2011年4月18日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第8戦 Aaron's 499

開催日:4月17日

ジョーイ・ロガーノがトップ10フィニッシュ

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トップ10フィニッシュを果たしたジョーイ・ロガーノ(#20)、23位に終わったデニー・ハムリン(#11)、終盤首位を争ったマーティン・トゥルークス・Jr.(#56)とデイビッド・ロイティマン(#00)

 4月17日(日)、米国南部アラバマ州タラデガのタラデガ・スーパースピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第8戦「Aaron's 499」が開催された。
 タラデガはNASCARが開催されるコースで最長の1周2.66マイル(約4.3km)を誇り、速度を抑えるためにリストリクター・プレートという部品で出力が制限されるが、それでも超高速でのバトルが展開される。このため、他の車両と連なって走る「ドラフティング」というテクニックが非常に重要となる。例年は複数台による長い隊列でのドラフティングが見られたが、今季は空力的な規則変更もあり、開幕戦デイトナで見られたような、2台ずつの隊列でのバトルが展開された。

 15日(金)の練習走行を経て、16日(土)午前10時35分から予選が行われ、ブライアン・ヴィッカーズが9番手、ハイスピードオーバルを得意とし、スポット参戦するマイケル・ウォルトリップが12番手につけ、12台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 17日(日)午後12時22分、2.66マイルオーバルを188周(500.08マイル:約800km)して競われる決勝レースのグリーンフラッグが振り下ろされた。
 序盤は、31番手スタートから大きく順位を上げたケイシー・カーンと9番手スタートのヴィッカーズが、チームメイト同士の隊列で上位争いを展開。しかし、28周目にヴィッカーズはバランスを崩した他車に接触され、スピン。ポジションを落としてしまった。
 ヴィッカーズを失い、別のドラフティングパートナーと上位復帰を目指していたカーンは、90周目に多重クラッシュに巻き込まれ、車両後部から出火。こちらもガレージでの修復を余儀なくされてしまった。
 一方、ランキング上位争いにつけているカイル・ブッシュは34番手と後方スタートながら、同様に36番手からスタートしたチームメイトのジョーイ・ロガーノとの隊列で上位に浮上。前日に1-2フィニッシュを果たしたコンビでの快走に連続勝利の期待が高まった。
 その後、29番手スタートからやや遅れながらも上位へとポジションアップを果たしたデニー・ハムリンとロガーノがパートナーとなり、Ky.ブッシュは実兄であるカート・ブッシュ(ダッジ)との隊列で首位を快走。しかし、128周目、3度目のイエローコーション時のピットで、Ku.ブッシュが作業トラブルで後退したため、再びKy.ブッシュはロガーノとのコンビで上位を争うこととなった。
 140周目、首位を争っていたKy.ブッシュが後方のロガーノからプッシュされている状況でバランスを崩しスピン。後続が突っ込み、多重クラッシュとなってしまった。このクラッシュでKy.ブッシュは車両に大きなダメージを負い、無念の後退。ハムリンも壁に接触したダメージ修復のために若干ポジションを落としてしまった。
 かわって"トヨタ カムリ"勢を引っ張ることとなったのはマーティン・トゥルークス・Jr.とデイビッド・ロイティマン。177周目にこの日最後の再スタートが切られた後、首位争いを展開したが、徐々にライバルの先行を許し、最後はトップ4グループが横一線、1位と2位の差がわずか千分の2秒という僅差の争いに加わることができず、それぞれ13位、14位でフィニッシュ。"トヨタ カムリ"勢の最上位は10位でチェッカーを受けたロガーノだった。

 次戦第9戦は4月30日(土)、米国東部バージニア州リッチモンドのリッチモンド・インターナショナル・レースウェイで行われる。

ドライバー ジョーイ・ロガーノ:
「チームにとって良い結果だ。ようやく今季初めてのトップ10フィニッシュを果たすことができた。この勢いを維持して更なる上位を狙って行かなくてはならない。チームメイト(カイル・ブッシュ)をクラッシュさせるつもりはもちろん無かった。カイルと私は上手くレースを運んでいた。昨日は勝利も挙げており、今日も同じ結果を願っていた。お互い上手く走っていたし、コミュニケーションも良かった。我々は速く走るために何をすべきかわかっていたが、それがあのような結果に繋がってしまった。これもレースだ」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 2 48 ジミー・ジョンソン シボレー 188
2 10 33 クリント・ボウヤー シボレー 188
3 1 24 ジェフ・ゴードン シボレー 188
10 36 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 188
13 26 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 188
14 14 0 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 188
22 40 13 ケイシー・メアーズ トヨタ カムリ 188
23 29 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 188
24 15 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 188
28 12 15 マイケル・ウォルトリップ トヨタ カムリ 187
35 34 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 144
37 31 4 ケイシー・カーン トヨタ カムリ 139
38 9 83 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 115
41 22 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 5
43 32 97 ケヴィン・コンウェイ トヨタ カムリ 1
観客数(主催者発表):115,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 カール・エドワーズ フォード 295
2 ジミー・ジョンソン シボレー 290
3 デイル・アーンハート・Jr. シボレー 276
6 カイル・ブッシュ トヨタ 257
17 デニー・ハムリン トヨタ 195
18 ケイシー・カーン トヨタ 194
19 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 192
24 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 179
25 ボビー・ラボンテ トヨタ 178
26 デイビッド・ロイティマン トヨタ 174
28 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 155
32 ケイシー・メアーズ トヨタ 116
40 マイケル・マクドウェル トヨタ 25
41 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 20
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 55
2 フォード 50
3 トヨタ 44
4 ダッジ 27

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第7戦 Aaron's 312

開催日:4月16日

ファイナルラップの逆転でカイル・ブッシュが今季4勝目!
超高速コースで"トヨタ カムリ"がトップ3を独占

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今季4勝目を挙げたカイル・ブッシュ(#18)

 4月16日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第7戦「Aaron's 312」がタラデガ・スーパースピードウェイで開催された。

 14日(木)の練習走行を経て、15日(金)午前11時10分より予選が行われ、ジョーイ・ロガーノが7番手、マイケル・アネットが8番手を確保。8台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 16日(土)午後2時22分、2.66マイルオーバルを117周(311.22マイル:約500km)して競われる決勝レースがスタート。22番手と中団からのスタートを強いられたカイル・ブッシュが序盤から好ペースで順位を上げ、12周目にはこの日初めて首位に浮上。
 しかし、22周目にイエローコーションが出され、全車ピットに向かうと、Ky.ブッシュはピットの場所を誤り、25位へと大きく後退。
 30周目には、ジョーイ・ロガーノと隊列を組み、トップ10圏内を走行していたブライアン・スコットがスピン。再びイエローコーションとなった。
 その後もタラデガらしく、めまぐるしく順位が入れ替わる展開の中で、Ky.ブッシュは着実に上位へと復帰。他の"トヨタ カムリ"勢も上位争いを繰り広げた。
 87周目、残り30周で再スタートが切られた直後に"ビッグ・ワン"と呼ばれる多重クラッシュが発生。Ky.ブッシュやスコットら21台が巻き込まれる大きなアクシデントとなり、7分弱の赤旗中断となった。
 レースが再開されると、Ky.ブッシュはこのクラッシュでのダメージを修復するために、ピットでの作業を余儀なくされた。しかし、ピットの素晴らしい作業により、首位と同一周回にはとどまり、24位で再スタート。
 "トヨタ カムリ"勢ではロガーノが3位で再スタートを切り、ジョー・ネメチェクとマイク・ウォレスのコンビが一気に上位へと浮上してきた。
 チェッカーまであと3周となった114周目、マイケル・アネットとスコットがクラッシュ。これでレースは1周延長され、"グリーン・ホワイト・チェッカー"で決されることに。しかし、この再スタートが切られた直後にまたもバックストレートでクラッシュが発生し、2度目の"グリーン・ホワイト・チェッカー"で仕切り直しとなった。
 122周目、M.ウォレスとネメチェクが1-2、Ky.ブッシュとロガーノが6-8位で再スタート。隊列を組んだKy.ブッシュとロガーノが猛プッシュを見せ、ファイナルラップを示すホワイトフラッグが振られた後、見事首位を奪取。その直後に、後続でクラッシュが発生し、イエローコーション。首位が最終ラップに入っていたため、順位はその時点で凍結され、レースは成立。イエローコーションのままチェッカーとなった。
 その結果、Ky.ブッシュが優勝、ロガーノが2位、ネメチェクが3位に入り、"トヨタ カムリ"はトップ3を独占した。
 Ky.ブッシュはこのタラデガで、スプリント・カップ・シリーズとキャンピング・ワールド・トラック・シリーズでは勝利経験を持つが、これまで唯一勝ちのなかったネイションワイド・シリーズでも勝利を挙げることとなった。また、Ky.ブッシュはこれでネイションワイド・シリーズ通算勝利数を47とし、通算勝利数49のマーク・マーティンにあと2つと迫った。

 次戦第8戦は4月23日(土)、米国南東部テネシー州レバノンのナッシュビル・スーパースピードウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「今日は3回も左側から接触され、レースは終わったと思った。しかし、クルーチーフの優れたリーダーシップの下で、クルーが素晴らしい仕事をして私をコースに戻してくれた。最後はジョーイ(ロガーノ)が後押ししてくれたおかげであり、良いチームメイトに恵まれた。この勝利はチーム全体で勝ち取ったものだ。ついにネイションワイド・シリーズでもタラデガで勝利を挙げ、3カテゴリー全てで勝つことができた。今日の"トヨタ カムリ"は特にドラフティングで速く、他の"トヨタ カムリ"から後押ししてもらえたことも勝因の一つだ」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 22 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 124
2 7 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 124
3 20 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 124
11 23 11 ブライアン・スコット トヨタ カムリ 124
19 8 62 マイケル・アネット トヨタ カムリ 122
25 19 9 ケニー・ウォレス トヨタ カムリ 109
32 18 66 スティーブ・ウォレス トヨタ カムリ 88
33 24 99 マイケル・ウォルトリップ トヨタ カムリ 87
観客数(主催者発表):67,500人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ジェイソン・リフラー シボレー 233
2 ジャスティン・アルゲイヤー シボレー 231
3 エリオット・サドラー シボレー 228
8 ブライアン・スコット トヨタ 206
9 ケニー・ウォレス トヨタ 184
10 ジョー・ネメチェク トヨタ 169
12 マイケル・アネット トヨタ 159
13 スティーブ・ウォレス トヨタ 155
24 ライアン・トゥルークス トヨタ 106
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 48
2 シボレー 40
3 フォード 36
4 ダッジ 30