2008年9月21日(日)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第28戦 Camping World RV 400

開催日:9月21日

"トヨタ カムリ"のマイケル・ウォルトリップが10位

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"トヨタ カムリ"勢最上位の10位でフィニッシュした
マイケル・ウォルトリップ(#55)と12位に入ったデイヴ・ブレイニー(#22)

 NASCARスプリント・カップ・シリーズ第28戦「Camping World RV 400」が9月21日(日)米国東部デラウェア州ドーバーのドーバー・インターナショナル・スピードウェイで開催された。
 "ザ・モンスター・マイル"と呼ばれるドーバーでのレースは、6月の第13戦に続き今季2度目。6月のイベントでは、カイル・ブッシュがレースを制し、ドーバーで開催された同じ週末の3カテゴリー全てでトヨタが完全制覇を果たしている。

 19日(金)午後3時から予選が行われ、"チェイス"を争うデニー・ハムリンが3位グリッドを獲得。カイル・ブッシュが11番手、トニー・スチュワートが33番手につけ、"トヨタ カムリ"は10台が決勝へと進んだ。

 21日(日)午後2時17分にグリーンフラッグが振られ、コンクリート舗装の1マイルオーバルを400周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタートした。
 3番手グリッドのハムリンが好スタートを切り2位に浮上。レースは2周目から速くもイエローコーションとなる波乱の幕開けとなった。
 11番手スタートのKy.ブッシュは徐々にポジションを上げ、トップ10圏内に浮上。しかし、33番手と後方スタートを強いられたスチュワートは苦戦。12周目に早くもピットインを行い、追い上げを開始した。
 63周目にこの日3度目のイエローコーションが出されると、上位勢はピットイン。このピットインで、トップ10圏内にいたハムリンがスピード違反のペナルティを科され、33位まで大きく後退。
 その後、14番手スタートからトップ10圏内までポジションを上げたデヴィッド・ロイティマンとKy.ブッシュが上位グループで争いながら、ハムリンとスチュワートが徐々にポジションを上げていった。しかし、140周目を過ぎたあたりで、Ky.ブッシュの"トヨタ カムリ"が白煙を上げ始めた。なんとかレースを続行しようとしたKy.ブッシュだったが、172周目、ついにエンジンがストップ。無念のリタイアとなってしまった。
 その直後、ハムリンも車体後部からオイル漏れが発生。これを修復し、再び追い上げてトップ10に返り咲いたものの、220周目にオイル漏れが再発。242周目には右リアタイヤのパンクにも見舞われスローダウン。ガレージでの修復を余儀なくされ、大きくポジションを落としてしまった。
 それまで常にトップ10を走行していたロイティマンも、351周目のピットインで、ピット作業スペースのペナルティを受け、無念の後退。
 "トヨタ カムリ"勢では、40番手スタートから、着実なレースを戦い、粘り強くポジションを上げていったマイケル・ウォルトリップが最上位に浮上し、10位でフィニッシュ。第17戦以来今季2度目のトップ10フィニッシュを果たした。追い上げたスチュワートがこれに続き、11位でチェッカーを受けた。
 ガレージでの修復後コースに戻ったハムリンは38位。Ky.ブッシュは最下位の43位に終わった。

 次戦第29戦は9月28日(日)米国中部カンザス州カンザスシティのカンザス・スピードウェイで開催される。

ドライバー マイケル・ウォルトリップ:
「ただただチームを誇りに思う。私のせいで、予選は良くない結果になってしまったが、今日、我々は一日中戦い続け、良いレースをすることが出来た。それが全てだ。我々は目標を達成するために多くの週末を過ごして来たが、やはりレースを戦うのは楽しい。それこそが、25年前に私がこの仕事を選んだ理由だった」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 5 16 グレッグ・ビッフル フォード 400
2 8 17 マット・ケンゼス フォード 400
3 22 99 カール・エドワーズ フォード 400
10 40 55 マイケル・ウォルトリップ トヨタ カムリ 400
11 33 20 トニー・スチュワート トヨタ カムリ 400
12 37 22 デイヴ・ブレイニー トヨタ カムリ 400
16 30 84 A.J.アルメンディンガー トヨタ カムリ 400
17 14 44 デヴィッド・ロイティマン トヨタ カムリ 399
29 28 0 マイケル・マクドウェル トヨタ カムリ 395
31 18 83 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 395
33 43 96 ケン・シュレーダー トヨタ カムリ 394
38 3 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 362
43 11 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 172
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 カール・エドワーズ フォード 5390
2 ジミー・ジョンソン シボレー 5380
3 グレッグ・ビッフル フォード 5380
7 トニー・スチュワート トヨタ 5277
11 デニー・ハムリン トヨタ 5197
12 カイル・ブッシュ トヨタ 5180
17 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 2987
22 デビッド・ロイティマン トヨタ 2657
29 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 2236
31 デイヴ・ブレイニー トヨタ 2189
37 A.J.アルメンディンガー トヨタ 1690
39 マイケル・マクドウェル トヨタ 1466
40 J.J.イェリー トヨタ 1263
45 マイク・スキナー トヨタ 618
62 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 67
63 P.J.ジョーンズ トヨタ 52
64 ブラッド・コールマン トヨタ 49
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 172
2 フォード 165
3 シボレー 159
4 ダッジ 120

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第29戦 Camping World RV Sales 200

開催日:9月20日

カイル・ブッシュが今季シリーズ8勝目

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レースを支配し、今季シリーズ8勝目を挙げたカイル・ブッシュ(#18)

 9月20日(土)ドーバー・インターナショナル・スピードウェイでNASCARネイションワイド・シリーズ第29戦「Camping World RV Sales 200」が開催された。

 20日(土)決勝レースを前に、午前11時から予選が行われ、カイル・ブッシュが今季4度目となるポールポジションを獲得。デニー・ハムリンが3番手、ルーキーのジョーイ・ロガーノが9番手につけ、6台の"トヨタ カムリ"が決勝レースに出場した。

 午後3時46分に1マイルオーバルを200周(200マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのKy.ブッシュに、3番手グリッドから素晴らしいスタートを切ったハムリンが続き、"トヨタ カムリ"の1-2体制で序盤戦に突入した。
 しかし、ハムリンは35周目、ホイールのトラブルに見舞われグリーン下で予定外のピットストップを強いられ、大きく後退。2周遅れの33位までポジションを落とすこととなってしまったが、ドーバーを得意とするハムリンは、そのポジションから怒濤の追い上げを開始した。
 57周目には、首位を快走するKy.ブッシュをコース上でかわし、1周遅れに戻すと、 142周目に出されたこの日4度目のイエローコーションで"ラッキー・ドッグ"(イエローが出されたとき周回遅れの最上位がトップと同一周回へ復帰できる措置)を勝ち取り、ついに首位と同一周回まで復帰した。
 一方、首位グループを走行していたKy.ブッシュは、98周目イエロー時のピットインで7位にポジションダウンしたが、すぐにポジションを取り戻し、148周目の再スタートで再び首位を奪取。
 レースは198周目に多重クラッシュが発生し、イエローコーション。7周延長され、"グリーン・ホワイト・チェッカー"で決されることとなった。
 148周目に首位に立ち、その後は一度も首位の座を譲ることなく独走を続けたKy.ブッシュは、最後の"グリーン・ホワイト・チェッカー"も危なげなく制し、見事今季シリーズ8勝目を挙げた。"トヨタ カムリ"は今季シリーズ17勝目。
 後方から素晴らしい追い上げを果たしたデニー・ハムリンが6位、ジェイソン・リフラーが7位でフィニッシュ。終盤まで5位を走行していたデヴィッド・ロイティマンは、ファイナルラップ、他車との激しいポジション争いの末に接触を喫しスローダウン。無念の17位に終わった。
 Ky.ブッシュはこの勝利で、NASCARトップ3カテゴリーにおけるシーズン中の合計勝利数を19へと伸ばし、記録を更新中である。また、Ky.ブッシュと共に勝利を挙げたジョー・ギブス・レーシングも、ネイションワイド・シリーズにおける1チームの勝利数を16勝へと増やし、記録を更新することとなった。

 次戦第30戦は9月27日(土)カンザス・スピードウェイでスプリント・カップ・シリーズとの併催で行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「この勝利はチームの多大な努力によるものだ。今週から新しいクルーチーフが加わったが、彼は素晴らしい仕事をしてくれた。我々にとっては完璧な一日であり、外からは容易なレースに見えたかも知れないが、簡単なレースではなかった。我々の"トヨタ カムリ"が素晴らしい仕上がりだということは分かっていた。私は"トヨタ カムリ"がどのような挙動を示すか理解しようとしただけだ。イン側の低いラインでも、アウト側の高いラインでも、どこでも自由にラインを取ることが出来た」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 1 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 207
2 5 1 マイク・ブリス シボレー 207
3 12 88 ブラッド・ケセロウスキー シボレー 207
6 3 32 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 207
7 16 38 ジェイソン・リフラー トヨタ カムリ 207
12 19 7 マイク・ウォレス トヨタ カムリ 207
14 9 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 207
17 20 99 デヴィッド・ロイティマン トヨタ カムリ 207
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 クリント・ボウヤー シボレー 4222
2 カール・エドワーズ フォード 4036
3 ブラッド・ケセロウスキー シボレー 3974
6 デヴィッド・ロイティマン トヨタ 3676
7 カイル・ブッシュ トヨタ 3673
8 マイク・ウォレス トヨタ 3381
9 ジェイソン・リフラー トヨタ 3348
20 デニー・ハムリン トヨタ 2121
27 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 1698
34 トニー・スチュワート トヨタ 1354
38 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 1322
57 ジェイムス・ビュッシャー トヨタ 581
101 ジャック・ヴィルヌーヴ トヨタ 120
102 マイケル・マクドウェル トヨタ 119
118 ジャスティン・マークス トヨタ 64
123 ミシェル・ジョルダインJr. トヨタ 55
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 208
2 シボレー 173
3 フォード 158
4 ダッジ 99

NASCAR CRAFTSMAN TRUCK SERIES
第19戦 Qwik Liner Las Vegas 350

開催日:9月20日

"トヨタ タンドラ"のマイク・スキナーが今季初優勝

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僅差の接近戦を制し、今季初優勝を飾ったマイク・スキナー(#5)

 NASCARクラフツマン・トラック・シリーズの第19戦「Qwik Liner Las Vegas 350」が9月20日(土)、米国西部ネバダ州ラスベガスのラスベガス・モーター・スピードウェイで開催された。

 20日(土)決勝レースを前に午後3時半から予選が行われ、マイク・スキナーが3番手グリッドを確保。ランキング首位のジョニー・ベンソンは5番手。トッド・ボダインが8番手につけ、11台の"トヨタ タンドラ"が決勝に進出した。

 午後6時、1.5マイルのD型オーバルを146周(219マイル:約350km)して競われる決勝レースがスタート。
 綺麗な隊列通りのスタートが切られたが、3番手スタートのスキナーが3周目にインサイドから首位を奪取。8番手から好スタートを切ったボダインがこれに続き、ベンソンも4位と"トヨタ タンドラ"勢は好位置からレースを開始した。
 ボダインとスキナーは時に順位を入れ替えながらの1-2体制で後続を引き離していった。24周目に15位走行中のジャスティン・マークスが壁に接触。これでイエローコーションが出されると、全車ピットイン。このピットでタイヤ2本作戦を採ったベンソンがトップに浮上し、ボダインは8位、スキナーは10位に後退した。
 39周目のコーションでボダインが首位を奪い返すと、47周目にはベンソンがボダインをパス。しかし、ベンソンが後続を引き離し独走状態に入った65周目、突然左フロントタイヤがバーストし、壁にクラッシュ。修復すべくガレージへ移動したベンソンだったが、ダメージは大きく、無念のリタイアとなった。
 このイエロー時のピットで、迅速な作業を見せたスキナーが再び首位に浮上。96周目、この日6度目のイエローでは、今季初めて"トヨタ タンドラ"をドライブするベテラン ジョン・アンドレッティと、スコット・スピードがピットに入らずコース上に残り、これにスキナーが続く形となった。
 再スタート後まもなく、中盤から調子を上げてきたエリック・ダーネル(フォード)とスキナーがこの2台をパスし、激しい首位争いを展開。一方で、その後方に付けていたボダインは、126周目、3位走行中にターン2でスピン。リードラップ最後尾の20位まで順位を落としてしまった。
 終盤戦、首位を逃げるダーネルを攻め続けたスキナーは、146周目に"グリーン・ホワイト・チェッカー"での最後の再スタートが切られると、このチャンスを逃さず、好スタートでダーネルをパス。しかし、コーナーでの速さで勝るダーネルが最終コーナーで並び、アウトから先行すると、2台はサイド・バイ・サイドのままチェッカーへと飛び込んだ。最後のストレートで前に出て、ノーズ分先行してフィニッシュラインを越えたスキナーが、100分の2秒差という僅差でこれを制し、嬉しい今季初優勝を飾った。
 健闘を見せたアンドレッティが4位。終盤追い上げを見せたボダインが9位でフィニッシュした。
 ベンソンは27位。タイトルを争うロン・ホーナディ(シボレー)が5位でフィニッシュしたため、ベンソンの首位の座は変わらないものの、その差はわずか1ポイントまで詰め寄られることとなった。

 次戦第20戦は10月4日(土)に米国南東部アラバマ州タラデガのタラデガ・スーパースピードウェイで行われる。

ドライバー マイク・スキナー:
「奇跡のようだ。私も最速のトラックを得ていながら、何度もライバルにやられたことがあった。エリック・ダーネルは今夜最速のトラックを持っていたが、我々は再スタートで彼を激しくプッシュした。それまでとは別の戦い方をしなくてはならないことは分かっていた。彼は私のラインを塞ごうとしていたのだと思う。私はインに行くと見せかけて、アウトのラインを取り、上手く裏をかくことが出来たということだ」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 3 5 マイク・スキナー トヨタ タンドラ 147
2 7 99 エリック・ダーネル フォード 147
3 14 88 マット・クラフトン シボレー 147
4 23 15 ジョン・アンドレッティ トヨタ タンドラ 147
9 8 30 トッド・ボダイン トヨタ タンドラ 147
14 21 16 ブライアン・スコット トヨタ タンドラ 147
19 11 51 シェイン・シーグ トヨタ タンドラ 147
21 17 22 スコット・スピード トヨタ タンドラ 146
22 15 11 デヴィッド・スター トヨタ タンドラ 140
23 25 60 テリー・クック トヨタ タンドラ 128
27 5 23 ジョニー・ベンソン トヨタ タンドラ 64
28 29 59 ステイシー・コンプトン トヨタ タンドラ 37
29 19 9 ジャスティン・マークス トヨタ タンドラ 24
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ジョニー・ベンソン トヨタ 2858
2 ロン・ホーナディ シボレー 2857
3 マット・クラフトン シボレー 2694
5 マイク・スキナー トヨタ 2631
7 トッド・ボダイン トヨタ 2601
10 テリー・クック トヨタ 2366
12 デヴィッド・スター トヨタ 2290
15 テッド・マスグレイヴ トヨタ 2099
19 カイル・ブッシュ トヨタ 1847
20 ジャスティン・マークス トヨタ 1781
23 マーク・ミッチェル トヨタ 1295
25 スコット・スピード トヨタ 1250
28 シェイン・シーグ トヨタ 950
31 マイケル・アネット トヨタ 801
38 フィリップ・マギルトン トヨタ 491
43 クリシー・ウォレス トヨタ 382
44 ケン・シュレーダー トヨタ 348
49 デヴィッド・ストレム トヨタ 262
58 ジョン・アンドレッティ トヨタ 165
70 デニー・ハムリン トヨタ 105
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 133
2 シボレー 124
3 フォード 92
4 ダッジ 69