2009年8月16日(日)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第23戦 Carfax 400

開催日:8月16日

ブライアン・ヴィッカーズが念願の今季初勝利!

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嬉しいトヨタでの初勝利を飾ったブライアン・ヴィッカーズ(#83)

 8月16日(日)、米国北東部ミシガン州ブルックリンのミシガン・インターナショナル・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第23戦「Carfax 400」が開催された。
 ミシガンでは年2度のレースが開催されており、今年6月に行われた第15戦では、デニー・ハムリンが3位フィニッシュを果たしている。

 14日(金)午後3時40分より2周ずつのアタックで決勝のスタートグリッドを決定する予選が行われ、ブライアン・ヴィッカーズが今季6度目のポールポジションを獲得。ルーキーのジョーイ・ロガーノが8番手につけ、12台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
 ヴィッカーズは昨年の第23戦、今年の第15戦でもポールポジションを獲得しており、ここミシガンで3戦連続のポールポジション獲得という快挙を成し遂げた。

 16日(日)午後2時20分、2マイルオーバルを200周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースのグリーンフラッグが振られた。
 スタートでライバル勢の先行を許す形となったヴィッカーズは、首位の座こそ譲ったものの、8番手から好スタートを切ったロガーノ、ハムリンらと共に上位争いを展開した。
 通常ここミシガンでのレースは、アクシデントが少なく、終盤燃費勝負となることが多いが、今大会は、降雨などもあり、レースが後半に入った117周目からイエローコーションが多発し、各車の燃料戦略が注目された。
 燃料をフルに入れた状態で、およそ48周程度の走行が目安となっていたが、145周目にこの日6度目のイエローコーションが出されると、ヴィッカーズを含む上位グループはピットイン。やや厳しい51周を残した状態での給油となった。第2集団につけていたデイビッド・ロイティマンはステイアウト(コース上に残ること)し、首位に浮上。ハムリン、ロガーノらもコース上に残る作戦を採った。
 タイヤ交換を2本のみとし、ピットインしたグループでは最上位の9位で再スタートを切ったヴィッカーズは、一気に順位を上げていったが、再スタート後まもない157周目に他車のスピンでこの日7度目のイエローコーション。これで、先ほどステイアウトしたロガーノらがピットイン。先のコーションでピットインしたトップ14台はそのままコース上に残り、この上位勢の燃料が最後まで持つかどうかの勝負となった。
 首位で再スタートを切ったヴィッカーズは、ジミー・ジョンソン(シボレー)と首位争いを展開。165周目にジョンソンに先行されるも、その後方にぴたりとつけ、燃料をセーブしながら逆転のチャンスを待った。
 残り2周、首位を走行していたジョンソンが燃料切れでピットイン。これでヴィッカーズが首位に立った。ヴィッカーズは、心配された燃料切れに陥ることなく、後続からも逃げ切りそのまま首位でチェッカー。嬉しい今季初勝利を挙げた。
 ヴィッカーズ自身にとっても、2006年のタラデガ以来となる、キャリア2勝目。トヨタが 2007年にNASCARの最高峰スプリント(当時はネクステル)・カップ・シリーズに参戦を開始したときに、新たにチームを立ち上げ、"トヨタ カムリ"と共に戦ってきたレッドブル・チームにとっても初めての勝利。また、"トヨタ カムリ"にとっても、スプリント・カップ・シリーズで未勝利だったミシガンでの念願の初勝利となった。
 最後のピットインのあと追い上げを見せたロガーノが7位、ロイティマンが9位、ハムリンが10位に入り、4台の"トヨタ カムリ"がトップ10フィニッシュを果たした。
 レースを最後まで走りきったヴィッカーズは、チェッカーのあと、ウィニングランから大観衆の前で"ドーナツ・ターン"を披露したところでついに燃料切れ。クルーに押されながら歓喜のヴィクトリーレーンへと向かうこととなった。
 この結果、優勝したヴィッカーズは、"チェイス"争いでも、12位のドライバーまで僅か 12ポイントの13位に浮上。同じく"チェイス"入りを争っているカイル・ブッシュは、一時は5位を走行したものの、終盤ハンドリングに苦しみ、23位でフィニッシュ。ランキングも 15位へと後退してしまった。

 次戦第24戦は8月22日(土)、米国南部テネシー州ブリストルのブリストル・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー ブライアン・ヴィッカーズ:
「何と言っていいかわからない。ヴィクトリーレーンに立つのは最高の気分だ。チーム、トヨタ、TRD-USAの全ての人々を誇りに思う。我々は共に、長期にわたって厳しい時期を過ごしてきた。そして、観戦に来てくれたファンにも感謝しなくてはならない。経済的に厳しいこの時期に、これだけ多くのファンが訪れてくれたことを本当にありがたく思っている。最後は厳しいレースだった。最後まで燃料切れは心配だった。しかし、前回同様の経験をしたこともあり、どうすれば燃料をセーブできるか分かっており、勝てると思っていた。他人にはわからないかも知れないが、本当に最後まで燃料が持つと感じていた。幸運な一日だった。本当にハードワークを続けてきてくれたチームとトヨタの全員の努力が、これで報われた」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 1 83 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 200
2 21 24 ジェフ・ゴードン シボレー 200
3 15 88 デイル・アーンハート・Jr. シボレー 200
7 8 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 200
9 31 0 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 200
10 16 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 200
23 39 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 200
27 30 55 マイケル・ウォルトリップ トヨタ カムリ 200
34 11 82 スコット・スピード トヨタ カムリ 199
35 26 47 マーコス・アンブローズ トヨタ カムリ 199
37 24 7 ロビー・ゴードン トヨタ カムリ 97
39 38 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 40
41 43 36 マイク・スキナー トヨタ カムリ 33
42 41 66 デイヴ・ブレイニー トヨタ カムリ 18
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 トニー・スチュワート シボレー 3500
2 ジェフ・ゴードン シボレー 3216
3 ジミー・ジョンソン シボレー 3197
5 デニー・ハムリン トヨタ 2986
13 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 2779
15 カイル・ブッシュ トヨタ 2721
16 デイビッド・ロイティマン トヨタ 2673
17 マーコス・アンブローズ トヨタ 2474
19 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 2426
33 ロビー・ゴードン トヨタ 1833
34 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 1799
35 スコット・スピード トヨタ 1600
40 ジョー・ネメチェク トヨタ 844
41 デイブ・ブレイニー トヨタ 810
43 マックス・パピス トヨタ 644
45 スコット・リグス トヨタ 448
47 パトリック・カーペンティア トヨタ 351
50 ジェレミー・メイフィールド トヨタ 288
52 マイク・スキナー トヨタ 166
54 テリー・ラボンテ トヨタ 155
56 トッド・ボダイン トヨタ 123
59 P.J.ジョーンズ トヨタ 40
62 マイク・ウォレス トヨタ 34
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 174
2 トヨタ 132
3 フォード 104
4 ダッジ 96

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第23戦 Carfax 250

開催日:8月15日

レースを支配したブライアン・ヴィッカーズと
カイル・ブッシュが惜しくも2-3位フィニッシュ

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レースを通して首位争いを展開し、2位に入った
ブライアン・ヴィッカーズ(#32)と3位のカイル・ブッシュ(#18)

 8月15日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第23戦「Carfax 250」がミシガン・インターナショナル・スピードウェイで開催された。

 14日(金)に2度にわたって練習走行が行われ、15日(土)決勝を前に10時35分から予選が開始された。
 前日のスプリント・カップ・シリーズ予選でポールポジションを獲得したブライアン・ヴィッカーズが、ネイションワイド・シリーズでもポールポジションを獲得。トレバー・バインが2番手、カイル・ブッシュが3番手。ブラッド・コールマンが5番手、デニー・ハムリンが8番手につけ、10台の"トヨタ カムリ"が決勝へ進んだ。

 午後3時49分、2マイルオーバルを125周(250マイル:約400km)して競われる決勝レースがスタート。
 ポールポジションのヴィッカーズが好スタートを切り、首位を堅持。2番手グリッドのバインが出遅れ、3番手グリッドのKy.ブッシュが2位で続いた。
 14周目にKy.ブッシュが首位に立つが、その後すぐにヴィッカーズが首位の座を奪い返し、後続との差を拡げていった。
 8番手スタートのハムリンも序盤から上位へポジションを上げ、首位を逃げるヴィッカーズの後方で、Ky.ブッシュとハムリンの激しい上位争いが展開された。
 しかし、ハムリンは46周目に2度目のイエローコーションが出されたとき、トラブルに見舞われスローダウン。そのままガレージへと向かい、戦線離脱となってしまった。
 レースはその後もヴィッカーズとKy.ブッシュが順位を入れ替えながら激しい首位争いを展開。そのバトルはチェッカー直前まで続いた。
 最終ラップ、タイヤが厳しくなり、コーナーでバランスを崩しかけたヴィッカーズを、インからパスしようとしたKy.ブッシュだったが、ヴィッカーズはインへとラインを変え、これをブロック。Ky.ブッシュは行き場を失い、コース内側のホワイトラインをまたぐ形でペースダウンを強いられることとなった。このバトルの隙を突かれ、3位につけていたブラッド・ケセロウスキー(シボレー)がチェッカーを目前にしてアウトから2台をパス。
 ヴィッカーズは最後まで追い上げたが届かず、無念の2位フィニッシュ。Ky.ブッシュは3位となった。
 この結果、Ky.ブッシュの連続トップ2フィニッシュ記録は10でストップすることとなったが、ランキングでは、2位につけるカール・エドワーズがクラッシュにより40位に終わったため、Ky.ブッシュは大きくリードを拡げることとなった。また、Ky.ブッシュは今大会でもリードラップを獲得したため、20戦連続リードラップ獲得のシリーズ新記録を更新した。

 次戦第24戦は8月21日(金)にブリストル・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー ブライアン・ヴィッカーズ:
「我々の"トヨタ カムリ"は良い仕上がりだった。ロングランで特に良かったが、ショートランではオーバーステア症状が強く、18号車(カイル・ブッシュ)の方が良い状態だった。今日はずっと良い走りが出来、最後もただ勝つために激しく戦った。しかし、アウトサイドから88号車(ブラッド・ケセロウスキー)に我々2台は抜かれてしまった。チェッカー直前、私は本当にオーバーステア症状が酷く、あの時点では、私は勝つために、18号車を抑えることしか考えていなかった」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 13 88 ブラッド・ケセロウスキー シボレー 125
2 1 32 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 125
3 3 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 125
11 22 38 ジェイソン・リフラー トヨタ カムリ 125
13 18 15 マイケル・アネット トヨタ カムリ 125
14 36 10 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 125
16 19 14 ジャスティン・ロフトン トヨタ カムリ 125
23 5 20 ブラッド・コールマン トヨタ カムリ 124
30 2 99 トレヴァー・バイン トヨタ カムリ 122
32 8 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 117
37 38 47 チェイス・ミラー トヨタ カムリ 11
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 カイル・ブッシュ トヨタ 3816
2 カール・エドワーズ フォード 3477
3 ブラッド・ケセロウスキー シボレー 3427
4 ジェイソン・リフラー トヨタ 3203
10 マイケル・マクドウェル トヨタ 2474
11 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 2459
13 マイケル・アネット トヨタ 2247
15 スコット・レガセイ・Jr. トヨタ 2194
21 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 1709
34 バーニー・レマー トヨタ 957
35 スコット・スピード トヨタ 953
36 トレバー・バイン トヨタ 945
41 デイビッド・ロイティマン トヨタ 880
43 ケリー・バイアス トヨタ 822
44 デイビッド・グリーン トヨタ 807
47 ブラッド・コールマン トヨタ 718
50 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 661
61 ケヴィン・コンウェイ トヨタ 485
67 ブライアン・スコット トヨタ 376
72 マーク・デイヴィス トヨタ 307
78 デニー・ハムリン トヨタ 233
81 マーコス・アンブローズ トヨタ 195
82 チャド・ブラウント トヨタ 190
91 ケイシー・ケイン トヨタ 155
98 ロビー・ゴードン トヨタ 121
99 ジャスティン・ロフトン トヨタ 115
100 パトリック・カーペンティア トヨタ 112
101 エリオット・サドラー トヨタ 109
110 ブライアン・アイクラー トヨタ 67
112 ジャスティン・マークス トヨタ 67
121 コールマン・プレスリー トヨタ 40
123 ドニー・リア トヨタ 34
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 161
2 シボレー 142
3 フォード 131
4 ダッジ 72