2009年7月 4日(土)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第18戦 Coke Zero 400

開催日:7月4日

首位走行中のカイル・ブッシュが最終周にクラッシュ!
デニー・ハムリンが3位フィニッシュ

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レース中盤を支配し、3位でフィニッシュしたデニー・ハムリン(#11)と
ファイナルラップ、首位走行中の接触で惜しくも14位に終わったカイル・ブッシュ(#18)

 7月4日(土)、米国南東部フロリダ州デイトナビーチのデイトナ・インターナショナル・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第18戦「Coke Zero 400」が開催された。
 NASCARの聖地のひとつである、伝統の「デイトナ」でのレースは、開幕戦に続き、今季2度目。最大31度と高いバンク角を誇る1周2.5マイル(約4km)のスーパースピードウェイでは、タラデガと同様、リストリクター・プレート(吸気制限プレート)による馬力制限が行われ、ドラフティング(車両が縦に並んで走行することで空気抵抗を低減する)などの戦略や技術も重要となる。また、超高速での接近戦が展開されるため、ひとたびクラッシュが発生すれば、多くの車両が巻き込まれる多重クラッシュになりやすい。
 昨年の同レースでは、カイル・ブッシュが"トヨタ カムリ"に初のデイトナでの勝利をもたらしている。

 3日(金)午後4時から行われる予定の予選は、突然の強い雷雨のために中止となり、規定によりオーナーポイント順でグリッドが決定。デニー・ハムリンが6番手、カイル・ブッシュが8番手となり、12台の"トヨタ カムリ"が決勝に進んだ。今季、降雨による予選中止は4度目となった。

 4日(土)スプリント・カップ・シリーズの決勝レース前に、デイトナ・インターナショナル・スピードウェイのロードコースで、グランダム・ロレックス・スポーツカーレースの第7戦が開催された。このレースに、Ky.ブッシュと、スプリント・カップ・シリーズに参戦している元F1ドライバー、スコット・スピードとがペアを組み、レクサス・ライリーでスポット参戦。見事10位でフィニッシュしている。

 4日(土)まだ明るさの残る午後8時20分に、2.5マイルのスーパースピードウェイを160周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。
 すぐに、6番手スタートのハムリンと8番手スタートのKy.ブッシュが隊列の上位に浮上。ハムリンは4周目にトップに立った。Ky.ブッシュもアウトサイドの隊列先頭に付け、チャンスを伺う。後方では、18番手スタートのマーコス・アンブローズがトップ10圏内へとポジションを上げていった。
 その後もハムリンとKy.ブッシュを含むトップグループは、ポジションを入れ替えながらの首位争いを展開。後方のセカンドグループは2列、時には3列での激しいポジション争いを繰り広げた。
 63周目にハムリンがこの日4度目の首位に浮上。Ky.ブッシュが続き、ジョー・ギブス・レーシングの"トヨタ カムリ"が1-2体制でレースを引っ張る形となった。
 78周目には、13台が巻き込まれる多重クラッシュが発生。デビッド・ロイティマン、マイケル・ウォルトリップ、ブライアン・ヴィッカーズらが巻き込まれてしまった。
 ハムリンとKy.ブッシュは変わらずトップグループを維持したまま終盤戦へ。レースも残り10周を切った153周目に、セカンドグループ中団でポジションを争っていたスコット・スピードが接触でバランスを崩し、ウォールにクラッシュ。これでこの日8度目のイエローコーションとなり、残り4周で最後の再スタートが切られた。
 常にトップ5圏内を走行しながらも、この日は一度も首位に立つことの無かったKy.ブッシュだったが、ついにこの機にアタック。残り2周で首位を行くトニー・スチュワート(シボレー)をアウトサイドからパス。ファイナルラップで、この日初めての首位に立った。Ky.ブッシュの後方につけ、首位浮上を援護したハムリンは、隊列へ戻る場所を失い、4位に後退。
 Ky.ブッシュが首位に立ったが、昨年までKy.ブッシュのチームメイトであったスチュワートも逆転を狙い、ファイナルラップ、チェッカーを目前にした最終コーナーで、アウトへとラインを変更。これを抑えようとしたKy.ブッシュがアウトへラインを変えた瞬間、スチュワートと接触。Ky.ブッシュはハイスピードのままスピンし、ウォールへクラッシュ。これを避けられなかった後続集団が続々と突っ込み、多重クラッシュの大混乱のまま、各車はチェッカーへと飛び込んだ。
 この結果、クラッシュを避けたハムリンが3位。アンブローズが6位、ヴィッカーズが7位と、"トヨタ カムリ"は3台がトップ10フィニッシュ。後続から突っ込まれた状態でフィニッシュラインを越えたKy.ブッシュは、14位でレースを終えることとなった。

 次戦第19戦は7月11日(土)、米国中部イリノイ州ジョリエットのシカゴランド・スピードウェイで行われる。

ドライバー デニー・ハムリン:
「我がチームの車両のどれか1台が勝てればと思っていた。そのため、最後は14号車(トニー・スチュワート)を抜くために、18号車(カイル・ブッシュ)の後ろについて行くことを決め、自分たちの勝利の代わりに、チームメイトの勝利を援護する形となった。この判断は上手く行き、18号車はトップに立ったが、我々は居場所を失い、48号車(ジミー・ジョンソン)に先行されてしまった。最後の状況では、2番手のトニーの方が有利だった だろう。カイルは首位の座を守るために、出来る限りのことをした。トニーも勝利のために全力を尽くした。彼らはどちらも勝利を目指していたのだし、誰も責めることは出来ない。我々自身にとっては、素晴らしい夜だった。我々の"トヨタ カムリ"は非常に強力だった。これまで、スーパースピードウェイでこれほどの仕上がりで走れたことはない。チームを誇りに思う。ピットストップも上手く行き、多くの周回でリードラップを獲得出来た。全体的に見て、満足のいく一日だった」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 1 14 トニー・スチュワート シボレー 160
2 3 48 ジミー・ジョンソン シボレー 160
3 6 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 160
6 18 47 マーコス・アンブローズ トヨタ カムリ 160
7 17 83 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 160
14 8 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 160
19 21 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 160
22 34 7 ロビー・ゴードン トヨタ カムリ 160
31 37 82 スコット・スピード トヨタ カムリ 152
36 14 0 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 127
37 29 55 マイケル・ウォルトリップ トヨタ カムリ 124
41 39 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 25
42 41 36 パトリック・カーペンティア トヨタ カムリ 18
43 40 66 デイヴ・ブレイニー トヨタ カムリ 2
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 トニー・スチュワート シボレー 2719
2 ジェフ・ゴードン シボレー 2539
3 ジミー・ジョンソン シボレー 2525
6 デニー・ハムリン トヨタ 2302
8 カイル・ブッシュ トヨタ 2234
14 デイビッド・ロイティマン トヨタ 2092
17 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 1998
18 マーコス・アンブローズ トヨタ 1948
20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 1847
33 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 1481
34 ロビー・ゴードン トヨタ 1468
35 スコット・スピード トヨタ 1218
40 ジョー・ネメチェク トヨタ 678
41 デイブ・ブレイニー トヨタ 622
42 マックス・パピス トヨタ 502
45 スコット・リグス トヨタ 448
48 ジェレミー・メイフィールド トヨタ 288
49 パトリック・カーペンティア トヨタ 235
52 トッド・ボダイン トヨタ 123
54 テリー・ラボンテ トヨタ 91
58 マイク・スキナー トヨタ 40
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 135
2 トヨタ 100
3 フォード 84
4 ダッジ 77

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第17戦 Subway Jalapeno 250

開催日:7月3日

カイル・ブッシュが惜しくも2位フィニッシュ

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2位に入ったカイル・ブッシュ(#18)と、
7位でフィニッシュしたブライアン・ヴィッカーズ(#32)

 7月3日(金)にNASCARネイションワイド・シリーズの第17戦「Subway Jalapeno 250」がデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催された。

 3日(金)午後1時から予選が行われ、ルーキーのマイケル・アネットが"トヨタ カムリ"勢最上位の9番手グリッド。今大会初めて"トヨタ カムリ"に乗りスポット参戦するカップドライバーのケイシー・ケインが15番手、カイル・ブッシュは19番手。9台の"トヨタ カムリ"が決勝に進んだ。

 午後8時22分、2.5マイルオーバルを100周(250マイル:約400km)する決勝レースがスタート。19番手スタートのKy.ブッシュが徐々にポジションを上げ、35周目には首位に浮上した。その後方では、30番手と後方スタートのブライアン・ヴィッカーズ、23番手スタートのジョーイ・ロガーノ、34番手スタートのマイケル・ウォルトリップらがポジションを上げ、上位を争う集団に加わった。
 特に、2001年と2003年にカップ・シリーズの「デイトナ500」を制するなど、比較的このコースでのレースを得意とするマイケル・ウォルトリップは、約2ヶ月ぶりと、久しぶりのネイションワイド・シリーズ出場ながら、巧みなポジショニングで上位へ浮上。46周目にこの日2度目のイエローコーションが出されると、素早いピットで6位にポジションアップ。再スタート後も目覚ましい走りを見せ、55周目には首位に立った。
 しかし、58周目に発生した多重クラッシュでイエローコーションが出され、全車ピットインとなった際、ピットアウトしようとしたウォルトリップの車両に、後方からの車両が接触。これでウォルトリップは首位と同一周回最後尾の35位まで大きく後退を余儀なくされ、勝利のチャンスを失ってしまった。
 その後も、Ky.ブッシュとヴィッカーズ、ロガーノが上位のポジションをキープ。100周のレースも終盤となった94周目に5台が絡む多重クラッシュが発生し、レースは2周延長、最後の2周"グリーン・ホワイト・チェッカー"でのスプリント勝負となった。
 トップのクリント・ボウヤー(シボレー)をイン側の先頭に、2位のカール・エドワーズ(フォード)がアウト側、3位のKy.ブッシュ、5位のロガーノがイン側で続き、再スタートが切られた。上位の5、6台が2列の団子状態での再スタートとなったが、まもなくイン側のボウヤーとKy.ブッシュが先行。Ky.ブッシュは最後の逆転を狙ったが、最終ラップを示すホワイトフラッグが降られるのとほぼ同時に、後方集団で多重クラッシュが発生し、イエローコーション。順位はこの時点で凍結されることとなり、Ky.ブッシュは惜しくも2位フィニッシュ。ロガーノが4位、ケインが5位となった。
 常にトップ10圏内、上位集団での走行を続けたヴィッカーズが7位。ピットでの接触により大きくポジションを落としながらも、その後素晴らしい追い上げを見せたウォルトリップが11位に入った。
 Ky.ブッシュは、ランキングを争うエドワーズが3位となったため、僅かながらその差を広げ、ランキング首位の座を守っている。

 次戦第18戦は7月10日(金)にシカゴランド・スピードウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「我々の"トヨタ カムリ"は絶好調で、非常に楽しいレースだった。レース序盤は滑りやすかったので、グリップを向上させるために、ピットストップの度に調整を加えた。完璧に改善するまでには至らなかったが、全体的には、特にロングランで調子は良かった。 29号車(クリント・ボウヤー)はロングランで本当に速く、彼のレースカーはエンジンパワーも出ていた。残念ながら、今夜は2位で良しとしなくてはならない。しかし、それは激しい戦いの末に勝ち取った2位だ。ポイントでもカール・エドワーズとの差を少しだが広げることも出来たし、良い結果だと思う」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 1 29 クリント・ボウヤー シボレー 102
2 19 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 102
3 11 60 カール・エドワーズ フォード 102
4 23 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 102
5 15 10 ケイシー・ケイン トヨタ カムリ 102
7 30 32 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 102
11 34 99 マイケル・ウォルトリップ トヨタ カムリ 102
13 39 47 マイケル・マクドウェル トヨタ カムリ 102
18 38 11 スコット・レガセイ・Jr. トヨタ カムリ 102
19 24 38 ジェイソン・リフラー トヨタ カムリ 102
35 9 15 マイケル・アネット トヨタ カムリ 84
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 カイル・ブッシュ トヨタ 2756
2 カール・エドワーズ フォード 2584
3 ブラッド・ケセロウスキー シボレー 2488
4 ジェイソン・リフラー トヨタ 2367
5 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 2200
11 マイケル・マクドウェル トヨタ 1904
12 スコット・レガセイ・Jr. トヨタ 1837
15 マイケル・アネット トヨタ 1574
21 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 1307
28 バーニー・レマー トヨタ 957
33 スコット・スピード トヨタ 814
34 デイビッド・グリーン トヨタ 807
41 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 661
50 デイビッド・ロイティマン トヨタ 487
55 トレバー・バイン トヨタ 427
60 ブライアン・スコット トヨタ 376
64 マーク・デイヴィス トヨタ 307
65 ケヴィン・コンウェイ トヨタ 303
68 ブラッド・コールマン トヨタ 230
78 ケイシー・ケイン トヨタ 155
85 パトリック・カーペンティア トヨタ 112
86 エリオット・サドラー トヨタ 109
87 デニー・ハムリン トヨタ 105
105 ドニー・リア トヨタ 34
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 116
2 シボレー 106
3 フォード 98
4 ダッジ 54