2011年3月28日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第5戦 Auto Club 400

開催日:3月27日

カイル・ブッシュがレースを支配しながら惜しくも3位

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レースの大半を支配しながらも惜しくも3位に終わったカイル・ブッシュ(#18)と
前半戦首位を争ったがエンジントラブルでリタイアしたデニー・ハムリン(#11)

 3月27日(日)、米国西部カリフォルニア州フォンタナのオートクラブ・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第5戦「Auto Club 400」が開催された。
 同コースは米国トヨタ自動車販売(株)の本拠地から近く、トヨタにとってはホームレースともいえるレース。前戦ブリストルのショートオーバル(1周0.533マイル)から一転、1周2マイルでのハイスピードバトルが展開された。
 今大会もトヨタ参戦車両は日本の東北地方太平洋沖地震への支援を呼びかけるステッカーを貼ってレースに臨んだ。

 25日(金)に予定されていた公式練習は、午前中の降雨により延期。ようやく開催された公式練習1回目でカイル・ブッシュがクラッシュ。車両にダメージを負い、バックアップカーに乗り換えることとなった。
 26日(土)午前11時30分から予選が行われ、デニー・ハムリンが2番手、ジョーイ・ロガーノが3番手と好位置を確保。また、バックアップカーによるぶっつけ本番の予選アタックとなったKy.ブッシュも8番手につけ、12台の"トヨタ カムリ"が決勝に進んだ。ロガーノはエンジン交換を行ったために最後尾からのスタートとなってしまった。

 27日(日)は午前中小雨が落ちたものの、予定されていたスタートまでにはやみ、午後12時18分、8万8千人の大観衆が見守る中、2マイルオーバルを200周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。
 8番手スタートのKy.ブッシュが序盤から順調にポジションをアップ。2番手スタートのハムリンが6周目に首位を奪うとこれに続く形となり、21周目にはKy.ブッシュがハムリンをかわして首位に立った。
 首位を快走するKy.ブッシュは後続との差を大きく広げていく一方、19番手スタートのブライアン・ヴィッカーズと26番手スタートのマーティン・トゥルークス・Jr.が素晴らしい追い上げでトップ10圏内に浮上。41周目には"トヨタ カムリ"がトップ4を占めての走行となった。
 前半戦はイエローコーションが出ず、2度にわたってグリーン下でのピットインとなった後、75周目にようやくこの日最初のイエローコーション。ここでヴィッカーズはピットの指定範囲を通り過ぎてしまい8位に後退。好走を見せていたハムリンもこの再スタート後にエンジン不調に見舞われ、徐々に後退。無念のリタイアとなってしまった。また、トゥルークス・Jr.も後半に入ってハンドリングの不調に見舞われ順位を落としてしまった。
 一方、首位を行くKy.ブッシュはその後も快調に後続との差を広げ、2位との差は一時5秒以上に。前週ブリストルに引き続き、2週連続での週末制覇なるかと思われた。
 175周目、この日3度目のイエローコーションからの再スタートを決め、首位を守ったKy.ブッシュだったが、186周目にボビー・ラボンテがウォールにクラッシュ。そのままピットロードへ向かったが、ピットロード入り口で停止してしまったため、ピットロードがオープンにならないままイエローコーションが継続。190周目にようやくピットがオープンとなったが、上位7台はコース上に残り、192周目に再スタートとなった。
 首位で逃げるKy.ブッシュを、ディフェンディングチャンピオンのジミー・ジョンソン(シボレー)とケヴィン・ハーヴィック(シボレー)が猛追。三つ巴での激しいトップ争いとなった。197周目にジョンソンにかわされてしまったKy.ブッシュは最後まで首位を争ったが、惜しくも届かず3位でフィニッシュ。全200周中151周に渡って首位を走行しレースの大半を支配したが、勝利は叶わなかった。ヴィッカーズが8位、22番手スタートから終盤追い上げたケイシー・カーンが9位に入った。
 今大会の結果Ky.ブッシュがドライバーズランキングで首位に11ポイント差の4位へと浮上した。

 次戦第6戦は4月3日(日)、米国東部バージニア州マーティンスビルのマーティンスビル・スピードウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「今日の"トヨタ カムリ"は本当に素晴らしかった。特にロングランでは敵なしだった。しかし、最後の2スティントはその優位性も若干失ってしまった。今日のような力強いレースを戦って3位に終わったことはやや残念だ。この週末クルーは非常に困難な仕事をこなしてくれた。それを考えれば良い結果だ。最後は彼ら(ジミー・ジョンソンとケヴィン・ハーヴィック)が迫ってきているのはわかっていた。最後のバトルではオーバーステア症状が出て、壁に接触しそうになり、速度を落とさざるを得なかった」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 24 29 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 200
2 16 48 ジミー・ジョンソン シボレー 200
3 8 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 200
8 19 83 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 200
9 22 4 ケイシー・カーン トヨタ カムリ 200
19 14 0 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 200
21 26 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 200
25 3 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 200
29 25 13 ケイシー・メアーズ トヨタ カムリ 198
38 34 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 182
39 2 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 105
40 41 60 トッド・ボダイン トヨタ カムリ 50
42 40 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 39
43 33 66 マイケル・マクドウェル トヨタ カムリ 32
観客数(主催者発表):88,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 カール・エドワーズ フォード 187
2 ライアン・ニューマン シボレー 178
3 カート・ブッシュ ダッジ 177
4 カイル・ブッシュ トヨタ 176
11 ケイシー・カーン トヨタ 157
13 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 147
18 ボビー・ラボンテ トヨタ 121
21 デニー・ハムリン トヨタ 112
24 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 105
27 デイビッド・ロイティマン トヨタ 100
29 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 93
33 ケイシー・メアーズ トヨタ 67
40 マイケル・マクドウェル トヨタ 9
42 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 4
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 フォード 31
2 シボレー 31
3 トヨタ 31
4 ダッジ 17

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第5戦 Royal Purple 300

開催日:3月26日

カイル・ブッシュが終盤の逆転で今季3勝目!

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終盤の逆転で見事今季3勝目のトップチェッカーを受けるカイル・ブッシュ(#18)

 3月26日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第5戦「Royal Purple 300」がオートクラブ・スピードウェイで開催された。
 "トヨタ カムリ"は同コースでのネイションワイド・シリーズ戦で圧倒的な強さを誇っており、2008年以来負け無しの6連勝を続けている。

 26日(土)10時10分から予選が行われ、このコースで過去1勝を挙げているジョーイ・ロガーノが4番手、過去4勝のカイル・ブッシュが7番手につけ、8台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 予選に続き、午後2時49分、2マイルオーバルを150周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
 7番手からスタートを切ったKy.ブッシュは幅の広いコースで3ワイドでのバトルを展開しながら、序盤から着実にポジションをアップ。16周目には2位に浮上した。
 一方、4番手スタートのロガーノは序盤、車両前部に不具合が発生し、7周目のイエローコーションでピットイン。修復のためにほぼ最後尾近くまで順位を落とすこととなってしまった。
 その後、Ky.ブッシュはトップ5圏内を守っての走行を続けるものの、この日はケヴィン・ハーヴィック(シボレー)とカール・エドワーズ(フォード)の2台が速く、なかなか首位に立てない状況が続いた。
 93周目にこの日5度目のイエローコーションが出され、全車ピットイン。しかし、その後はイエローコーションが出ず、残り20周を切ったあたりで各車グリーン下でのピットインを開始。135周目までピットインを引っ張り、その時点で首位に立ったKy.ブッシュはピットへ向かうと、ライバルが全車4本タイヤ交換を選択したのに対し、2本タイヤ交換のギャンブルに出た。
 ピットの素晴らしい判断と作業で首位のまま、2位以下に5秒以上の差をつけてコースに復帰したKy.ブッシュだったが、追うエドワーズとハーヴィックは4本タイヤ交換の優位性も活かしてじりじりとその差を詰めてきた。
 ファイナルラップには、タイヤの厳しいKy.ブッシュは第2コーナーでアウト側のウォールに軽くヒット。しかし、大きなダメージなく走行を続けたKy.ブッシュは後続の猛追を0.7秒差で振り切り、見事トップでチェッカー。前戦ブリストルに続き2連勝で今季3勝目を挙げた。これで"トヨタ カムリ"はネイションワイド・シリーズのフォンタナ戦7連勝。
 序盤のトラブルでほぼ最後尾近くまで落ちながらも、素晴らしい追い上げを見せたロガーノが7位に入った。

 次戦第6戦は4月8日(金)、米国南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「上手くいった。勝つためにはこの戦略が最良だった。なるべく短い距離を走れるようにラインを選んだ。そのために若干ラップタイムが落ち、首位争いから離れてしまった。最終ラップはアウト側のラインを取りすぎたために路面上のタイヤかすを拾ってしまい、オーバーステアでフェンスにタッチしてしまった。しかし、勝利には十分なマージンがあるのはわかっていた。チームは素晴らしい仕事をしてくれた。クルーチーフにはいくら感謝してもし足りない。今日の勝利は彼のものだ」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 7 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 150
2 1 60 カール・エドワーズ フォード 150
3 2 33 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 150
7 4 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 150
13 11 11 ブライアン・スコット トヨタ カムリ 150
15 17 9 ケニー・ウォレス トヨタ カムリ 149
17 19 99 ライアン・トゥルークス トヨタ カムリ 149
18 20 62 マイケル・アネット トヨタ カムリ 149
22 18 87 ケヴィン・コンウェイ トヨタ カムリ 146
27 15 66 スティーブ・ウォレス トヨタ カムリ 143
観客数(主催者発表):36,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 リッキー・ステンハウス・Jr. フォード 181
2 ジェイソン・リフラー シボレー 175
3 ジャスティン・アルゲイヤー シボレー 156
8 ケニー・ウォレス トヨタ 140
9 ブライアン・スコット トヨタ 138
11 スティーブ・ウォレス トヨタ 116
13 マイケル・アネット トヨタ 107
15 ライアン・トゥルークス トヨタ 106
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 36
2 シボレー 32
3 フォード 24
4 ダッジ 18