2009年3月 1日(日)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第3戦 Shelby 427

開催日:3月1日

カイル・ブッシュが後方スタートから大逆転! 地元で今季初勝利を挙げる

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地元で念願の初勝利を挙げたカイル・ブッシュ(#18)

 3月1日(日)、米国西部ネバダ州ラスベガスのラスベガス・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第3戦「Shelby 427」が開催された。
 今レースの開催されたラスベガスは、昨年"トヨタ カムリ"にスプリント・カップ・シリーズ初優勝をもたらしたカイル・ブッシュのホームタウン。昨年のラスベガス戦でもカイル・ブッシュはポールポジションを獲得したが、決勝レースではタイヤのパンクに見舞われ惜しくも勝利は逃している。

 27日(金)午後6時半から予選が行われ、昨年に引き続き、Ky.ブッシュがポールポジションを獲得。デヴィッド・ロイティマンが4番手、マーコス・アンブローズが5番手と"トヨタ カムリ"は予選トップ5に3台が入り、12台が決勝へと進んだ。

 3月1日(日)午後4時47分、1.5マイルオーバルを285周(427.5マイル:約690km)して競われる決勝レースのグリーンフラッグが振られた。
 ポールポジションを獲得したKy.ブッシュだったが、公式練習中にエンジン交換を行ったため、スタートで最後方へと後退。追い上げを余儀なくされた。序盤戦で中団グループまでポジションを上げたKy.ブッシュは、50周目前後からグリーン下で各車がピットインを開始すると、そのピットタイミングを活かし、54周目にこの日初の首位浮上。
 その後、Ky.ブッシュもピットインしたことで中団へとポジションを戻すが、95周目にこの日5度目のイエローコーションが出されると、素晴らしいピット作業にも助けられトップ10圏内に浮上した。
 前日のネイションワイド戦同様にイエローコーションの多発するレースとなり、220周目にこの日11度目のイエローコーションが出されると、一気にポジションを上げたKy.ブッシュは3位で再スタート。素晴らしい再スタートを切ったKy.ブッシュは、激しいバトルの末、229周目についに首位を奪取。
 258周目のイエローコーションで各車最後のピットイン。それまで首位を守っていたKy.ブッシュだったが、このピットインで給油に加え、2本タイヤ交換と微調整を行った結果、タイヤ交換を行わなかったクリント・ボウヤー(シボレー)とジェフ・バートン(シボレー)、ジェフ・ゴードン(シボレー)に先行され、4位で再スタート。
 しかし、タイヤ交換の利を活かし追い上げたKy.ブッシュは、サイド・バイ・サイドでのバトルの末、269周目に再び首位に立った。その後も2度イエローコーションが出されたが、再スタートを決め、見事トップでチェッカー。Ky.ブッシュ自身、そして"トヨタ カムリ"にとっても今季初となる勝利を飾った。また、Ky.ブッシュにとっては、地元ラスベガスでの初優勝となった。
 4位には、自身キャリア最高位となるロイティマン、8位に常に上位争いを繰り広げたブライアン・ヴィッカーズ、そして18歳のルーキー、ジョーイ・ロガーノも自身キャリア最高位となる13位に入った。

 次戦第4戦は3月8日(日)、米国南東部ジョージア州ハンプトンのアトランタ・モーター・スピードウェイで開催される。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「本当にクールな勝利だ。地元で勝つということがどういうことなのか分かっていなかった。チェッカーをくぐるまでは本当に緊張した。恐らくデイトナ500と同じくらい大きな勝利だと思う。チームは信じられないほど素晴らしい仕事をしてくれた。彼らは私と、そしてクルーチーフを信じて、そのコンビネーションが望み通りに働いた。。今日の我々の"トヨタ カムリ"は、最速の1台ではなかった。しかし私は賢明なレースを戦えたと思う。レース中もずっと調子を向上させるために調整を続けた。幸運なことに、今日はコーションが多発し、それが助けになった。我々よりも早いライバル達の前に出て、自分のペースで戦うことが出来た」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 1 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 285
2 37 33 クリント・ボウヤー シボレー 285
3 14 31 ジェフ・バートン シボレー 285
4 4 0 デヴィッド・ロイティマン トヨタ カムリ 285
8 21 83 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 285
13 20 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 285
15 32 7 ロビー・ゴードン トヨタ カムリ 285
20 5 47 マーコス・アンブローズ トヨタ カムリ 284
21 42 82 スコット・スピード トヨタ カムリ 284
22 34 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 284
27 15 55 マイケル・ウォルトリップ トヨタ カムリ 283
36 26 13 マックス・パピス トヨタ カムリ 258
37 43 64 トッド・ボダイン トヨタ カムリ 227
41 22 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 102
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ジェフ・ゴードン シボレー 459
2 クリント・ボウヤー シボレー 441
3 マット・ケンゼス フォード 419
5 デヴィッド・ロイティマン トヨタ 408
6 カイル・ブッシュ トヨタ 405
12 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 346
14 デニー・ハムリン トヨタ 332
17 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 322
20 マーコス・アンブローズ トヨタ 312
31 ロビー・ゴードン トヨタ 257
32 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 248
36 スコット・スピード トヨタ 198
41 スコット・リグス トヨタ 143
42 ジェレミー・メイフィールド トヨタ 104
44 テリー・ラボンテ トヨタ 91
45 ジョー・ネメチェク トヨタ 74
46 マックス・パピス トヨタ 55
47 トッド・ボダイン トヨタ 52
49 デイブ・ブレイニー トヨタ 37
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 フォード 22
2 シボレー 18
3 トヨタ 16
4 ダッジ 10

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第3戦 Sam's Town 300

開催日:2月28日

大荒れのレースで"トヨタ カムリ"3-4位フィニッシュ

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"トヨタ カムリ"勢最上位の3位フィニッシュを果たした
ブライアン・ヴィッカーズ(#32

 2月28日(土)NASCARネイションワイド・シリーズの第3戦「Sam's Town 300」がラスベガス・モーター・スピードウェイで開催された。

 決勝を前に正午から行われた予選では、今大会初めてネイションワイド・シリーズに出場する元F1ドライバーのスコット・スピードが、シリーズ史上9人目となる、デビュー戦でのポールポジションを獲得。デニー・ハムリンが4番手、前大会フォンタナで勝利を挙げているカイル・ブッシュが5番手と、"トヨタ カムリ"は予選トップ5に3台が入り、エントリーした10台全車が決勝進出を果たした。

 午後4時46分に1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)で競われる決勝レースがスタート。
 スタート直後に、ポールポジションのスピードはトップの座こそ譲ったものの2位をキープ。3位、4位に浮上したハムリン、Ky.ブッシュと共に2-3-4位体制で首位を追った。しかし、7周目にハムリンがコントロールを失い単独スピン。クラッシュこそ免れたものの、3度に渡ってピットインを行って車両をチェックしたハムリンは、ほぼ最後尾の38位までポジションを落としてしまった。
 このイエローコーションの間のピットでスピードをかわし、2位に浮上したKy.ブッシュだったが、22周目にスピン。車体後部からアウト側のウォールにクラッシュしたところに、3位に付けていたスピードが追突。2台は大きなダメージを負い、無念の戦線離脱を余儀なくされた。
 このクラッシュの影響で、レースは約10分間に渡って赤旗中断。
 再スタート後も、クラッシュによるイエローコーションが多発し、92周目にも赤旗中断となるなど大荒れのレースとなる中で、10番手スタートのブライアン・ヴィッカーズが、再びポジションを戻してきたハムリンと共に上位争いを展開。147周目にはついにハムリンが首位に立った。
 しかし、ハムリンはその直後、最後となるピットイン時にピットレーンでのスピード違反を取られ、ドライブスルーペナルティを科されてしまった。このペナルティからのピットアウトの際にも再びスピード違反を取られたハムリンは、再度のドライブスルーペナルティで1周遅れの15位まで後退。
 ハムリンの後退により、ヴィッカーズがトップに立ち、23番手スタートから追い上げたジェイソン・リフラーが2位に浮上したが、レースはその後もイエローコーションが多発し、順位がめまぐるしく入れ替わる展開となった。
 197周目には、トップと同一周回の10位までポジションを上げていたハムリンが、軽くアウト側の壁に接触し、タイヤをパンク。スローダウンしたところに後続車が突っ込み、クラッシュ。ハムリンも無念のリタイアとなった。
 このクラッシュにより、レースは9周延長され、"グリーン・ホワイト・チェッカー"で決されることとなった。2番手再スタートのリフラーがやや出遅れ、5番手から好スタートを切ったヴィッカーズと共にトップを追ったが、僅かに及ばず、ヴィッカーズが3位、リフラー4位でフィニッシュ。6位と9位には、共にレースを通してトップ10争いを繰り広げたルーキーのマイケル・マクドウェルとスコット・レガセイ・Jr.が入り、"トヨタ カムリ"は4台がトップ10フィニッシュを果たした。
 2回、計約20分の赤旗中断を挟み、約3時間に渡った大荒れのレースは、18台が戦線を離脱し、12回発生したイエローコーションの総周回数は60周に達し、レース新記録となった。

 次戦第4戦は3月21日(土)米国中南部テネシー州ブリストルのブリストル・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー ブライアン・ヴィッカーズ:
「かなりワイルドなレースだった。私自身これまでで最も多くのクラッシュを避けたような気がする。レースカーを運転するのは楽しいが、ハードに攻める必要がある。ここのようなコースではほとんど全開だからだ。素晴らしい"トヨタ カムリ"を仕上げてくれたチームを誇りに思う。特に最後の2回の再スタート後は、本当に絶好調で、後はただレースポジションのために戦うだけだった」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 6 16 グレッグ・ビッフル フォード 209
2 5 60 カール・エドワーズ フォード 209
3 4 32 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 209
4 13 38 ジェイソン・リフラー トヨタ カムリ 209
6 12 47 マイケル・マクドウェル トヨタ カムリ 209
9 20 11 スコット・レガセイ・Jr. トヨタ カムリ 209
21 29 20 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 196
31 15 7 デヴィッド・グリーン トヨタ カムリ 104
32 19 15 マイケル・アネット トヨタ カムリ 90
37 23 10 ケリー・バイアス トヨタ カムリ 32
39 2 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 21
40 3 99 スコット・スピード トヨタ カムリ 21
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 カール・エドワーズ フォード 515
2 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 467
3 グレッグ・ビッフル フォード 416
5 カイル・ブッシュ トヨタ 406
8 ジェイソン・リフラー トヨタ 354
10 マイケル・マクドウェル トヨタ 326
15 スコット・レガセイ・Jr. トヨタ 299
20 デヴィッド・ロイティマン トヨタ 273
24 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 268
27 デヴィッド・グリーン トヨタ 252
30 マイケル・アネット トヨタ 240
33 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 209
45 デニー・ハムリン トヨタ 105
52 ケリー・バイアス トヨタ 57
56 スコット・スピード トヨタ 48
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 19
1 シボレー 19
1 フォード 19
4 ダッジ 9