2010年6月21日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第16戦 Toyota/Save Mart 350

開催日:6月20日

ソノマのロードコース戦でロビー・ゴードンが2位フィニッシュ

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自身今季最高位となる2位フィニッシュを果たしたロビー・ゴードン(#7)

 6月20日(日)、米国西部カリフォルニア州ソノマのロードコース、インフィニオン・レースウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第16戦「Toyota/Save Mart 350」が開催された。
 サンフランシスコ近郊のソノマは、有名なナパ・バレーと共にカリフォルニアワインの一大産地であり、インフィニオン・
レースウェイは広大な丘陵地の中に作られた、アップダウンの激しいコース。
 ソノマ戦は、オーバルでの戦いを主とするNASCARスプリント・カップ・シリーズにおいて、年に2回だけ開催される
ロードコース戦のひとつ。ロードコース・スペシャリストと呼ばれるドライバーがスポット参戦する事でも知られる。今大会では、DTM(ドイツツーリングカー選手権)チャンピオンであるマティアス・エクストロームが83号車の"トヨタ カムリ"で
出場することとなり、注目を集めた。

 18日(金)午後3時35分から予選が行われ、正午からの公式練習でトップタイムをマークしたマーコス・アンブローズが、若干ミスしたものの6番手。マーティン・トゥルークス・Jr.が 10番手につけた。オーストラリアのV8スーパーカーシリーズ出身で、ロードコースを得意とするアンブローズは、19日(土)に2度行われた公式練習走行でもトップタイムをマーク。念願の初優勝へ期待がかかった。

 20日(日)好天の下、午後12時19分に12のコーナーを持つ1.99マイルロードコースを 110周(219マイル:約350km)
して競われる決勝レースがスタートした。
 6番手スタートのアンブローズは、4周目に5位、翌周には4位へとポジションアップ。一方、後方では、11周目の
第7コーナーで接触からスピンした車両が発生。これを避けようと急ブレーキをかけた前走車に、直後を走行していた
カイル・ブッシュが接触。 27番手スタートから、18位までポジションを上げていたKy.ブッシュはこの接触で車体前部に大きなダメージを負い、ガレージでの長い修復作業を余儀なくされてしまった。
 アンブローズは再スタート後、一気に順位を上げ、2位に浮上。首位を行くジミー・ジョンソン(シボレー)を追った。中盤には、ピット戦略をずらしたエクストロームが首位に浮上。トップ3へとポジションを上げてきたトゥルークス・Jr.と
アンブローズを含めた"トヨタ カムリ"3台が首位争いを展開した。
 44周目には、序盤の接触でダメージを負っていたデニー・ハムリンのボンネットフードの留め金が外れ、ボンネットが
開いてしまうアクシデントが発生。フロントウィンドウがボンネットフードでふさがれたまま、なんとかピットまで戻った
ハムリンだったが、大きく順位を落とすこととなってしまった。
 67周目、この日3度目のイエローコーションからの再スタート時、上位のペースが遅かったため、メインストレートでの
行き場に詰まった中団グループで、多重クラッシュが発生。これにマックス・パピス、ハムリン、トゥルークス・Jr.が
巻き込まれ、パピスとトゥルークス・Jrはリタイア。ハムリンはガレージでの修復後にコースへと復帰したが、7周遅れとなってしまった。
 レースは車両排除のために赤旗となり、20分ほどの中断を経て再開された。トップで再スタートを切ったアンブローズは、その後グリーン下でのピットで一旦首位の座を譲るものの、88周目の再スタート直後に再び首位を奪還。
ジミー・ジョンソン(シボレー)と首位争いを展開した。
 一方、16番手からスタートした地元カリフォルニア出身のロビー・ゴードンは、着実な走りでレース折り返し時には
トップ10へ浮上。オフロードレース出身ながら、ロードレースでも多くのキャリアを持ち、過去にはトヨタでCARTを戦った
経験もあるR.ゴードンは、88周目の再スタート時にはアンブローズ、ジョンソンに次ぐ3位までポジションを上げた。
 92周目には、初のNASCAR参戦ながら好走を見せていたエクストロームが他車に接触されスピン。惜しくもポジションを落としてしまった。
 終盤好調に首位を守っていたアンブローズだったが、103周目に、この日7度目のイエローコーションが出されると、
コーション走行中の燃料をセーブしようとして下り坂でエンジンをストップ。惰性での走行を続けたが、上り坂に
さしかかってもエンジン再始動が上手く行かず、コーション走行中のペースを守れなかったとして規定によりポジション
ダウン。7位からの再スタートとなってしまった。
 106周目、残り4周で再スタート。R.ゴードンは2番手から首位のジョンソンを追ったが、僅かに及ばず、2位でチェッカー。自身今季最上位フィニッシュを飾った。アンブローズは一時8位へと後退したものの、2つポジションを上げ、6位で
フィニッシュ。惜しくも初優勝は叶わなかった。

 次戦第17戦は6月27日(日)、米国北東部ニューハンプシャー州ロードンのニューハンプシャー・モーター・スピード
ウェイで行われる。

ドライバー ロビー・ゴードン:
「最後の再スタートで、ジミー(・ジョンソン)を捕らえるつもりだった。ジミーがどのタイミングでダッシュするか図っていたが、私はライバルよりも10周分ほど摩耗したタイヤを使っていたため、再スタートで若干ロスし、ジミーに逃げられてしまった。しかし、我々にとっては素晴らしいレースだった。我々は勝つためにここへやってきたが、僅かに届かず2位となった。それでも今回の結果はチームの士気向上に繋がったと思う。我々は次のロードコース戦であるワトキンス・グレン(8月の第22戦)へ向けて燃えている。多くの自信と共にワトキンス・グレンに挑む」

リザルト

第16戦 Toyota/Save Mart 350 決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 2 48 ジミー・ジョンソン シボレー 110
2 16 7 ロビー・ゴードン トヨタ カムリ 110
3 4 29 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 110
6 6 47 マーコス・アンブローズ トヨタ カムリ 110
18 23 82 スコット・スピード トヨタ カムリ 110
20 33 0 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 110
21 38 83 マティアス・エクストローム トヨタ カムリ 110
33 20 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 108
34 12 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 103
37 43 66 デイヴ・ブレイニー トヨタ カムリ 86
39 27 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 76
40 28 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 71
41 35 7 P.J.ジョーンズ トヨタ カムリ 68
42 10 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 66
43 29 13 マックス・パピス トヨタ カムリ 65
観客数(主催者発表):90,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 2334
2 ジミー・ジョンソン シボレー 2194
3 カイル・ブッシュ トヨタ 2193
4 デニー・ハムリン トヨタ 2183
17 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 1783
19 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 1775
21 デイビッド・ロイティマン トヨタ 1752
26 スコット・スピード トヨタ 1549
27 マーコス・アンブローズ トヨタ 1469
32 ロビー・ゴードン トヨタ 1202
34 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 1158
38 ジョー・ネメチェク トヨタ 643
39 マックス・パピス トヨタ 628
41 デイヴ・ブレイニー トヨタ 551
42 ケイシー・メアーズ トヨタ 480
44 マイケル・マクドウェル トヨタ 431
47 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 200
53 トッド・ボダイン トヨタ 126
54 リード・ソーレンソン トヨタ 120
55 マティアス・エクストローム トヨタ 105
59 P.J.ジョーンズ トヨタ 40
61 トニー・レインズ トヨタ 37
62 チャド・マカンビー トヨタ 37
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 112
2 トヨタ 103
3 フォード 69
4 ダッジ 68

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第15戦 Bucyrus 200

開催日:6月19日

"トヨタ カムリ"首位を争うも3位フィニッシュ

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"トヨタ カムリ"最高位の3位でフィニッシュしたブレンダン・ゴーアン(#62)

 6月19日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第15戦「Bucyrus 200」が米国中西部ウィスコンシン州エルクハートレイクのロードコース、ロードアメリカで開催された。
 ロードアメリカで同シリーズのレースが開催されるのは初めて。1周4.048マイル(約6.5km)はNASCARが行われる
コースの中でも最長となる。
 今大会はロードコース戦であり、同一週末のスプリント・カップ・シリーズ戦が遠く離れたソノマで行われているため、
ロードコーススペシャリストを含め、多くのスポット参戦ドライバーが出場した。
 中でも注目を集めたのは元F1世界チャンピオンであり、インディ500勝者、CARTチャンピオンでもある
ジャック・ヴィルヌーヴによる"トヨタ カムリ"での久しぶりのNASCAR参戦。ヴィルヌーヴにとって同コースは、1994年に
インディカーで初勝利を挙げている記念すべきコースであり、NASCARネイションワイド・シリーズには、2008年と2009年のモントリオール戦以来の出場となる。

 18日(金)の2度の公式練習を経て、19日(土)午前9時35分から予選が行われた。公式練習2回目でトップタイムを
マークするなど、注目のヴィルヌーヴが予選でも好走を見せ、最前列2番手グリッドを確保。ブラッド・コールマンが4番手、ブレンダン・ゴーアンが6番手、ロードコーススペシャリストのパトリック・ロングが7番手につけ、11台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 予選の後、午後2時55分に、14のコーナーを持つ4.048マイルロードコースを50周(202マイル:約325km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
 2番手スタートのヴィルヌーヴはポジションを守り、コールマンが好スタートでひとつポジションを上げ、2-3位で序盤戦へ。
 レースが折り返しを越えた29周目、ブラインドの第6コーナーで接触した車両に、後続が次々と突っ込み、
多重クラッシュが発生。レースは30分余りに渡って赤旗中断となった。
 レース再開直後のイエローコーションで、ヴィルヌーヴを含む上位勢はピットに入ったが、異なるピット戦略を採った多くの車両がコース上に残ったため、ヴィルヌーヴは17位で再スタート。再スタート時はコールマンが首位、5番手スタートのゴーアンがすぐにポジションを上げて続き、"トヨタ カムリ"の1-2体制となった。
 その後方で、目覚ましい追い上げを見せたのはヴィルヌーヴ。38周目にはコールマンをかわし、この日初めての首位に浮上。3周後にカール・エドワーズ(フォード)にかわされるも、再逆転を狙い、2位でエドワーズを追った。
 レースはその後もアクシデントが多発し、47周目、残り3周で再スタート。エドワーズに続く2位にぴたりとつけ、逆転へのプレッシャーをかけたヴィルヌーヴだったが、チェッカーまで後2周となった48周目に突然のスローダウン。痛恨の
電装系トラブルで大きくポジションを落とし、1周遅れの25位に終わった。
 レースを通してトップ10圏内での走行を続けたゴーアンが、今季自身最高位となる3位でフィニッシュ。好走を見せた
コールマンは6位、リフラーが8位、スティーブ・ウォレス9位、トレヴァー・バインが10位に入り、"トヨタ カムリ"は惜しくも
勝利を逃したものの、5台がトップ10フィニッシュを果たした。

 次戦第16戦は6月26日(土)、ニューハンプシャー・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー ブレンダン・ゴーアン:
「素晴らしいレースだった。このコースは好きだ。16か17の頃、レーシングスクールでここに来て練習したのを
思い出す。このコースのことは全て覚えている。優れたドライバーであるロン・フェローズ(シボレー)やジャック・ヴィルヌーヴらと最後に戦うことができ、最高の時間を過ごせた。3位フィニッシュでポイントも得られ、良い一日だった。チームメイトのスティーブ(・ウォレス)も9位に入ったということで、2台が共にトップ10フィニッシュを果たし、チームに
とっても今後に繋がるレースになった。ここはブレーキに非常に厳しいコースだが、スタッフが素晴らしい
"トヨタ カムリ"を用意してくれたおかげで、全く問題なかった」

リザルト

第15戦 Bucyrus 200 決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 1 60 カール・エドワーズ フォード 50
2 12 88 ロン・フェローズ シボレー 50
3 6 62 ブレンダン・ゴーアン トヨタ カムリ 50
6 4 18 ブラッド・コールマン トヨタ カムリ 50
8 19 38 ジェイソン・リフラー トヨタ カムリ 50
9 17 66 スティーブ・ウォレス トヨタ カムリ 50
10 20 99 トレヴァー・バイン トヨタ カムリ 50
13 21 11 ブライアン・スコット トヨタ カムリ 50
14 7 90 パトリック・ロング トヨタ カムリ 50
15 28 10 テイラー・マルサム トヨタ カムリ 50
24 22 15 マイケル・アネット トヨタ カムリ 50
25 2 32 ジャック・ヴィルヌーヴ トヨタ カムリ 49
29 14 20 マット・ディベネデット トヨタ カムリ 44
観客数(主催者発表):50,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ブラッド・ケセロウスキー ダッジ 2466
2 カール・エドワーズ フォード 2229
3 ジャスティン・アルゲイヤー ダッジ 2051
4 カイル・ブッシュ トヨタ 1945
7 ブレンダン・ゴーアン トヨタ 1685
8 スティーブ・ウォレス トヨタ 1674
9 ジェイソン・リフラー トヨタ 1597
10 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 1593
11 トレヴァー・バイン トヨタ 1566
12 ブライアン・スコット トヨタ 1518
14 マイケル・アネット トヨタ 1489
16 リード・ソーレンソン トヨタ 1406
35 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 733
40 ケリー・バイアス トヨタ 673
43 ケーシー・カーン トヨタ 522
45 デニー・ハムリン トヨタ 502
49 ブラッド・コールマン トヨタ 434
59 テイラー・マルサム トヨタ 281
63 デイビッド・ロイティマン トヨタ 227
65 マット・ディベネデット トヨタ 210
79 パトリック・ロング トヨタ 126
83 ジャック・ヴィルヌーヴ トヨタ 93
89 ケイシー・メアーズ トヨタ 70
93 マイキー・カイル トヨタ 64
96 ジャスティン・ロフトン トヨタ 52
101 チャド・ブラウント トヨタ 43
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 100
2 ダッジ 81
3 シボレー 80
4 フォード 69