2009年9月20日(日)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第27戦 Sylvania 300

開催日:9月20日

波乱の幕切れとなったレースでデニー・ハムリンが2位

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"チェイス"初戦で2位フィニッシュを果たしたデニー・ハムリン(#11)

 9月20日(日)、米国北東部ニューハンプシャー州ロードンのニューハンプシャー・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第27戦「Sylvania 300」が開催された。
 シーズンは今大会を含め残り10戦となり、前大会終了時点でのランキング上位12台はポイントをリセット。最後の10戦でタイトルを争う"チェイス・フォー・ザ・スプリント・カップ"が今大会よりスタートした。トヨタ勢ではデニー・ハムリンとブライアン・ヴィッカーズが"チェイス"入りを果たし、チャンピオン獲得を狙う。

 18日(金)午後3時10分より予選が行われ、ハムリンが2列目4番手グリッドを確保。惜しくも"チェイス"入りを逃したカイル・ブッシュが9番手。ヴィッカーズは26番手と後方スタートを余儀なくされ、13台の"トヨタ カムリ"が決勝へと駒を進めた。

 20日(日)午後2時16分、1.058マイルオーバルを300周(317.4マイル:約510km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
 2列目4番手グリッドのハムリンは、スタート直後から上位を争い、3周目には2位に浮上。ポールポジションのファン・モントーヤ(シボレー)、トニー・スチュワート(シボレー)らとサイド・バイ・サイドでのバトルを展開した。
 レースが折り返しに近づいた141周目、この日3度目のイエローコーションが出されると、上位勢は一斉にピットイン。146周目に再スタートが切られ、トップのモントーヤとハムリンは激しく首位を争うが、148周目にハムリンがついにモントーヤをパスし、この日初めて首位に浮上。
 その後、比較的短い間隔でイエローコーションが発生し、各車異なるピット戦略を採ったために、順位はめまぐるしく入れ替わっていったが、197周目にこの日7度目のイエローコーションから再スタートが切られたあとは、80周近くイエローコーションが出ない展開となり、240周前後から各車グリーン下でのピットストップとなった。
 ほぼ全車がピットを終えた272周目には、ハムリンは他車よりも圧倒的に速いペースで追い上げ、3位に浮上していた。しかし、276周目にこの日8度目のイエローコーション。その後も立て続けにイエローコーションが出されることとなったが、イン側の3番手から再スタートを切ることとなったハムリンは前走車に阻まれ、なかなかポジションアップを果たせず。
 この日10度目のイエローコーションからは、残り3周での再スタートとなった。またも3番手でイン側から再スタートを切ったハムリンは、アウトから被せる上位勢に阻まれるも、これをかわし、前を行くモントーヤと激しい2位争いを展開。2台は並んだままファイナルラップへと突入したが、その直後に、まだファイナルラップに入っていない後続が最終コーナー付近でスピンし、コース上にストップ。レースはチェッカーを目前にしてイエローコーションとなり、その時点での順位で確定した。この結果、ハムリンは2位フィニッシュ。"チェイス"のランキングでも2位のジミー・ジョンソン(シボレー)と同ポイントでの3位へと浮上した。
 5番手スタートのカイル・ブッシュは中盤20位前後までポジションを落とすなど苦しんだが、セッティングの変更が効を奏し、徐々に上位へと復帰。5位でチェッカーを受けた。26番手と後方からのスタートとなったヴィッカーズは、中盤ピットでのホイールナット脱落トラブルに見舞われ一時は30位までダウン。しかし、そこから見事な走りで順位を上げ、11位フィニッシュを果たした。

 次戦第28戦は9月27日(日)、米国東部デラウェア州ドーバーのドーバー・インターナショナル・スピードウェイで行われる。

ドライバー デニー・ハムリン:
「着実にレースを戦うことができた。レースが残り50周に至るまでは、恐らく我々は勝てる状態ではなかった。その後、グリーン下でのピットストップ後に状況は改善され、我々は他車よりも1周あたりコンマ5秒も速いペースで、5号車(マーク・マーティン)と2号車(カート・ブッシュ)を捕らえようとしていた。このままグリーンが続けば、いけるかも知れないと思っていたが、コーションが出され、イン側から再スタートを切るというあまり良くない状況になってしまった。再スタートでは、第1コーナーでスリーワイド(3台が横一線)となった前走車に阻まれ、その後方でバトルするしかなかった。そのような状況で、再スタートで5位まで落ちながらも、2位フィニッシュを果たせたことは誇らしく思う」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 14 5 マーク・マーティン シボレー 300
2 4 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 300
3 1 42 ファン・モントーヤ シボレー 300
5 9 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 300
11 26 83 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 300
12 13 0 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 300
20 31 47 マーコス・アンブローズ トヨタ カムリ 300
21 33 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 300
24 28 7 ロビー・ゴードン トヨタ カムリ 300
27 21 55 マイケル・ウォルトリップ トヨタ カムリ 298
31 27 82 スコット・スピード トヨタ カムリ 297
39 30 64 マイク・ウォレス トヨタ カムリ 48
40 20 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 41
41 43 36 マイケル・マクドウェル トヨタ カムリ 36
42 15 66 デイヴ・ブレイニー トヨタ カムリ 23
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 マーク・マーティン シボレー 5230
2 ジミー・ジョンソン シボレー 5195
3 デニー・ハムリン トヨタ 5195
8 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 5140
13 カイル・ブッシュ トヨタ 3350
16 デイビッド・ロイティマン トヨタ 3175
17 マーコス・アンブローズ トヨタ 2938
19 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 2805
33 ロビー・ゴードン トヨタ 2106
34 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 2100
35 スコット・スピード トヨタ 1934
39 ジョー・ネメチェク トヨタ 1022
40 デイブ・ブレイニー トヨタ 949
42 マックス・パピス トヨタ 739
46 スコット・リグス トヨタ 448
48 パトリック・カーペンティア トヨタ 351
50 ジェレミー・メイフィールド トヨタ 288
52 テリー・ラボンテ トヨタ 244
53 マイク・スキナー トヨタ 166
57 トッド・ボダイン トヨタ 123
59 マイク・ウォレス トヨタ 80
60 マイケル・マクドウェル トヨタ 80
63 P.J.ジョーンズ トヨタ 40
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 199
2 トヨタ 160
3 ダッジ 118
4 フォード 117

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第19戦 Heluva Good! 200

開催日:9月19日

カイル・ブッシュが今季5勝目

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出場レース3連勝で今季5勝目を挙げたカイル・ブッシュ(#51)

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第19戦「Heluva Good! 200」が9月 19日(土)にニューハンプシャー・モーター・スピードウェイで開催された。

 19日(土)午前10時5分から予選が行われ、マイク・スキナーが、自身今季2度目のポールポジションを獲得。僅か1000分の2秒差でカイル・ブッシュが2番手となり、"トヨタ タンドラ"が最前列グリッドを独占。前日のファイナルプラクティスでトップタイムをマークしたブライアン・スコットが6番手につけ、12台の"トヨタ タンドラ"が決勝に進んだ。

 午後3時16分、1.058マイルオーバルを200周(211.6マイル:約340km)して競われる決勝レースがスタート。
 最前列に並んだ2台の"トヨタ タンドラ"がサイド・バイ・サイドのままスタートを切り、トップ争いは接触しながらの激しいバトルを繰り広げたが、ポールポジションのスキナーが首位を堅守し、Ky.ブッシュが続いた。しかし、Ky.ブッシュはその後もスキナーを攻め、17周目についに首位を奪取。
 38周目に最初のコーションが出されると、全車ピットイン。このピット作業でケヴィン・ハーヴィック(シボレー)が前に出るが、Ky.ブッシュは再スタートで再び首位を奪い返した。
 66周目にホーナディからの猛追を受け、これをブロックし続けたKy.ブッシュであったが、68周目に惜しくもホーナディに首位を奪われてしまった。
 その後も常にホーナディを追い、2位での走行を続けたKy.ブッシュであったが、140周目前後より右フロントタイヤの振動というトラブルに見舞われ、4位まで後退。
 この日はイエローコーションがほとんど出ず、各車170周目前後より最後の給油ピットイン。トップを1秒ほどの差で追っていたKy.ブッシュは、ここでわずか4秒という素早いピットイン。ぎりぎりの燃料を積み、全車がピットを終えた時点で、トップに復帰した。
 190周目にこの日3度目のイエローコーションが出され、193周目に再スタート。首位での再スタートとなったKy.ブッシュは、ホーナディとハーヴィックからの追撃を振り切り、見事トップでチェッカー。今季5勝目を挙げた。6位にステイシー・コンプトン、7位にスコット、8位にスキナーが入った。
 キャンピング・ワールド・トラック・シリーズにスポットで参戦しているKy.ブッシュにとっては、参戦したレースで3連勝。今季これまでに出場した11戦のうち、10戦でトップ10フィニッシュ(うち8戦でトップ5)という強さを見せている。また、Ky.ブッシュはこれまでにロードンでスプリント・カップ・シリーズ、ネイションワイド・シリーズでも勝利を飾っており、今回の勝利で、ブリストル、フォンタナ、シカゴランド、ドーバー、フェニックスに続く6コース目のトップ3カテゴリー全制覇となった。  "トヨタ タンドラ"は5連勝で今季11勝目を挙げ、マニュファクチャラーズランキングで2位以下との差を更に差を拡げた。

 次戦第20戦は9月26日(土)に米国西部ネバダ州ラスベガスのラスベガス・モーター・スピードウェイで開催される。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「今日は素晴らしいレースだった。この"トヨタ タンドラ"を仕上げるためにハードワークをこなしてくれたスタッフとクルーチーフを本当に誇りに思う。最後のピットストップで、我々は4秒間燃料を入れた。あとコンマ5秒多く入れればより安心だったとは思うが、我々はこのピット作業で首位に立ち、勝つことができた。我々は33号車(ロン・ホーナディ)や2号車(ケヴィン・ハーヴィック)に比べれば若干速さでは劣っていたが、最後は正しい量の燃料を入れたことがポイントになった。このコースで、これまでで最高の走りができた」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 2 51 カイル・ブッシュ トヨタ タンドラ 200
2 3 33 ロン・ホーナディ シボレー 200
3 5 2 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 200
6 14 60 ステイシー・コンプトン トヨタ タンドラ 200
7 6 16 ブライアン・スコット トヨタ タンドラ 200
8 1 5 マイク・スキナー トヨタ タンドラ 200
12 25 11 T.J.ベル トヨタ タンドラ 200
13 15 24 デイビッド・スター トヨタ タンドラ 200
16 11 25 テリー・クック トヨタ タンドラ 199
19 19 17 ティモシー・ペターズ トヨタ タンドラ 198
20 13 81 テイラー・マルサム トヨタ タンドラ 197
21 23 15 アリック・アルミローラ トヨタ タンドラ 196
22 22 9 マックス・パピス トヨタ タンドラ 196
24 16 30 トッド・ボダイン トヨタ タンドラ 151
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ロン・ホーナディ シボレー 3055
2 マット・クラフトン シボレー 2838
3 マイク・スキナー トヨタ 2809
4 ブライアン・スコット トヨタ 2608
6 トッド・ボダイン トヨタ 2480
9 デイビッド・スター トヨタ 2434
10 ステイシー・コンプトン トヨタ 2423
11 ティモシー・ペターズ トヨタ 2413
12 テイラー・マルサム トヨタ 2392
13 テリー・クック トヨタ 2360
16 T.J.ベル トヨタ 2139
18 カイル・ブッシュ トヨタ 1894
22 アリック・アルミローラ トヨタ 1435
23 ブライアン・アイクラー トヨタ 1202
25 ジョニー・ベンソン トヨタ 1047
35 マックス・パピス トヨタ 652
49 ガビ・ディカルロ トヨタ 306
66 トラヴィス・クヴァピル トヨタ 130
68 ブレイク・フィース トヨタ 127
70 J.C.スタウト トヨタ 119
71 ブレント・シェルマン トヨタ 115
75 ケイトリン・ショウ トヨタ 91
79 ネイト・モンテイス トヨタ 85
84 ジェイソン・リフラー トヨタ 76
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 147
2 シボレー 129
3 フォード 84
4 ダッジ 58