2009年10月 4日(日)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第29戦 Price Chopper 400

開催日:10月4日

デニー・ハムリンがトップ5フィニッシュ

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着実な走りで5位フィニッシュを果たしたデニー・ハムリン(#11)

 10月4日(日)、米国中部カンザス州カンザスシティのカンザス・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第29戦「Price Chopper 400」が開催された。
 1.5マイルオーバルのカンザスは2001年春に完成した、スプリント・カップ・シリーズが行われるコースでは最も新しいトラック。同シリーズ戦は年に1度の開催となっており、トヨタはこれまで、昨年の9位フィニッシュが最高位となっている。

 2日(金)午後3時40分より予選が行われ、ジョー・ネメチェクが7番手、スコット・スピードが10番手。"チェイス"を戦うブライアン・ヴィッカーズが12番手、アンダーステアに苦しんだデニー・ハムリンは22番手と出遅れ、12台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 4日(日)午後1時19分、1.5マイルオーバルを267周(400.5マイル:約640km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
 スタートしてまもなく、18番手スタートのジョーイ・ロガーノが単独スピン。いきなりイエローコーションとなる波乱のスタートとなった。ロガーノはどこにも接触することなく、レースに復帰したものの、最後尾へと後退。
 7周目にも中団グループの車両がスピンし多重クラッシュが発生。マイケル・ウォルトリップらが巻き込まれた。スピン車両の数台後ろにいたカイル・ブッシュは、ぎりぎりでこれを回避。ポジションを上げていった。
 その後はなかなかイエローコーションが出ず、各車グリーン下で50周目前後からピットインを行う中で、13番手スタートのデイビッド・ロイティマンが5位に浮上。71周目にこの日3度目のイエローコーションが出されると、この機にハムリンがトップ10圏内へと順位を上げた。
 ハムリンと共に"チェイス"入りを果たしているブライアン・ヴィッカーズは、序盤からハンドリングに悩まされ、後方でのレースを強いられていたが、126周目に単独スピン。これでこの日4度目のイエローコーション。見事なピット作業で、ハムリンが6位、ロイティマンが7位、Ky.ブッシュが9位へと順位を上げ、3台はトップ10圏内で再スタートを切ることとなった。
 22番手スタートから、ピット作業の度に調整を加え、調子を上げていったハムリンは、ついに首位争いに加わり、グリーン下でのピット作業が始まった206周目にはこの日初めての首位に浮上。すぐに自身もピットインしたが、その後も上位争いを繰り広げた。
 236周目にエンジントラブル車両発生によりこの日6度目のイエローコーション。残りは 30周を切るため、ピットがオープンされると上位勢は最後のピットイン。ここでの戦略の違いで順位が入れ替わった。
 イエローコーション発生の時点で3位を走行していたハムリンは、タイヤを4本交換したため、2本交換に留めた車両に先行され、5位に後退。241周目に再スタートが切られると、4本タイヤ交換の優位性を活かし、逆転を狙ったハムリンだったが、前を行くジミー・ジョンソン(シボレー)がタイヤ2本交換でペースが上がらず、行き場をふさがれる形となり、他車の先行も許すこととなってしまった。
 その後、ジョンソンをかわしたハムリンだったが、更なる順位アップは叶わず、5位でフィニッシュ。"チェイス"のドライバーズランキングでは変わらず6位ながら、トップとの差を僅かに縮め、99ポイント差とした。
 常にトップ10圏内でレースを戦ったロイティマンが8位。Ky.ブッシュは12位でフィニッシュし、ランキングでは"チェイス"圏外最上位の13位に浮上した。
 スピンを喫したヴィッカーズはその後エンジントラブルに見舞われ、37位。ランキングも 12位へと後退した。

 次戦第30戦は10月11日(日)、米国西部カリフォルニア州フォンタナのオートクラブ・スピードウェイで行われる。

ドライバー デニー・ハムリン:
「着実なレースだった。予想よりも若干良い結果で終えることができたと思う。再スタート時、イン側の車列は好位置とは言えず、最後の再スタートでは48号車(ジミー・ジョンソン)に引っかかり、若干ロスしてしまった。しかし、全体的に見れば、我がチームにとっては良い一日だった。ここカンザスにおいては、これまでより良い結果が得られ、ポイントランキング的にも、トップとの差を僅かだが詰めることができた。今後もタイトル目指し努力を続ける」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 5 14 トニー・スチュワート シボレー 267
2 9 24 ジェフ・ゴードン シボレー 267
3 31 16 グレッグ・ビッフル フォード 267
5 22 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 267
8 13 0 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 267
12 34 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 267
14 27 47 マーコス・アンブローズ トヨタ カムリ 267
27 10 82 スコット・スピード トヨタ カムリ 266
28 18 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 266
32 43 13 マックス・パピス トヨタ カムリ 263
34 37 7 ロビー・ゴードン トヨタ カムリ 263
37 12 83 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 208
38 29 55 マイケル・ウォルトリップ トヨタ カムリ 141
40 24 66 デイヴ・ブレイニー トヨタ カムリ 28
42 7 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 25
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 マーク・マーティン シボレー 5551
2 ジミー・ジョンソン シボレー 5533
3 ファン・モントーヤ シボレー 5500
6 デニー・ハムリン トヨタ 5452
12 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 5301
13 カイル・ブッシュ トヨタ 3522
15 デイビッド・ロイティマン トヨタ 3417
17 マーコス・アンブローズ トヨタ 3180
20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 2921
33 ロビー・ゴードン トヨタ 2228
34 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 2204
35 スコット・スピード トヨタ 2104
39 ジョー・ネメチェク トヨタ 1099
41 デイブ・ブレイニー トヨタ 1044
43 マックス・パピス トヨタ 806
47 スコット・リグス トヨタ 448
48 パトリック・カーペンティア トヨタ 351
50 ジェレミー・メイフィールド トヨタ 288
52 テリー・ラボンテ トヨタ 244
54 マイク・スキナー トヨタ 166
57 マイケル・マクドウェル トヨタ 129
58 トッド・ボダイン トヨタ 123
60 マイク・ウォレス トヨタ 80
64 P.J.ジョーンズ トヨタ 40
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 217
2 トヨタ 167
3 フォード 129
4 ダッジ 125

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第29戦 Kansas Lottery 300

開催日:10月3日

ジョーイ・ロガーノが終盤の逆転で4勝目
"トヨタ カムリ"今季7度目の1-2フィニッシュ

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今季4勝目を挙げたジョーイ・ロガーノ(#20)と、2位に入ったカイル・ブッシュ(#18)

 10月3日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第29戦「Kansas Lottery 300」がカンザス・スピードウェイで開催された。

 2日(金)の2度に渡る練習走行を経て、3日(土)午前9時5分から予選が行われた。シリーズランキングで首位を行くカイル・ブッシュが最前列2番手グリッド。その後方4番手グリッドにブライアン・ヴィッカーズ、7番手にジョーイ・ロガーノ、キャンピング・ワールド・トラック・シリーズで"トヨタ タンドラ"を駆り活躍しているブライアン・スコットが8番手。これにマイケル・アネット、ジェイソン・リフラー、スコット・スピードと続き、決勝に進んだ9台の"トヨタ カムリ"のうち、8台が予選トップ13に入る速さを見せた。

 午後2時46分、1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。2番手グリッドのKy.ブッシュはポジションを守り、4番手スタートのヴィッカーズがひとつポジションアップ。7番手スタートのロガーノも5位へと順位を上げた。
 2周目にいきなり他車のクラッシュによりコーションが出され、6周目に再スタートが切られると、Ky.ブッシュは一気に首位を奪取。ロガーノ、ヴィッカーズがこれに続く形となった。トップ3を"トヨタ カムリ"が占める形となったが、特に前を行くジョー・ギブス・レーシングの2台のペースは速く、ヴィッカーズ以下を大きく引き離しながら2台が首位争いを展開した。
 50周を過ぎると、グリーン下でのピット作業が行われ、その後2度に渡ってイエローコーションが出されたことで、そのたびに後続勢との差は縮まり、順位も入れ替わったが、圧倒的な速さを見せるKy.ブッシュはすぐに首位を奪還し、後続との差を拡げていった。
 Ky.ブッシュとロガーノのチームメイト同士の首位争いに割って入っていたヴィッカーズは、144周目にKy.ブッシュをかわし一旦は首位に立ったものの、その直後、149周目にスピンを喫し、無念の後退。
 レースは再びKy.ブッシュとロガーノの一騎打ちとなった。192周目にこの日8度目のイエローコーション。残り6周で、イン側Ky.ブッシュ、アウト側にロガーノと2台が並んで再スタートが切られると、ロガーノは首位を行くKy.ブッシュを激しくプッシュ。サイド・バイ・サイドのバトルの末に、196周目についにロガーノがKy.ブッシュをパス。この日初めて首位に立つと、そのまま逃げ切り、19歳のロガーノが見事今季4勝目を挙げた。
 2位にはKy.ブッシュが入り、ロガーノとKy.ブッシュの2台による1-2フィニッシュは今季5度目。"トヨタ カムリ"の1-2フィニッシュは今季7度目となった。
 今季10回目の2位フィニッシュとなったKy.ブッシュは、1シーズン中の2位フィニッシュ数でシリーズ記録に並ぶと共に、リードラップでも今大会最多の173周を獲得。1983年にサム・アードが樹立した1シーズン中の総リードラップ数記録を、6戦を残した時点で早くも更新することとなった。また、シリーズランキングでも、2位以下との差を更に拡げ、タイトル獲得へとまた一歩近づいた。

 次戦第30戦は10月10日(土)、オートクラブ・スピードウェイで行われる。

ドライバー リード・ソレンソン:
「とても良い結果だ。着実なペースで走り続けることができ、太陽が沈んでからの最後の走行は本当に好調だった。そして29号車(クリント・ボウヤー)をパスし、本当に良いラップタイムで最後まで走り続けることができた。最後のピットストップでの調整が上手く行ったのと、太陽が沈んだことが我々の"トヨタ カムリ"に巧く働いたようだ。本当に嬉しい。最後はカール(・エドワーズ)と勝負できるレベルにあったと思うが、捕らえることはできなかった。限られた回数のピットストップで、正しい方向での調整が行えたと思う。ネイションワイド・シリーズでこのチームとレースを戦うのは本当に楽しい」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 7 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 200
2 2 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 200
3 19 88 ブラッド・ケセロウスキー シボレー 200
8 11 99 スコット・スピード トヨタ カムリ 200
10 13 10 リード・ソレンソン トヨタ カムリ 200
11 10 38 ジェイソン・リフラー トヨタ カムリ 200
14 8 11 ブライアン・スコット トヨタ カムリ 200
28 4 32 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 191
30 9 15 マイケル・アネット トヨタ カムリ 181
39 21 47 マイケル・マクドウェル トヨタ カムリ 12
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 カイル・ブッシュ トヨタ 4729
2 カール・エドワーズ フォード 4484
3 ブラッド・ケセロウスキー シボレー 4422
4 ジェイソン・リフラー トヨタ 3879
10 マイケル・マクドウェル トヨタ 3024
12 マイケル・アネット トヨタ 2904
14 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 2799
19 スコット・レガセイ・Jr. トヨタ 2194
21 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 1917
33 スコット・スピード トヨタ 1350
34 デイビッド・ロイティマン トヨタ 1303
35 トレヴァー・バイン トヨタ 1297
43 バーニー・レマー トヨタ 957
48 ケリー・バイアス トヨタ 889
49 ブラッド・コールマン トヨタ 873
51 デイビッド・グリーン トヨタ 807
52 リード・ソレンソン トヨタ 779
56 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 661
62 ケヴィン・コンウェイ トヨタ 576
68 ブライアン・スコット トヨタ 449
69 デニー・ハムリン トヨタ 437
72 マーコス・アンブローズ トヨタ 375
77 ケイシー・ケイン トヨタ 337
80 マーク・デイヴィス トヨタ 307
90 ジャスティン・マークス トヨタ 210
93 チャド・ブラウント トヨタ 190
96 アンドリュー・レンジャー トヨタ 170
99 コールマン・プレスリー トヨタ 166
100 ジャック・ヴィルヌーヴ トヨタ 165
101 パトリック・カーペンティア トヨタ 161
111 ロビー・ゴードン トヨタ 121
114 ジャスティン・ロフトン トヨタ 115
116 エリオット・サドラー トヨタ 109
129 ブライアン・アイクラー トヨタ 67
140 ドニー・リア トヨタ 34
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 196
2 シボレー 182
3 フォード 170
4 ダッジ 90