2010年5月 9日(日)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第11戦 Showtime Southern 500

開催日:5月8日

デニー・ハムリンが前日のネイションワイド・シリーズに続き
ダーリントンを完全制覇!今季3勝目を挙げる

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前日のネイションワイド・シリーズに続き
スプリント・カップ・シリーズでも勝利を挙げたデニー・ハムリン

 5月8日(土)、米国南東部サウスカロライナ州ダーリントンのダーリントン・レースウェイでNASCARスプリント・カップ・
シリーズ第11戦「Showtime Southern 500」が開催された。
 ダーリントンは60年以上の歴史を持つ、NASCAR最古のコースのひとつであり、難コースとして知られる。同コースでは、2008年にカイル・ブッシュが勝利を挙げている。

 7日(金)ネイションワイド・シリーズの予選に続き、午後5時10分よりスプリント・カップ・シリーズの予選が行われ、ブライアン・ヴィッカーズが3番手、デイビッド・ロイティマンが4番手で2列目に並んだ。マーコス・アンブローズが7番手、デニー・ハムリンが8番手につけ、14台の"トヨタ カムリ"が決勝に進んだ。
 尚、この予選で壁に接触し、39番手と後方に沈んだKy.ブッシュは、予選後バックアップカーに乗り換えることになったため、決勝レースは最後尾グリッドからのスタートとなった。

 翌日の母の日にちなみ、ドライバー達の母親が壇上に上がり、"サンズ&ジェントルメン!スタート・ユア・エンジンズ!"のかけ声で全車一斉にエンジンスタート。午後7時45分に1.366マイルオーバルを367周(501マイル:約800km)して競われる決勝レースのグリーンフラッグが振られた。
 序盤は、ヴィッカーズとロイティマンがそれぞれポジションを上げ、2-3位で首位を追走。ハムリンもトップ5へと順位を上げた。ヴィッカーズは38周目に首位に立ったが、その後出されたイエローコーション時のピットで首位を奪われ、
再スタート後はハムリンが"トヨタ カムリ"勢を引っ張る形となった。
 大差を付け首位を快調に逃げていたジェフ・ゴードン(シボレー)をじりじりと追い上げて行ったハムリンは、141周目、
ついに首位を奪取。グリーン下でのピット作業を経て、一瞬順位は入れ替わったものの、その後もハムリンは快走。一時は2位以下に4秒以上もの大差を付けての独走状態となった。
 一方で、最後尾スタートから追い上げを強いられたKy.ブッシュも着実に上位へと浮上し、150周目過ぎには、首位争いに加わるまでになった。
 206周目にはKy.ブッシュが首位に立つが、230周目には好ピットによりロイティマンが首位を奪取。ここで4位につけていたKy.ブッシュは、ピットアウト直後に左リアタイヤのパンクに見舞われ再度ピットイン。24位に後退。
 ロイティマンを先頭に切られた233周目の再スタート直後、12位につけていたトゥルークス・Jr.がトランスミッション
トラブルに見舞われ突然スローダウン、混乱した後続が接触。この混乱で、Ky.ブッシュも車体前部にダメージを負い、再度のピットインによる修復を余儀なくされてしまった。
 しかし、ピットクルーの懸命な作業により周回遅れになることなくコースへ復帰したKy.ブッシュは、再び追い上げを
開始。まもなくトップ10圏内へとポジションを戻すと、 286周目のイエローコーションでは、2本タイヤ交換を選択。一気に
トップへと浮上した。
 ハムリンが2番手での再スタートとなったが、タイヤを4本交換したハムリンはすぐにKy.ブッシュをパス。Ky.ブッシュは他車にも抜かれ4位に後退。ハムリンとこの日、常に上位を争っていたジェフ・バートン(シボレー)とのサイド・バイ・
サイドでの激しいトップ争いとなった。
 341周目、グリーン下でのピットからコースに戻った直後のジョーイ・ロガーノがスピン。イエローコーションとなり、各車最後のピットイン。上位勢はほぼ全車が2本タイヤ交換でピットアウト。このピット作業争いはハムリンが制し、ハムリン、Ky.ブッシュが1-2体制で残り20周への再スタートとなった。
 2位のKy.ブッシュは最後のピットでのセッティング変更が裏目に出て後退。後続に飲み込まれてしまったが、ハムリンは好ダッシュで一気に差を広げ、そのまま独走。最後は2位に2秒近い差をつけ、トップでチェッカーを受けた。Ky.ブッシュは7位。ヴィッカーズが 10位。ロイティマンが11位に入った。
 ハムリンは前日のネイションワイド・シリーズに続き、自身初となる同一週末開催レースの2カテゴリー制覇。ダーリントンでの2カテゴリー制覇は1993年以来となる。ハムリンはこれで今季シリーズ3勝目を挙げ、ランキングでも6位へとひとつポジションを上げた。

 次戦第12戦は5月16日(日)、米国東部デラウェア州ドーバーのドーバー・インターナショナル・スピードウェイで行われる。

ドライバー デニー・ハムリン:
「母の日の週末に両レースを制することができたのは本当に素晴らしい。我々の"トヨタ カムリ"はレースを通じてトップ2の速さを持っていた。あとは勝つためのポジションに的確に着けていれば良かった。ピットクルーは信じられない働きで、ピットロードからトップで私を送り出してくれた。それがこの勝利の鍵となった。最後の再スタート後、我々の"トヨタ カムリ"は本当に速かったので、ピットで抜けなくても後でパスできたかも知れない。しかし、我々は着実にレースを戦った。最後は今日最高の仕上がりになっていた。クルーチーフは絶好の調整をしてくれた。今日は若干順位の入れ替わりはあったが、最後は完璧だった」

リザルト

第11戦 Showtime Southern 500 決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 8 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 367
2 1 1 ジェイミー・マクマーレイ シボレー 367
3 14 2 カート・ブッシュ ダッジ 367
7 39 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 367
10 3 83 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 367
11 4 0 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 367
19 33 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 366
25 7 47 マーコス・アンブローズ トヨタ カムリ 364
27 13 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 363
28 16 82 スコット・スピード トヨタ カムリ 363
29 43 13 マックス・パピス トヨタ カムリ 361
38 26 7 ロビー・ゴードン トヨタ カムリ 170
39 37 64 トッド・ボダイン トヨタ カムリ 47
40 18 55 マイケル・マクドウェル トヨタ カムリ 44
42 28 66 デイヴ・ブレイニー トヨタ カムリ 35
43 36 32 リード・ソーレンソン トヨタ カムリ 19
観客数(主催者発表):67,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 1622
2 ジミー・ジョンソン シボレー 1512
3 カイル・ブッシュ トヨタ 1509
6 デニー・ハムリン トヨタ 1458
13 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 1302
19 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 1198
20 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 1158
24 デイビッド・ロイティマン トヨタ 1102
26 スコット・スピード トヨタ 1091
28 マーコス・アンブローズ トヨタ 1013
34 ロビー・ゴードン トヨタ 854
38 マックス・パピス トヨタ 499
39 ジョー・ネメチェク トヨタ 414
41 デイヴ・ブレイニー トヨタ 382
42 マイケル・マクドウェル トヨタ 336
45 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 200
50 リード・ソーレンソン トヨタ 120
54 トッド・ボダイン トヨタ 46
56 トニー・レインズ トヨタ 37
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 82
2 トヨタ 66
3 フォード 49
4 ダッジ 45

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第10戦 Royal Purple 200

開催日:5月7日

"トヨタ カムリ"圧勝で1-2フィニッシュ!
デニー・ハムリンが今季初勝利を挙げる

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今季初優勝を挙げたデニー・ハムリン(#20)と
2位に入ったカイル・ブッシュ(#18)

 5月7日(金)にNASCARネイションワイド・シリーズの第10戦「Royal Purple 200」がダーリントン・レースウェイで開催された。
 今大会は、1日で全てのスケジュールが行われるが、その間に翌日決勝レースを迎えるスプリント・カップ・シリーズ
第11戦の練習走行(2回)と予選も組み込まれており、両レースに出場するカイル・ブッシュ、デニー・ハムリン、ブライアン・ヴィッカーズらは、休む間もなく多くの走行を重ねるハードな一日となった。

 7日(金)朝8時半から2時間半に渡る練習走行のあと、午後3時10分より予選が行われ、今季同シリーズ2戦目の参戦となるハムリンが今季初のポールポジションを獲得。カイル・ブッシュが2番手で最前列に並んだ。9番手に トレヴァー・
バインが入り、10台の"トヨタカムリ"が決勝へと進んだ。

 午後7時47分に1.366マイルオーバルを147周(200マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのハムリンは順調にポジションを守ってのスタートとなったが、2周目にいきなりブレンダン・ゴーアンが壁にクラッシュ。イエローコーションが出され、11周目に再スタートとなった。
 この再スタートでライバルの先行を許したハムリンだったが、速さに勝るハムリンは落ち着いて 21周目に首位を奪還。Ky.ブッシュも続き、"トヨタ カムリ"の1-2体制となった。
 中盤戦は、約20周起きに発生したイエローコーション時のピット作業時には順位が入れ替わったものの、ハムリン、Ky.ブッシュ共に首位争いを継続。65周目にはKy.ブッシュがこの日初めて首位に立った。
 85周目、この日5度目のイエローコーションから、2位で再スタートを切ったハムリンは、直後に首位に立つと、後続を引き離して行った。
 121周目にこの日7度目のイエローコーションが出されると、上位勢の多くはタイヤ交換のためにピットへ向かったが、1-2位につけるハムリンとKy.ブッシュはタイヤ交換をせず、コース上にステイアウト。タイヤが心配された2台だったが、スピードは衰えず、ポジションをキープ。チェッカーを目前にして、この日9度目のイエローコーションから、142周目、残り5周でのスプリント勝負の再スタートが切られると、ハムリンとKy.ブッシュの一騎打ちとなった。
 再スタートで並びかけ、サイド・バイ・サイドとなった2台だったが、ハムリンが僅かに先行。そのままKy.ブッシュを抑えると、最後は0.625秒差をつけてトップでチェッカー。ハムリンがネイションワイド・シリーズで今季初勝利を挙げた。
Ky.ブッシュが2位で続き、"トヨタ カムリ"は1-2フィニッシュ。4位にケーシー・カーン、5位にジェイソン・リフラー、9位にブライアン・ヴィッカーズが入った。この結果、Ky.ブッシュはドライバーズランキングで2位へとひとつ順位を上げた。

 次戦第11戦は5月15日(土)、ドーバー・インターナショナル・スピードウェイで行われる。

ドライバー デニー・ハムリン:
「カイル(・ブッシュ)は抜群に再スタートが上手いので、彼を抑えるのは容易ではない。1周目で彼を抑えられれば、その後は逃げられると分かっていた。このコースでは、特に第1コーナーでは、2台が並んだままのバトルは非常に難しい。しかし、我々は戦った。私と前任クルーチーフはこれまで非常に上手くやってきたが、今回は、新しいクルーチーフが素晴らしい"トヨタ カムリ"を仕上げてくれた。彼に代わってから初めての勝利であり、祝福を送りたい」

リザルト

第10戦 Royal Purple 200 決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 1 20 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 147
2 2 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 147
3 4 88 ジェイミー・マクマーレイ シボレー 147
4 15 38 ケーシー・カーン トヨタ カムリ 147
5 12 10 ジェイソン・リフラー トヨタ カムリ 147
9 17 32 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 147
11 29 15 マイケル・アネット トヨタ カムリ 147
12 27 66 スティーブ・ウォレス トヨタ カムリ 147
16 9 99 トレヴァー・バイン トヨタ カムリ 147
25 13 11 ブライアン・スコット トヨタ カムリ 145
33 11 62 ブレンダン・ゴーアン トヨタ カムリ 84
観客数(主催者発表):26,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ブラッド・ケセロウスキー ダッジ 1615
2 カイル・ブッシュ トヨタ 1560
3 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 1552
7 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 1228
9 ジェイソン・リフラー トヨタ 1049
11 トレヴァー・バイン トヨタ 1047
12 ブライアン・スコット トヨタ 1043
13 ブレンダン・ゴーアン トヨタ 1040
14 スティーブ・ウォレス トヨタ 1023
15 マイケル・アネット トヨタ 977
23 リード・ソーレンソン トヨタ 793
27 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 733
29 ケリー・バイアス トヨタ 673
42 ケーシー・カーン トヨタ 375
43 デニー・ハムリン トヨタ 370
45 ケヴィン・リペイジ トヨタ 359
54 デイビッド・ロイティマン トヨタ 227
72 ケイシー・メアーズ トヨタ 70
74 マイキー・カイル トヨタ 64
76 ジャスティン・ロフトン トヨタ 52
78 チャド・ブラウント トヨタ 43
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 66
2 シボレー 57
3 ダッジ 55
4 フォード 42