NASCAR SPRINT CUP SERIES
第29戦 Price Chopper 400
開催日:10月3日
デニー・ハムリンが12位フィニッシュ
ハンドリングに苦しみながらも"トヨタ カムリ"勢最上位の12位でフィニッシュした
デニー・ハムリン(#11:左)とそれぞれ17位、20位フィニッシュのジョーイ・ロガーノ
(#20:左から2番目)とマーティン・トゥルークス・Jr(#56:右先頭)
10月3日(日)、米国中西部カンザス州カンザスシティのカンザス・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第29戦「Price Chopper 400」が開催された。
2010年"チェイス"3戦目の舞台となるカンザスは、2001年にオープンした比較的新しいD型オーバルコース。今季まで年1回の開催だったが、来季よりスプリント・カップ・シリーズ戦が年2回開催となることが発表されている。
1日(金)午後3時40分より予選が行われ、ジョーイ・ロガーノが4番手を確保。"チェイス"を戦うデニー・ハムリンとカイル・ブッシュはそれぞれ12番手、19番手からのスタートとなり、11台の"トヨタ カムリ"が決勝へ駒を進めた。
3日(日)午後12時18分、1.5マイルオーバルを267周(400.5マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。
序盤はロガーノと16番手スタートのデイビッド・ロイティマンが10番手前後、Ky.ブッシュとハンドリングに苦しむ
ハムリンがその後方15番手前後を走行。スタートから一度もイエローコーションが出ないまま、グリーン下でのピット作業の準備を各チームが始めた直後、 42周目にファン・モントーヤ(シボレー)が壁に接触しイエローコーション。全車がピットへ向かった。
このピット作業で各車調整も行い、若干順位が入れ替わってロイティマンが9番手、Ky.ブッシュが10番手、ハムリンが11番手、ピットでのアクシデントにより若干ポジションを落としたロガーノが14番手で46周目に再スタート。
52周目、ポジションを争っていたロイティマンとKy.ブッシュが接触し、ロイティマンはスピン。辛うじてクラッシュは
免れたものの、この日2度目のイエローコーションとなり、ピットでの修復を余儀なくされたロイティマンは3周遅れとなってしまった。
56周目、11番手で再スタートを切ったKy.ブッシュは素晴らしい走りを見せ、61周目には7位までポジションアップ。
その後はイエローコーションが出ず、95周目前後と、144周目前後から、2度に渡ってグリーン下でピット作業となった。この2度のグリーンピットを経て、Ky.ブッシュはトップ10をキープ。その後方に、25番手スタートから着実に順位を上げてきたマーティン・トゥルークス・Jr.がつけ、ロガーノが14番手。変わらずハンドリングに問題を抱えるハムリンは20番手前後を走行。
154周目、周回遅れのロイティマンが、7位走行中のKy.ブッシュと接触しスピン。この日3度目のイエローコーションとなった。この接触でKy.ブッシュがアウト側の壁に車体右後部をヒットし、ピットでのダメージ修復でタイムロス。
周回遅れにはならなかったものの、トップと同一周回最後尾の22位まで順位を落としてしまった。
再スタートが切られて間もない164周目には他車のクラッシュでこの日4度目のイエローコーション。ここで素晴らしい
ピット作業を見せたハムリンは14位で再スタート。調整も奏効し、一気にポジションをアップ。178周目にはトップ10へと浮上した。
186周目、ケヴィン・コンウェイがトラブルに見舞われスローダウン。この日5度目のイエローコーションで各車タイヤ交換、給油を行ったが、その後は再びイエローコーションの出ない展開となり、235周目前後からこの日3度目となる、
グリーン下でピット作業が開始。
全車ピットを終えた時点で、ハムリンは12位、ロガーノが17位、スコット・スピードが19位、これにトゥルークス・Jr.、
Ky.ブッシュが続いた。
その後は大きな順位の変動がないまま、ハムリンが"トヨタ カムリ"勢最上位の12位でチェッカー。Ky.ブッシュは
クラッシュ後のダメージでペースが上がらず、1周遅れの21位に終わった。
今大会の結果、ハムリンは惜しくもランキング首位の座を譲ることとなったが、首位との差はわずか8ポイント。また、Ky.ブッシュも7位へと後退したが、首位との差はまだ 80ポイントであり、残り7戦とまだまだ長い"チェイス"での
巻き返しが期待される。
次戦第30戦は10月10日(日)、米国西部カリフォルニア州フォンタナのオートクラブ・スピードウェイで行われる。
ドライバー デニー・ハムリン:
「レースの大半は20位前後を走行していた。若干バランスが改善されたときでも、トップグループとは、1周あたりコンマ3,4秒遅かった。今回は通常使っているものとは若干違う仕様としており、最初は心配だったが、長いレースでは有効だと分かった。望んでいる結果ではないが、グッドファイトで12位でフィニッシュすることができた。
"チェイス"でのタイトル争いは、10戦全てで好成績を残さなくてはならず、非常に難しい。今回冷静さを保ち、クラッシュなどに巻き込まれずに済んだのは良かった。調子の悪い時に最善の結果を得て耐えれば、次週は必ず調子を取り戻せるはずだ。重要なのはここからの数週間でミスをしないことだ。後半の5レースで好成績を挙げるためにも、次の2週間で、我々がタイトル争いに残れることを確認しなくてはならない」
リザルト
第29戦 Price Chopper 400 決勝結果 | |||||
---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
1 | 5 | 16 | グレッグ・ビッフル | フォード | 267 |
2 | 21 | 48 | ジミー・ジョンソン | シボレー | 267 |
3 | 24 | 29 | ケヴィン・ハーヴィック | シボレー | 267 |
12 | 12 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 267 |
17 | 4 | 20 | ジョーイ・ロガーノ | トヨタ カムリ | 267 |
19 | 33 | 82 | スコット・スピード | トヨタ カムリ | 267 |
20 | 25 | 56 | マーティン・トゥルークス・Jr. | トヨタ カムリ | 267 |
21 | 19 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 266 |
24 | 37 | 13 | ケイシー・メアーズ | トヨタ カムリ | 266 |
30 | 34 | 83 | リード・ソーレンソン | トヨタ カムリ | 265 |
34 | 32 | 47 | マーコス・アンブローズ | トヨタ カムリ | 257 |
35 | 16 | 0 | デイビッド・ロイティマン | トヨタ カムリ | 256 |
38 | 41 | 7 | ケヴィン・コンウェイ | トヨタ カムリ | 180 |
43 | 35 | 64 | ランドン・カシル | トヨタ カムリ | 33 |
観客数(主催者発表):100,000人 |
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NASCAR NATIONWIDE SERIES
第29戦 Kansas Lottery 300
開催日:10月2日
ジョーイ・ロガーノが今季2勝目!
トヨタは3年連続マニュファクチャラーズタイトル確定
終盤の逆転で見事今季2勝目を挙げたジョーイ・ロガーノ
10月2日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第29戦「Kansas Lottery 300」がカンザス・スピードウェイで開催された。
同コースでは、2008年にデニー・ハムリンが勝利。昨年2009年はジョーイ・ロガーノとカイル・ブッシュが1-2フィニッシュを飾っている。
1日(金)2度の練習走行を経て、2日(土)午前9時5分から予選が行われ、昨年のカンザス戦を制している
ジョーイ・ロガーノが今季6回目のポールポジションを獲得。カイル・ブッシュが2番手につけ、"トヨタ カムリ"は2戦連続で予選最前列グリッドを独占。ジェイムズ・ビュッシャーが9番手につけた。
今大会では、スプリント・カップ・シリーズのドライバーであり、過去2度に渡ってネイションワイド・シリーズ(当時は
ブッシュ・シリーズ)のチャンピオンを獲得しているマーティン・トゥルークス・Jr.が今季初めてネイションワイド・シリーズに出場。今季同シリーズにデビューを果たした弟のライアン・トゥルークスと共に兄弟での参戦となり、それぞれ16番手、24番手グリッドを確保。11台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
午後2時49分、1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。
ポールポジションのロガーノがスタートでは首位を守るが、5周目に2番手スタートのKy.ブッシュがこれをパス。まもなく首位争いにはケヴィン・ハーヴィック(シボレー)が加わり、トップ3台が後続を大きく引き離しながら順位を入れ替える
序盤戦となった。
イエローコーションが出ないまま、56周目からグリーン下でのピット作業開始。全車がピットを終えた後、67周目と77周目にイエローコーションが出され、ここでもピット作業が行われたが、Ky.ブッシュ首位、ロガーノ2位の順位は変わらず。
しかし、ロガーノと激しく首位を争うKy.ブッシュは、90周目、ロガーノをパスした直後にハーフスピン。どこにも
接触せずにコースへ復帰したものの、ポジションを落としてしまった。
これで出されたイエローコーションにより、上位4台はピットインしたが、5位を走行していたM.トゥルークス・Jr.以降
セカンドグループの多くがコース上に残り、M.トゥルークス・Jr.がトップに浮上。ロガーノが9番手、スピンにより4本タイヤ交換を強いられたKy.ブッシュは 17番手まで後退を余儀なくされ、94周目に再スタートが切られた。
M.トゥルークス・Jr.が12周に渡って首位を守る間に、ロガーノは4位、Ky.ブッシュはトップ10までポジションを復帰。116周目にこの日4度目のイエローコーションが出されると、上位勢が一斉にピットインした中で、マイケル・アネットと
スティーブ・ウォレスがタイヤを交換せず給油のみとし、1-2位へ浮上。これにロガーノが続き、Ky.ブッシュが7番手、M.トゥルークス・Jr.が8番手で124周目に再スタート。Ky.ブッシュが終盤へ向けプッシュを開始し、143周目に2位までポジションを上げると、首位奪還のチャンスを待った。
チェッカーまでにもう一度給油を行わなくてはならない状況ながら、イエローコーションが出ず、175周前後から各車
グリーン下でピットイン。首位につけていたブラッド・ケセロウスキー(ダッジ)がピットでタイムをロスし、Ky.ブッシュは
事実上の首位に立った。
レースが残り10周に入ろうとしたところで他車のスピンによりこの日7度目のイエローコーション。給油ピットを遅らせ、上位に残っていた数台がピットへ向かったため、Ky.ブッシュが首位、ロガーノが2位に浮上。ブレンダン・ゴーアンが5番手、M.トゥルークス・Jr.が7番手で194周目に再スタート。ロガーノがKy.ブッシュをパスした直後、再びクラッシュで
イエローコーションとなり、レースは最後の2周で決されることとなった。
2列で再スタートを切るNASCARでは、トップのドライバーがスタート時にイン側かアウト側かを選択できる。首位の
ロガーノは、ここでアウト側を選択。イン側にKy.ブッシュが並び、残り2周で再スタートが切られた。
アウト側のロガーノが好スタートを切り、Ky.ブッシュがこれを追う展開となったが、ロガーノが逃げ切り、トップでチェッカー。今季2勝目を挙げた。ロガーノは2年連続のカンザスでの勝利。比較的新しいコースであるカンザスでの、初めてのポール・トゥ・ウィンを達成した。また、今大会は21回に渡って首位が入れ替わり、コース記録を更新することとなった。
Ky.ブッシュは3位。M.トゥルークス・Jr.が5位、ゴーアンが9位、リフラーが10位に入り、"トヨタ カムリ"は5台がトップ10フィニッシュを果たした。
今大会の結果、今季15勝目を挙げたトヨタは、残り6戦を待たずして、3年連続となるネイションワイド・シリーズでの
マニュファクチャラーズタイトルを確定した。
次戦第30戦は10月9日(土)、オートクラブ・スピードウェイで行われる。
ドライバー ジョーイ・ロガーノ:
「最後の再スタートでのライン取りは、難しい選択だった。大抵私は再スタートでイン側を選択してきたが、今日ほとんどのドライバーが再スタートではアウト側を選択しており、私も最後の再スタートでは、アウトを選ばなければならないと思った。最後に同じような状況になったのはカリフォルニア(今季第2戦)だった。あの時何故負けたのかを思い出し、『勝ちたいならアウトサイドを選ぶしかない』と思った。再スタートでは後続にも恵まれ、一気に前に出ることが出来た。チームも素晴らしい仕事をしてくれたし、本当に面白いレースだった」
リザルト
第29戦 Kansas Lottery 300 決勝結果 | |||||
---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
1 | 1 | 20 | ジョーイ・ロガーノ | トヨタ カムリ | 200 |
2 | 8 | 22 | ブラッド・ケセロウスキー | ダッジ | 200 |
3 | 2 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 200 |
5 | 16 | 0 | マーティン・トゥルークス・Jr. | トヨタ カムリ | 200 |
9 | 22 | 62 | ブレンダン・ゴーアン | トヨタ カムリ | 200 |
10 | 13 | 38 | ジェイソン・リフラー | トヨタ カムリ | 200 |
11 | 20 | 66 | スティーブ・ウォレス | トヨタ カムリ | 200 |
15 | 24 | 99 | ライアン・トゥルークス | トヨタ カムリ | 200 |
16 | 26 | 15 | マイケル・アネット | トヨタ カムリ | 200 |
18 | 12 | 10 | リッキー・カーマイケル | トヨタ カムリ | 200 |
35 | 9 | 11 | ジェイムズ・ビュッシャー | トヨタ カムリ | 193 |
36 | 15 | 32 | リード・ソーレンソン | トヨタ カムリ | 184 |
観客数(主催者発表):70,000人 |
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