NASCAR SPRINT CUP SERIES
第25戦 Emory Healthcare 500
開催日:9月5日
カイル・ブッシュが5位フィニッシュ
デニー・ハムリンと共に"チェイス"進出確定
前半戦1-2体制で強さを見せたデニー・ハムリン(#11:前)とカイル・ブッシュ(#18:後)。
ハムリンはトラブルでリタイアとなったが、2台共に"チェイス"進出を決めた
9月5日(日)、米国南東部ジョージア州ハンプトンのアトランタ・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第25戦「Emory Healthcare 500」が開催された。
この週末は、翌月曜日がレイバーデイ(労働者の日)で祝日なため、日曜日ながらナイトレースとしての開催。
ここアトランタは、2008年にカイル・ブッシュが"トヨタ カムリ"に初勝利をもたらした記念すべきコースである。
4日(土)午後4時40分より予選が行われ、デニー・ハムリンが今季初のポールポジションを獲得。カイル・ブッシュが3番手、マーティン・トゥルークス・Jr.が6番手につけ、12台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
5日(日)午後7時49分、夕日に照らされたコースで、1.54マイルオーバルを325周(500.5マイル:約800km)して
競われる決勝レースのスタートが切られた。
ポールポジションのハムリンは好スタートを切り、首位の座をキープ。序盤はライアン・ニューマン(シボレー)とサイド・バイ・サイドでの首位争いを展開したが、25周目に首位を奪い返すと、31周目にはKy.ブッシュが2位に浮上。2台の
"トヨタ カムリ"が1-2体制で後続との差を広げていった。
43周目あたりからグリーン下でのピット作業が開始。49周目にハムリンとKy.ブッシュは同時にピットインしたが、
ここでKy.ブッシュは痛恨のピットロード速度違反を取られ、ドライブスルーペナルティ。ハムリンは首位に復帰したが、Ky.ブッシュは23位まで順位を落としてしまった。
そこからの追い上げを狙っていたKy.ブッシュは、70周目にホイールが緩むというトラブルに見舞われ、再びグリーン下でピットイン。1周遅れの最後尾、36位まで後退。
その後も首位争いを展開していたハムリンだったが、143周目、突然のメカニカルトラブルに見舞われ、無念の戦線
離脱となってしまった。
これによりこの日2度目のイエローコーションとなり、周回遅れのトップまで浮上していたKy.ブッシュは、"ラッキー・
ドッグ"(イエローコーション発生時に周回遅れのトップがリードラップへと戻れる措置)を受けて首位と同一周回へ復帰
した。
151周目に再スタートが切られると、直後に中団グループでクラッシュが発生し再びイエローコーション。リードラップの全車がピットインし、161周目に再スタートが切られると、12番手のKy.ブッシュが素晴らしいダッシュを見せ、一気に6位までポジションアップ。6番手スタートから常にトップ10圏内での走行を続けていたトゥルークス・Jr.と共に、上位争いを
展開した。
265周目、この日6度目のイエローコーションでは、トゥルークス・Jr.のピットクルーが素晴らしい作業を見せ、コース上に残った2台に続く3位に浮上。
その後もKy.ブッシュとトゥルークス・Jr.はトップ10圏内でのバトルを展開し、Ky.ブッシュは5位でフィニッシュ。ロングランでのハンドリングに苦しんだトゥルークス・Jr.は終盤ポジションを落とし、12位。追い上げたマーコス・アンブローズが10位でトップ10フィニッシュを果たした。
トラブルにより最下位フィニッシュとなり、ランキングでは10位に落ちたデニー・ハムリンだが、今大会のポイント獲得により、ランキング3位を守ったカイル・ブッシュと共に、1戦を残して"チェイス"進出を確定。"トヨタ カムリ"は2台が
"チェイス"に入り、タイトル獲得に挑むこととなった。
次戦第26戦は9月11日(土)、米国東部ヴァージニア州リッチモンドのリッチモンド・インターナショナル・レースウェイで行われる。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「チームにとっても良い結果でフィニッシュできたと思う。彼らは良い仕事をしてくれた。完璧に望み通りの車両に
仕上げることはできなかったが、我々はハードに戦い、良い調整をすることができた。ほぼ2周遅れの状況から、リードラップに戻ることができたのはクルーチーフと、ピットストップでのクルーの素晴らしい作業のおかげだ。ハードなバトルだったが、それはこの後の10レース(チェイス)へと続くものだ。我々の"トヨタ カムリ"は好調だった。この勢いを次週のリッチモンド戦へも活かして強さを見せ、最後の10戦に臨みたい」
リザルト
第25戦 Emory Healthcare 500 決勝結果 | |||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
1 | 5 | 14 | トニー・スチュワート | シボレー | 325 |
2 | 4 | 99 | カール・エドワーズ | フォード | 325 |
3 | 7 | 48 | ジミー・ジョンソン | シボレー | 325 |
5 | 3 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 325 |
10 | 32 | 47 | マーコス・アンブローズ | トヨタ カムリ | 325 |
12 | 6 | 56 | マーティン・トゥルークス・Jr. | トヨタ カムリ | 325 |
14 | 33 | 83 | リード・ソーレンソン | トヨタ カムリ | 325 |
16 | 13 | 0 | デイビッド・ロイティマン | トヨタ カムリ | 325 |
26 | 43 | 13 | ケイシー・メアーズ | トヨタ カムリ | 324 |
27 | 31 | 20 | ジョーイ・ロガーノ | トヨタ カムリ | 324 |
34 | 20 | 82 | スコット・スピード | トヨタ カムリ | 264 |
37 | 42 | 7 | ケヴィン・コンウェイ | トヨタ カムリ | 162 |
38 | 34 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 161 |
42 | 39 | 55 | マイク・ブリス | トヨタ カムリ | 145 |
43 | 1 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 143 |
観客数(主催者発表):93,200人 |
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NASCAR NATIONWIDE SERIES
第26戦 Great Clips 300
開催日:9月4日
首位を争ったカイル・ブッシュが惜しくも2位
終盤追い上げたが惜しくも2位に終わったカイル・ブッシュ(#18)
9月4日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第26戦「Great Clips 300」がアトランタ・モーター・スピードウェイで開催された。
ネイションワイド・シリーズでは、アトランタでのレースは年に1度の開催となっており、"トヨタ カムリ"はまだ未勝利。
また、今大会出場するカイル・ブッシュは、今季これまでにネイションワイド・シリーズで10勝を挙げており、これは自身の持つシーズン最多記録タイ。"トヨタ カムリ"のアトランタ初勝利と、Ky.ブッシュのシーズン最多勝利記録更新に期待がかかった。
今大会は全てのスケジュールが1日で行われるワンデイイベント。午前中の2度の練習走行を経て、午後2時40分から予選が行われ、ケーシー・カーンが今季初のポールポジションを獲得。Ky.ブッシュが2番手、地元出身のリード・ソーレンソンが3番手につけ、"トヨタ カムリ"が予選トップ3を独占。ジョーイ・ロガーノが10番手につけ、10台の"トヨタ カムリ"が決勝へ進んだ。
午後7時18分、1.54マイルオーバルを195周(300.3マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。
最前列からスタートしたポールポジションのカーンと2番手のKy.ブッシュが序盤からサイド・バイ・サイドで激しい首位争いを展開。3周目にKy.ブッシュが首位に立ったが、 10周目には再びカーンがKy.ブッシュをパス。24周目には再びKy.ブッシュが前に出るという、激しいバトルで、3位以下を大きく引き離していった。
一時は3位に5秒以上もの差をつけた2台であったが、41周目にイエローコーションが出され、このマージンは帳消しに。この再スタートでも首位を守ったKy.ブッシュであったが、65周目、この日2度目のイエローコーションからの再スタートでジェイミー・マクマーレイ(シボレー)の先行を許し、2位に後退。
レースが折り返しを迎える頃には、日も完全に落ち、気温が下がることでセッティングの調整が必要となっていった。100周を過ぎたあたりから、各車グリーン下で2度目のピット作業を開始。序盤に連続したイエローコーションでピットタイミングをずらした車両が、ピットインのタイミングを引っ張っていったが、結局全車グリーン下でのピットを余儀なくされ、全車がピット作業を終えた123周目には、Ky.ブッシュがトップに立った。
3秒以上の大差で首位を独走していたKy.ブッシュだったが、146周目、トレヴァー・バインが後方から接触されてスピン。これで3度目のイエローコーションとなり、全車ピットへと向かったが、このピット作業でKy.ブッシュは4位へと
ポジションダウン。
157周目、6位を走行していたカーンが他車との接触でタイヤをパンクしスローダウン。ピットでの作業を強いられ、
大きく順位を落としてしまった。
167周目には、10位走行中のソーレンソンがスピンからイン側の壁に激しくクラッシュ。このイエローコーションで上位勢はピットへ。Ky.ブッシュはコース上に残った2台に続く3番手で再スタート。前を行く2台はすぐにパスしたものの、ここで再びマクマーレイの先行を許してしまった。
一時は1秒以上まで広がったマクマーレイとの差を、Ky.ブッシュはラストスパートで詰めて行き、最後の数周でその差は見る見る縮まっていったが、惜しくも僅かに届かず。最後は0.286秒差でKy.ブッシュは2位チェッカー。シーズン最多勝利の新記録更新は次戦以降に持ち越されることとなった。
ロガーノが6位、ジェイソン・リフラーが7位に入り、トップ10フィニッシュを果たした。
次戦第27戦は9月10日(金)、リッチモンド・インターナショナル・レースウェイで行われる。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「残念ながら、望み通りの展開にはならなかった。我々の"トヨタ カムリ"は速かった。クルーは勝てるレベルの車両を仕上げてくれた。ただ、最後に彼(ジェイミー・マクマーレイ)を捕らえるには周回が足りなかった。ここのレースでは
ロングランが強い車両が勝つことが多く、昨年我々もそれで勝利を逃してしまったのだが、今年は同じ状況には
ならなかった」
リザルト
第26戦 Great Clips 300 決勝結果 | |||||
---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
1 | 7 | 88 | ジェイミー・マクマーレイ | シボレー | 195 |
2 | 2 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 195 |
3 | 5 | 60 | カール・エドワーズ | フォード | 195 |
6 | 10 | 20 | ジョーイ・ロガーノ | トヨタ カムリ | 195 |
7 | 12 | 10 | ジェイソン・リフラー | トヨタ カムリ | 195 |
16 | 33 | 62 | ブレンダン・ゴーアン | トヨタ カムリ | 194 |
19 | 1 | 38 | ケーシー・カーン | トヨタ カムリ | 192 |
21 | 32 | 15 | マイケル・アネット | トヨタ カムリ | 192 |
24 | 11 | 99 | トレヴァー・バイン | トヨタ カムリ | 191 |
28 | 30 | 11 | ブライアン・スコット | トヨタ カムリ | 189 |
34 | 3 | 32 | リード・ソーレンソン | トヨタ カムリ | 166 |
35 | 37 | 66 | スティーブ・ウォレス | トヨタ カムリ | 139 |
観客数(主催者発表):71,300人 |
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NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第18戦 Built Ford Tough 225
開催日:9月3日
トッド・ボダインがスピンから追い上げ今季4勝目!
超接近戦での首位争いを展開するトッド・ボダイン(#30)とカイル・ブッシュ(#18)
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第18戦「Built Ford Tough 225」が9月3日 (金)に米国中東部ケンタッキー州スパルタのケンタッキー・スピードウェイで開催された。
今レースでは、2週間前にブリストルで歴史に残るトップ3カテゴリー制覇を成し遂げたカイル・ブッシュが、翌週シカゴランドでも勝利を挙げたことで、参戦したNASCARトップ3カテゴリーでの5戦連続勝利なるかに注目が集まった。
2日(木)の夕方、2度に渡る練習走行を経て、3日(金)午後4時5分から予選が行われ、マイク・スキナーが3番手、
カイル・ブッシュが4番手で2列目に並び、その後ろ5番手、6番手にアリック・アルミローラとドニー・リア、7番手に
ジャスティン・ロフトンが続き、10台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。
しかし、4番手のKy.ブッシュは、予選中に車両に軽いダメージを負い、これを作業の禁止されている決勝までの間に修復したため、規定により決勝レースは最後尾からのスタートとなった。
予選に続き、午後8時20分に1.5マイルオーバルを150周(225マイル:約360km)して競われる決勝レースがスタート。上位の"トヨタ タンドラ"勢が順当なスタートを切る一方で、14番手スタートのトッド・ボダインと、最後尾スタートを強いられたKy.ブッシュが猛烈な追い上げを開始。ボダインはすぐにトップ10へ、Ky.ブッシュも5周目には20位以内まで浮上し、更にポジションを上げていった。
Ky.ブッシュが12位までポジションを上げた21周目にこの日最初のイエローコーション。ここで各車ピットへ向かったが、燃料給油のみを行ったKy.ブッシュは7位、ボダインは2位へとそれぞれポジションアップして再スタート。
激しい首位争いの末に、44周目にボダインが首位を奪取。47周目に他車のクラッシュで2度目のイエローコーションが出されると、全車ピットへ向かい、今度はタイヤを交換。ここからの再スタートを上手く決めたKy.ブッシュが54周目に
首位に立った。
レースの折り返しを過ぎた77周目に3度目のイエローコーションが出されると、上位勢は給油のみのピットイン。Ky.ブッシュは首位を守り、ボダインが2番手で再スタート。2台はサイド・バイ・サイドでの激しい首位争いを展開したが、
81周目、アウト側のKy.ブッシュが、やや先行したボダインに非常に接近した状態で並びかけた瞬間、ボダインは
バランスを崩し、ハーフスピン。幸運にも接触はなかったが、そのままインフィールドのグリーン上へ乗り上げ、イエロー
コーション。ボダインはピットでの修復を余儀なくされ、トップと同一周回最後尾の25位まで順位を落としてしまった。
91周目に他車のクラッシュによりこの日5度目のイエローコーション。しかし、残り60周弱という距離は、無給油で走りきるにはギリギリのためか、Ky.ブッシュを含む上位勢はピットに入らず、次にイエローコーションが出されたときに給油を行う作戦に出た。この時点で 14位までポジションを上げていたボダインら後続勢はピットイン。給油のみを行ってボダインは15位で再スタート。
Ky.ブッシュはその後も快調に首位を逃げ、2位に2秒以上の大差を付けての独走状態であったが、意に反してイエローコーションは出されず。126周目にグリーン下でのピット作業を余儀なくされ、7位に後退。
その後も上位勢が次々に給油のために脱落して行く中で、着実に順位を上げていったボダインは、137周目についに首位に浮上。この時点で2位に7秒もの大差をつけており、その後は燃料消費をコントロールしながら最後まで走り抜き、見事トップチェッカー。今季4勝目を挙げた。3位にボダインと同様のピット戦略を採ったアルミローラが入り、ティモシー・ペターズが6位。Ky.ブッシュは7位に終わり、5戦連続勝利はならなかった。
次戦第19戦は9月18日(土)に米国北東部ニューハンプシャー州ロードンのニューハンプシャー・モーター・スピード
ウェイで開催される。
ドライバー トッド・ボダイン:
「我々は再スタートでカイル(・ブッシュ)よりも良いダッシュを見せたが、接近戦の末に、私はスピンを喫してしまった。しかし、この不運は幸運に変わった。なぜならこのスピンが、レースの最後に必要だった若干の燃料を与えてくれたからだ。残り20周では、私は非常に繊細なアクセルワークを心がけ、ラスト10周では、ほぼハーフスロットルだったが、その時点で我々は大きなリードを持っており、最後まで走りきることができた。いつも言っていることではあるが、我々のチームクルーは素晴らしい。シリーズチャンピオン獲得のためにチームに必要なのは安定性だ。彼らは常に最速な訳ではない。しかし、常にそのパフォーマンスは安定しており、ミスを犯さない。それが重要だ」
リザルト
第18戦 Built Ford Tough 225 決勝結果 | |||||
---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
1 | 14 | 30 | トッド・ボダイン | トヨタ タンドラ | 150 |
2 | 2 | 13 | ジョニー・ソーター | シボレー | 150 |
3 | 5 | 51 | アリック・アルミローラ | トヨタ タンドラ | 150 |
6 | 12 | 17 | ティモシー・ペターズ | トヨタ タンドラ | 150 |
7 | 4 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ タンドラ | 150 |
11 | 7 | 7 | ジャスティン・ロフトン | トヨタ タンドラ | 149 |
13 | 3 | 5 | マイク・スキナー | トヨタ タンドラ | 149 |
14 | 20 | 81 | デイビッド・スター | トヨタ タンドラ | 149 |
18 | 6 | 90 | ドニー・リア | トヨタ タンドラ | 148 |
20 | 21 | 77 | ミゲル・パルド | トヨタ タンドラ | 148 |
25 | 18 | 41 | スティーヴ・パーク | トヨタ タンドラ | 147 |
観客数(主催者発表):30,000人 |
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