NASCAR SPRINT CUP SERIES
第16戦 Toyota/Save Mart 350
開催日:6月20日
ソノマのロードコース戦でロビー・ゴードンが2位フィニッシュ
自身今季最高位となる2位フィニッシュを果たしたロビー・ゴードン(#7)
6月20日(日)、米国西部カリフォルニア州ソノマのロードコース、インフィニオン・レースウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第16戦「Toyota/Save Mart 350」が開催された。
サンフランシスコ近郊のソノマは、有名なナパ・バレーと共にカリフォルニアワインの一大産地であり、インフィニオン・
レースウェイは広大な丘陵地の中に作られた、アップダウンの激しいコース。
ソノマ戦は、オーバルでの戦いを主とするNASCARスプリント・カップ・シリーズにおいて、年に2回だけ開催される
ロードコース戦のひとつ。ロードコース・スペシャリストと呼ばれるドライバーがスポット参戦する事でも知られる。今大会では、DTM(ドイツツーリングカー選手権)チャンピオンであるマティアス・エクストロームが83号車の"トヨタ カムリ"で
出場することとなり、注目を集めた。
18日(金)午後3時35分から予選が行われ、正午からの公式練習でトップタイムをマークしたマーコス・アンブローズが、若干ミスしたものの6番手。マーティン・トゥルークス・Jr.が 10番手につけた。オーストラリアのV8スーパーカーシリーズ出身で、ロードコースを得意とするアンブローズは、19日(土)に2度行われた公式練習走行でもトップタイムをマーク。念願の初優勝へ期待がかかった。
20日(日)好天の下、午後12時19分に12のコーナーを持つ1.99マイルロードコースを 110周(219マイル:約350km)
して競われる決勝レースがスタートした。
6番手スタートのアンブローズは、4周目に5位、翌周には4位へとポジションアップ。一方、後方では、11周目の
第7コーナーで接触からスピンした車両が発生。これを避けようと急ブレーキをかけた前走車に、直後を走行していた
カイル・ブッシュが接触。 27番手スタートから、18位までポジションを上げていたKy.ブッシュはこの接触で車体前部に大きなダメージを負い、ガレージでの長い修復作業を余儀なくされてしまった。
アンブローズは再スタート後、一気に順位を上げ、2位に浮上。首位を行くジミー・ジョンソン(シボレー)を追った。中盤には、ピット戦略をずらしたエクストロームが首位に浮上。トップ3へとポジションを上げてきたトゥルークス・Jr.と
アンブローズを含めた"トヨタ カムリ"3台が首位争いを展開した。
44周目には、序盤の接触でダメージを負っていたデニー・ハムリンのボンネットフードの留め金が外れ、ボンネットが
開いてしまうアクシデントが発生。フロントウィンドウがボンネットフードでふさがれたまま、なんとかピットまで戻った
ハムリンだったが、大きく順位を落とすこととなってしまった。
67周目、この日3度目のイエローコーションからの再スタート時、上位のペースが遅かったため、メインストレートでの
行き場に詰まった中団グループで、多重クラッシュが発生。これにマックス・パピス、ハムリン、トゥルークス・Jr.が
巻き込まれ、パピスとトゥルークス・Jrはリタイア。ハムリンはガレージでの修復後にコースへと復帰したが、7周遅れとなってしまった。
レースは車両排除のために赤旗となり、20分ほどの中断を経て再開された。トップで再スタートを切ったアンブローズは、その後グリーン下でのピットで一旦首位の座を譲るものの、88周目の再スタート直後に再び首位を奪還。
ジミー・ジョンソン(シボレー)と首位争いを展開した。
一方、16番手からスタートした地元カリフォルニア出身のロビー・ゴードンは、着実な走りでレース折り返し時には
トップ10へ浮上。オフロードレース出身ながら、ロードレースでも多くのキャリアを持ち、過去にはトヨタでCARTを戦った
経験もあるR.ゴードンは、88周目の再スタート時にはアンブローズ、ジョンソンに次ぐ3位までポジションを上げた。
92周目には、初のNASCAR参戦ながら好走を見せていたエクストロームが他車に接触されスピン。惜しくもポジションを落としてしまった。
終盤好調に首位を守っていたアンブローズだったが、103周目に、この日7度目のイエローコーションが出されると、
コーション走行中の燃料をセーブしようとして下り坂でエンジンをストップ。惰性での走行を続けたが、上り坂に
さしかかってもエンジン再始動が上手く行かず、コーション走行中のペースを守れなかったとして規定によりポジション
ダウン。7位からの再スタートとなってしまった。
106周目、残り4周で再スタート。R.ゴードンは2番手から首位のジョンソンを追ったが、僅かに及ばず、2位でチェッカー。自身今季最上位フィニッシュを飾った。アンブローズは一時8位へと後退したものの、2つポジションを上げ、6位で
フィニッシュ。惜しくも初優勝は叶わなかった。
次戦第17戦は6月27日(日)、米国北東部ニューハンプシャー州ロードンのニューハンプシャー・モーター・スピード
ウェイで行われる。
ドライバー ロビー・ゴードン:
「最後の再スタートで、ジミー(・ジョンソン)を捕らえるつもりだった。ジミーがどのタイミングでダッシュするか図っていたが、私はライバルよりも10周分ほど摩耗したタイヤを使っていたため、再スタートで若干ロスし、ジミーに逃げられてしまった。しかし、我々にとっては素晴らしいレースだった。我々は勝つためにここへやってきたが、僅かに届かず2位となった。それでも今回の結果はチームの士気向上に繋がったと思う。我々は次のロードコース戦であるワトキンス・グレン(8月の第22戦)へ向けて燃えている。多くの自信と共にワトキンス・グレンに挑む」
リザルト
第16戦 Toyota/Save Mart 350 決勝結果 | |||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
1 | 2 | 48 | ジミー・ジョンソン | シボレー | 110 |
2 | 16 | 7 | ロビー・ゴードン | トヨタ カムリ | 110 |
3 | 4 | 29 | ケヴィン・ハーヴィック | シボレー | 110 |
6 | 6 | 47 | マーコス・アンブローズ | トヨタ カムリ | 110 |
18 | 23 | 82 | スコット・スピード | トヨタ カムリ | 110 |
20 | 33 | 0 | デイビッド・ロイティマン | トヨタ カムリ | 110 |
21 | 38 | 83 | マティアス・エクストローム | トヨタ カムリ | 110 |
33 | 20 | 20 | ジョーイ・ロガーノ | トヨタ カムリ | 108 |
34 | 12 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 103 |
37 | 43 | 66 | デイヴ・ブレイニー | トヨタ カムリ | 86 |
39 | 27 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 76 |
40 | 28 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 71 |
41 | 35 | 7 | P.J.ジョーンズ | トヨタ カムリ | 68 |
42 | 10 | 56 | マーティン・トゥルークス・Jr. | トヨタ カムリ | 66 |
43 | 29 | 13 | マックス・パピス | トヨタ カムリ | 65 |
観客数(主催者発表):90,000人 |
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NASCAR NATIONWIDE SERIES
第15戦 Bucyrus 200
開催日:6月19日
"トヨタ カムリ"首位を争うも3位フィニッシュ
"トヨタ カムリ"最高位の3位でフィニッシュしたブレンダン・ゴーアン(#62)
6月19日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第15戦「Bucyrus 200」が米国中西部ウィスコンシン州エルクハートレイクのロードコース、ロードアメリカで開催された。
ロードアメリカで同シリーズのレースが開催されるのは初めて。1周4.048マイル(約6.5km)はNASCARが行われる
コースの中でも最長となる。
今大会はロードコース戦であり、同一週末のスプリント・カップ・シリーズ戦が遠く離れたソノマで行われているため、
ロードコーススペシャリストを含め、多くのスポット参戦ドライバーが出場した。
中でも注目を集めたのは元F1世界チャンピオンであり、インディ500勝者、CARTチャンピオンでもある
ジャック・ヴィルヌーヴによる"トヨタ カムリ"での久しぶりのNASCAR参戦。ヴィルヌーヴにとって同コースは、1994年に
インディカーで初勝利を挙げている記念すべきコースであり、NASCARネイションワイド・シリーズには、2008年と2009年のモントリオール戦以来の出場となる。
18日(金)の2度の公式練習を経て、19日(土)午前9時35分から予選が行われた。公式練習2回目でトップタイムを
マークするなど、注目のヴィルヌーヴが予選でも好走を見せ、最前列2番手グリッドを確保。ブラッド・コールマンが4番手、ブレンダン・ゴーアンが6番手、ロードコーススペシャリストのパトリック・ロングが7番手につけ、11台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
予選の後、午後2時55分に、14のコーナーを持つ4.048マイルロードコースを50周(202マイル:約325km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
2番手スタートのヴィルヌーヴはポジションを守り、コールマンが好スタートでひとつポジションを上げ、2-3位で序盤戦へ。
レースが折り返しを越えた29周目、ブラインドの第6コーナーで接触した車両に、後続が次々と突っ込み、
多重クラッシュが発生。レースは30分余りに渡って赤旗中断となった。
レース再開直後のイエローコーションで、ヴィルヌーヴを含む上位勢はピットに入ったが、異なるピット戦略を採った多くの車両がコース上に残ったため、ヴィルヌーヴは17位で再スタート。再スタート時はコールマンが首位、5番手スタートのゴーアンがすぐにポジションを上げて続き、"トヨタ カムリ"の1-2体制となった。
その後方で、目覚ましい追い上げを見せたのはヴィルヌーヴ。38周目にはコールマンをかわし、この日初めての首位に浮上。3周後にカール・エドワーズ(フォード)にかわされるも、再逆転を狙い、2位でエドワーズを追った。
レースはその後もアクシデントが多発し、47周目、残り3周で再スタート。エドワーズに続く2位にぴたりとつけ、逆転へのプレッシャーをかけたヴィルヌーヴだったが、チェッカーまで後2周となった48周目に突然のスローダウン。痛恨の
電装系トラブルで大きくポジションを落とし、1周遅れの25位に終わった。
レースを通してトップ10圏内での走行を続けたゴーアンが、今季自身最高位となる3位でフィニッシュ。好走を見せた
コールマンは6位、リフラーが8位、スティーブ・ウォレス9位、トレヴァー・バインが10位に入り、"トヨタ カムリ"は惜しくも
勝利を逃したものの、5台がトップ10フィニッシュを果たした。
次戦第16戦は6月26日(土)、ニューハンプシャー・モーター・スピードウェイで行われる。
ドライバー ブレンダン・ゴーアン:
「素晴らしいレースだった。このコースは好きだ。16か17の頃、レーシングスクールでここに来て練習したのを
思い出す。このコースのことは全て覚えている。優れたドライバーであるロン・フェローズ(シボレー)やジャック・ヴィルヌーヴらと最後に戦うことができ、最高の時間を過ごせた。3位フィニッシュでポイントも得られ、良い一日だった。チームメイトのスティーブ(・ウォレス)も9位に入ったということで、2台が共にトップ10フィニッシュを果たし、チームに
とっても今後に繋がるレースになった。ここはブレーキに非常に厳しいコースだが、スタッフが素晴らしい
"トヨタ カムリ"を用意してくれたおかげで、全く問題なかった」
リザルト
第15戦 Bucyrus 200 決勝結果 | |||||
---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
1 | 1 | 60 | カール・エドワーズ | フォード | 50 |
2 | 12 | 88 | ロン・フェローズ | シボレー | 50 |
3 | 6 | 62 | ブレンダン・ゴーアン | トヨタ カムリ | 50 |
6 | 4 | 18 | ブラッド・コールマン | トヨタ カムリ | 50 |
8 | 19 | 38 | ジェイソン・リフラー | トヨタ カムリ | 50 |
9 | 17 | 66 | スティーブ・ウォレス | トヨタ カムリ | 50 |
10 | 20 | 99 | トレヴァー・バイン | トヨタ カムリ | 50 |
13 | 21 | 11 | ブライアン・スコット | トヨタ カムリ | 50 |
14 | 7 | 90 | パトリック・ロング | トヨタ カムリ | 50 |
15 | 28 | 10 | テイラー・マルサム | トヨタ カムリ | 50 |
24 | 22 | 15 | マイケル・アネット | トヨタ カムリ | 50 |
25 | 2 | 32 | ジャック・ヴィルヌーヴ | トヨタ カムリ | 49 |
29 | 14 | 20 | マット・ディベネデット | トヨタ カムリ | 44 |
観客数(主催者発表):50,000人 |
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