2009年6月28日(日)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第17戦 Lenox Industrial Tools 301

開催日:6月28日

ルーキーのジョーイ・ロガーノが初優勝!

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初優勝を飾ったジョーイ・ロガーノ

 6月28日(日)、米国北東部ニューハンプシャー州ロードンのニューハンプシャー・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第17戦「Lenox Industrial Tools 301」が開催された。

 26日(金)午後3時から予定されていた予選は降雨のために中止となり、規定によりオーナーポイント順でグリッドが決定された。この結果、デニー・ハムリンが7番手、カイル・ブッシュが9番手グリッドとなり、12台の"トヨタ カムリ"が決勝に進んだ。

 28日(日)雨の予報も出ていたが、ドライコンディションのまま、午後2時16分に 1.058マイルオーバルを301周(318マイル:約510km)して競われる決勝レースがスタート。序盤は、トップ5圏内に浮上したKy.ブッシュと、14番手スタートからポジションを上げてきたデイビッド・ロイティマンが上位争いを展開した。
 この日は8回ものアクシデントが発生。多くの車両が巻き込まれた。24番手からスタートを切ったジョーイ・ロガーノも、182周目にタイヤのパンクに見舞われ、スピン。この日2度目の周回遅れになってしまったが、その直後にスコット・スピードが壁にクラッシュ。これで"ラッキー・ドッグ"(イエローコーション発生時、周回遅れの最上位車両が首位と同一周回に戻れる措置)を獲得したロガーノは、首位と同一周回へと復帰した。
 レースは後半戦に入り230周を過ぎたあたりで、上位勢は続々とグリーン下でピットイン。しかし、180周目の赤旗中断直後にピットインし、給油を行っていた、ライアン・ニューマン(シボレー)、マイケル・ウォルトリップ、ロガーノ、ロイティマンらが上位に浮上した。
 しかし、給油タイミングをずらしたグループも、周回を重ねるごとに燃料が苦しくなり、 260周目にウォルトリップ、263周目にニューマンが燃料切れでピットイン。これでロガーノが首位に立った。そしてその直後、266周目に降雨のためにこの日11度目のイエローコーション。273周目には、路面が完全に濡れたために赤旗中断となった。
 天候の回復を待ったが、雨はますます強くなり、午後5時42分、レース終了が決定。この瞬間にロガーノの初優勝が決定した。
 昨年18歳で最高峰スプリント・カップ・シリーズにスポット参戦し、今季初めてフル参戦を開始したロガーノは、19歳1ヶ月4日での初優勝となり、カップ・シリーズの史上最年少優勝記録を更新。これまでKy.ブッシュが保持していたカップ・シリーズの最年少優勝記録(20歳4ヶ月2日)を大きく上回る記録を打ちたてた。
 同一の作戦を採ったロイティマンが4位、常にトップ10圏内での走行を続けたKy.ブッシュが7位に入った。

 次戦第18戦は7月4日(土)、米国南東部フロリダ州デイトナビーチのデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われる。

ドライバー ジョーイ・ロガーノ:
「ここで勝てるとは思っていなかった。シャーロットでも同じようなチャンスがあったが、その時は勝負しなかった。今日はチャンスが巡ってきて、それに賭けるのに、我々には失うものは何もなかった。クルーチーフは素晴らしい判断をしてくれた。スポンサーや全てのファン、トヨタに感謝したい。夢が叶った。確かに降雨短縮での勝利というのは、理想的な勝利ではないかも知れない。しかし、20年後に記録集を見た人には違いは分からないだろう。特に、このコースは特別だ。ここは私のホームコースであり、初めて私がカップレースを見たコースであり、初めて私がスプリント・カップ・シリーズに出場したコースでもある。また、クルーチーフやチームスタッフの多くが北東部出身であり、それだけにここでの勝利は本当に嬉しい」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 24 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 273
2 2 24 ジェフ・ゴードン シボレー 273
3 4 2 カート・ブッシュ ダッジ 273
4 14 0 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 273
7 9 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 273
15 7 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 273
23 18 47 マーコス・アンブローズ トヨタ カムリ 273
24 29 55 マイケル・ウォルトリップ トヨタ カムリ 273
25 34 7 ロビー・ゴードン トヨタ カムリ 272
35 17 83 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 190
36 37 82 スコット・スピード トヨタ カムリ 189
39 39 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 67
42 40 66 デイヴ・ブレイニー トヨタ カムリ 29
43 41 36 パトリック・カーペンティア トヨタ カムリ 14
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 トニー・スチュワート シボレー 2524
2 ジェフ・ゴードン シボレー 2455
3 ジミー・ジョンソン シボレー 2355
6 デニー・ハムリン トヨタ 2132
8 カイル・ブッシュ トヨタ 2108
14 デイビッド・ロイティマン トヨタ 2037
17 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 1852
18 マーコス・アンブローズ トヨタ 1798
21 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 1741
32 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 1429
34 ロビー・ゴードン トヨタ 1366
35 スコット・スピード トヨタ 1148
39 ジョー・ネメチェク トヨタ 638
41 デイブ・ブレイニー トヨタ 588
42 マックス・パピス トヨタ 502
45 スコット・リグス トヨタ 448
47 ジェレミー・メイフィールド トヨタ 288
51 パトリック・カーペンティア トヨタ 198
52 トッド・ボダイン トヨタ 123
53 テリー・ラボンテ トヨタ 91
57 マイク・スキナー トヨタ 40
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 126
2 トヨタ 94
3 フォード 80
4 ダッジ 74

NASCAR NATIONWIDE SERIESz
第16戦 Camping World RV Sales 200

開催日:6月27日

"トヨタ カムリ"1ー2フィニッシュ!

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今季5勝目を挙げたカイル・ブッシュ(#18)

 6月27日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第16戦「Camping World RV Sales 200」がニューハンプシャー・モーター・スピードウェイで開催された。

 27日(土)午前10時から予選が行われ、ジョーイ・ロガーノが今季3度目となるポールポジションを獲得。ロガーノは出場した直近3戦連続でのポールポジションとなる。スコット・スピードが2列目4番手、今大会がネイションワイド・シリーズ100戦目となるブライアン・ヴィッカーズが8番手、9番手にカイル・ブッシュがつけ、エントリーした9台の"トヨタ カムリ"全車が決勝へと進んだ。

 午後3時15分、好天に恵まれ、蒸し暑い気候の下で1.058マイルオーバルを200周(211.6マイル:約340km)する決勝レースがスタート。ポールポジションのロガーノが好スタートを切った。3周目に2番手スタートのカール・エドワーズ(フォード)にかわされるも、7周目に首位を奪い返し、その後もエドワーズとの首位争いを繰り広げた。
 最初のピットストップの後、60周目にエドワーズに再び先行を許すも、ロガーノは2度目のピットを終えた108周目に首位奪還。
 一方、9番手スタートのKy.ブッシュはハンドリングとトラブルに苦しみ、なんとかトップ10圏内を走行していたが、ピットイン毎の調整が効を奏し、後半徐々にポジションをアップ。ヴィッカーズとスピードも順位を上げ、一時は"トヨタ カムリ"がトップ4を占める体制となった。
 なおも上位を狙うKy.ブッシュは、147周目に一度ロガーノをパスし、首位に立つが、すぐにロガーノがこれを阻止。
 157周目にこの日3度目のイエローコーションが出されると、全車最後のピットイン。残り 40周前後でのバトルとなった。ロガーノは首位の座を守ったままピット作業を終え、再スタートを切ったが、新品タイヤ装着直後のハンドリングに苦しんでおり、この隙を突いたKy.ブッシュが165周目にロガーノをパス。
 その後もロガーノはKy.ブッシュを攻めたが、順位は変わらずチェッカー。Ky.ブッシュが今季5勝目、ロガーノが2位で続き、"トヨタ カムリ"は1-2フィニッシュを飾った。
 常にトップ10圏内で走行を続けたスピードは8位。10位にリフラーが入った。
 この結果、ドライバーズランキング首位のKy.ブッシュは、2位以下との差を更に広げることとなった。

 次戦第17戦は7月3日(金)にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「当初は勝ちを狙える状態ではなかったが、一日中調整を続け、レースを戦いながら勝てるレースカーへと仕上げていった。通常レースをリードしているとき、調整は行わないものだ。リードしている時は、その状況に満足し、最後に逆転されてしまうということが時々ある。ここ数週間、2位フィニッシュを続けており、クルーチーフと私は、この状況を 打破し、勝利するために何が必要なのかについて話し合った。そして正しい方向への大きな進歩を遂げることが出来、良い結果が得られた。本当にクルーチーフとスタッフを誇りに思う。ジョーイ(・ロガーノ)は素晴らしいレーサーで、優れた才能を持っていることは、ネイションワイド・シリーズやカップ・シリーズでの活躍が確かに証明している.彼とチームメイトであるというのは喜ぶべきことであり、チームとこの関係が長く続くことを望んでいる」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 9 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 200
2 1 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 200
3 7 88 ブラッド・ケセロウスキー シボレー 200
8 4 99 スコット・スピード トヨタ カムリ 200
10 12 38 ジェイソン・リフラー トヨタ カムリ 200
12 8 32 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 200
15 16 47 マイケル・マクドウェル トヨタ カムリ 200
16 14 11 スコット・レガセイ・Jr. トヨタ カムリ 200
18 28 10 エリオット・サドラー トヨタ カムリ 200
19 31 15 マイケル・アネット トヨタ カムリ 200
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 カイル・ブッシュ トヨタ 2581
2 カール・エドワーズ フォード 2419
3 ブラッド・ケセロウスキー シボレー 2338
4 ジェイソン・リフラー トヨタ 2261
5 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 2040
11 マイケル・マクドウェル トヨタ 1780
12 スコット・レガセイ・Jr. トヨタ 1728
15 マイケル・アネット トヨタ 1516
23 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 1161
27 バーニー・レマー トヨタ 957
32 スコット・スピード トヨタ 814
33 デイビッド・グリーン トヨタ 807
46 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 526
50 デイビッド・ロイティマン トヨタ 487
54 トレバー・バイン トヨタ 427
58 ブライアン・スコット トヨタ 376
64 マーク・デイヴィス トヨタ 307
65 ケヴィン・コンウェイ トヨタ 303
67 ブラッド・コールマン トヨタ 230
82 パトリック・カーペンティア トヨタ 112
83 エリオット・サドラー トヨタ 109
84 デニー・ハムリン トヨタ 105
101 ドニー・リア トヨタ 34
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 110
2 シボレー 97
3 フォード 94
4 ダッジ 51

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第11戦 MemphisTravel.com 200

開催日:6月27日

"トヨタ タンドラ"が2-3-4フィニッシュ

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2位フィニッシュを果たしたブライアン・スコット(先頭:#16)

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第11戦「MemphisTravel.com 200」が6月27日(土)、米国南部テネシー州メンフィスのメンフィス・モータースポーツ・パークで開催された。
 この週末は、スプリント・カップ・シリーズとネイションワイド・シリーズが米国北東部のニューハンプシャーで行われており、また、ネイションワイド・シリーズとスケジュールが重なるために、両シリーズのドライバーによる参戦は無かった。

 27日(土)午後1時より予選が行われ、テリー・クックが最前列2番手。マイク・スキナーが3番手、アリック・アルミローラが4番手で2列目に並んだ。ステイシー・コンプトンが6番手、ブライアン・スコット8番手、ティモシー・ペターズ9番手、ブライアン・アイクラー10番手と続き、12台の"トヨタ タンドラ"が決勝に進んだ。

 午後5時18分に0.75マイルオーバルを200周(150マイル:約240km)の決勝レースがスタート。序盤戦、上位陣はグリッド順のままで周回を重ねるが、52周目にこの日2度目のイエローが出されると、各車ピットイン。ここでクックが遅れ、アルミローラ2位、スキナー3位となった。
 キャンピングワールド・トラック・シリーズでは、他のカテゴリーと異なり、1度のピットインで同時に給油とタイヤ交換作業を行うことが禁止されている。このため、給油とタイヤ交換のタイミングは別の戦略となり、より多くの戦略が考えられる。
 このピットで長めの燃料戦略を採り、ポジションを下げたデイビッド・スターとスコットは、その後、スターが64周目、スコットが75周目のイエローでそれぞれピットイン。更に順位を落としたが、他車と異なるピット戦略に賭けた。
 レースが折り返し点を超えた110周目にこの日5度目のイエローが出されると、上位陣がタイヤ交換とピットインで2度ピットへ向かうのを尻目に、一度のピットで済ませたスコットとスターが一気に1-2位にジャンプアップを果たした。
 首位に立ったスコットは117周目の再スタート後も、そのポジションを守ったが、ポールポジションから圧倒的な速さを誇るロン・ホーナディ(シボレー)がスターをパスし、2位に浮上。更にスコットに迫った。
 スコットとホーナディは僅差の首位争いを繰り広げたが、135周目、第1ターンでホーナディがインに入り、サイド・バイ・サイドのまま第3ターンへ進入。しかし、ここで周回遅れが2台の前に現れ、アウト側に逃げたスコットは、ホーナディの先行を許してしまった。
 レースはチェッカー目前の196周目にクラッシュが発生し、1周延長されて最後の2周"グリーン・ホワイト・チェッカー"で決されることとなった。2位のスコットと3位スターが、最後まで首位を追ったが及ばず、スコットが2位でフィニッシュ。スコットは3位に入った前戦に引き続き、2戦連続のトップ3フィニッシュとなった。
 3位にスター。終盤まで5位を走行していたスキナーはファイナルラップに接触を喫し、6位。これをかわしたアルミローラが4位に入った。

 次戦第12戦は7月18日(土)に米国中東部ケンタッキー州スパルタのケンタッキー・スピードウェイで開催される。

ドライバー ブライアン・スコット:
「もう少し長く(ロン)ホーナディを抑えることは出来たかも知れない。彼の仕上がりは素晴らしかったので、彼に勝つことが出来たかどうかはわからない。燃料が減っていったときに、負傷した手首でブレーキバランスの調整を行うのは厳しかった。そして、最終的にはフロントタイヤを酷使してしまった。それを考えれば2位というのは満足行く結果だ。チームスタッフは、工場でも本当に大変なハードワークと努力で素晴らしい"トヨタ タンドラ"を仕上げてくれた。我々のクルーチーフは最高の判断と経験を持ち、私はただドライブするだけで良かった。我々は、不運やアクシデントに見舞われなければ、トップ5入り出来るということを示せたと思うし、これからも毎週上位を狙っていきたい。」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 1 33 ロン・ホーナディ シボレー 201
2 8 16 ブライアン・スコット トヨタ タンドラ 201
3 14 24 デイビッド・スター トヨタ タンドラ 201
4 4 15 アリック・アルミローラ トヨタ タンドラ 201
6 3 5 マイク・スキナー トヨタ タンドラ 201
7 9 17 ティモシー・ペターズ トヨタ タンドラ 201
10 12 30 トッド・ボダイン トヨタ タンドラ 201
12 10 51 ブライアン・アイクラー トヨタ タンドラ 201
13 2 25 テリー・クック トヨタ タンドラ 201
16 17 81 テイラー・マルサム トヨタ タンドラ 201
17 6 60 ステイシー・コンプトン トヨタ タンドラ 200
18 24 11 T.J.ベル トヨタ タンドラ 200
22 23 90 ブレント・シェルマン トヨタ タンドラ 162
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ロン・ホーナディ シボレー 1713
2 マット・クラフトン シボレー 1637
3 マイク・スキナー トヨタ 1579
4 トッド・ボダイン トヨタ 1564
5 デイビッド・スター トヨタ 1482
6 ブライアン・スコット トヨタ 1468
7 テイラー・マルサム トヨタ 1418
8 テリー・クック トヨタ 1415
12 ステイシー・コンプトン トヨタ 1359
14 ティモシー・ペターズ トヨタ 1300
18 カイル・ブッシュ トヨタ 1180
19 T.J.ベル トヨタ 1169
20 ジョニー・ベンソン トヨタ 1047
21 ブライアン・アイクラー トヨタ 870
30 シェイン・シーグ トヨタ 500
32 マックス・パピス トヨタ 476
34 アリック・アルミローラ トヨタ 383
38 ガビ・ディカルロ トヨタ 306
56 J.C.スタウト トヨタ 119
68 ジェイソン・リフラー トヨタ 76
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 84
2 シボレー 76
3 フォード 48
4 ダッジ 34