2008年10月11日(土)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第31戦 Bank of America 500

開催日:10月11日

カイル・ブッシュが4位フィニッシュ

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痛恨のペナルティを受けながらも追い上げ4位に入ったカイル・ブッシュ(#18)

 NASCARスプリント・カップ・シリーズ第31戦「Bank of America 500」が10月11日(土)米国東南部ノースカロライナ州シャーロットのロウズ・モーター・スピードウェイで開催された。
 全10戦で競われるチェイスも5戦目を迎え、今大会で折り返しとなる。"トヨタ カムリ"を駆りチェイスを戦うカイル・ブッシュ、トニー・スチュワート、デニー・ハムリンの3名は、前半戦苦戦を強いられたものの、前大会でトニー・スチュワートが勝利を飾るなど調子を戻してきており、悲願のタイトル獲得へ向け、後半戦での巻き返しを目指す。

 9日(木)に予定されていた予選は降雨のために中止となり、規定により、オーナーポイントを基準に決勝のグリッドが決定。スチュワートが7番手、Ky.ブッシュが11番手、ハムリンが12番手となり、10台の"トヨタ カムリ"が決勝に臨むこととなった。

 11日(土)午後7時47分、カクテルライトに照らされ、大観衆の見守る前で1.5マイルオーバルを334周(501マイル:約800km)で競われる決勝レースがスタート。
 前戦今季初勝利を飾ったスチュワートが、7番手から序盤快走を見せ、ポジションアップ。32周目にはトップに立った。
 Ky.ブッシュも順調にポジションを上げ、トップ5圏内に浮上。108周目、この日4度目のイエローからの再スタート時には、スチュワートとKy.ブッシュの1-2体制となった。しかし、その後スチュワートはオーバーステア症状に苦しめられ、徐々に順位を落とすこととなってしまった。
 代わって好走を見せたのは17番手スタートのブライアン・ヴィッカーズ。上位争いへと加わると、Ky.ブッシュもかわし、134周目に首位に立った。
 64周に渡って首位を走行したヴィッカーズであったが、198周目のピット作業で惜しくもポジションダウン。スチュワート、Ky.ブッシュ、26番手から追い上げてきたデヴィッド・ロイティマンと共にトップ10圏内でのバトルを繰り広げることとなった。
 更に上位を狙って行った"トヨタ カムリ"勢であったが、260周前後に各車がグリーン下でピットインを行っていく中で、スチュワートとKy.ブッシュが痛恨のピットロードスピード違反を犯し、ペナルティを受けることとなってしまった。
 これでKy.ブッシュが16位、スチュワートが17位で2台共に周回遅れとなった。しかし、Ky.ブッシュは諦めることなく追い上げを開始。再スタート後、素晴らしい速さを見せた"トヨタ カムリ"と共にトップグループをパスしリードラップに復帰。301周目、この日最後のイエローコーションでは、タイヤ2本交換で10位に浮上し再スタート。再スタート後も見事な走りで次々と前走車をパスし、4位でフィニッシュした。
 同じく追い上げたスチュワートは11位、ハムリンは16位でチェッカー。この結果、Ky.ブッシュはランキングで2つ順位を上げ、9位に浮上した。

 次戦第32戦は10月19日(日)米国南東部ヴァージニア州マーティンスビルのショートオーバル、マーティンスビル・スピードウェイで開催される。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「最後の一つ前のピットストップで私はミスを犯し、ピットロードでスピードを出し過ぎてしまった。残念だが、今回は私のミスだ。我々はチェイスに入ってから、なかなかトラブルフリーのレースを戦うことが出来ていない。とはいえ、今日ピットロードでのスピード違反ペナルティを受けた後は、思い通りに走ることが出来た。4位争いは激しかったが、終盤我々の"トヨタ カムリ"は最速だったので、後方のポジションから追い上げ、4位という素晴らしい順位でフィニッシュできた。もう少しレースが長かったら、トップグループを捕まえられたかも知れない。とはいえ、4位というのは十分に良い結果であり、この結果を得るために努力してくれた全てのクルーに感謝すると共に、来週のレースへ向けて更に努力を続けていく」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 4 31 ジェフ・バートン シボレー 334
2 15 9 ケイシー・ケイン ダッジ 334
3 19 2 カート・ブッシュ ダッジ 334
4 11 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 334
11 7 20 トニー・スチュワート トヨタ カムリ 334
16 12 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 334
18 17 83 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 333
24 31 55 マイケル・ウォルトリップ トヨタ カムリ 332
27 32 22 デイヴ・ブレイニー トヨタ カムリ 331
32 26 44 デヴィッド・ロイティマン トヨタ カムリ 321
38 39 96 ケン・シュレーダー トヨタ カムリ 255
39 34 84 マイク・スキナー トヨタ カムリ 254
43 38 0 A.J.アルメンディンガー トヨタ カムリ 52
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ジミー・ジョンソン シボレー 5878
2 ジェフ・バートン シボレー 5809
3 グレッグ・ビッフル フォード 5792
7 トニー・スチュワート トヨタ 5650
9 カイル・ブッシュ トヨタ 5552
12 デニー・ハムリン トヨタ 5498
16 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 3282
24 デビッド・ロイティマン トヨタ 2892
29 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 2506
31 デイヴ・ブレイニー トヨタ 2438
36 A.J.アルメンディンガー トヨタ 1867
39 マイケル・マクドウェル トヨタ 1466
40 J.J.イェリー トヨタ 1263
46 マイク・スキナー トヨタ 734
62 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 113
65 P.J.ジョーンズ トヨタ 52
66 ブラッド・コールマン トヨタ 49
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 189
2 シボレー 183
3 フォード 178
4 ダッジ 132

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第31戦 Dollar General 300

開催日:10月10日

"トヨタ カムリ"今季シリーズ19勝目!

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今季シリーズ9勝目を挙げたカイル・ブッシュ(#18)

 10月10日(金)ロウズ・モーター・スピードウェイでNASCARネイションワイド・シリーズ第31戦「Dollar General 300」が開催された。同コースでは5月に第13戦が行われており、カイル・ブッシュ、デニー・ハムリンの"トヨタ カムリ"が1-2フィニッシュを飾っている。

 10日(金)決勝レースを前に午後3時から予選が行われ、18歳のルーキー ジョーイ・ロガーノが2列目4番手を確保。ロガーノは、5月の時点では18歳に達していなかったため、同コースでの初レースとなったが、好グリッドを確保した。
 また、翌日同コースで行われるスプリント・カップ・シリーズに出場するドライバーが今大会には数多く出場。"トヨタ カムリ"勢ではデイヴ・ブレイニーが8番手。デヴィッド・ロイティマンが15番手、カイル・ブッシュが16番手、ブライアン・ヴィッカーズが42番手のグリッドを確保。7台の"トヨタ カムリ"が決勝に進んだ。

 午後8時19分に1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタートした。7周目に他車のスピンでイエローコーションが出されると、間もなく降雨のために赤旗中断となり、約10分のインターバルの後にレースが再開。15周目にグリーンフラッグが振られた。
 4番手グリッドから、そのポジションを守って再スタートを切ったロガーノは、好スタートで一気にポジションを上げ、17周目に首位に浮上。その後方では、16番手から一気に順位を上げてきたチームメイトのKy.ブッシュが首位争いに加わった。
 48周目、15位を走行していたジェイソン・リフラーが僅かに壁に接触し、タイヤがバースト。これでイエローコーションが出されると、ピットでも早い作業をこなしたロガーノがトップ、Ky.ブッシュが2位で再スタート。しかし、再スタート直後に、速さで勝るKy.ブッシュがロガーノをパスし、この日最初の首位に立った。
 レースは81周目に多重クラッシュでイエローコーションが出された後、再び降雨に見舞われ、この日2度目の赤旗中断となってしまった。  約1時間に渡る中断の後、レースが再開され、90周目に再スタート。首位のマイク・ブリス(シボレー)に、Ky.ブッシュ、ヴィッカーズ、ブレイニー、リフラー、ロガーノと続き、5台の"トヨタ カムリ"艦隊が首位奪還へ向け襲いかかった。
 再スタート直後のバックストレートで、Ky.ブッシュがブリスをパス。しかし、後方ではブレイニーと激しいバトルを繰り広げたロガーノが単独スピンを喫し、この日7度目のコーションとなった。このコーションで、ロガーノがダメージ修復のためにピットインを行ったほか、ブレイニーもそれまでのバトルで痛めたボディ修復のためにポジションを落とすこととなってしまった。
 首位に立ったKy.ブッシュは、その後も多発したイエローコーションからの再スタートでも危なげなく首位を守り、トップでチェッカー。今季シリーズ9勝目を挙げた。"トヨタ カムリ"は今季シリーズ19勝目。3位には、Ky.ブッシュの後方で常に上位争いを繰り広げたヴィッカーズが3位に入った。
 Ky.ブッシュはこの勝利で、今季NASCARトップ3カテゴリーでの合計勝利数を20と伸ばした。Ky.ブッシュは今季これまでに、スプリント・カップ・シリーズ31戦(8勝)、ネイションワイド・シリーズ27戦(9勝)、クラフツマントラック・シリーズ13戦(3勝)の、合計71戦に出場し、20勝を挙げている。
 午後8時過ぎにスタートを切った今大会は、2度の赤旗中断により4時間以上を要し、レースが終わったのは日付が変わった午前0時20分過ぎであった。

 次戦第32戦は10月25日(土)米国南東部ジョージア州ハンプトンのアトランタ・モーター・スピードウェイで開催される。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「ヴィクトリーレーンに戻ることが出来たのは本当にすごいことだ。私の好きなコースの一つである、ロウズ・モーター・スピードウェイならなおさらだ。スポンサーや、チーム、トヨタのスタッフ全員に本当に感謝している。驚異的な夜だった。ライバルとのレースを楽しみ、そして我々にとって素晴らしい勝利を挙げることが出来た。"トヨタ カムリ"は信じられないほどの仕上がりだった。コースの最上段(アウトサイド)から最下段(インサイド)まで、どこでも望むラインを走ることが出来た。後は右フロントタイヤを痛めないよう、気を付けてなるべくイン側を走るようにするだけだった。今日は雨などでとても長いレースになってしまったが、最後まで応援してくれたファンにお礼を言いたい」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 16 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 200
2 2 29 ジェフ・バートン シボレー 200
3 42 32 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 200
10 31 7 マイク・ウォレス トヨタ カムリ 200
14 4 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 200
17 8 10 デイヴ・ブレイニー トヨタ カムリ 200
18 18 38 ジェイソン・リフラー トヨタ カムリ 200
24 15 99 デヴィッド・ロイティマン トヨタ カムリ 194
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 クリント・ボウヤー シボレー 4552
2 カール・エドワーズ フォード 4356
3 ブラッド・ケセロウスキー シボレー 4266
6 カイル・ブッシュ トヨタ 3931
7 デヴィッド・ロイティマン トヨタ 3882
8 マイク・ウォレス トヨタ 3633
9 ジェイソン・リフラー トヨタ 3599
19 デニー・ハムリン トヨタ 2316
24 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 1962
34 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 1492
36 トニー・スチュワート トヨタ 1354
57 ジェイムス・ビュッシャー トヨタ 581
104 ジャック・ヴィルヌーヴ トヨタ 120
105 マイケル・マクドウェル トヨタ 119
122 ジャスティン・マークス トヨタ 64
129 ミシェル・ジョルダインJr. トヨタ 55
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 226
2 シボレー 185
3 フォード 166
4 ダッジ 105