2009年6月21日(日)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第16戦 Toyota/SaveMart 350

開催日:6月21日

ソノマのロードコース戦でマーコス・アンブローズが3位

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3位フィニッシュを果たしたマーコス・アンブローズ(#47)

 6月21日(日)、米国西部カリフォルニア州ソノマのロードコース、インフィニオン・レースウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第16戦「Toyota/SaveMart 350」が開催された。
 カリフォルニアワインの産地として知られるソノマの丘陵地帯に位置するインフィニオン・レースウェイは、12のコーナーを持つ、アップダウンの激しいロードコース。NASCARスプリント・カップ・シリーズで年に2戦のみ行われるロードコース戦の1戦となる。昨年のソノマ戦では、カイル・ブッシュが勝利を挙げ、"トヨタ カムリ"にスプリント・カップ・シリーズでのロードコース戦初優勝をもたらした。

 19日(金)午後3時半から予選が行われ、ブライアン・ヴィッカーズが2戦連続、今季4度目となるポールポジションを獲得。カイル・ブッシュが2番手、マーコス・アンブローズが3番手につけ、"トヨタ カムリ"が予選トップ3を独占。トヨタの予選トップ3独占は2007年秋の第30戦タラデガ以来である。

 21日(日)、好天の下、午後2時23分に1.99マイルロードコースを110周(219マイル:約350km)する決勝レースのスタートが切られた。
 ポールポジションのブライアン・ヴィッカーズがトップ、2番手にKy.ブッシュが続いて序盤戦へ。17周目にKy.ブッシュがヴィッカーズをパスし、首位に立った。
 一方、予選で3番手につけたアンブローズは、土曜日の練習走行でエンジントラブルに見舞われ、エンジンを交換。このためほぼ最後尾からのスタートを余儀なくされてしまった。しかし、アンブローズは序盤に24位までポジションを戻し、13周目にグリーン下でピットイン。上位勢とピットタイミングをずらす作戦に出た。
 21周目にこの日最初のイエローコーションが出されると、上位勢はコースに残り、後続グループがピットイン。しかし、コースに残ったKy.ブッシュは再スタート後、タイヤの摩耗が激しくなり、27周目にグリーン下でピットイン。29周目にはヴィッカーズもピットインし、コース上に残っていた上位勢が次々とピットイン。34周目に、24番手スタートから先にピットを終え、ペースを上げていたデニー・ハムリンが首位に立った。
 その後、再びトップ10圏内まで浮上したKy.ブッシュとヴィッカーズだったが、61周目に前を行くサム・ホーニッシュ・Jr.とコーナー進入時に接触。Ky.ブッシュは車体にダメージを負ったため、ピットで長時間の修復を余儀なくされ、周回遅れとなってしまった。直後にいたヴィッカーズもこの影響を受け、ピットインしたため大きく後退。
 ハムリンは予定通り67周目に2度目のピットインを終え、順調にポジションをキープ。しかし、76周目にこの日3度目のイエローが出され、ピットタイミングを遅らせたスコット・スピードを先頭に79周目に再スタートが切られると、再スタート時に失速したスピードと、直後のジョーイ・ロガーノが接触。その後方にいたハムリンも数台の先行を許し、6位に後退。
 一方で、オーストラリア出身で、ロードコース戦を得意とするアンブローズが着実に順位を上げ、ハムリンに次ぐ7位に浮上。勢いに乗るアンブローズは、94周目にハムリンとジミー・ジョンソン(シボレー)をかわすと、翌周ファン・パブロ・モントーヤ(シボレー)もパス。3位に浮上した。
 レースは終盤接触やスピンでイエローコーションが多発し、3周延長されて、"グリーン・ホワイト・チェッカー"で決されることとなった。アンブローズは、前を行く2台を捉えるべく最後のプッシュを試みたが及ばず、3位でチェッカー。ハムリンは5位でフィニッシュした。元トップフォーミュラドライバーのパトリック・カーペンティアとマックス・パピスが11位、12位。後半追い上げたヴィッカーズが16位。Ky.ブッシュは"ラッキー・ドッグ"で周回遅れは脱したものの、22位に終わった。

 次戦第17戦は6月28日(日)、米国北東部ニューハンプシャー州ロードンのニューハンプシャー・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー マーコス・アンブローズ:
「予選を終えた時点では、勝てるチャンスがあると思っていたが、土曜日の練習走行終了後には、そのチャンスは失われてしまったと思った。しかし我々は懸命に戦った。やや変則的な戦略を採り、それは上手く行き、コース上でも多くの車両をパスした。残念ながら、我々の前でフィニッシュした2台を捉えるだけの力はなかった。しかし、今日の結果と、それを成し遂げたチームを誇りに思っている。我々はヒーローからゼロへ、そしてまたヒーローへと、ジェットコースターのような週末を過ごした。今日の結果は全てチームの素晴らしいスタッフによるサポートのおかげだ。我々は決して諦めない。私が良くない状況にあっても、彼らは私がやるべきことへの自信をもたらしてくれる。彼らにまたトップ5フィニッシュという結果を捧げることが出来て嬉しい」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 5 9 ケイシー・ケイン ダッジ 113
2 4 14 トニー・スチュワート シボレー 113
3 3 47 マーコス・アンブローズ トヨタ カムリ 113
5 24 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 113
11 38 55 パトリック・カーペンティア トヨタ カムリ 113
12 33 13 マックス・パピス トヨタ カムリ 113
16 1 83 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 113
19 12 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 113
22 2 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 113
31 42 0 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 113
36 22 7 ロビー・ゴードン トヨタ カムリ 113
37 31 87 スコット・スピード トヨタ カムリ 112
42 19 66 デイヴ・ブレイニー トヨタ カムリ 3
43 37 4 P.J.ジョーンズ トヨタ カムリ 2
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 トニー・スチュワート シボレー 2364
2 ジェフ・ゴードン シボレー 2280
3 ジミー・ジョンソン シボレー 2207
7 デニー・ハムリン トヨタ 2009
9 カイル・ブッシュ トヨタ 1962
14 デイビッド・ロイティマン トヨタ 1877
17 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 1794
18 マーコス・アンブローズ トヨタ 1704
24 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 1551
32 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 1338
34 ロビー・ゴードン トヨタ 1273
35 スコット・スピード トヨタ 1093
39 ジョー・ネメチェク トヨタ 592
40 デイブ・ブレイニー トヨタ 551
41 マックス・パピス トヨタ 502
45 スコット・リグス トヨタ 448
47 ジェレミー・メイフィールド トヨタ 288
51 パトリック・カーペンティア トヨタ 164
52 トッド・ボダイン トヨタ 123
53 テリー・ラボンテ トヨタ 91
58 マイク・スキナー トヨタ 40
59 P.J.ジョーンズ トヨタ 34
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 120
2 トヨタ 85
3 フォード 77
4 ダッジ 70

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第15戦 NorthernTool.com 250

開催日:6月20日

カイル・ブッシュが後方から追い上げ2位フィニッシュ

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2位でフィニッシュしたカイル・ブッシュ(#18)

 6月20日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第15戦「NorthernTool.com 250」が米国中部ウィスコンシン州ウェストアリスのザ・ミルウォーキー・マイルで開催された。
 今週末はスプリント・カップ・シリーズ戦のみ遠く離れたカリフォルニア州ソノマで行われているため、前戦に引き続き、カップドライバーがあまり参戦しないレースとなったが、カイル・ブッシュは同日のカップ戦練習走行を終えた後、ミルウォーキーへと移動し、両レースに参戦することとなった。

 20日(土)決勝に先立ち、午後5時半から行われた予選では、ブラッド・コールマンが最前列2番手グリッドを獲得。8番手にジェイソン・リフラー、9番手にトレバー・バインが入り、9台の"トヨタ カムリ"が決勝へと駒を進めた。尚、予選を走れなかったKy.ブッシュの18号車は、ジョニー・ソーターが練習走行からステアリングを握り、予選でも10番手グリッドを獲得。しかし、ドライバー交代のため、カイル・ブッシュは後方からのスタートとなる。

 午後7時48分に1マイルオーバルを250周(250マイル:約400km)して競われる決勝レースがスタート。2番手スタートのコールマンは21周目に首位に浮上。後続を引き離して行ったが、50周目を過ぎたあたりからペースが落ち、徐々に後退。
 一方で、後方スタートのKy.ブッシュが着実に順位を上げ、60周目過ぎにはトップ10圏内に浮上した。
 レースは前半全くイエローコーションの出ない展開となり、80周目過ぎから各車グリーン下でピットイン。ここで更に順位を上げたKy.ブッシュは、3位を走行。125周目にこの日初めてのイエローコーションが出され、全車ピットに向かうと、このピット作業でKy.ブッシュが首位に躍り出た。
 その後、最多となる80周に渡って首位を走行したKy.ブッシュであったが、206周目に、同じくカップ・シリーズとの掛け持ちで後方スタートから追い上げたカール・エドワーズ(フォード)にかわされ2位に後退。エリック・ダーネル(フォード)にも先行を許すが、激しい2位争いの末、2位のポジションは奪回。エドワーズを追ったが及ばず、2位でチェッカーを受けた。
 ドライバーズランキングを争うエドワーズが優勝したが、Ky.ブッシュも最多リードラップのボーナスを獲得したため、10ポイント詰められただけに留まり、Ky.ブッシュはランキング首位の座を守っている。

 次戦第16戦は6月27日(土)にニューハンプシャー・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「後方からのスタートを強いられたが、我々の"トヨタ カムリ"は好調だった。しかし、(優勝した)カール(・エドワーズ)がレースを通して我々よりも速いことは分かっていた。彼は着実なペースで追い上げ、我々もパスしていった。我々には彼を逆転するだけの力はなく、どんなにハードに攻めても届かなかった。我々は2位になるためにここに来たのではなく、常に勝利を目指してレースに臨んでいる。しかし、今日は勝つことが出来ず、残念だ」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 11 60 カール・エドワーズ フォード 250
2 10 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 250
3 5 88 ブラッド・ケセロウスキー シボレー 250
10 8 38 ジェイソン・リフラー トヨタ カムリ 250
12 9 99 トレバー・バイン トヨタ カムリ 249
14 19 47 マイケル・マクドウェル トヨタ カムリ 249
16 16 11 スコット・レガセイ・Jr. トヨタ カムリ 249
22 26 32 バーニー・レマー トヨタ カムリ 248
24 2 20 ブラッド・コールマン トヨタ カムリ 247
28 33 15 マイケル・アネット トヨタ カムリ 246
36 39 10 ケリー・バイアス トヨタ カムリ 16
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 カイル・ブッシュ トヨタ 2391
2 カール・エドワーズ フォード 2264
3 ブラッド・ケセロウスキー シボレー 2173
4 ジェイソン・リフラー トヨタ 2127
5 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 1860
11 マイケル・マクドウェル トヨタ 1662
12 スコット・レガセイ・Jr. トヨタ 1613
15 マイケル・アネット トヨタ 1405
24 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 1034
25 バーニー・レマー トヨタ 957
30 デイビッド・グリーン トヨタ 807
36 スコット・スピード トヨタ 672
45 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 526
48 デイビッド・ロイティマン トヨタ 487
53 トレバー・バイン トヨタ 427
57 ブライアン・スコット トヨタ 376
63 マーク・デイヴィス トヨタ 307
64 ケヴィン・コンウェイ トヨタ 303
67 ブラッド・コールマン トヨタ 230
81 パトリック・カーペンティア トヨタ 112
82 デニー・ハムリン トヨタ 105
96 ドニー・リア トヨタ 34
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 101
2 シボレー 91
3 フォード 90
4 ダッジ 48

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第10戦 Copart 200

開催日:6月20日

6台の"トヨタ タンドラ"がトップ10フィニッシュ

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3位フィニッシュを果たしたブライアン・スコット(#16)

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第10戦「Copart 200」が6月20日(土)、ザ・ミルウォーキー・マイルで開催された。

 19日(金)昼間の練習走行は行われたものの、午後5時半から予定されていた予選は降雨のために中止となり、決勝グリッドはオーナーポイント順で決定された。これにより、前大会3位に入ったルーキーのブライアン・アイクラーがポールポジション。マイク・スキナーが2列目4番手、これにトッド・ボダイン、ティモシー・ペターズ、デイビッド・スター、テリー・クック、テイラー・マルサムと続き、12台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。
 予選の後、午後7時半から予定されていた決勝レースの開始時間になっても、強い雨は止まず、決勝レースも順延。翌日20日(土)午後12時半から行われることとなった。

 20日(土)ネイションワイド・シリーズの練習走行の後、午後12時34分に1マイルオーバルを200周(200マイル:約320km)する決勝レースがスタート。ポールポジションからスタートを切ったアイクラーはポジションを維持することが出来ず、徐々に後退。
 4番手、5番手スタートのスキナーとボダインが首位を行くロン・ホーナディ(シボレー)を追う展開となった。
 38周目にこの日最初のイエローコーションが出されると、上位勢はピットイン。このピットでスキナーが2位、ボダインが3位に浮上。ミルウォーキーでは、燃料フルタンクで80周から90周の走行が可能なため、もう一度ピットインして給油を行えば最後まで走りきれる計算となる。
 しかし、その後55周目の2度目のイエローの後、なかなかイエローが出ず、燃料の苦しくなったスキナーはグリーン下でピットイン。不運なことに、それからまもなくしてこの日3度目のイエローとなり、スキナーは首位から2周遅れと大きく後退してしまった。
 スキナーの脱落後、ボダインが首位浮上。先週のミシガン戦でクラッシュし、手首を負傷しながらも出場し健闘を続けるブライアン・スコットが12番手スタートからポジションを上げ、ボダインに続く形となった。しかし、まもなく速さで勝るホーナディとデニス・セッツァー(シボレー)にかわされ、スコットが3位、ボダインが4位でフィニッシュ。
 6位にステイシー・コンプトン、7位にマルサム、9位にスター、10位クックと続き、"トヨタ タンドラ"は6台がトップ10フィニッシュを果たした。

 次戦第11戦は6月27日(土)に米国南部テネシー州メンフィスのメンフィス・モータースポーツ・パークで開催される。

ドライバー ブライアン・スコット:
「トップ5でフィニッシュ出来て良かった。良いスタートを切り、安定した走りで好結果でフィニッシュ出来た。もちろん常に勝利を目指しているが、3位という結果は、与えられた状況を考えれば悪い結果ではない。我々は最初から良いチームワークで戦うことが出来た。良いピットストップタイミングで、正しい調整を行い、グリーンの間、コース上に残ることが出来た。イエローが出されたとき、我々は次の周でピットインするつもりだったので、非常に幸運だった。我々はロングランで好調だった。もっと長いレースだったら、更に50周あれば、もっと上位を狙えたと思う.とはいえ、痛めた手首で厳しいレースを戦いながら、3位でフィニッシュ出来て良い1日となった」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 3 33 ロン・ホーナディ シボレー 200
2 21 8 デニス・セッツァー シボレー 200
3 12 16 ブライアン・スコット トヨタ タンドラ 200
4 5 30 トッド・ボダイン トヨタ タンドラ 200
6 14 60 ステイシー・コンプトン トヨタ タンドラ 200
7 9 81 テイラー・マルサム トヨタ タンドラ 200
9 7 24 デイビッド・スター トヨタ タンドラ 200
10 8 25 テリー・クック トヨタ タンドラ 200
15 1 51 ブライアン・アイクラー トヨタ タンドラ 199
18 6 17 ティモシー・ペターズ トヨタ タンドラ 199
19 4 5 マイク・スキナー トヨタ タンドラ 198
20 18 15 アリック・アルミローラ トヨタ タンドラ 198
28 20 11 T.J.ベル トヨタ タンドラ 37
29 28 90 ジェイソン・リフラー トヨタ タンドラ 30
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ロン・ホーナディ シボレー 1518
2 マット・クラフトン シボレー 1482
3 トッド・ボダイン トヨタ 1430
4 マイク・スキナー トヨタ 1429
5 デイビッド・スター トヨタ 1317
6 テイラー・マルサム トヨタ 1303
7 ブライアン・スコット トヨタ 1293
8 テリー・クック トヨタ 1291
12 ステイシー・コンプトン トヨタ 1242
15 カイル・ブッシュ トヨタ 1180
16 ティモシー・ペターズ トヨタ 1154
19 T.J.ベル トヨタ 1055
20 ジョニー・ベンソン トヨタ 1047
21 ブライアン・アイクラー トヨタ 743
28 シェイン・シーグ トヨタ 500
29 マックス・パピス トヨタ 476
36 ガビ・ディカルロ トヨタ 306
42 アリック・アルミローラ トヨタ 218
56 J.C.スタウト トヨタ 119
66 ジェイソン・リフラー トヨタ 76
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 78
2 シボレー 67
3 フォード 44
4 ダッジ 31