2011年5月 9日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第10戦 Showtime Southern 500

開催日:5月7日

3台の"トヨタ カムリ"がトップ10フィニッシュ

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惜しくも勝利を逃すが速さを見せ4位フィニッシュを果たしたケイシー・カーン(#4)

 5月7日(土)、米国南東部サウスカロライナ州ダーリントンのダーリントン・レースウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第10戦「Showtime Southern 500」が開催された。
 60年以上の歴史を持つダーリントンは難コースとして知られているが、トヨタ勢では2008年にカイル・ブッシュが同コース最年少優勝を飾っており、2010年はデニー・ハムリンが勝利を挙げている。

 6日(金)には2度の練習走行が予定されていたが、1回目は降雨により短縮終了。2回目も中止となってしまった。しかし、雨の止んだ午後5時10分より予選は行われ、ケイシー・カーンが今季初のポールポジションを獲得。3番手に前年ウィナーのハムリン、8番手にブライアン・ヴィッカーズがつけ、13台の"トヨタ カムリ"が決勝に進んだ。 13台

 7日(土)、翌日の母の日にあわせ、ドライバーの母親たちによるコールからエンジン始動。午後7時47分に1.366マイルを367周(501マイル:約800km)して競われる決勝レースがスタートした。
 ポールポジションからスタートしたカーンが序盤から首位を好走。しかし3番手スタートのハムリンはアンダーステア症状に苦しみ2周目に壁に接触。ボディに若干のダメージを負ってしまった。
 カーンは9周目、1回目のイエローコーションからの再スタート直後は他車の先行を許すが、着実に2位をキープし、2度目の再スタートとなった41周目には首位に返り咲いた。
 また、14番手からスタートを切ったKy.ブッシュも素晴らしい走りでポジションを上げ、首位を行くカーンに続いて"トヨタ カムリ"の1-2体制に。しかし93周目に、首位走行中のカーンが壁に接触。首位の座は守って走り続けたが、115周目にカール・エドワーズ(フォード)の先行を許してしまった。一方で好走を見せたKy.ブッシュが、125周目に好ピット作業にも助けられこの日初めて首位に立った。
 その後はイエローコーションが出ず、170周を過ぎたあたりから各車グリーン下でピットイン。全車がピット作業を終えた時点でKy.ブッシュは2位に2秒以上の差をつけての首位復帰となったが、ホイールが緩むというトラブルに見舞われ、再度ピットイン。周回遅れの27位へと後退してしまった。
 238周目には、17番手スタートからトップ10圏内へと浮上していたジョーイ・ロガーノが接触からスピンを喫し、この日8度目のイエローコーション。これでKy.ブッシュはラッキー・ドッグ(コーション発生時の周回遅れ最上位が首位と同一周回に戻れる措置)を獲得し、猛追を開始。カーンは282周目にも首位を奪還するなど、レースを通して首位争いを展開した。
 残り10周となった357周目にこの日10度目のイエローコーションが出されると、カーンら上位勢はピットへ向かい2本タイヤを交換。しかし、3台のみがピットインしないというギャンブルに出たため、カーンは5番手で再スタート。
 残り5周での再スタート直後に、9番手を走行していたKy.ブッシュらが絡むクラッシュが発生。Ky.ブッシュはピットインを余儀なくされ、17位まで後退。
 レースは3周延長され368周目に"グリーン・ホワイト・チェッカー"で決されることとなった。5番手で再スタートしたカーンは1台前走者をパスしたが、2周ではそれ以上の追い上げは叶わず4位でチェッカー。この日最多となる124周にわたって首位を走行する速さを見せたが、惜しくも勝利は逃してしまった。
 レースを通してハンドリングの不調に苦しみながらも着実に走りきったハムリンが6位。スピンを喫し一度は周回遅れとなりながらも追い上げたマーティン・トゥルークス・Jr.が10位で3台の"トヨタ カムリ"がトップ10フィニッシュ。Ky.ブッシュも11位まで追い上げチェッカーを受けた。
 この結果、ドライバーズランキングではKy.ブッシュは3位で変わらず。2戦連続のトップ5フィニッシュとなったカーンが15位、ハムリンが16位、トゥルークス・Jr.が20位へとそれぞれ順位を上げた。

 次戦第11戦は5月15日(日)、米国東部デラウェア州ドーバーのドーバー・インターナショナル・スピードウェイで行われる。

ドライバー ケイシー・カーン:
「トップ走行中に壁に接触し、車体後部にダメージを負ってしまったが、チームが素晴らしいピット作業で修復してくれた。今日の我々の"トヨタ カムリ"は、最後の戦略を差し引いてもトップ2の速さを持っていたと思う。私のミスで勝てるチャンスをものにできなかったのは少し残念だが、素晴らしいレースを戦うことができたので、続くドーバーとシャーロットでもこの好調を維持していきたい」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 23 78 リーガン・スミス シボレー 370
2 4 99 カール・エドワーズ フォード 370
3 10 2 ブラッド・ケセロウスキー ダッジ 370
4 1 4 ケイシー・カーン トヨタ カムリ 370
6 3 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 370
10 29 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 370
11 14 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 370
16 36 0 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 370
18 15 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 370
30 32 13 ケイシー・メアーズ トヨタ カムリ 364
34 8 83 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 332
35 17 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 318
38 33 50 T.J.ベル トヨタ カムリ 67
40 34 60 マイク・スキナー トヨタ カムリ 29
42 43 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 22
43 39 66 マイケル・マクドウェル トヨタ カムリ 7
観客数(主催者発表):61,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 カール・エドワーズ フォード 378
2 ジミー・ジョンソン シボレー 355
3 カイル・ブッシュ トヨタ 339
15 ケイシー・カーン トヨタ 278
16 デニー・ハムリン トヨタ 276
20 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 245
23 ボビー・ラボンテ トヨタ 225
25 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 221
28 デイビッド・ロイティマン トヨタ 215
29 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 199
32 ケイシー・メアーズ トヨタ 147
40 マイケル・マクドウェル トヨタ 30
41 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 20
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 68
2 フォード 62
3 トヨタ 56
4 ダッジ 34

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第10戦 The Royal Purple 200

開催日:5月6日

"トヨタ カムリ"1-2フィニッシュ!
カイル・ブッシュが今季5勝目

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今季5勝目を挙げたカイル・ブッシュ(#18)

 5月6日(金)にNASCARネイションワイド・シリーズの第10戦「The Royal Purple 200」がダーリントン・レースウェイで開催された。

 6日(金)朝8時半から2時間半にわたる練習走行が行われ、午後3時35分より予選が予定されていたが、降雨のために今季初めてとなる予選キャンセル。規定に則り、練習走行のタイムでグリッドが決定され、カイル・ブッシュがポールポジション。スティーブ・ウォレスが7番手につけ、9台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 午後7時47分に1.366マイルオーバルを147周(200マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。
 ポールポジションのKy.ブッシュは上手いスタートを切ったが、1周目の第4ターンでカール・エドワーズ(フォード)の先行を許し2位へ後退。一方で16番手スタートのデニー・ハムリンが6周目にはトップ10へと浮上した。
 26周目にコンペティション・コーション(予定されていたコーション)が出され全車ピットイン。ここで2台のみが2本タイヤ交換作戦を採ったため、Ky.ブッシュは3位で再スタートとなったが、得意の再スタートですぐに首位を奪還。まもなくハムリンも首位争いに加わった。
 89周目に、11位を走行していたマイケル・アネットがクラッシュ。イエローコーションとなり、95周目に再スタートが切られると、直後にも再び大クラッシュが発生し、12位、13位を走行していたライアン・トゥルークスとブライアン・スコットが巻き込まれ、スコットは激しく壁にクラッシュ。リタイアとなってしまった。
 その前のコーション時のピット戦略で、ハムリンが6位、Ky.ブッシュは8位へと順位を落としていたが、104周目に再スタートが切られると、この2台が素晴らしいダッシュでポジションをアップ。123周目にはKy.ブッシュがついに首位に立った。
 134周目にはハムリンも2位に浮上したが、この時点で首位を逃げるKy.ブッシュと2位ハムリンの差は1.6秒。なおもKy.ブッシュの快走は止まらず、2位以下を引き離し、周回遅れを増やしていった。
 結局そのままの順位でレースはチェッカー。Ky.ブッシュが今季5勝目。ハムリンが2位に入り、"トヨタ カムリ"は1-2フィニッシュを飾った。
 Ky.ブッシュはこれでネイションワイド・シリーズ通算48勝目。シリーズ通算勝利数で、マーク・マーティンの最多勝利記録49へとあと一勝と迫った。また、Ky.ブッシュはネイションワイド・シリーズでのダーリントン初勝利を挙げることとなった。

 次戦第11戦は5月14日(土)、ドーバー・インターナショナル・スピードウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「ダーリントンは本当にタフで油断ならないコースで、大好きだ。素晴らしい仕事をしてくれたチームに感謝している。ネイションワイド・シリーズでの、ここダーリントンでの初勝利を挙げることができてとても良い気分だ。最後はじっくりとチャンスを待った。右前タイヤがオーバーヒート気味だったが、エリオット(サドラー)がミスするのを待った。彼は周回遅れに引っかかり、パスすることができた。マーク(マーティン)の記録にあと一つと迫ることとなったが、続く第11戦ドーバーと第13戦シャーロットは得意なコースだし、更なる勝利を狙っていく」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 1 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 147
2 16 20 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 147
3 6 2 エリオット・サドラー シボレー 147
5 7 66 スティーブ・ウォレス トヨタ カムリ 147
11 19 9 ケニー・ウォレス トヨタ カムリ 147
12 20 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 146
25 14 99 ライアン・トゥルークス トヨタ カムリ 132
29 15 11 ブライアン・スコット トヨタ カムリ 94
31 18 62 マイケル・アネット トヨタ カムリ 89
40 41 72 ジョン・ジャクソン トヨタ カムリ 8
観客数(主催者発表):21,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ジャスティン・アルゲイヤー シボレー 346
2 エリオット・サドラー シボレー 341
3 ジェイソン・リフラー シボレー 331
7 ケニー・ウォレス トヨタ 280
8 ブライアン・スコット トヨタ 272
10 スティーブ・ウォレス トヨタ 254
13 マイケル・アネット トヨタ 225
17 ライアン・トゥルークス トヨタ 189
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 72
2 シボレー 55
3 フォード 52
4 ダッジ 41