25 32 55 マイケル・ウォルトリップ トヨタ カムリ 299
27 35 0 マイケル・マクドウェル トヨタ カムリ 299
32 40 96 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 297
33 31 22 デイヴ・ブレイニー トヨタ カムリ 297
34 1 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 288
35 16 83 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 287
38 34 84 A.J.アルメンディンガー トヨタ カムリ 264
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 カール・エドワーズ フォード 5220
2 ジミー・ジョンソン シボレー 5220
3 グレッグ・ビッフル フォード 5190
6 デニー・ハムリン トヨタ 5148
7 トニー・スチュワート トヨタ 5147
8 カイル・ブッシュ トヨタ 5146
16 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 2917
24 デビッド・ロイティマン トヨタ 2545
30 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 2097
31 デイヴ・ブレイニー トヨタ 2062
37 A.J.アルメンディンガー トヨタ 1575
39 マイケル・マクドウェル トヨタ 1390
40 J.J.イェリー トヨタ 1263
45 マイク・スキナー トヨタ 618
62 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 67
63 P.J.ジョーンズ トヨタ 52
64 ブラッド・コールマン トヨタ 49
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 168
2 フォード 156
3 シボレー 153
4 ダッジ 117

NASCAR CRAFTSMAN TRUCK SERIES
第18戦 Camping World RV Rental 200

開催日:9月13日

ジョニー・ベンソンが2位に入りランキング首位堅守

写真
2位フィニッシュを果たしたジョニー・ベンソン(#23)

 NASCARクラフツマン・トラック・シリーズの第18戦「Camping World RV Rental 200」が、9月13日(土)にニューハンプシャー・モーター・スピードウェイで開催された。

 13日(土)決勝レースを前に午前10時から予定されていた予選は、降雨のために中止となり、グリッドはオーナーポイント順で決定。ランキング首位を行くジョニー・ベンソンがポールポジション。併催のスプリント・カップ・シリーズとの両レースに出場するKy.ブッシュが4番手。トッド・ボダイン、マイク・スキナーが5,6番手で続き、10台の"トヨタ タンドラ"が決勝に進んだ。

 午後2時30分、1.058マイルオーバルを200周(212マイル:約340km)して競われる決勝レースがスタート。
 スタートでは、タイトルを争うロン・ホーナディ(シボレー)の先行を許したベンソンだったが、3周目に首位を奪回。その後方では、4番手スタートのKy.ブッシュが3位に浮上し、ホーナディの隙を窺った。
 5周目に早くもこの日最初のイエローコーションが出され、9周目に再スタートが切られると、ベンソンとホーナディは接触しながらの激しい首位争いを展開。僅か2周後に再びイエローとなり、15周目の再スタート直後には、ホーナディが首位に立った。しかし、ベンソンは諦めず、Ky.ブッシュと共に、首位奪還を目指しホーナディを追撃した。
 49周目に、今大会久しぶりのクラフツマン・トラック・シリーズ出場となったデヴィッド・ロイティマンが7位を争うマイク・スキナーと接触し、2台はスピン。大きなダメージはなかったものの、2台はポジションを落とし、この日3度目のイエローとなった。
 このイエローで各車はピットイン。ベンソンは3位でピットアウトしたが、首位を争っていたKy.ブッシュはピットレーンのスピード違反で無念の後退を余儀なくされてしまった。
 その後、130周前後の、グリーン下でのピット作業を経て、ベンソンが5位、ボダインが6位で上位争いを続行。終盤、スパートをかけたベンソンは、175周目に3位、191周目には2位に浮上。しかし、ホーナディには僅かに届かず、0.960秒差の2位でチェッカーを受けた。この結果、再びドライバーズポイントランキングでは僅かに差を詰められたものの、ベンソンは74ポイント差で首位の座を守っている。
 レースを通してトップ5争いを繰り広げたボダインは、193周目にデヴィッド・スターと接触し、スピン。壁にクラッシュし、大きく後退。最後までレースは走りきったものの、19位に終わった。
 一方で、序盤ピットスルーペナルティのために大きく順位を落としたKy.ブッシュは、終盤追い上げ、6位でフィニッシュ。スターが7位に入り、"トヨタ タンドラ"は3台がトップ10フィニッシュとなった。

 次戦第19戦は9月20日(土)に米国西部ネバダ州ラスベガスのラスベガス・モーター・スピードウェイでナイトレースとして行われる。

ドライバー ジョニー・ベンソン:
「今日は厳しいレースだった。走行し始めて10周くらいまでは速いのだが、その後は摩耗が厳しく、ポジションを維持するのが精一杯だった。最後は、短いスパンでの走行となったのが幸いした。グリーン下のピットでも、イエローの時の最後のピットでも、クルーの見事なピット作業がポジションアップの助けとなり、2位までポジションを上げることが出来た。連続での好成績を維持することが出来て嬉しい。それを達成するのは非常にタフなプログラムだ。スタッフの素晴らしい仕事のおかげで2位フィニッシュする事が出来、彼らを本当に誇りに思っている」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 2 33 ロン・ホーナディ シボレー 200
2 1 23 ジョニー・ベンソン トヨタ タンドラ 200
3 19 9 トラヴィス・クヴァピル フォード 200
6 4 51 カイル・ブッシュ トヨタ タンドラ 200
7 14 11 デヴィッド・スター トヨタ タンドラ 200
13 23 9 デヴィッド・ロイティマン トヨタ タンドラ 200
15 6 5 マイク・スキナー トヨタ タンドラ 200
17 15 59 テッド・マスグレイヴ トヨタ タンドラ 200
18 11 60 テリー・クック トヨタ タンドラ 200
19 5 30 トッド・ボダイン トヨタ タンドラ 200
21 20 15 ジェイソン・ホワイト トヨタ タンドラ 199
24 12 22 マイケル・アネット トヨタ タンドラ 197
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ジョニー・ベンソン トヨタ 2771
2 ロン・ホーナディ シボレー 2697
3 マット・クラフトン シボレー 2529
5 トッド・ボダイン トヨタ 2458
7 マイク・スキナー トヨタ 2441
10 テリー・クック トヨタ 2272
11 デヴィッド・スター トヨタ 2193
13 テッド・マスグレイヴ トヨタ 2099
17 カイル・ブッシュ トヨタ 1847
20 ジャスティン・マークス トヨタ 1705
23 マーク・ミッチェル トヨタ 1295
26 スコット・スピード トヨタ 1150
30 シェイン・シーグ トヨタ 844
31 マイケル・アネット トヨタ 801
38 フィリップ・マギルトン トヨタ 491
42 クリシー・ウォレス トヨタ 382
43 ケン・シュレーダー トヨタ 348
50 デヴィッド・ストレム トヨタ 262
69 デニー・ハムリン トヨタ 105
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 124
2 シボレー 120
3 フォード 86
4 ダッジ 66