2010年5月31日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第13戦 Coca-Cola 600

開催日:5月30日

2台の"トヨタ カムリ"がトップ5フィニッシュ

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"トヨタ カムリ"最上位の3位でフィニッシュしたカイル・ブッシュ(#18)

 5月30日(日)、米国東部ノースカロライナ州コンコルドのシャーロット・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・
カップ・シリーズ第13戦「Coca-Cola 600」が開催された。
 年に2度行われるシャーロット戦のうち、春の大会はNASCAR最長の600マイル(約960km)で戦われる。昨年は降雨により短縮終了となったが、デイビッド・ロイティマンがシリーズ初優勝を飾っている。
 トヨタは前々週のドーバー戦でカイル・ブッシュがネイションワイド・シリーズとスプリント・カップ・シリーズの
両カテゴリーを制覇。その前の週のダーリントンでも、デニー・ハムリンが両カテゴリーを制しており、前日の
ネイションワイド・シリーズでKy.ブッシュが勝利を挙げたことから、3連続での2カテゴリー制覇に期待がかかった。

 27日(木)午後7時10分から予選が行われ、前週のShowdownで勝利を挙げ、オールスター戦でもトヨタ勢最上位の2位に入ったマーティン・トゥルークス・Jr.が3番手グリッドを確保。6番手から9番手にロイティマン、ハムリン、
ジョーイ・ロガーノ、Ky.ブッシュが続き、13台の"トヨタ カムリ"が決勝に進んだ。

 30日(日)午後6時20分に1.5マイルオーバルを400周(600マイル)して競われる決勝レースがスタート。6番手スタートのロイティマンが序盤から好走を見せ3位に浮上。 40周目には2位へとポジションを上げた。序盤は、トゥルークス・Jr.、ロガーノ、ハムリン、Ky.ブッシュらの"トヨタ カムリ"勢もトップ10圏内での走行を続けた。
 その後、Ky.ブッシュがポジションを上げ、首位争いに加わると、130周目にこの日初めてトップに浮上。ロイティマンとハムリンもトップ5で続いた。
 166周目、4位を争っていたハムリンは、前を行くジミー・ジョンソン(シボレー)がバランスを崩したのを避けようとして
イン側の芝生に乗り上げる形となり、車両下部にダメージを負い、修復のために大きく順位を落としてしまった。
 これによりイエローコーションが出され、各車ピットイン。このとき、ピットから出ようとした首位のKy.ブッシュとピットに入ろうとしたブラッド・ケセロウスキー(ダッジ)が接触。Ky.ブッシュは車両右前部と操舵系にダメージを負い、
ピットロードでのスピード違反ペナルティも科され、首位と同一周回には踏みとどまったものの、25位まで後退。
 その後は、ロイティマンが唯一トヨタ勢で健闘を見せ、着実にトップ5圏内を走行。Ky.ブッシュはピットインの度に修復と調整を行いながら、15位あたりまでポジションを上げていたが、301周目、6度目のイエローコーション時のピットで
大きくポジションアップ。5位に浮上。
 日が沈み、気温、路面温度共に下がってきたことで各車セッティングの変更を強いられる中、ロイティマンは
アンダーステア症状に苦しみながらも、調子を上げてきたKy.ブッシュと5位争いを展開。
 376周目にアンブローズがクラッシュし、この日8度目のイエローコーションが出されると、各車最後のピットイン。
コース上に残った車両もいたため、Ky.ブッシュが7位、ロイティマンは10位に後退。しかし、再スタート後にKy.ブッシュはジャンプアップを見せ3位に浮上。ロイティマンも徐々にポジションを上げていった。
 更に上位を追ったKy.ブッシュであったが及ばず、3位でフィニッシュ。この日常にトップ5圏内での好走を見せた
ロイティマンは5位でチェッカーを受けた。ロイティマンは今季3度目のトップ10フィニッシュ。
 Ky.ブッシュは同じシャーロットで行われた前週のキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ、前日のネイションワイド・シリーズの両レースで勝利を挙げていたが、スプリント・カップ・シリーズでの勝利は叶わず。シャーロットの3カテゴリー制覇は惜しくもならなかった。

 次戦第14戦は6月6日(日)、米国東部ペンシルバニア州ロングポンドのポコノ・レースウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「我々にとって良い夜だった。我々の"トヨタ カムリ"は好調で、序盤は本当に速かった。追い上げて首位に立ったが、ピットロードでのアクシデントで残念ながらポジションを落としてしまった。クルーの素晴らしい仕事で、修復を
行いながらもトップと同一周回に留まることができ、更に調整を加えたことで上位争いに復帰することができた」

リザルト

第13戦 Coca-Cola 600 決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 2 2 カート・ブッシュ ダッジ 400
2 27 1 ジェイミー・マクマーレイ シボレー 400
3 9 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 400
5 6 0 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 400
13 8 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 400
18 7 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 400
23 3 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 400
29 13 83 ケイシー・メアーズ トヨタ カムリ 396
30 21 82 スコット・スピード トヨタ カムリ 395
33 36 7 ロビー・ゴードン トヨタ カムリ 394
36 34 47 マーコス・アンブローズ トヨタ カムリ 375
39 19 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 46
40 29 64 トッド・ボダイン トヨタ カムリ 41
42 30 55 マイケル・マクドウェル トヨタ カムリ 34
43 17 66 デイヴ・ブレイニー トヨタ カムリ 25
観客数(主催者発表): 140,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 1898
2 カイル・ブッシュ トヨタ 1869
3 マット・ケンゼス フォード 1781
5 デニー・ハムリン トヨタ 1732
14 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 1533
18 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 1461
19 デイビッド・ロイティマン トヨタ 1422
26 スコット・スピード トヨタ 1258
27 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 1158
30 マーコス・アンブローズ トヨタ 1123
34 ロビー・ゴードン トヨタ 963
38 ジョー・ネメチェク トヨタ 509
39 マックス・パピス トヨタ 499
41 デイヴ・ブレイニー トヨタ 456
42 マイケル・マクドウェル トヨタ 385
44 ケイシー・メアーズ トヨタ 331
46 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 200
52 リード・ソーレンソン トヨタ 120
53 トッド・ボダイン トヨタ 89
56 トニー・レインズ トヨタ 37
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 94
2 トヨタ 79
3 ダッジ 57
4 フォード 56

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第12戦 Tech-Net Auto Service 300

開催日:5月29日

2周遅れから追い上げたカイル・ブッシュが今季5勝目!

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今季5勝目を上げたカイル・ブッシュ

 5月29日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第12戦「Tech-Net Auto Service 300」がシャーロット・モーター・スピードウェイで開催された。
 シャーロットはカイル・ブッシュが得意としており、トヨタに移籍した2008年以来、年に2回、計4戦で3勝と圧倒的な強さを見せている。また、昨年秋の大会では、"トヨタ カムリ"がトップ4を独占した。

 今大会は27日(木)に2度の練習走行という変則的なスケジュールを経て、29日(土)決勝を前に午前9時35分から
予選が行われた。
 トヨタ勢はトレヴァー・バインが最前列2番手を確保。ケーシー・カーンが5番手、Ky.ブッシュは6番手、
ブライアン・スコットが8番手につけ、11台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 午後2時47分、1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。2番手グリッドのバインはスタートをミスし、6位に後退。直後にクラッシュによるイエローコーションが連続し、13周目に再スタート。
カーンが2番手と好位置での再スタートを切った。
 カーンが首位争いを展開する一方で、Ky.ブッシュは徐々に順位を落とし、右フロントタイヤのトラブルのために、
48周目にグリーン下でピットイン。ピットアウト時にピットレーンでのスピード違反ペナルティを科され、再度ピットロードを通過。2周遅れの32位まで大きく後退してしまった。
 しかし、その後イエローコーションは出されず、上位勢も60周目あたりから次々にグリーン下でピットイン。素晴らしい
速さでの追い上げを続けていたKy.ブッシュは、全車がピットインを終えた62周目にはトップと同一周回に復帰。また、
この時点でケーシー・カーンが首位に浮上した。
 首位を行くカーンは、後続を大きく引き離し、91周目には、2位に11秒もの大差を付け、上位13台以外は全て周回遅れにするという圧倒的な速さを見せたが、その直後に突然電装系のトラブルに見舞われピットイン。バッテリーを交換して
ピットアウトしたが、無念の2周遅れとなってしまった。
 レースは折り返しを過ぎた103周目にこの日3度目のイエローコーションとなり、全車ピットイン。ロガーノが2位、
ジェイソン・リフラー3位、Ky.ブッシュが6位、リード・ソーレンソンが10位で再スタート。ロガーノは115周目にこの日
初めて首位に立った。
 138周目にバインがスピンを喫しイエローコーション。全車ピットに向かうと、好ピット作業でKy.ブッシュが3つ順位を
上げ、ついに首位に浮上。
 186周目にバインが再び壁に接触し、この日5度目のイエローコーションが出されたが、首位を行くKy.ブッシュとそれを追うブラッド・ケセロウスキー(ダッジ)の2台のみはピットに入らず、3位以降はピットでタイヤを交換。
 終盤2度に渡るイエローコーションで、レースは3周延長され、"グリーン・ホワイト・チェッカー"で決されることとなり、
激しく首位を争うKy.ブッシュとケセロウスキーに、タイヤの新しい3位のロガーノ以下が追い上げる展開となった。
 好スタートを切ったKy.ブッシュが逃げる後方でロガーノとケセロウスキーがサイド・バイ・サイドで2位争いを展開したが、逆転には至らず。逃げ切ったKy.ブッシュが今季5勝目を上げた。ロガーノは3位、リフラーが7位、ソーレンソンが8位に入った。
 Ky.ブッシュはランキング2位は変わらないものの、首位のケセロウスキーと僅か1ポイント差に迫った。この勝利は、Ky.ブッシュが2008年にトヨタに移籍してから、トップ3カテゴリーでの合計50勝目にあたり、シャーロットでの過去5戦中4勝目。また、前週オールスター戦での勝利は逃したものの、キャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第7戦、前々週
ドーバーでネイションワイド・シリーズ第11戦とスプリント・カップ・シリーズ第12戦で勝利を挙げており、トップ3カテゴリーのポイントのかかったレースで4連勝となった。

 次戦第13戦は6月5日(土)、米国南部テネシー州レバノンのナッシュビル・スーパースピードウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「終盤何度かのイエローコーションが出されたが、クルーチーフが間違いのない判断をしてくれたおかげで勝つことができた。最後ピットインしなかったが、我々の"トヨタ カムリ"は、最後までライバルを抑えきれるだけの速さがあると
思っていた。チームスタッフは今日もまた本当に素晴らしい"トヨタ カムリ"を用意してくれた」

リザルト

第12戦 Tech-Net Auto Service 300 決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 6 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 203
2 3 22 ブラッド・ケセロウスキー ダッジ 203
3 13 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 203
7 40 10 ジェイソン・リフラー トヨタ カムリ 203
8 20 32 リード・ソーレンソン トヨタ カムリ 203
14 17 15 マイケル・アネット トヨタ カムリ 203
17 2 99 トレヴァー・バイン トヨタ カムリ 202
21 10 66 スティーブ・ウォレス トヨタ カムリ 201
26 5 38 ケーシー・カーン トヨタ カムリ 199
32 41 62 ブレンダン・ゴーアン トヨタ カムリ 173
33 8 11 ブライアン・スコット トヨタ カムリ 159
37 32 56 ケヴィン・リペイジ トヨタ カムリ 31
観客数(主催者発表):40,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ブラッド・ケセロウスキー ダッジ 1946
2 カイル・ブッシュ トヨタ 1945
3 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 1852
7 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 1398
9 ジェイソン・リフラー トヨタ 1350
11 ブライアン・スコット トヨタ 1245
12 スティーブ・ウォレス トヨタ 1244
13 トレヴァー・バイン トヨタ 1235
14 ブレンダン・ゴーアン トヨタ 1231
15 マイケル・アネット トヨタ 1216
18 リード・ソーレンソン トヨタ 1095
30 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 733
34 ケリー・バイアス トヨタ 673
37 ケーシー・カーン トヨタ 522
39 デニー・ハムリン トヨタ 502
43 ケヴィン・リペイジ トヨタ 460
59 デイビッド・ロイティマン トヨタ 227
74 ケイシー・メアーズ トヨタ 70
76 マイキー・カイル トヨタ 64
78 ジャスティン・ロフトン トヨタ 52
81 チャド・ブラウント トヨタ 43
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 84
2 シボレー 67
3 ダッジ 65
4 フォード 48