2010年10月18日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第31戦 Bank of America 500

開催日:10月16日

レースを支配したカイル・ブッシュが惜しくも2位
デニー・ハムリンも4位と好位置でフィニッシュ

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レースの大半を支配するも2位フィニッシュとなったカイル・ブッシュ(#18:先頭左)と
着実に4位フィニッシュを果たしたデニー・ハムリン(#11:先頭右)

 10月16日(土)、米国東南部ノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第31戦「Bank of America 500」が開催された。

 14日(木)午後7時10分から予選が行われ、春のシャーロット戦で"トヨタ カムリ"最上位の3位フィニッシュを果たした
カイル・ブッシュが6番手グリッドを確保。リード・ソーレンソンが7番手。"チェイス"でランキング2位につける
デニー・ハムリンは23番手からのスタートとなり、10台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 16日(土)午後7時48分、カクテルライトに照らされたコースを、10万人以上の観客が見守る中、1.5マイルオーバルを334周(501マイル:約800km)して競われる決勝レースがスタート。
 6番手グリッドのKy.ブッシュは得意の好スタートで序盤からポジションアップ。2周目に他車のスピンで
イエローコーションとなり、7周目に再スタートが切られると、8周目には早くも首位に浮上した。
 25周目の2度目のイエローコーションで全車ピットへと向かい、一旦順位は入れ替わったが、再スタート後すぐに
Ky.ブッシュが首位へと復帰。12番手スタートのジョーイ・ロガーノが2位で続き、Ky.ブッシュ、ジェフ・ゴードン(シボレー)との3台が激しい首位争いを展開した。
 一方、ハムリンはスタート直後のイエローコーション時にピットインしたため、一時は36位まで後退したものの、その後徐々に順位を上げ、48周目にはトップ10入り。中盤には首位争いにまで加わり、170周目にはKy.ブッシュ、ハムリン、ロガーノの3台がトップ3での走行となった。その直後、グリーン下でのピット作業が始まると、175周目の1周のみながら、ハムリンは首位を走行し、リードラップボーナスの5ポイントも獲得した。
 その後もKy.ブッシュは快調に首位をキープ。231周目には、NASCARトップ3カテゴリーでの、今季の合計リードラップ4000周を達成。更に首位での周回を重ねていった。
 290周前後からの、この日3度目となるグリーン下でのピット作業を全車が終えた後も、Ky.ブッシュは2位以下に1秒以上の差をつけて首位を快走。しかし、残り30周を切った 308周目、コース上の異物によりこの日9度目の
イエローコーションが出されると、この差は帳消しとなり、313周目に再スタート。ここまでの走行でタイヤを酷使してきたKy.ブッシュは、再スタートでジェイミー・マクマーレイ(シボレー)の先行を許してしまうこととなった。
 今レース、最多の217周に渡って首位を走行してきたKy.ブッシュだったが、最後は逃げるマクマーレイを追いきれず、後方から追い上げてきたランキング首位につけるジミー・ジョンソン(シボレー)との2位争いを展開することとなり、
そのまま2位でチェッカー。ジョンソンに続く4位にハムリン、7位にロガーノ、9位にデイビッド・ロイティマンが続き、"トヨタ カムリ"は4台がトップ10フィニッシュ。
 この結果、僅かにその差は広がったものの、"チェイス"のランキングでは、ハムリンが首位のジョンソンに41ポイント差の2位をキープ。Ky.ブッシュも4つ順位を上げ、トップと 177ポイント差の5位に浮上。"チェイス"が半分の5戦を終えた時点で、"トヨタ カムリ"の2台共にトップ5圏につけ、悲願のタイトル獲得へ向け終盤戦へと挑む。

 次戦第32戦は10月24日(日)、米国東部ヴァージニア州マーティンスビルのマーティンスビル・スピードウェイで
行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「彼(ジェイミー・マクマーレイ)は私よりも速く、最後は先行されてしまった。最後は勝てるだけの力がなかったということであり、非常に残念だ。今日の我々の"トヨタ カムリ"は本当に速く、チームや皆のためにも勝ちたかったが、今日は正しい方向へと調整をすることができず、逆転勝利は果たせなかった」

ドライバー デニー・ハムリン:
「今日のチームの戦いを誇りに思う。我々は後方からのスタートを強いられ、若干の調整も必要だった。彼(ジミー・ジョンソン)を視界に留め、なんとか彼の前でフィニッシュしようと追い続けたが、我々にできたのはそこまでだった。
ほんの少しポイント差は開いてしまったが、重要なのは、今回のようにトップ5フィニッシュを着実に続けていくことだ」

リザルト

第31戦 Bank of America 500 決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 27 1 ジェイミー・マクマーレイ シボレー 334
2 6 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 334
3 10 48 ジミー・ジョンソン シボレー 334
4 23 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 334
7 12 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 334
9 16 0 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 334
15 13 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 334
16 14 47 マーコス・アンブローズ トヨタ カムリ 334
18 7 83 リード・ソーレンソン トヨタ カムリ 334
19 21 82 スコット・スピード トヨタ カムリ 334
33 39 7 ロビー・ゴードン トヨタ カムリ 327
41 43 64 ジェフ・グリーン トヨタ カムリ 91
観客数(主催者発表):103,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ジミー・ジョンソン シボレー 5843
2 デニー・ハムリン トヨタ 5802
3 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 5766
5 カイル・ブッシュ トヨタ 5666
17 デイビッド・ロイティマン トヨタ 3520
18 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 3499
22 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 3383
26 マーコス・アンブローズ トヨタ 2981
28 スコット・スピード トヨタ 2774
35 ロビー・ゴードン トヨタ 1690
36 リード・ソーレンソン トヨタ 1355
37 ケイシー・メアーズ トヨタ 1189
39 ジョー・ネメチェク トヨタ 1160
40 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 1158
42 マイク・ブリス トヨタ 919
43 マックス・パピス トヨタ 907
52 トッド・ボダイン トヨタ 313
54 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 200
55 P.J.ジョーンズ トヨタ 190
57 マティアス・エクストローム トヨタ 175
64 ジャック・ヴィルヌーヴ トヨタ 76
65 ジェイソン・リフラー トヨタ 68
68 テリー・ラボンテ トヨタ 43
70 チャド・マカンビー トヨタ 37
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 230
2 トヨタ 185
3 フォード 145
4 ダッジ 122

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第31戦 Dollar General 300

開催日:10月15日

マーティン・トゥルークス・Jr.が2位フィニッシュ

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"トヨタ カムリ"勢最上位の2位でフィニッシュしたマーティン・トゥルークス・Jr.(#00)と
4位に入ったジョーイ・ロガーノ(#20)

 10月15日(金)にNASCARネイションワイド・シリーズの第31戦「Dollar General 300」がシャーロット・モーター・スピードウェイで開催された。

 今大会は、来シーズンよりネイションワイド・シリーズの全戦で使用されることが決まっている新規定車輌を使用する、今季4戦目、かつ今季最後のレースであり、また、1.5マイルオーバルでは初のレースとなる。このため、通常とは
異なり、13日(水)と14日(木)の2日間、それぞれ2回ずつの練習走行が実施された。
 15日(金)決勝レースを前に、午後3時5分から予選が行われ、ジョーイ・ロガーノが4番手、マーティン・トゥルークス・Jr.が5番手、リード・ソーレンソンが7番手、カイル・ブッシュが10番手のグリッドをそれぞれ確保。12台の"トヨタ カムリ"が決勝へと駒を進めた。

 日も完全に落ちた午後8時18分、1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースの
スタートが切られた。
 4番手グリッドのロガーノと、10番手グリッドのKy.ブッシュが共に好スタートを切り、それぞれ2位、4位にジャンプアップ。その直後、1周目から他車のクラッシュによりイエローコーションが出され、6周目に再スタートとなると、Ky.ブッシュが再度の好スタートでロガーノもかわし、2位に浮上。23周目にはついに首位のクリント・ボウヤー(シボレー)をパスして首位に立った。
 その後はイエローコーションが出なかったために52周目前後から各車グリーン下でピットイン。全車がピットを終えて
まもなく、64周目にイエローコーションが出されたが、上位のトヨタ勢はピットに入らず。
 72周目にはM.トゥルークス・Jr.の実弟であり、シリーズデビュー5戦目となるライアン・トゥルークスがクラッシュし、
イエローコーション。やはりここでも上位勢はコース上に残ったが、M.トゥルークス・Jr.を含む数台がピットインし、
ピットタイミングをずらす戦略に出た。
 この作戦は見事に当たり、その後イエローコーションが出なかったことで、首位を争っていたKy.ブッシュ、ロガーノらが120周目前後からグリーン下でピットイン。126周目にM.トゥルークス・Jr.が首位に立ち、Ky.ブッシュらは周回遅れと
なってしまった。
 M.トゥルークス・Jr.らも140周目あたりからグリーン下でのピットを強いられることとなったが、残り60周はぎりぎり給油無しで走れる周回数であり、再び首位に復帰したKy.ブッシュらはもう一回の給油が必要な状況となった。
 154周目にこの日6度目のイエローコーションが出され、Ky.ブッシュらがピットイン。これでM.トゥルークス・Jr.は、
同様の戦略を採ったブラッド・ケセロウスキー(ダッジ)に続く2番手となった。
 その後、182周目、187周目と立て続けにイエローコーションが出されたが、M.トゥルークス・Jr.はサイド・バイ・サイドでケセロウスキーと激しい首位争いを展開。最後は残り8周での再スタートとなり、M.トゥルークス・Jr.はケセロウスキーを追ったが、惜しくも届かず、2位でフィニッシュ。ロガーノが4位、Ky.ブッシュが6位、ソーレンソンが7位に入り、"トヨタ カムリ"は4台がトップ10フィニッシュを果たした。

 次戦第32戦は10月23日(土)、米国中部イリノイ州マディソンのゲートウェイ・インターナショナル・レースウェイで
行われる。

ドライバー マーティン・トゥルークス・Jr.:
「彼(ブラッド・ケセロウスキー)は、レース終盤のロングランでは我々よりも若干速かった。彼とは非常に楽しいレースができた。チームの皆に感謝したい。もし終盤の何度かのイエローコーションが出なかったらもう少し良い結果に
なったかも知れない。中盤本当に調子が良かったので、最後のピットで調整を行わなかったが、そのために終盤は
アンダーステア状態になってしまった。しかし、レースを楽しみ、ボーナスを獲得することができた」

リザルト

第31戦 Dollar General 300 決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 3 22 ブラッド・ケセロウスキー ダッジ 200
2 5 0 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 200
3 9 12 ジャスティン・アルゲイヤー ダッジ 200
4 4 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 200
6 10 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 200
7 7 32 リード・ソーレンソン トヨタ カムリ 200
11 21 62 ブレンダン・ゴーアン トヨタ カムリ 200
12 19 11 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 200
15 24 38 ジェイソン・リフラー トヨタ カムリ 200
16 30 10 ジェイムズ・ビュッシャー トヨタ カムリ 200
29 16 66 スティーブ・ウォレス トヨタ カムリ 188
36 32 15 マイケル・アネット トヨタ カムリ 73
37 17 99 ライアン・トゥルークス トヨタ カムリ 72
38 28 56 ケヴィン・リペイジ トヨタ カムリ 25
観客数(主催者発表):47,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ブラッド・ケセロウスキー ダッジ 4954
2 カール・エドワーズ フォード 4504
3 カイル・ブッシュ トヨタ 4439
7 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 3557
9 ジェイソン・リフラー トヨタ 3433
10 スティーブ・ウォレス トヨタ 3427
11 ブレンダン・ゴーアン トヨタ 3346
12 マイケル・アネット トヨタ 3242
13 リード・ソーレンソン トヨタ 3162
37 ジェイムズ・ビュッシャー トヨタ 1193
39 テイラー・マルサム トヨタ 1045
42 ケヴィン・リペイジ トヨタ 925
46 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 733
50 ケーシー・カーン トヨタ 685
56 デニー・ハムリン トヨタ 652
58 ブラッド・コールマン トヨタ 634
62 デイビッド・ロイティマン トヨタ 514
63 マット・ディベネデット トヨタ 494
65 ライアン・トゥルークス トヨタ 461
68 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 428
73 ジャック・ヴィルヌーヴ トヨタ 405
85 マーコス・アンブローズ トヨタ 264
94 リッキー・カーマイケル トヨタ 179
102 ロビー・ゴードン トヨタ 126
103 パトリック・ロング トヨタ 126
123 ケイシー・メアーズ トヨタ 70
126 パトリック・カーペンティア トヨタ 67
127 マイキー・カイル トヨタ 64
130 デリック・グリフィン トヨタ 55
136 チャド・ブラウント トヨタ 43
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 217
2 シボレー 165
3 ダッジ 155
4 フォード 145