NASCAR SPRINT CUP SERIES
第22戦 Heluva Good! Sour Cream Dips at the Glen
開催日:8月8日
マーコス・アンブローズが3位フィニッシュ
レースを通して首位を争ったが惜しくも3位に終わったマーコス・アンブローズ(#47)
8月8日(日)、米国東部ニューヨーク州ワトキンス・グレン・インターナショナルのロードコース、ワトキンス・グレン・インターナショナルでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第22戦「Heluva Good! Sour Cream Dips at the Glen」が開催された。
今大会は年に2度行われるロードコース戦のひとつで、ロードコースを得意とするドライバーに加え、"ロードコース・スペシャリスト"と呼ばれるドライバーがスポット参戦し、激戦を展開する。
トヨタ勢では、カイル・ブッシュが2008年の同コースで勝利を挙げている他、オーストラリアのV8スーパーカーシリーズ出身のマーコス・アンブローズもロードコースを得意としており、前日行われたネイションワイド・シリーズで、3年連続勝利を挙げている。
また、元F1ドライバーのスコット・スピードやマックス・パピス、CARTシリーズ参戦経験を持つロビー・ゴードンら、そして"ロードコース・スペシャリスト"としてスポット参戦するボリス・セイド、P.J.ジョーンズらの活躍にも期待がかかった。
7日(土)午前11時10分より、1台ずつアタックする予選が行われ、スコット・スピードが8番手。Ky.ブッシュが10番手、アンブローズが11番手、セイドが13番手につけ、13台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
8日(日)好天の下、午後1時25分に2.45マイルロードコースを90周(220.5マイル:約350km)して競われる決勝レースがスタート。10番手グリッドを確保していたKy.ブッシュは、スタート直前に車両トラブルに見舞われ、ピットで修復。フォーメーションラップ中にコースへと復帰したが、最後尾からのスタートとなってしまった。
序盤は8番手スタートのスコット・スピードがポジションを守っていたが、12周目に突然車両トラブルに見舞われピットイン。ガレージでの長時間の修復を余儀なくされた。
11番手スタートから着実にポジションを上げていたアンブローズが、かわってトヨタ勢を引っ張ることに。素晴らしいペースで前走車をパスしていったアンブローズは、18周目には3位、24周目にはついに2位に浮上した。
25周を過ぎたあたりから各車グリーン下でのピットがスタートし、全車がピットを終えた直後、P.J.ジョーンズがスローダウンし、バスストップシケイン脇に停止。この日最初のイエローコーションとなった。
31周目、首位のファン・モントーヤ(シボレー)に続く2番手で再スタートを切ったアンブローズは、3位以下を引き離し、モントーヤとの激しい首位争いを展開。40周目の1コーナーでアンブローズはモントーヤのインを付き、ついに首位を奪取した。
42周目に2回目のイエローコーションが出されたが、上位勢はピットインせず。46周目に再スタートが切られると、アンブローズは、好スタートを切った後続に先行され、1コーナーでは3台が並ぶ激しいバトルの末に4位に後退。しかし、すぐに2位へとポジションを取り戻したアンブローズは、首位を逃げるモントーヤよりもコンマ5秒近く速いラップタイムで追い上げ、再び2台によるマッチレースとなった。
60周目前後から、グリーン下でこの日最後となるであろうピット作業が開始。62周目に3度目のイエローコーションが出されたが、大きく順位に変動はなく、64周目に再スタート。
66周目、ここまで常にトップ10圏内での走行を続けていたボリス・セイドがスピンを喫しガードレールにクラッシュ。車両後部に大きなダメージを負い、戦線離脱。
このイエローコーションからの再スタートとなった70周目、再スタート直後にKy.ブッシュの直前を走っていたジミー・ジョンソン(シボレー)がスピン。Ky.ブッシュは辛うじてかわしたが、後方からブラインドコーナーを立ち上がってきたデニー・ハムリンはこれを避けきれず、クラッシュ。無念のリタイアとなってしまった。
75周目、残り15周で再スタート。2番手のアンブローズは、最後のピットイン後、ハンドリングの不調に見舞われており、苦しみながらもカート・ブッシュ(ダッジ)との2位争いを展開した。
終盤2位をキープし続けたアンブローズだったが、ファイナルラップに入る直前のストレートでKu.ブッシュに並ばれ、3位に後退。その後の逆転はならず、3位でチェッカーを受けることとなった。
最後尾スタートから見事な追い上げを見せたKy.ブッシュが8位でフィニッシュし、"トヨタ カムリ"は2台がトップ10フィニッシュを果たした。
次戦第23戦は8月15日(日)、米国北東部ミシガン州ブルックリンのミシガン・インターナショナル・スピードウェイで行われる。
ドライバー マーコス・アンブローズ:
「最後のピットストップ後、ハンドリングがおかしくなってしまった。タイヤのセットなのか、他の何かが悪かったのかわからない。そのため、最後のピットストップの後は、何もできることはなく、バランスを失った車両で苦戦を強いられた。ファン(・モントーヤ)にはおめでとうと言いたい。彼は素晴らしいレースを戦った。中盤、彼とのレースは非常に楽しかった。速さは互角だった。本当にスリリングなバトルができた」
リザルト
第22戦 Heluva Good! Sour Cream Dips at the Glen 決勝結果 | |||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
1 | 3 | 42 | ファン・モントーヤ | シボレー | 90 |
2 | 5 | 2 | カート・ブッシュ | ダッジ | 90 |
3 | 11 | 47 | マーコス・アンブローズ | トヨタ カムリ | 90 |
8 | 10 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 90 |
15 | 25 | 56 | マーティン・トゥルークス・Jr. | トヨタ カムリ | 90 |
22 | 28 | 13 | マックス・パピス | トヨタ カムリ | 90 |
23 | 30 | 0 | デイビッド・ロイティマン | トヨタ カムリ | 90 |
33 | 18 | 20 | ジョーイ・ロガーノ | トヨタ カムリ | 88 |
36 | 15 | 7 | ロビー・ゴードン | トヨタ カムリ | 72 |
37 | 14 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 70 |
38 | 13 | 83 | ボリス・セイド | トヨタ カムリ | 65 |
39 | 37 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 54 |
41 | 39 | 7 | P.J.ジョーンズ | トヨタ カムリ | 36 |
42 | 26 | 55 | マイケル・マクドウェル | トヨタ カムリ | 35 |
43 | 8 | 82 | スコット・スピード | トヨタ カムリ | 28 |
観客数(主催者発表):90,000人 |
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NASCAR NATIONWIDE SERIES
第22戦 Zippo 200 at the Glen
開催日:8月7日
マーコス・アンブローズが"ザ・グレン"3年連続勝利!
"ザ・グレン"で3年連続勝利を挙げたマーコス・アンブローズ
8月7日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第22戦「Zippo 200 at the Glen」がワトキンス・グレン・インターナショナルで開催された。
同コースでは、2008年、2009年とマーコス・アンブローズが勝利を挙げており(2008年はフォード)、非常に得意としている。
また、今大会には元F1チャンピオンのジャック・ヴィルヌーヴが参戦。キャンピング・ワールド・トラック・シリーズにも参戦経験を持つヴィルヌーブは、昨年のモントリオール戦で4位。今年6月に初めてネイションワイド・シリーズが開催されたロードアメリカでも終盤まで首位争いを展開するなど、ロードコース戦では速さを見せており、初レースとなるワトキンス・グレンでのパフォーマンスに注目が集まった。
6日(金)に2時間に渡る練習走行が行われ、7日(土)午前9時10分からネイションワイド・シリーズのロードコース戦独特の、8グループに分けて4分ずつアタックする予選が開始。
アンブローズはコースレコードを更新するタイムを叩き出し、ポールポジションを獲得。ジョーイ・ロガーノが2番手、カイル・ブッシュが5番手。ヴィルヌーヴも6番手につけ、11台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
午後2時24分に、2.45マイルロードコースを82周(201マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのアンブローズが順調にポジションを守り、2番手スタートのロガーノがこれに追随。序盤はこの2台が3位以下を大きく引き離す展開となった。
11周を過ぎたあたりから各車がグリーン下でピットに入り始め、上位勢では4位につけていたKy.ブッシュが13周目、2位のロガーノが14周目にピットイン。首位のアンブローズは19周目まで引っ張ってピットに向かった。
20周目にこの日初めてのイエローコーションが出され、数台がピットイン。24周目の再スタートは、ロガーノがトップ、アンブローズ2番手、Ky.ブッシュ3番手で切られた。
再スタートが切られた直後、第1コーナーを立ち上がったところで中団グループで多重クラッシュが発生。ジェイソン・リフラー、トレヴァー・バイン、ブレンダン・ゴーアンら10台が巻き込まれる大クラッシュとなり、レースは車両排除のために赤旗中断となった。
25分ほどの中断の後、イエローコーションを経て27周目に再スタート。ロガーノを先頭に、再スタートでアンブローズをかわしたKy.ブッシュが2位、アンブローズが3位で続いた。翌周のストレートでは、激しい"トヨタ カムリ"同士の首位争いの末に、Ky.ブッシュがロガーノをパス。ライン取りの苦しくなったロガーノを、アンブローズと続くロン・フェローズ(シボレー)がかわし、ロガーノは4位へ後退。
首位を逃げるKy.ブッシュに、アンブローズはテール・トゥ・ノーズで猛プッシュ。41周目に、周回遅れを上手く利用してアンブローズがKy.ブッシュをパスし、首位に浮上した。
首位に立ったアンブローズは、一気にKy.ブッシュを引き離し、独走状態に。50周過ぎのグリーン下でのピットのあとにイエローコーションが出され、マージンは帳消しとなったが、 57周目に再スタートが切られた後も見る見るその差を広げていき、62周目には3秒以上となった。
2位を走行していたKy.ブッシュは62周目に第1コーナーでコースアウト。ロガーノらの先行を許し、4位に後退。
63周目にこの日4度目のイエローコーションとなり、66周目にアンブローズ首位、ロガーノ2位、Ky.ブッシュ4位で再スタート。この再スタートも着実に決めたアンブローズは、再び首位を逃げ、3秒近い差をつけてトップでチェッカー。伝統の"ザ・グレン"でシリーズ史上2人目となる3年連続勝利をポール・トゥ・ウィンで飾った。
2位にはロガーノが続き、"トヨタ カムリ"は1-2フィニッシュ。Ky.ブッシュが5位、ヴィルヌーヴが8位、スティーブ・ウォレスが9位に入った。
次戦第23戦は8月14日(土)、ミシガン・インターナショナル・スピードウェイで行われる。
ドライバー マーコス・アンブローズ:
「非常に大きな勝利だ。我がチームのクルーチーフは、私のキャリアの中でも重要な存在であり、これまでヴィクトリーレーンに上がることができた全てのレースは彼のおかげだ。チームにとっても素晴らしい一日となった。今シーズン限りでこのチームから離れることになるが、勝利を捧げることができて良かった。明日のカップ・シリーズでも勝ちたいと思っているが、今日の勝利はとても嬉しい」
リザルト
第22戦 Zippo 200 at the Glen 決勝結果 | |||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
1 | 1 | 47 | マーコス・アンブローズ | トヨタ カムリ | 82 |
2 | 2 | 20 | ジョーイ・ロガーノ | トヨタ カムリ | 82 |
3 | 3 | 33 | ケヴィン・ハーヴィック | シボレー | 82 |
5 | 5 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 82 |
8 | 6 | 32 | ジャック・ヴィルヌーヴ | トヨタ カムリ | 82 |
9 | 17 | 66 | スティーブ・ウォレス | トヨタ カムリ | 82 |
12 | 27 | 10 | テイラー・マルサム | トヨタ カムリ | 82 |
13 | 25 | 11 | ブライアン・スコット | トヨタ カムリ | 82 |
19 | 24 | 15 | マイケル・アネット | トヨタ カムリ | 82 |
29 | 19 | 99 | トレヴァー・バイン | トヨタ カムリ | 60 |
30 | 21 | 62 | ブレンダン・ゴーアン | トヨタ カムリ | 59 |
35 | 13 | 38 | ジェイソン・リフラー | トヨタ カムリ | 23 |
観客数(主催者発表):40,000人 |
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NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第14戦 Nashville 200
開催日:8月7日
トッド・ボダインがレースを支配し今季2勝目!
ナッシュビルで今季2勝目を挙げ、特製トロフィーを手にしたトッド・ボダイン
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第14戦「Nashville 200」が8月7日(土)に米国中部テネシー州レバノンのナッシュビル・スーパースピードウェイで開催された。
今大会は全てのスケジュールが1日で行われるワン・デイ・イベント。昼間2回行われた練習走行に続き、午後4時5分から予選が行われ、ポイントリーダーのトッド・ボダインが今季初のポールポジションを獲得。ティモシー・ペターズが3番手、ランキング2位でボダインを追うアリック・アルミローラが5番手、ジャスティン・ロフトンが9番手につけ、8台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。
午後8時11分、1.333マイルオーバルを150周(200マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。
3番手スタートのペターズが2周目にボダインをパスし首位に浮上。5周目に今大会がデビュー2戦目となる18歳の女性ドライバー、ジョハンナ・ロングに、元F1ドライバーのナレイン・カーティケヤン(シボレー)が接触し、J.ロングがスピン。壁にクラッシュし、イエローコーションとなった。
再スタート後も、ペターズがトップ、ボダインが2位で追っていたが、ボダインは12周目を過ぎたあたりからタイヤのスローパンクチャーに見舞われ、ずるずるとポジションダウン。 19周目にこの日2度目のイエローコーションが出されると、ボダインはピットインし、タイヤを交換。15位まで順位を落としてレースに復帰した。
首位のペターズは後続を大きく引き離し独走、アルミローラが2位で続いた。60周目にペターズはグリーン下でピットイン。アルミローラも翌々周にピットインしたが、不運にもその直後、66周目にイエローコーションが出されたため、グリーン下のピットで周回遅れになっていたペターズらは、ピットインしていなかった車両の先行を許すこととなってしまった。
かわってトップに立ったのはボダイン。素晴らしい追い上げを見せていたボダインは、コーションのタイミングにも助けられ、62周目に首位浮上。ボダインを先頭に、マイク・スキナー、デイビッド・スター、そして再びポジションを戻してきたペターズとアルミローラが加わり、"トヨタ タンドラ"勢が上位を占めて後半戦へと突入した。
首位を逃げるボダインは2位以下を大きく引き離し独走。108周目にこの日4度目のイエローコーションが出されると各車最後のピットイン。残り38周での再スタートとなった。
再び首位のボダインが後続を引き離す一方で、2位以下はサイド・バイ・サイド、時には軽く接触しながらの激しいバトルで、めまぐるしく順位が入れ替わる展開となった。
最後はボダインが2位に4秒以上の大差をつけトップでチェッカー。全150周のうち91周で首位を走行、後半の89周は一度も首位を譲らない圧倒的な速さで今季2勝目を挙げた。
2006年"トヨタ タンドラ"と共にシリーズチャンピオンを獲得し、今回の勝利で通算19勝目となったボダインだが、ナッシュビルでの勝利は初。"ミュージック・シティ"ナッシュビルでの優勝者に贈られるスペシャルカラーの"ギブソン・レスポール"ギター型トロフィーを初めて手にすることとなった。
3位にアルミローラ、ペターズは4位。終盤素晴らしいバトルを見せたブライアン・イックラーが8位、ロフトンが9位に入り、"トヨタ タンドラ"は5台がトップ10フィニッシュを果たした。
今大会の結果、ランキングトップのボダインと2位のアルミローラの差はわずかに開き、174点となった。また、4位に入ったペターズが、ランキングでも3位に浮上し、ランキングトップ3は"トヨタ タンドラ"勢が占めることとなった。
次戦第15戦は8月14日(土)に米国南部サウスカロライナ州ダーリントンのダーリントン・レースウェイで開催される。
ドライバー トッド・ボダイン:
「我々のチームらしい勝ち方ができた。素晴らしい"トヨタ タンドラ"を仕上げてくれたスタッフのハードワークのおかげだ。シーズン序盤はドライバビリティに若干問題があったが、着実にそれらを解決してきた。今は毎レース信じられないほどの競争力を発揮できている。幾つかミスを犯したり、ちょっとした不運に見舞われたりしたこともあったが、毎週トップ5には入れるだけの速さを持っていた。これまでも何度も勝てそうなことはあったし、ナッシュビルでも同様だ。やっとこのトロフィーを手に入れることができた」
リザルト
第14戦 Nashville 200 決勝結果 | |||||
---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
1 | 1 | 30 | トッド・ボダイン | トヨタ タンドラ | 150 |
2 | 2 | 3 | オースティン・ディロン | シボレー | 150 |
3 | 5 | 51 | アリック・アルミローラ | トヨタ タンドラ | 150 |
4 | 3 | 17 | ティモシー・ペターズ | トヨタ タンドラ | 150 |
8 | 11 | 18 | ブライアン・イックラー | トヨタ タンドラ | 150 |
9 | 9 | 7 | ジャスティン・ロフトン | トヨタ タンドラ | 150 |
11 | 15 | 5 | マイク・スキナー | トヨタ タンドラ | 150 |
14 | 20 | 81 | デイビッド・スター | トヨタ タンドラ | 149 |
34 | 16 | 15 | ジョハンナ・ロング | トヨタ タンドラ | 3 |
観客数(主催者発表):12,000人 |
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