NASCAR SPRINT CUP SERIES
第36戦 Ford 400
開催日:11月21日
"トヨタ カムリ"惜しくもタイトル獲得ならず
デニー・ハムリンはランキング2位に終わる
ポールポジションからスタートを切り、"トヨタ カムリ"勢最上位の
6位フィニッシュを果たしたケーシー・カーン(#83:先頭)
11月21日(日)、米国南東部フロリダ州ホームステッドのホームステッド・マイアミ・スピードウェイで2010年NASCAR
スプリント・カップ・シリーズの最終戦となる第36戦「Ford 400」が開催された。
タイトル争いは、"チェイス"が始まって以来の僅差で最終戦を迎えた。最終戦をランキングトップで迎えることとなったデニー・ハムリンは、昨年の最終戦ホームステッドで勝利を挙げており、ハムリン自身にとっても、トヨタにとっても悲願のスプリント・カップ・シリーズのタイトル獲得へ向け最終戦に臨んだ。
19日(金)午後3時10分から予選が行われ、ケーシー・カーンがポールポジションを獲得。デイビッド・ロイティマンが7番手。タイトルを争うハムリンは37番手と後方からのスタート。"トヨタ カムリ"は13台が決勝に進んだ。
21日(日)午後1時19分、1.5マイルオーバルを267周(400.5マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート
した。
ポールポジションのカーンは首位の座こそ譲ったものの首位争いを展開。一方で37番手スタートのハムリンは序盤
から快調にポジションを上げ、20周を過ぎる頃には、20台近くをパスして18位に浮上。
更に上位を狙っていたハムリンだったが、23周目にコーナー立ち上がりで他車と接触。バランスを崩したハムリンは
イン側のグラスエリアへコースオフ。クラッシュは免れたものの、先の接触で車体右前方にダメージを負い、修復のために後退を余儀なくされてしまった。
73周目には、25番手スタートから見事な追い上げで上位争いに加わっていたマーティン・トゥルークス・Jr.がこの日初めて首位に浮上。61周に渡って首位を走行した。しかし、トゥルークス・Jr.は199周目に、コース上に落ちていた破片に
よりタイヤのパンクに見舞われ無念の後退。
一方ハムリンは、車輌の修復を行いながら粘り強く再度上位へと順位を回復。ポイントを争うジミー・ジョンソン(シボレー)がピット作業で遅れ、ランキング3位のケヴィン・ハーヴィック(シボレー)もピットロード速度違反で後退したため、
トップ10圏内まで浮上したハムリンにタイトル獲得のチャンスが巡ってきたと思われた。
終盤はなかなかイエローコーションが出ず、239周目にハムリンらがグリーン下でピットイン。その4周後、33番手スタートから素晴らしい走りで上位争いに加わっていたKy.ブッシュが、ハーヴィックに後から接触されスピン、ウォールに
激しくクラッシュ。Ky.ブッシュの車輌は炎上し、10度目のイエローコーションとなった。この時、ハムリンは不運にも周回遅れとなっており、18位と大きく順位を落とすこととなってしまった。
イエローコーション中にトップと同一周回に戻り、追い上げを図ったハムリンだったが、最終的には14位でフィニッシュ。ジョンソンが2位に入ったため、ランキングでは39ポイント差で逆転され、悲願のドライバーズタイトル獲得は成らず、
ハムリンの最終ランキングは2位となった。
トヨタ勢の最上位はポールポジションから常に首位を争ったカーンが6位。終盤周回遅れからポジションを戻した
トゥルークス・Jr.が11位に入った。
年間36戦に渡って戦われた長いシーズンもこれで終了となり、2011年シーズンは来年2月12日(土)に米国南東部
フロリダ州デイトナビーチのデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催されるシュートアウトレースで再び激戦の幕が切って落とされる。
ドライバー デニー・ハムリン:
「本当に残念だ。我々の"トヨタ カムリ"は、クラッシュまでは素晴らしく速かったが、16号車(グレッグ・ビッフル)との接触でダメージを浮け、その後は同じような走りはできなくなってしまった。しかし、今年は素晴らしい1年だった。これまでで最多の勝利を挙げ、最終戦までタイトルを争った。我々はこの2年、着実にステップアップし、好調に勝利を重ねてきた。これからのシーズンオフは、更に強くなるための全てをこなすことが私の使命であり、来年こそはチームと共に、タイトル獲得を目指す」
リザルト
第36戦 Ford 400 決勝結果 | |||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
1 | 2 | 99 | カール・エドワーズ | フォード | 267 |
2 | 6 | 48 | ジミー・ジョンソン | シボレー | 267 |
3 | 28 | 29 | ケヴィン・ハーヴィック | シボレー | 267 |
6 | 1 | 83 | ケーシー・カーン | トヨタ カムリ | 267 |
11 | 25 | 56 | マーティン・トゥルークス・Jr. | トヨタ カムリ | 267 |
14 | 37 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 267 |
23 | 41 | 82 | スコット・スピード | トヨタ カムリ | 267 |
26 | 20 | 47 | マーコス・アンブローズ | トヨタ カムリ | 267 |
30 | 42 | 7 | ケヴィン・コンウェイ | トヨタ カムリ | 263 |
32 | 33 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 242 |
33 | 34 | 13 | ケイシー・メアーズ | トヨタ カムリ | 233 |
38 | 7 | 0 | デイビッド・ロイティマン | トヨタ カムリ | 185 |
39 | 19 | 20 | ジョーイ・ロガーノ | トヨタ カムリ | 166 |
40 | 43 | 64 | ランドン・カシル | トヨタ カムリ | 35 |
41 | 29 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 29 |
43 | 30 | 66 | マイク・ブリス | トヨタ カムリ | 10 |
観客数(主催者発表):67,000人 |
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NASCAR NATIONWIDE SERIES
第35戦 Ford 300
開催日:11月20日
カイル・ブッシュが今季13勝目で記録を更新
"トヨタ カムリ"は3年連続オーナーズタイトル獲得
最終戦で勝利を飾り、3年連続でのオーナーズタイトルを獲得した
Ky.ブッシュとチームクルー
11月20日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの最終戦(第35戦)「Ford 300」がホームステッド・マイアミ・スピードウェイで開催された。
20日(土)午前11時35分から予選が行われ、ジョーイ・ロガーノが今季8度目のポールポジションを獲得。
カイル・ブッシュが2番手で続き、"トヨタ カムリ"が最前列グリッドを独占。マーティン・トゥルークス・Jr.が6番手、
コール・ウイットが10番手につけ、12台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
予選に続き、午後4時47分に1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。最前列2番手から好スタートを切ったKy.ブッシュがロガーノをかわし首位に浮上した。
30周目に多重クラッシュが発生。このアクシデントにより出されたイエローコーションで各車ピットインし、ロガーノが
トップ、Ky.ブッシュが3番手で再スタートとなった。
その後は、首位争いに割って入ったケヴィン・ハーヴィック(シボレー)とKy.ブッシュの2台が順位を入れ替えながらの激しい首位攻防戦が展開された。
174周目、他車のクラッシュによりこの日11度目のイエローコーションが出され、 177周目に再スタートが切られると、ハーヴィックに続く2位につけていたKy.ブッシュが好ダッシュでハーヴィックをパス。そのまま逃げ切り、トップで
チェッカー。今季13勝目を挙げ、前日のキャンピング・ワールド・トラック・シリーズに続きホームステッドで2日連続の勝利を飾った。
この勝利により、今季これまでKy.ブッシュが更新してきたシリーズ1シーズン最多勝記録は更に更新されることと
なった。また、Ky.ブッシュはネイションワイド・シリーズでの通算勝利記録も43へと伸ばし、マーク・マーティンが持つ
通算最多勝記録まであと5と迫った。
そして、最終戦まで持ち越されていたネイションワイド・シリーズのオーナーズポイントでも、Ky.ブッシュらがドライブ
したジョー・ギブズ・レーシングの18号車が見事チャンピオンを獲得。トヨタはこれで2008年より3年連続で
ネイションワイド・シリーズのオーナーズタイトルを獲得することとなり、既に決めているマニュファクチャラーズタイトルと
併せ、シリーズで2冠を達成した。
ネイションワイド・シリーズの来シーズンは、2011年2月19日(土)デイトナ・インターナショナル・スピードウェイで幕を
開ける。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「最後まで(ケヴィン・)ハーヴィックと抜きつ抜かれつのバトルを展開する大変なレースだった。私はミスを犯し、それでレースは終わってしまったと思った。しかし再び上位争いに復帰することができ、再スタートで彼に追いつき、トップでチェッカーフラッグを受けることができた」
リザルト
第35戦 Ford 300 決勝結果 | |||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
1 | 2 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 200 |
2 | 7 | 33 | ケヴィン・ハーヴィック | シボレー | 200 |
3 | 3 | 22 | ブラッド・ケセロウスキー | ダッジ | 200 |
7 | 1 | 20 | ジョーイ・ロガーノ | トヨタ カムリ | 200 |
8 | 11 | 62 | ブレンダン・ゴーアン | トヨタ カムリ | 200 |
10 | 22 | 10 | ジェイソン・リフラー | トヨタ カムリ | 200 |
12 | 6 | 99 | マーティン・トゥルークス・Jr. | トヨタ カムリ | 200 |
14 | 21 | 32 | リード・ソーレンソン | トヨタ カムリ | 200 |
15 | 25 | 66 | スティーブ・ウォレス | トヨタ カムリ | 200 |
16 | 31 | 11 | デイビッド・ロイティマン | トヨタ カムリ | 200 |
17 | 10 | 84 | コール・ウィット | トヨタ カムリ | 200 |
18 | 30 | 9 | ブライアン・スコット | トヨタ カムリ | 200 |
24 | 35 | 15 | マイケル・アネット | トヨタ カムリ | 200 |
41 | 16 | 56 | ケヴィン・リペイジ | トヨタ カムリ | 6 |
観客数(主催者発表):35,000人 |
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NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第25戦 Ford 200
開催日:11月19日
カイル・ブッシュが8勝目を挙げオーナーズタイトル獲得
"トヨタ タンドラ"はシリーズの3タイトルを制覇
自らのチームで参戦初年度にもかかわらずオーナーズタイトルを勝ち取ったKy.ブッシュ
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズの2010年最終戦(第25戦)「Ford 200」が11月19日 (金)にホームステッド・マイアミ・スピードウェイで開催された。
同シリーズでは前戦トッド・ボダインがドライバーズタイトルを確定。マニュファクチャラーズタイトルもトヨタが決めているが、オーナーズタイトルのみ、ボダインの30号車とカイル・ブッシュらがドライブする18号車による争いが最終戦まで持ち越されている。
19日(金)スプリント・カップ・シリーズの予選に続き午後5時5分から予選が行われ、Ky.ブッシュが最前列2番手、
アリック・アルミローラが5番手、ジャスティン・ロフトンが6番手、ボダインが8番手、マイク・スキナーが10番手につけ、13台の"トヨタ タンドラ"が決勝に進んだ。
午後8時21分、1.5マイルオーバルを134周(201マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。
2番手グリッドのKy.ブッシュは、スタート直後に首位を奪ったが、後続を引き離すまでには至らず、ポールポジションのオースティン・ディロン(シボレー)、3番手スタートのジョニー・ソーター(シボレー)らと首位争いを展開。
31周目に他車のスピンによりこの日初めてのイエローコーションが出されると、各車ピットイン。ここでアルミローラが
首位に浮上。しかし、再スタート後は再びKy.ブッシュが首位を奪い返した。
その後はKy.ブッシュが首位を快走したが、序盤ハンドリングに苦しみながらも、ピット作業で調子を上げてきた
ボダインが87周目にKy.ブッシュをパス。この日初めて首位に立った。
チェッカーまで残り30周を切った105周目、Ky.ブッシュと2位争いを繰り広げていたソーターとが接触。Ky.ブッシュは壁にヒットし、タイヤをパンク。イエローコーションが出されたが、Ky.ブッシュはダメージの修復で22位まで大きく順位を落とすこととなってしまった。
111周目に再スタートが切られ、113周目には他車が激しくピットウォールにクラッシュ。破損したバリアの修復のために19分ほどの赤旗中断となった。
先の再スタートで14位まで順位を上げていたKy.ブッシュは、この再スタートでも一気にポジションアップ。1周で12台をパスするという怒濤の追い上げで、見る見るうちにトップグループへと復帰し、首位を行くロン・ホーナディ(シボレー)に迫った。
127周目にスピンした車輌によりこの日6度目のイエローコーションが出され、レースは最後の4周で再スタート。トップのホーナディがアウトサイドを選択したため、最前列インサイドからスタートを切ったKy.ブッシュは、得意の好スタートでホーナディの前に出ると、追いすがるホーナディの猛追を凌ぎきり、0.577秒差のトップでチェッカー。今季8勝目を挙げた。
ボダインは4位、アルミローラが5位。7位以下にロフトン、スキナー、ミゲル・パルド、テイラー・マルサム、
デイビッド・スター、クレイグ・ゴースと6台の"トヨタ タンドラ"が続いた。
この結果、Ky.ブッシュが自ら率いてきたチーム、カイル・ブッシュ・モータースポーツの 18号車は、参戦初年度にして見事オーナーズタイトルを獲得。トヨタはキャンピング・ワールド・トラック・シリーズでマニュファクチャラーズタイトル、
ドライバーズタイトルに続き、3冠を達成した。
来季のキャンピング・ワールド・トラック・シリーズは2月18日(金)にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで
シーズンがスタートする。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「最終戦で勝利を挙げ、タイトルを勝ち取ることができて本当に嬉しい。とても興奮している。我がチームのスタッフには感謝の言葉が見つからない。今夜もクルーチーフは素晴らしい判断で私の頭を冷静に保ち、レースに復帰させて
くれた。トラック・シリーズのレースを戦うのは本当に楽しい」
リザルト
第25戦 Ford 200 決勝結果 | |||||
---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
1 | 2 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ タンドラ | 134 |
2 | 9 | 33 | ロン・ホーナディ | シボレー | 134 |
3 | 3 | 13 | ジョニー・ソーター | シボレー | 134 |
4 | 8 | 30 | トッド・ボダイン | トヨタ タンドラ | 134 |
5 | 5 | 51 | アリック・アルミローラ | トヨタ タンドラ | 134 |
7 | 6 | 7 | ジャスティン・ロフトン | トヨタ タンドラ | 134 |
8 | 10 | 5 | マイク・スキナー | トヨタ タンドラ | 134 |
9 | 24 | 11 | ミゲル・パルド | トヨタ タンドラ | 134 |
10 | 11 | 25 | テイラー・マルサム | トヨタ タンドラ | 134 |
11 | 18 | 81 | デイビッド・スター | トヨタ タンドラ | 134 |
12 | 21 | 46 | クレイグ・ゴース | トヨタ タンドラ | 134 |
17 | 15 | 17 | ティモシー・ペターズ | トヨタ タンドラ | 134 |
18 | 13 | 9 | マックス・パピス | トヨタ タンドラ | 134 |
20 | 25 | 20 | ジョハンナ・ロング | トヨタ タンドラ | 134 |
29 | 36 | 77 | トム・ヘサート・Jr. | トヨタ タンドラ | 132 |
観客数(主催者発表):25,000人 |
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