2011年4月 4日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第6戦 Goody's Fast Relief 500

開催日:4月3日

カイル・ブッシュが3位フィニッシュでランキング首位浮上

写真
3位フィニッシュを果たし、ドライバーズランキングで首位に躍り出たカイル・ブッシュ(#18)

 4月3日(日)、米国東部バージニア州マーティンズビルのマーティンズビル・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第6戦「Goody's Fast Relief 500」が開催された。
 同シリーズが開催されるコースの中で最も1周が短く(0.526マイル:約850m)、その形状から「ペーパークリップ」の別称を持つマーティンズビルは、特にブレーキに厳しい難コース。
 このコースは地元バージニア州出身のデニー・ハムリンが得意としており、これまでに4勝。昨年10月の大会でもポール・トゥ・ウィンを飾っている。一方で今季トヨタ勢ランキング最上位につけるカイル・ブッシュは未勝利で、好調な今季、初勝利に期待がかかった。

 2日(土)併催のキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ予選と決勝に挟まれる形で、午後12時10分よりスプリント・カップ・シリーズの予選が行われ、ケイシー・カーンが3番手、ジョーイ・ロガーノが4番手、ハムリンが5番手と2列目以降に並び、ボビー・ラボンテ7番手、デイビッド・ロイティマン8番手で"トヨタ カムリ"は5台が予選トップ10入り。カイル・ブッシュも11番手と好位置につけ、12台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 3日(日)好天に恵まれたマーティンズビルで、午後1時17分に0.526マイルショートオーバルを500周(263マイル:約420km)して競われる決勝レースがスタート。
 序盤はカーンとハムリンが首位を争い、34周目にはハムリンが首位に浮上。11番手からポジションをあげてきたKy.ブッシュも77周目に首位に立ち、その後も首位争いを展開した。
 220周目、22位を走行していたマーティン・トゥルークス・Jr.が、スロットルのトラブルに見舞われ、前を行くケイシー・カーンに追突。そのまま激しく壁にクラッシュし、2台共にリタイアとなってしまった。レースはこれで赤旗が出され、25分間の中断の後再開された。
 その後はKy.ブッシュとハムリンがレースを引っ張り、首位を入れ替えながらの展開となったが、レースが残り50周を切ったあたりで各車が最後の給油のために、グリーン下でピットインを開始した直後、465周目にこの日11度目のイエローコーションが発生。まだピットに入っていなかったKy.ブッシュは首位を守ったが、458周目にピットインしていたハムリンは首位と同一周回の最後尾14位まで後退してしまった。
 残り29周で再スタートが切られると、首位を走行していたKy.ブッシュに後続が襲いかかり、Ky.ブッシュは3位へ後退。再逆転を狙ったKy.ブッシュはファイナルラップに前を行くデイル・アーンハート・Jr.に並びかけ、2台は横一線のままチェッカー。しかし、わずかに及ばず、Ky.ブッシュは3位フィニッシュとなった。ハムリンは12位。ハムリン同様に不運なピットタイミングで順位を落としたロガーノが13位。レース前半好走を見せたロイティマンは15位、ブライアン・ヴィッカーズが17位で、5台の"トヨタ カムリ"がトップ20フィニッシュとなった。
 惜しくも勝利を逃したKy.ブッシュだが、マーティンズビルでの3位フィニッシュは自己最高位。また、Ky.ブッシュは開幕からの6戦中4戦でトップ5フィニッシュを果たしている唯一のドライバーとなり、ドライバーズランキングで首位に浮上した。

 次戦第7戦は4月9日(土)、米国南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「本当に良かった。ここマーティンズビルでこれまでにない、最高の走りができた。我々の"トヨタ カムリ"は恐らく最速のレースカーだったと思うが、残念ながら勝てなかった。イエローコーションのたびにマージンが無くなり、再び後続を引き離せるようになるには約28周必要だった。最後のスティントは28周くらいだったと思うが、やっと彼らを捕らえられる所だった。バトルしている彼らに追いつくことはできたが、抜くまでには至らなかった」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 9 29 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 500
2 26 88 デイル・アーンハート・Jr. シボレー 500
3 11 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 500
12 5 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 500
13 4 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 499
15 8 0 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 499
17 13 83 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 499
27 7 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 489
32 35 66 マイケル・マクドウェル トヨタ カムリ 470
36 30 13 ケイシー・メアーズ トヨタ カムリ 457
39 3 4 ケイシー・カーン トヨタ カムリ 219
40 18 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 219
42 38 60 マイク・スキナー トヨタ カムリ 31
43 43 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 25
観客数(主催者発表):60,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 カイル・ブッシュ トヨタ 219
2 カール・エドワーズ フォード 214
3 ジミー・ジョンソン シボレー 207
15 ケイシー・カーン トヨタ 163
17 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 151
19 デニー・ハムリン トヨタ 145
21 ボビー・ラボンテ トヨタ 138
24 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 132
26 デイビッド・ロイティマン トヨタ 129
27 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 124
33 ケイシー・メアーズ トヨタ 75
40 マイケル・マクドウェル トヨタ 21
42 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 4
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 40
2 トヨタ 37
3 フォード 35
4 ダッジ 20

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第4戦 Kroger 250

開催日:4月2日

カイル・ブッシュが2位フィニッシュ

写真
後半戦を支配したが惜しくも2位に終わったカイル・ブッシュ(#18)

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第4戦「Kroger 250」が4月2日 (土)にマーティンズビル・スピードウェイで開催された。
 年に2回シリーズ戦が開催される同コースでは、2009年秋に地元出身のティモシー・ペターズが自身初の勝利を飾っており、また、昨年10月の大会では"トヨタ タンドラ"は惜しくも勝利を逃したものの、2位から7位を独占する速さを見せた。
 また、今大会の決勝スタート前に、元F1ワールドチャンピオンであり、現在WRC(世界ラリー選手権)参戦中のキミ・ライコネンがカイル・ブッシュ・モータースポーツと契約し、キャンピング・ワールド・トラック・シリーズにスポット参戦することが発表された。ライコネンは4日(月)にもテストを行い、5月20日(金)の第7戦シャーロットでデビューする予定。

 2日(土)午前10時40分から予選が行われ、カイル・ブッシュが5番手、ジャスティン・ロフトンが8番手につけ、14台の"トヨタ タンドラ"が決勝に進んだ。

 スプリント・カップ・シリーズの予選を経て、午後2時17分に0.526マイルショートオーバルを250周(131.5マイル:約210km)して競われる決勝レースがスタート。
 5番手グリッドのKy.ブッシュが好スタートを見せ、すぐに3位へとポジションアップ。首位争いを繰り広げ、2度目のイエローコーションからの再スタートでこの日初めて首位に立った。
 この日はイエローコーションの多発する波乱の展開となり、中盤にはピットタイミングをずらすことで順位が変動。78周目の、この日4度目のイエローコーションからの再スタートでは、27番手スタートのルーキー ミゲル・パルドが首位に立ち、自身初のラップリードボーナスを獲得。180周目には、ブレンダン・ゴーアンとマックス・パピスが1-2体制となった。
 一方、ピットタイミングで一時は16位まで後退したKy.ブッシュは再び首位争いへと復帰。後方から追突されたボダインがスピンしたことで発生したこの日9度目のイエローコーションから、残り31周で再スタートが切られると、アウトサイドから素晴らしいダッシュで首位に浮上。そのまま逃げ切るかと思われた。
 レースは残り7周となったところで多重クラッシュによりこの日13度目のイエローコーション。残り4周での再スタートでは、Ky.ブッシュが首位を守ったが、残り2周となった第2コーナーでバランスを崩し、その隙を突かれる形でこの日常に首位を争っていたジョニー・ソーター(シボレー)の先行を許すこととなってしまった。
 結局そのままチェッカーとなり、Ky.ブッシュは2位フィニッシュ。コースから近い地元出身のペターズが今季最高位となる5位。ゴーアンが9位、パピスが10位に入り、4台の"トヨタ タンドラ"がトップ10フィニッシュを果たした。

 次戦第5戦は4月22日(金)に米国南東部テネシー州レバノンのナッシュビル・スーパースピードウェイで開催される。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「我々にとっては良いレースだった。クルーを本当に誇りに思っている。彼らは素晴らしい調整を行ってくれた。途中で大きくセッティングを変更したが、それが功を奏し、残りのレースではその調子を維持できた。最後にやられてしまっただけだ。フロントタイヤが終わってしまったんだと思う。我々はオーバーステアにならないように、セッティングを変えていった。それは上手く行ったと感じられた。最後のイエローコーションの前までは本当に好調で、ジョニー(ソーター)を引き離すことができたし、その時点ではタイヤにも問題はなかった。しかし、最後の再スタートの後はハンドリングが悪化し、彼を押さえることができなかった」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 1 13 ジョニー・ソーター シボレー 250
2 5 18 カイル・ブッシュ トヨタ タンドラ 250
3 10 33 ロン・ホーナディ シボレー 250
5 12 17 ティモシー・ペターズ トヨタ タンドラ 250
9 31 62 ブレンダン・ゴーアン トヨタ タンドラ 250
10 11 9 マックス・パピス トヨタ タンドラ 250
12 27 7 ミゲル・パルド トヨタ タンドラ 250
14 15 30 トッド・ボダイン トヨタ タンドラ 250
18 21 20 ジョハンナ・ロング トヨタ タンドラ 250
20 13 5 トラヴィス・クヴァピル トヨタ タンドラ 250
23 25 97 マット・ロフトン トヨタ タンドラ 249
24 16 46 クレイグ・ゴース トヨタ タンドラ 248
25 19 15 ダスティ・デイヴィス トヨタ タンドラ 245
26 29 81 デイビッド・スター トヨタ タンドラ 243
31 26 51 ジャスティン・ジョンソン トヨタ タンドラ 202
32 8 77 ジャスティン・ロフトン トヨタ タンドラ 160
観客数(主催者発表):20,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ジョニー・ソーター シボレー 150
2 マット・クラフトン シボレー 145
3 ティモシー・ペターズ トヨタ 143
8 トッド・ボダイン トヨタ 122
9 マックス・パピス トヨタ 121
10 ミゲル・パルド トヨタ 109
13 ブレンダン・ゴーアン トヨタ 100
15 クレイグ・ゴース トヨタ 94
16 デイビッド・スター トヨタ 93
21 ジャスティン・ロフトン トヨタ 83
24 ジョハンナ・ロング トヨタ 75
26 トラヴィス・クヴァピル トヨタ 74
28 ダスティ・デイヴィス トヨタ 60
30 ジャスティン・ジョンソン トヨタ 58
34 クリス・フォンテイン トヨタ 25
36 マイク・スキナー トヨタ 20
38 テイラー・マルサム トヨタ 15
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 33
2 シボレー 27
3 ダッジ 15
4 フォード 13