NASCAR SPRINT CUP SERIES
第20戦 Brickyard 400
開催日:7月25日
2台の"トヨタ カムリ"がトップ10フィニッシュ
序盤後方に落ちたものの、8位まで挽回してフィニッシュしたカイル・ブッシュ(#18)
7月25日(日)、米国中部インディアナ州インディアナポリスのインディアナポリス・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第20戦「Brickyard 400」が開催された。
同コースは"インディ500"が開催される"モータースポーツの聖地"であり、過去にはF1も開催されている伝統のコース。
24日(土)午前10時10分から予選が行われ、マーティン・トゥルークス・Jr.が最上位の 12番手。ランキング上位につけるデニー・ハムリンが18番手、カイル・ブッシュは23番手につけ、15台の"トヨタ カムリ"が決勝に進んだ。尚、34番手のジョーイ・ロガーノと39番手のトッド・ボダインは、予選後にエンジン交換を行ったため、決勝レースは最後尾からのスタートとなる。
25日(日)晴れ渡ったインディアナポリスには14万人のファンが集結。午後1時21分に 2.5マイルオーバルを160周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタートした。
スタートが切られた直後の第2コーナーで、いきなり多重クラッシュが発生。Ky.ブッシュ、デイビッド・ロイティマン、 リード・ソーレンソン、トッド・ボダインらが巻き込まれてしまった。Ky.ブッシュとボダインは車体へのダメージは軽微だったが、ロイティマンとソーレンソンは車体前後を大きく破損。周回遅れにならないよう、何度もピットインしながらの修復を余儀なくされた。スピンを喫したKy.ブッシュもピットイン。細部を修正し、タイヤを交換。このピットアウト時に速度違反ペナルティも取られ、6周目の再スタート時には35位まで順位を落としてしまった。
最後方スタートのロガーノも他車の破片により車体前部を破損しピットイン。再スタート後には、巻き上げられた芝がラジエータグリルに詰まってオーバーヒート症状を起こす車両が続出。ハムリンも芝を取り除くためにグリーン下でピットインを余儀なくされ、周回遅れとなってしまった。
16周目にはロビー・ゴードンがクラッシュ。ほぼ同じタイミングで、公式練習で3位につけるなど好調だったマックス・パピスも車体から発火。序盤からトヨタ勢には厳しい展開となった。
そんな中でトヨタ勢を引っ張ったのはトゥルークス・Jr.。16周目に2度目のイエローが出されると、タイヤ2本交換作戦を採り、6位へジャンプアップ。その後もトップ10圏内での走行を続けた。
また、この序盤の混乱の中で、スタート直後には35位まで順位を落としていたKy.ブッシュが一気に順位を挽回。20周目過ぎにはトップ15圏内まで浮上すると、50周目前後のグリーン下でのピットを全車が終えた時点では、トップ10圏内まで返り咲いてみせた。
その後はトゥルークス・Jr.とKy.ブッシュが7位、8位前後での走行を続けていたが、 117周目に出されたイエローコーションで、全車ピットに向かった際、トゥルークス・Jr.はジャッキトラブルで若干タイムをロスし、13位に後退。また、再スタート時にコース上の破片が当たって車体前部を破損。空力特性が悪化し、徐々にポジションを落とすこととなってしまった。
レースは138周目にこの日5度目のイエローコーションとなり、各車最後のピットイン。ここでKy.ブッシュらは4本タイヤ交換を選択したが、数台が2本タイヤ交換作戦を採ったため、6位を走行していたKy.ブッシュは10位に後退。
そして、この再スタート時には、後方から追い上げていたロガーノが11位まで浮上し、Ky.ブッシュに続いた。
終盤戦も着実に走り抜き、2つポジションを上げたKy.ブッシュは8位、ロガーノが9位でフィニッシュ。一時は周回遅れになるなど苦戦を強いられたハムリンも順位を上げ、首位と同一周回の15位でチェッカーを受けた。
この結果、ハムリンはランキングでひとつ順位を上げ3位、Ky.ブッシュは6位の座を守っている。
次戦第21戦は8月1日(日)、米国東部ペンシルバニア州ロングポンドのポコノ・レースウェイで行われる。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「1周目は何が起こったのかわからない。私はコントロールを失い、スピンした。何かが当たったような衝撃は感じなかった。全く問題ないようだった。全体的に見れば、後方から着実に上位へと復帰する事ができ、良いレースだった。しばらくの間、我々に必要なのは順調なレースだ。今日は一日中若干アンダーステア気味だった。2度ほどそれを修正する方向に調整してみた。その方が速かったが、ドライビングがシビアになった。クラッシュは絶対に避けなければならない。我々は今日着実に走り抜くことが要求された。あまりぎりぎりを攻めすぎないよう、スピードの妥協点を見出さなければならなかった。序盤我々はミスを犯し、大きなトラブルに繋がってしまったが、幸運にも、上位に戻ることができた」
リザルト
第20戦 Brickyard 400 決勝結果 | |||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
1 | 4 | 1 | ジェイミー・マクマーレイ | シボレー | 160 |
2 | 9 | 29 | ケヴィン・ハーヴィック | シボレー | 160 |
3 | 7 | 16 | グレッグ・ビッフル | フォード | 160 |
8 | 23 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 160 |
9 | 34 | 20 | ジョーイ・ロガーノ | トヨタ カムリ | 160 |
15 | 18 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 160 |
21 | 41 | 47 | マーコス・アンブローズ | トヨタ カムリ | 160 |
25 | 30 | 82 | スコット・スピード | トヨタ カムリ | 160 |
26 | 12 | 56 | マーティン・トゥルークス・Jr. | トヨタ カムリ | 159 |
28 | 29 | 0 | デイビッド・ロイティマン | トヨタ カムリ | 157 |
29 | 43 | 32 | ジャック・ヴィルヌーヴ | トヨタ カムリ | 157 |
35 | 32 | 83 | リード・ソーレンソン | トヨタ カムリ | 89 |
36 | 21 | 7 | ロビー・ゴードン | トヨタ カムリ | 68 |
37 | 39 | 64 | トッド・ボダイン | トヨタ カムリ | 59 |
40 | 33 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 33 |
41 | 40 | 66 | デイヴ・ブレイニー | トヨタ カムリ | 20 |
42 | 37 | 55 | マイケル・マクドウェル | トヨタ カムリ | 19 |
43 | 35 | 13 | マックス・パピス | トヨタ カムリ | 15 |
観客数(主催者発表):140,000人 |
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NASCAR NATIONWIDE SERIES
第20戦 Kroger 200
開催日:7月24日
カイル・ブッシュが圧勝で今季8勝目!
レースの大半を支配し今季8勝目を挙げたカイル・ブッシュ(#18)と
ポールポジションから序盤首位を走行したトレヴァー・バイン(#99)
7月24日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第20戦「Kroger 200」が米国中部インディアナ州インディアナポリスのオライリー・レースウェイ・パークで開催された。
オライリー・レースウェイ・パークは、インディアナポリス・モーター・スピードウェイに近接している、1周0.686マイル(約1.1km)のショートオーバル。同コースでは2007年ジェイソン・リフラーのドライブにより、ネイションワイド・シリーズ(当時はブッシュ・シリーズ)での"トヨタ カムリ"初勝利を飾った記念すべきコースで、2008年もカイル・ブッシュが勝利を挙げている。
今大会は全ての走行スケジュールが1日で行われるワン・デイ・イベント。2度の練習走行を経て、午後5時10分から予選が開始。昨年、このコースでキャリア初のポールポジションを獲得したトレヴァー・バインが同コース2年連続、そして前戦に続く2戦連続のポールポジション。スティーブ・ウォレスが2番手で続き、"トヨタ カムリ"が最前列を独占。
Ky.ブッシュは5番手につけ、10台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
午後8時10分、曇ってはいるが、まだ明るさの残る空の下で、0.686マイルオーバルを 200周(137マイル:約220km)して競われる決勝レースがスタート。
スタートフラッグが振られた直後、2列渋滞の後続勢が加速を始める中で、多重追突が発生。大きく隊列が崩れることはなく、イエローコーションも出されずそのままレースは続行となったが、12番手グリッドにつけていたリフラーと10番手スタートのディベネデットは車体に大きなダメージを負い、長時間の修復を余儀なくされてしまった。
ポールポジションのバインと2番手のS.ウォレスはポジションを守り、序盤1-2を走行。5番手スタートのKy.ブッシュもポジションを上げていき、27周目にはバインに次ぐ2位に浮上。バインとの首位争いとなった。
時には接触しながらも、サイド・バイ・サイドでの激しい首位争いが10周以上に渡って続いたが、ついに39周目にKy.ブッシュが首位を奪取。しかし、バインも食い下がり、この日初めて出されたイエローコーションからの再スタート後、首位を奪い返して見せた。
しかし、バインに離されることなく追い続けたKy.ブッシュは、レース折り返し目前の98周目に再度バインを逆転し、首位に立った。
118周目にこの日2度目のイエローコーションが出されると、全車ピットイン。ここで2本タイヤ交換作戦を採ったマイケル・アネットが一旦5位まで浮上したが、ピットレーンでの速度違反ペナルティを科され、惜しくも後退。
その後連続してイエローコーションとなるが、Ky.ブッシュは上手い再スタートで首位を堅守。
160周目に、2位を走行していたロン・ホーナディ(シボレー)が周回遅れと接触し、激しくクラッシュ。これでこの日5度目のイエローコーションが出されると、燃料的には最後まで走りきれるため、Ky.ブッシュはピットに入らなかったが、それを追うバインやカール・エドワーズ(フォード)らはピットへ向かいタイヤを交換と、作戦が分かれた。
172周目の再スタート後も首位を守ったKy.ブッシュであったが、タイヤを交換したエドワーズが猛追。11番手の再スタートからみるみる順位を上げ、Ky.ブッシュに0.5秒差の2位まで迫った。
194周目に、他車のスピンでイエローコーション。レースは1周延長され、"グリーン・ホワイト・チェッカー"で200周目に再スタート。Ky.ブッシュは好ダッシュを見せ、首位を守ると、インから何度もしかけるエドワーズを抑え込み、トップでチェッカー。見事今季8勝目を挙げた。
好走を見せたバインは4位。リード・ソーレンソンが5位、ブレンダン・ゴーアンが6位、S.ウォレスが10位に入った。
全201周中、Ky.ブッシュが144周、バインが55周で首位を走行、"トヨタ カムリ"以外が首位を走ったのはピット時の僅か2周のみという圧倒的な勝利であった。
Ky.ブッシュはネイションワイド・シリーズに参戦した直近の6戦で5勝という強さを見せており、通算勝利数も38へと伸ばした。
次戦第21戦は7月31日(土)、米国中部アイオワ州ニュートンのアイオワ・スピードウェイで行われる。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「クリーンで激しいバトルができて良かった。カール(・エドワーズ)は今夜本当に速かった。他のドライバー達も素晴らしかった。序盤はトレヴァー・バインとタフなバトルをしなくてはならなかった。懸命な作業で"トヨタ カムリ"を仕上げてくれたチームには感謝している。2008年を思い出すほど、素晴らしい仕上がりだった。トレヴァー・バインとの2台の"トヨタ カムリ"で首位を争えたのは良い気分だった。また勝利数をひとつ増やすことが出来て嬉しい。そしてもちろんファンにも感謝している。ここで素晴らしいショーを見せられて楽しかった。ファンも楽しんでくれたと思う」
リザルト
第20戦 Kroger 200 決勝結果 | |||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
1 | 5 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 201 |
2 | 13 | 60 | カール・エドワーズ | フォード | 201 |
3 | 6 | 88 | アリック・アルミローラ | シボレー | 201 |
4 | 1 | 99 | トレヴァー・バイン | トヨタ カムリ | 201 |
5 | 15 | 32 | リード・ソーレンソン | トヨタ カムリ | 201 |
6 | 21 | 62 | ブレンダン・ゴーアン | トヨタ カムリ | 201 |
10 | 2 | 66 | スティーブ・ウォレス | トヨタ カムリ | 201 |
17 | 16 | 11 | ブライアン・スコット | トヨタ カムリ | 201 |
19 | 27 | 15 | マイケル・アネット | トヨタ カムリ | 201 |
30 | 12 | 38 | ジェイソン・リフラー | トヨタ カムリ | 139 |
31 | 10 | 20 | マット・ディベネデット | トヨタ カムリ | 137 |
36 | 33 | 10 | デリック・グリフィン | トヨタ カムリ | 74 |
観客数(主催者発表):40,000人 |
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NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第12戦 AAA Insurance 200
開催日:7月23日
カイル・ブッシュが惜しくも2位
レースを通して上位を争ったが惜しくも2位でフィニッシュしたカイル・ブッシュ(#18)
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第12戦「AAA Insurance 200」が7月 23日(金)にオライリー・レースウェイ・ パークで開催された。
ワン・デイ・イベントとなる今大会、23日(金)決勝を前に2度の練習走行を経て、午後5時10分から予選が行われ、ティモシー・ペターズが今季初のポールポジションを獲得。カイル・ブッシュが2番手で"トヨタ タンドラ"が最前列を独占。ランキングトップのトッド・ボダインが6番手、マイク・スキナー7番手、ランキング2位のアリック・アルミローラが8番手につけ、エントリーした9台の"トヨタ タンドラ"全車が予選上位15番手以内につけた。今大会がキャンピング・ワールド・トラック・シリーズのデビュー戦となる、18歳の女性ドライバー、ジョハンナ・ロングは15番手となった。
かなり日差しの傾いた午後8時20分、0.686マイルオーバルを200周(137マイル:約220km)して競われる決勝レースがスタート。
序盤はポールポジションのペターズに、Ky.ブッシュが続き、"トヨタ タンドラ"の1-2体制で進んだ。しかし、この日圧倒的な速さを見せたロン・ホーナディ(シボレー)が迫り、 63周目にはついに首位の座を明け渡すこととなってしまった。
1周の短いショートオーバルで、なかなかイエローコーションの出ない展開となり、2回目のイエローコーションが出された86周目の時点で、トップと同一周回を走行していたのは僅かに14台。このイエローコーションで燃料を入れれば最後までもつため、ほぼ全車がピットイン。Ky.ブッシュが3番手、4番手にボダイン、6番手ペターズで再スタート。
再スタートしてまもなく、97周目に多重クラッシュが発生し、17位走行中のアルミローラが巻き込まれてしまった。アルミローラは車両のダメージが大きく、無念のリタイア。
101周目の再スタート後は、ホーナディにKy.ブッシュが食らいつき、サイド・バイ・サイドでの首位争いとなった。
120周目に、この日4度目のイエローコーションが出されると、上位勢のほとんどはピットに入らず、コース上に残ったが、ペターズを含む数台がピットへ向かい、タイヤを交換。ペターズは13位に後退。
142周目、5度目のイエローコーションでは、先ほどピットに入ったペターズらが入らず、他の上位勢がピットイン。ペターズが再び首位に立った。
首位を逃げるペターズの後方で、ホーナディとKy.ブッシュのバトルが再開。しかし、 152周目、ホーナディはペターズとKy.ブッシュを一気にパス。終盤は逃げるホーナディと追うKy.ブッシュとの戦いになった。
3位以下を大きく引き離し、首位を追ったKy.ブッシュであったが、逆転は叶わず、2位でフィニッシュ。7位にボダイン、8位ブラッド・スウィート、ホ9位デイビッド・スター、ペターズは 10位に終わった。
ドライバーズランキング争いでは、ボダインの首位、アルミローラの2位は変わらないが、アルミローラがクラッシュで31位に終わったため、その差は76ポイント増加し、177ポイント差となった。
次戦第13戦は7月31日(土)にポコノ・レースウェイで開催される。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「チームクルーの素晴らしい判断とピット作業で、2位という結果を得られた。素晴らしい仕事をしてくれた彼らには感謝してもしきれない。練習走行の時点で、33号車(ロン・ホーナディ)を破るのは難しいと分かっていた。しかし、彼に少しでも近づき、彼を破るためにハードに戦い続けた。しかしファイナルラップでもそれは叶わなかった。グリップが足りなかった。彼についていくために右側の前後タイヤを使い切った。最後は何も残っていなかった」
リザルト
第12戦 AAA Insurance 200 決勝結果 | |||||
---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
1 | 5 | 33 | ロン・ホーナディ | シボレー | 200 |
2 | 2 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ タンドラ | 200 |
3 | 4 | 88 | マット・クラフトン | シボレー | 200 |
7 | 6 | 30 | トッド・ボダイン | トヨタ タンドラ | 200 |
8 | 14 | 90 | ブラッド・スウィート | トヨタ タンドラ | 200 |
9 | 10 | 81 | デイビッド・スター | トヨタ タンドラ | 200 |
10 | 1 | 17 | ティモシー・ペターズ | トヨタ タンドラ | 200 |
15 | 7 | 5 | マイク・スキナー | トヨタ タンドラ | 199 |
17 | 15 | 15 | ジョハンナ・ロング | トヨタ タンドラ | 197 |
29 | 13 | 7 | ジャスティン・ロフトン | トヨタ タンドラ | 172 |
31 | 8 | 51 | アリック・アルミローラ | トヨタ タンドラ | 95 |
観客数(主催者発表):37,000人 |
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