2009年11月 1日(日)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第33戦 Amp Energy 500

開催日:11月1日

波乱のレースでジョーイ・ロガーノが3位フィニッシュ

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3位フィニッシュを果たしたジョーイ・ロガーノ(#20)と
15位に終わったカイル・ブッシュ(#18)

 11月1日(日)、米国南部アラバマ州タラデガのタラデガ・スーパースピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第33戦「Amp Energy 500」が開催された。
 1周2.66マイル(約4.3km)と、NASCARが行われるオーバルの中で最長を誇るタラデガは、吸気制限プレート装着レースの1戦であり、今季2度目の開催。幅の広いハイバンクコースで、2列、時には3列に並んでの激しい超高速バトルが繰り広げられる。

 10月31日(土)午前11時10分より予選が行われる予定であったが、降雨のために予選は中止となり、規定に則りオーナーポイント順で決勝のグリッドは決定。トヨタ勢はデニー・ハムリンが9番手、ブライアン・ヴィッカーズが12番手につけ、13台の"トヨタ カムリ"が決勝に臨むこととなった。

 1日(日)午後12時19分に、2.66マイルオーバルを188周(500マイル:約800km)して競われる決勝レースのグリーンフラッグが振られた。
 16番手スタートのデイビッド・ロイティマンが序盤から好位置につけ、一気にポジションアップ。ロイティマンは10周目に首位に浮上した。
 その後も時速300km以上の超高速で、複数台が連なったままの上位争いが繰り広げられ、僅かな位置取りの違いで大きく順位が入れ替わる、タラデガならではのレースが展開。
 序盤のクラッシュによるコーションの後、なかなかイエローコーションが出ず、40周目には、上位争いに加わっていたヴィッカーズ、ロガーノらがグリーン下でピットイン。ロガーノは一旦周回遅れとなるが、49周目にこの日2度目のイエローコーションが出されると、"ラッキー・ドッグ"(イエローコーション発生時に周回遅れの最上位がトップと同一ラップに戻れる特別措置)でトップと同一周回に復帰。
 56周目に再スタートが切られると、デニー・ハムリンが好走を見せ、58周目にこの日初めて首位に立った。
 その後もハムリンと共に、カイル・ブッシュ、ロガーノ、ロビー・ゴードン、ヴィッカーズらが首位争いを展開。しかし、11周に渡って首位を走行したハムリンは、137周目に突然エンジントラブルに見舞われ、無念のリタイアを余儀なくされてしまった。
 レースも終盤となった183周目、接触からスピンを喫したライアン・ニューマン(シボレー)の車体は一瞬宙に舞い、上下逆さまの状態で激しく壁にクラッシュ。ドライバーは無事だったが、レースは赤旗中断となり、12分あまりの中断を経て、3周延長、最後の2周で決されることとなった。
 ヴィッカーズがアウトサイド最前列からの再スタートを切ったが、まもなく隊列から外れ、空力的に不利になったヴィッカーズは一気に後退。中団グループに飲み込まれてしまった。一方、5番手の再スタートから、首位グループにつけたロガーノは、3位のポジションをキープ。いよいよファイナルラップへ突入するかと思われたその時、中団グループで多重クラッシュが発生。上位を争っていたロイティマン、R.ゴードンや、スコット・スピードら13台が巻き込まれ、他車に突っ込まれたマーク・マーティン(シボレー)は数回横転するなど激しいクラッシュとなり、レースはその時点で順位が確定。イエローコーションのままチェッカーとなった。
 25人のドライバーによって、58回に渡って首位が入れ替わるという、スーパースピードウェイならではの激しいレースとなったが、ロガーノがトヨタ勢最上位の3位でフィニッシュ。最後のアクシデントを間一髪でかわしたマイケル・ウォルトリップが7位。ヴィッカーズは 13位、Ky.ブッシュが15位でチェッカーを受けた。

 次戦第34戦は11月8日(日)、米国南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー ジョーイ・ロガーノ:
「一日中ハードなバトルを続け、良い走りが出来た。ここでのレースは面白い。大事なのは絶対にクラッシュしないことだ。仲間を見つけ出し、最後にクラッシュしないように判断しなくてはならない。私がいた一群のドライバー達と共に勝利を目指してレースを戦うことは楽しかった。そして、チームにとっても良いレースになったと思う」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 22 26 ジェイミー・マクマーレイ フォード 191
2 11 9 ケイシー・ケイン ダッジ 191
3 20 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 191
7 33 55 マイケル・ウォルトリップ トヨタ カムリ 191
13 12 83 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 191
15 13 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 191
18 41 36 ロバート・リチャードソン・Jr. トヨタ カムリ 191
26 16 0 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 191
27 38 82 スコット・スピード トヨタ カムリ 190
29 42 13 マックス・パピス トヨタ カムリ 190
32 34 7 ロビー・ゴードン トヨタ カムリ 189
34 17 47 マーコス・アンブローズ トヨタ カムリ 188
38 9 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 137
41 40 66 デイヴ・ブレイニー トヨタ カムリ 12
43 39 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 4
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ジミー・ジョンソン シボレー 6248
2 マーク・マーティン シボレー 6064
3 ジェフ・ゴードン シボレー 6056
11 デニー・ハムリン トヨタ 5800
12 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 5692
13 カイル・ブッシュ トヨタ 4043
16 デイビッド・ロイティマン トヨタ 3854
18 マーコス・アンブローズ トヨタ 3519
19 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 3494
33 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 2612
34 ロビー・ゴードン トヨタ 2474
35 スコット・スピード トヨタ 2435
40 ジョー・ネメチェク トヨタ 1262
41 デイブ・ブレイニー トヨタ 1167
42 マックス・パピス トヨタ 980
47 スコット・リグス トヨタ 448
48 パトリック・カーペンティア トヨタ 351
51 テリー・ラボンテ トヨタ 301
52 ジェレミー・メイフィールド トヨタ 288
54 マイケル・マクドウェル トヨタ 212
55 マイク・スキナー トヨタ 166
58 トッド・ボダイン トヨタ 123
59 ロバート・リチャードソン・Jr. トヨタ 109
61 マイク・ウォレス トヨタ 80
64 P.J.ジョーンズ トヨタ 40
66 デリック・コープ トヨタ 37
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 244
2 トヨタ 186
3 フォード 154
4 ダッジ 142

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第22戦 Mountain Dew 250 fueled by Fred's

開催日:10月31日

"トヨタ タンドラ"がトップ5独占!
トヨタ、4年連続のマニュファクチャラータイトルを確定

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今季6勝目を挙げ、喜びの"バーンナウト"を披露するカイル・ブッシュ(#51)

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第22戦「Mountain Dew 250 fueled by Fred's」が10月31日(土)にタラデガ・スーパースピードウェイで開催された。ここタラデガは、2007年、2008年共にトッド・ボダインが勝利を挙げ、得意とするコース。また、ボダインは2008年と2009年のデイトナでも勝利を挙げており、タラデガでの3連勝、スーパースピードウェイでの5連勝なるかに注目が集まった。

 30日(金)午後4時10分から予選が行われ、テリー・クックが最前列2番手グリッドを確保。元F1ドライバーのマックス・パピスが自己最高グリッドとなる3番手、アリック・アルミローラが5番手、ボダイン6番手、8番手以降にテイラー・マルサム、ステイシー・コンプトン、カイル・ブッシュ、マイク・スキナーと続き、12台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。

 31日(土)降雨の影響で予定よりもやや遅れ、午後3時50分から2.66マイルオーバルを 94周(250マイル:約400km)して競われる決勝レースがスタートした。
 各車順当なスタートを切ったが、7周目にこの日最初のイエローコーションが出されると、多くの車両がピットイン。ここで、トップ10圏内に付けていたKy.ブッシュとクックがボンネットを開けての調整を行い、大きくタイムロス。それぞれ32、33位へ後退してしまった。
 序盤戦はアルミローラとボダインが、ポールポジションから首位を行くコリン・ブラウン(フォード)を追う展開。後方では、大きく順位を落としたKy.ブッシュが鬼神の追い上げを見せ、やはりポジションを上げてきたスキナーと2台が連なって一気にポジションアップ。 30周目にはトップ5までポジションを上げ、アルミローラとボダインに続いた。
 39周目にこの日3度目のイエローコーションが出されると、各車ピットイン。ここでボダインが痛恨のスピン。再度のタイヤ交換を余儀なくされ、18位まで後退。
 再スタート時は、ピット戦略の当たったブライアン・スコットが2位。これにKy.ブッシュ、スキナーが続いた。しかし、スコットは残り32周での最後のピットストップ時に、ピットレーンでのスピード違反を犯し、無念の後退。
 この最後のピットを終えた時点で、後方から素晴らしい追い上げを見せたボダインが首位に立ち、スター、スキナー、Ky.ブッシュ、アルミローラと"トヨタ タンドラ"がトップ5を独占して終盤戦に突入した。
 ボダインを先頭としたまま、1列縦隊での走行が続いたが、残り7周の時点でKy.ブッシュがアタック開始。チームメイトのアルミローラを従え、アウトサイドにラインを変更。見事にボダインを捕らえ、Ky.ブッシュが首位に立った。
 90周目、ボダインとスキナーがアウト側へとラインを変更、このとき、スキナーが後ろから接触され、スピン。後続の11台が巻き込まれる大クラッシュとなった。
 レースは4周延長、最後の2周"グリーン・ホワイト・チェッカー"で決されることとなり、Ky.ブッシュ、アルミローラ、ボダインの順で再スタート。再スタートしてまもなくアウトにラインを変えたボダインは、再び首位に浮上。インサイドを走るKy.ブッシュの前のポジションに入り、そのままチェッカーかと思われた。
 しかし、ファイナルラップの最終コーナーからの立ち上がりで、Ky.ブッシュとアルミローラがボダインのアウトへとラインを変え、一気にボダインをパス。チェッカーを目前にしての逆転劇で、Ky.ブッシュが今季6勝目を挙げた。チームメイトのアルミローラが2位。ボダインは3位となった。4位にクック、5位スターと続き、"トヨタ タンドラ"はトップ5を独占する圧倒的な強さでタラデガを制した。
 今大会の結果、トヨタは3戦を残して、4年連続となるトラック・シリーズでのマニュファクチャラータイトルを確定した。

 次戦第23戦は11月6日(金)に テキサス・モーター・スピードウェイで開催される。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「信じられない気分だ。今日は全てアリック・アルミローラのおかげだ。彼は最後のピットストップからチェッカーまで、私をフォローしてくれた。私は彼に、我々2人が組めば、誰も我々を敗ることはできないと言った。我々の"トヨタ タンドラ"は絶好調だった。チームクルーの驚くべき仕事ぶりによって、工場から持ち込んだ時から、望み通りの速さで走ることができた。トヨタが今年もマニュファクチャラータイトルを獲得できたというのも素晴らしいことだ。スポンサー、そしてファンにも感謝している。非常に楽しい一日だった」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 10 51 カイル・ブッシュ トヨタ タンドラ 98
2 5 15 アリック・アルミローラ トヨタ タンドラ 98
3 6 30 トッド・ボダイン トヨタ タンドラ 98
4 2 25 テリー・クック トヨタ タンドラ 98
5 14 24 デイビッド・スター トヨタ タンドラ 98
7 9 60 ステイシー・コンプトン トヨタ タンドラ 98
11 23 17 ティモシー・ペターズ トヨタ タンドラ 98
19 11 5 マイク・スキナー トヨタ タンドラ 96
22 3 9 マックス・パピス トヨタ タンドラ 90
23 18 16 ブライアン・スコット トヨタ タンドラ 90
27 8 81 テイラー・マルサム トヨタ タンドラ 64
29 21 11 T.J.ベル トヨタ タンドラ 44
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ロン・ホーナディ シボレー 3487
2 マット・クラフトン シボレー 3285
3 マイク・スキナー トヨタ 3160
4 トッド・ボダイン トヨタ 2985
6 ブライアン・スコット トヨタ 2904
7 ティモシー・ペターズ トヨタ 2903
9 デイビッド・スター トヨタ 2849
11 ステイシー・コンプトン トヨタ 2793
12 テリー・クック トヨタ 2744
13 テイラー・マルサム トヨタ 2687
17 T.J.ベル トヨタ 2415
18 カイル・ブッシュ トヨタ 2084
20 アリック・アルミローラ トヨタ 1879
23 ブライアン・アイクラー トヨタ 1340
28 ジョニー・ベンソン トヨタ 1047
30 マックス・パピス トヨタ 958
50 ガビ・ディカルロ トヨタ 306
67 デニー・ハムリン トヨタ 155
69 ペイトン・セラーズ トヨタ 137
70 トラヴィス・クヴァピル トヨタ 130
72 ブレイク・フィース トヨタ 127
75 J.C.スタウト トヨタ 119
76 ブレント・シェルマン トヨタ 115
82 ケイトリン・ショウ トヨタ 91
89 ネイト・モンテイス トヨタ 85
93 ジェイソン・リフラー トヨタ 76
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 169
2 シボレー 148
3 フォード 97
4 ダッジ 70