2009年8月30日(日)配信

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第25戦 NAPA Auto Parts 200

開催日:8月30日

最終ラップの最終コーナーで逆転!
マーコス・アンブローズが無念の2位ュ

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レースの大半を支配したが無念の2位に終わったマーコス・アンブローズ(#47)

 8月30日(日)にNASCARネイションワイド・シリーズの第25戦「NAPA Auto Parts 200」がカナダ・ケベック州モントリオールのロードコース、ジル・ヴィルヌーブ・サーキットで開催された。
 F1レースも開催された同コースで開催されるNASCARトップ3カテゴリーはネイションワイド・シリーズのみで、今年で3回目となる。今季はメキシコシティでの開催が無くなったため、NASCARトップ3カテゴリーでは唯一の海外遠征戦となり、地元カナダ出身のロードコーススペシャリストなどが数多くスポット参戦した。
 元F1ワールドチャンピオンであり、地元ケベック州出身のジャック・ヴィルヌーヴも、父の名を冠するサーキットでのNASCARレースに、久しぶりに出場することとなった。

 29日(土)午前中、2度にわたって予定されていた公式練習走行は、1回目が降雨の中で行われたものの、ドライコンディションを想定していた2回目の時点でも雨が止まず、2回目はキャンセルとなった。
 午後4時40分から予定されていた予選は、やはり降り続く雨のためにスタートディレイ。しかし、暗くなってしまう前に全セッションを終えるために、ヘビーウェットの中でセッションがスタート。NASCARの歴史の中でも初めてとなる、レインタイヤでの予選が行われた。
 8グループに分け、1グループ5、6台ずつアタックした予選では、オーストラリア出身でロードコースを得意とし、第22戦ワトキンス・グレンで勝利を挙げているマーコス・アンブローズがポールポジションを獲得。ブラッド・コールマンが5番手、ヴィルヌーヴが6番手。ジャスティン・マークスが7番手。地元カナダのNASCARローカルシリーズに参戦しているアンドリュー・レンジャーが9番手。カイル・ブッシュは12番手につけ、9台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 30日(日)午後2時のレース前セレモニーの時には陽射しも出ていたが、徐々に黒い雲が覆い、空模様を気にしながら、午後3時に2.71マイルロードコースを74周(200マイル:約320km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
 ポールポジションのアンブローズがポジションをキープ。後方では、6番手スタートのヴィルヌーヴが一気にポジションを上げ、アンブローズに続く2位に浮上。  16周目に、4位を走行していた地元カナダ出身のパトリック・カーペンティアが突然スローダウン。これでこの日3度目のイエローコーションが出され、上位勢は一斉にピットイン。上位の順位が入れ替わったが、アンブローズは31周目に再び首位を奪取した。
 その後も多発したイエローコーションからの再スタートでもアンブローズは首位の座をキープ。60周目には、ついに雨が降り始め、赤旗中断となった。この中断期間に、全車レインタイヤに履き替え、ワイパーとブレーキランプを装着。6分51秒の中断の後、昨年に引き続き、モントリオールでは2年連続となるウェットでのレースが再開された。
 その後も3回にわたってイエローコーションが出され、レースは2周延長。"グリーン・ホワイト・チェッカー"の2周スプリントレースで75周目に再スタートが切られた。
 アンブローズは上手いスタートで首位を守り、追い上げるカール・エドワーズ(フォード)を巧みにブロック。ワトキンス・グレンに続くロードコース2連勝を飾るかと思われた。しかし、チェッカーを目前にしたファイナルラップの最終コーナー(シケイン)で、縁石を深くカットしすぎたアンブローズは、はねるようにアウト側へ。この隙をつかれ、テール・トゥ・ノーズ状態だったエドワーズの先行を許してしまった。
 76周のうち60周に渡って首位を走行、レースの大半を支配したアンブローズであったが、まさかのチェッカー目前の逆転で勝利を逃し、2位フィニッシュとなってしまった。
 3位はレンジャー。4位ヴィルヌーヴと、地元カナダ勢が気を吐いた。カイル・ブッシュは最後の再スタート時は4位につけていたが、再スタート直後の1コーナー後の混乱に巻き込まれ、10位に終わった。
 レースは3時間49分に及び、NASCARネイションワイド・シリーズで史上最長時間レースの記録を更新した。

 次戦第26戦は9月5日(土)に米国南東部ジョージア州ハンプトンのアトランタ・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー マーコス・アンブローズ:
「最終コーナーでミスを犯してしまった。それが最終ラップだったので、レースを失ってしまった。本当に残念だが、結果は結果だ。私は偉大なドライバー達と、素晴らしい環境でレースを戦っている。我々は多くの周回で首位を走った。それはずっと続くと思われた。5回か6回の再スタートでも、私はミスせずに、首位の座を堅守し続けた。カール・エドワーズ(フォード)の勝利を祝福する。彼は私をぴったりとマークし続け、私がミスを犯してしまったということだ」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 2 60 カール・エドワーズ フォード 76
2 1 47 マーコス・アンブローズ トヨタ カムリ 76
3 9 11 アンドリュー・レンジャー トヨタ カムリ 76
4 6 32 ジャック・ヴィルヌーヴ トヨタ カムリ 76
10 12 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 76
18 31 15 マイケル・アネット トヨタ カムリ 76
28 5 20 ブラッド・コールマン トヨタ カムリ 72
29 22 38 ジェイソン・リフラー トヨタ カムリ 70
30 7 10 ジャスティン・マークス トヨタ カムリ 70
38 40 99 パトリック・カーペンティア トヨタ カムリ 15
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 カイル・ブッシュ トヨタ 4034
2 カール・エドワーズ フォード 3842
3 ブラッド・ケセロウスキー シボレー 3752
4 ジェイソン・リフラー トヨタ 3429
10 マイケル・マクドウェル トヨタ 2738
12 マイケル・アネット トヨタ 2498
14 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 2459
16 スコット・レガセイ・Jr. トヨタ 2194
21 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 1709
37 トレバー・バイン トヨタ 1036
38 デイビッド・ロイティマン トヨタ 1010
40 バーニー・レマー トヨタ 957
41 スコット・スピード トヨタ 953
42 ブラッド・コールマン トヨタ 873
45 ケリー・バイアス トヨタ 822
47 デイビッド・グリーン トヨタ 807
51 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 661
62 ケヴィン・コンウェイ トヨタ 485
65 ブライアン・スコット トヨタ 449
68 マーコス・アンブローズ トヨタ 375
76 マーク・デイヴィス トヨタ 307
80 デニー・ハムリン トヨタ 233
83 ケイシー・ケイン トヨタ 207
87 チャド・ブラウント トヨタ 190
92 アンドリュー・レンジャー トヨタ 170
95 ジャック・ヴィルヌーヴ トヨタ 165
96 パトリック・カーペンティア トヨタ 161
101 ジャスティン・マークス トヨタ 140
107 ロビー・ゴードン トヨタ 121
108 ジャスティン・ロフトン トヨタ 115
110 エリオット・サドラー トヨタ 109
116 コールマン・プレスリー トヨタ 86
121 ブライアン・アイクラー トヨタ 67
135 ドニー・リア トヨタ 34
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 171
2 シボレー 152
3 フォード 149
4 ダッジ 78

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第16戦 EnjoyIllinois.com 225

開催日:8月28日

"トヨタ タンドラ"1-2フィニッシュ!
カイル・ブッシュはシリーズ2連勝

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2週連続の勝利を挙げたカイル・ブッシュ(#51)

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第16戦「EnjoyIllinois.com 225」が8月 28日(金)に米国中部イリノイ州ジョリエットのシカゴランド・スピードウェイで開催された。

 27日(木)の2度の公式練習走行を経て、28日(金)午後3時10分から予選が行われ、公式練習でも1-2と好調だったトッド・ボダインとカイル・ブッシュが3番手、4番手で2列目に並んだ。ブレント・シェルマン、ステイシー・コンプトンが7、8番手で4列目に並び、 12台の"トヨタ タンドラ"が決勝に進んだ。

 午後8時20分に1.5マイルオーバルを150周(225マイル:約360km)して競われる決勝レースがスタート。2列目4番手グリッドのKy.ブッシュは好スタートを切り、10周目に首位に浮上。しかし、21周目にこの日2度目のイエローコーションが出されると、ピットインし、ライバルよりも早めにタイヤを交換。ボダインと共に13位、14位まで後退。しかし、素晴らしい追い上げで38周目には再び首位を奪い返すと、その後40周に渡って首位を走行した。
 その後はなかなかコーションが出ず、グリーン下で給油が行われる中で順位がめまぐるしく入れ替わったが、97周目にこの日4度目のイエローコーションが出されると、ほぼ全車がチェッカーへ向け、タイヤ交換と給油を行った。このピットを終えた時点で、Ky.ブッシュは7位まで後退。
 101周目の再スタート直後、時に4台が横一線に並ぶ激戦を抜け出しポジションアップを果たしたKy.ブッシュは、"トヨタ タンドラ"の速さを活かし、先を逃げるトップのボダイン、2位のティモシー・ペターズに続く3位に浮上。しかし、この2台の攻略には苦しみ、 121周目にようやくペターズをパス。その直後に連続して2度のイエローコーションが出され、132周目にボダイン、Ky.ブッシュのトップ2で再スタートが切られると、Ky.ブッシュはボダインをパス。この日4度目の首位に躍り出た。
 2006年のシリーズチャンピオンであり、1.5マイルオーバルで過去10勝を誇るベテラン、ボダインもKy.ブッシュを最後まで追ったが届かず、Ky.ブッシュ、ボダインの順でチェッカー。Ky.ブッシュは前戦ブリストルに続く2戦連続での勝利。"トヨタ タンドラ"は今季4度目の1-2フィニッシュで8勝目を挙げた。
 Ky.ブッシュは昨年7月、スプリント・カップ・シリーズとネイションワイド・シリーズにおいてここシカゴランドでの勝利を収めており、NASCARトップ3カテゴリーの全てで勝利を挙げた5つめのコース(フェニックス、フォンタナ、ドーバー、ブリストルで達成済み)となった。

 次戦第17戦は9月5日(土)に米国中北部アイオワ州ニュートンのアイオワ・スピードウェイで開催される。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「我々にとって本当に良い夜となり、我々の"トヨタ タンドラ"はとても好調だった。今回はおろしたての新車を持ち込んだばかりだったので、自分たちの成し遂げたことを誇りに思う。終盤の再スタートでの追い越しは、インサイドを走行するトッド(・ボダイン)に対し、確実に良いスタートを切らなければならなかった。その後もラインを守りながらプッシュを続ける必要があった。トッドは素晴らしい仕事をした。彼はトヨタの勝利を確実にするための大きな役割を果たした。彼の"トヨタ タンドラ"も非常に速く、後続のフォード勢を抑え続けてくれた。願わくば、また今日のように勝ちたい」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 4 51 カイル・ブッシュ トヨタ タンドラ 150
2 3 30 トッド・ボダイン トヨタ タンドラ 150
3 10 6 コリン・ブラウン フォード 150
8 20 15 アリック・アルミローラ トヨタ タンドラ 150
9 21 17 ティモシー・ペターズ トヨタ タンドラ 150
10 22 25 テリー・クック トヨタ タンドラ 150
12 8 60 ステイシー・コンプトン トヨタ タンドラ 150
13 18 5 マイク・スキナー トヨタ タンドラ 150
15 23 11 T.J.ベル トヨタ タンドラ 149
16 7 90 ブレント・シェルマン トヨタ タンドラ 149
22 17 24 デイビッド・スター トヨタ タンドラ 145
23 15 81 テイラー・マルサム トヨタ タンドラ 137
28 12 16 ブライアン・スコット トヨタ タンドラ 37
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ロン・ホーナディ シボレー 2593
2 マット・クラフトン シボレー 2373
3 マイク・スキナー トヨタ 2277
4 トッド・ボダイン トヨタ 2169
5 ブライアン・スコット トヨタ 2154
6 デイビッド・スター トヨタ 2110
10 テリー・クック トヨタ 2015
11 ティモシー・ペターズ トヨタ 2014
12 ステイシー・コンプトン トヨタ 2011
13 テイラー・マルサム トヨタ 2000
17 T.J.ベル トヨタ 1775
18 カイル・ブッシュ トヨタ 1704
22 ジョニー・ベンソン トヨタ 1047
23 アリック・アルミローラ トヨタ 1000
24 ブライアン・アイクラー トヨタ 975
34 マックス・パピス トヨタ 555
44 ガビ・ディカルロ トヨタ 306
62 トラヴィス・クヴァピル トヨタ 130
64 ブレイク・フィース トヨタ 127
65 J.C.スタウト トヨタ 119
66 ブレント・シェルマン トヨタ 115
71 ケイトリン・ショウ トヨタ 91
77 ネイト・モンテイス トヨタ 85
81 ジェイソン・リフラー トヨタ 76
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 120
2 シボレー 113
3 フォード 70
4 ダッジ 49