2011年5月30日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第12戦 Coca-Cola 600

開催日:5月29日

最後の大波乱を切り抜けジョーイ・ロガーノが3位フィニッシュ

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ケイシー・カーン(#4:左)は最後の再スタートで
首位につけていたが、無念の燃料切れで22位に終わる

 5月29日(日)、米国東南部ノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第12戦「Coca-Cola 600」が開催された。
 NASCARのチームや関連企業が多くの本拠を持つシャーロットはNASCARの聖地の一つでもある。ここシャーロットで開催される今レースは、シリーズ最長となる600マイルで争われる。

 26日(木)練習走行に続き、午後7時10分から予選が行われ、デニー・ハムリンが4番手、デイビッド・ロイティマンが7番手につけ、12台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 29日(日)14万5千人もの観客が見守る中、午後6時20分に1.5マイルオーバルを400周(600マイル:約965km)して競われる長い決勝レースのスタートが切られた。
 序盤戦はハムリンが好走。常にトップ5圏内を走行し、81周目、この日初めてのイエローコーションからの再スタートが切られてまもなく首位を奪い、その後も上位争いを展開した。
 一方、21番手からスタートを切ったKy.ブッシュは、この日ハンドリングの不調に苦しみながらも徐々に順位を上げ、245周目についに首位浮上。55周にわたって首位を走行した。
 300周目前後には、スピンやクラッシュによるイエローコーションが連発し、ピット戦略の違いで順位がめまぐるしく入れ替わる展開に。このイエローコーションの間に、ハムリンは不調のキャブレターを交換。大作業にもかかわらず、ピットの素晴らしい作業で周回遅れになることなく、27位でコースに復帰。
 20位まで順位を落としていたKy.ブッシュは、318周目にスピンを喫し、ストレート内側の芝生部分にコースオフ。なんとか周回遅れになることなく、22位でレースは続行したが、343周目にウォールにヒットし、無念のリタイアとなってしまった。
 代わって、頻発したイエローコーションの間に、上手いピット戦略を採り、上位に浮上したケイシー・カーンが320周目に首位に浮上。大きく順位を落としていたハムリンも素晴らしい追い上げを見せ、終盤には上位争いに復帰した。
 349周目に再スタートが切られてからはイエローコーションが出ず、終盤は各車最後まで走り切れるかギリギリの燃費合戦となった。次々と給油のためにピットインし上位争いから脱落していく中で、カーンとハムリンは燃料をセーブし走行を継続。同じく燃料セーブしペースを落とす首位のグレッグ・ビッフル(フォード)をカーンが追い詰め、ほぼ並びかけた396周目、ジミー・ジョンソン(シボレー)がエンジンブロー。この日14度目のイエローコーションとなった。
 コーション下のフォーメーションラップは4周に及び、この間に首位のビッフルはピットイン。カーンが首位、ハムリンが3位で残り2周"グリーン・ホワイト・チェッカー"での再スタートとなった。
 しかし、再スタートが切られた瞬間にカーンは痛恨の燃料切れ。首位がスローダウンしたため、後続は大混乱。スピン、クラッシュの車両も発生したが、イエローコーションは出されず、ハムリンは2位浮上。首位のデイル・アーンハート・Jr.(シボレー)を追ったが、チェッカーを目の前にしたファイナルラップの最終コーナーで、アーンハート・Jr.、ハムリン共に痛恨の燃料切れ。スローダウンを余儀なくされ、ハムリンは10位フィニッシュとなった。
 終盤は20位前後を走行し、15位での再スタートを切ったジョーイ・ロガーノがこの混乱を上手く切り抜け、"トヨタ カムリ"勢最上位となる3位でチェッカー。ロガーノは自身にとっても今季初のトップ5フィニッシュを飾ることとなった。
 序盤好走を見せながら、やはり終盤は20位前後に後退していたロイティマンも最後にジャンプアップし9位。ハムリンは10位に終わったが、ドライバーズランキングでは一つポジションを上げ、"チェイス"圏内の12位へと浮上した。

 次戦第13戦は6月5日(日)、米国中西部カンザス州カンザスシティのカンザス・スピードウェイで行われる。

ドライバー ジョーイ・ロガーノ:
「今季はなかなか結果が出せずにいただけに、今日の結果は嬉しい。次戦以降もこの勢いを活かせることを願っている。長いレースではチームクルーもドライバーも決して諦めず、集中力と冷静さを保つことが重要だ。今日のレースで我々は2度にわたって周回遅れになったが、最終的に3位という結果を勝ち取ることが出来た。今後も着実にレースを戦っていく」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 28 29 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 402
2 8 6 デイビッド・レーガン フォード 402
3 23 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 402
9 7 0 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 402
10 4 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 402
18 18 83 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 402
22 17 4 ケイシー・カーン トヨタ カムリ 401
23 37 13 ケイシー・メアーズ トヨタ カムリ 401
24 27 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 400
26 14 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 397
32 21 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 344
39 33 66 マイケル・マクドウェル トヨタ カムリ 40
41 36 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 28
43 43 60 マイク・スキナー トヨタ カムリ 6
観客数(主催者発表):145,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 カール・エドワーズ フォード 445
2 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 409
3 ジミー・ジョンソン シボレー 408
5 カイル・ブッシュ トヨタ 392
12 デニー・ハムリン トヨタ 339
19 ケイシー・カーン トヨタ 309
21 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 300
23 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 279
24 デイビッド・ロイティマン トヨタ 279
27 ボビー・ラボンテ トヨタ 271
28 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 264
32 ケイシー・メアーズ トヨタ 190
40 マイケル・マクドウェル トヨタ 37
41 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 20
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 83
2 フォード 77
3 トヨタ 64
4 ダッジ 40

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第13戦 Top Gear 300

開催日:5月28日

カイル・ブッシュが首位を争い3位フィニッシュ
シリーズデビュー戦のキミ・ライコネンは27位に終わる

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カイル・ブッシュ(#18)はレースを通して首位争いを展開したが、惜しくも3位に終わった

 5月28日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第13戦「Top Gear 300」がシャーロット・モーター・スピードウェイで開催された。

 28日(土)決勝を前に午前10時10分から予選が行われ、カイル・ブッシュが2列目4番手。チームメイトのジョーイ・ロガーノが11番手、ブライアン・スコットが12番手。前週のキャンピング・ワールド・トラック・シリーズに続いてのNASCAR挑戦で注目を集める元F1世界チャンピオンのキミ・ライコネンは"トヨタ カムリ"を駆り22番手につけ、10台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 午後2時48分に1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。スタート直後は若干順位を落としたKy.ブッシュだったが、25周目にコンペティション・コーション(予定されていたコーション)が出されると、ピットで調整を施し、追い上げを開始。40周目には3位、42周目には2位に浮上し、首位を逃げるケヴィン・ハーヴィック(シボレー)との激しい首位争いを展開した。
 60周目にKy.ブッシュはついにハーヴィックをアウトサイドからパスし、この日初めて首位を奪取。2位以下との差を広げていった。
 一方、22番手からスタートを切ったライコネンは、70周目過ぎから連続で発生したイエローコーションからの再スタートでポジションアップ。99周目には壁に軽く接触することもあったが、15位前後まで順位を上げ、バトルを展開。
 複数回のイエローコーションでも、首位を維持していたKy.ブッシュだったが、レースが折り返した100周目前後から、調子を上げてきたフォード勢の追い上げを受け、惜しくも先行を許してしまった。
 その後はイエローコーションが出ず、130周目前後から各車グリーン下でピットイン。マイケル・アネットが最後までピットインを粘り、145周目に首位に立った直後にピットへ向かうと、Ky.ブッシュは3位に復帰。しかし、ライコネンはピットロードでのスピード違反ペナルティを科され、3周遅れの29位へと大きく後退してしまった。
 148周目にこの日5度目のイエローコーションが出されると、首位につけていたマット・ケンゼス(フォード)はピットへ向かったが、2位のカール・エドワーズ(フォード)、3位のKy.ブッシュを含む4台がコース上に残り、Ky.ブッシュは2位で再スタート。エドワーズとのサイド・バイ・サイドでの首位争いを展開したが、エドワースの前に出るには至らず。
 158周目には追い上げてきたケンゼスの先行も許し、3位で終盤戦は前を行く2台を追ったが、惜しくも届かず、3位でチェッカーを受けた。7位にスティーブ・ウォレス、8位にブライアン・スコットが入った。キミ・ライコネンは27位に終わった。

 次戦第14戦は6月4日(土)、米国中部イリノイ州ジョリエットのシカゴランド・スピードウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「我々にとっては良いレースだった。我々の"トヨタ カムリ"はレース中盤までは本当に絶好調だった。残念ながら、最後は若干速さが足りなかった。大きな調整の変更はなかったし、実際バランスは良くなっていた。しかし、ラウシュの2台(カール・エドワーズとマット・ケンゼス)を破るだけの速さはなかった。しかし、チームの素晴らしい仕事には感謝している。3位という結果を得られて、オーナーポイントも稼ぐことができ、良い一日だった」

ドライバー キミ・ライコネン:
「序盤は調子が良く、再スタートではオーバーテイクも可能だった。しかし、途中からハンドリングが悪化し、アンダーステア症状のためにほとんどコーナーでは停まらなくてはならないような状況になってしまった。練習走行でも同じ状況になり、その後それは改善されたのだが、何かが上手く行かなかった。中盤の再スタートでの調子は本当に良かったので、あの好調が維持できていれば上位でフィニッシュできたと思う」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 3 16 マット・ケンゼス フォード 200
2 5 60 カール・エドワーズ フォード 200
3 4 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 200
7 16 66 スティーブ・ウォレス トヨタ カムリ 200
8 12 11 ブライアン・スコット トヨタ カムリ 200
11 11 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 199
14 18 62 マイケル・アネット トヨタ カムリ 199
15 14 99 コール・ウィット トヨタ カムリ 199
20 21 9 ケニー・ウォレス トヨタ カムリ 198
27 22 87 キミ・ライコネン トヨタ カムリ 196
29 19 97 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 194
37 31 72 ジョン・ジャクソン トヨタ カムリ 41
観客数(主催者発表):45,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 エリオット・サドラー シボレー 452
2 リッキー・ステンハウス・Jr. フォード 451
3 リード・ソレンソン シボレー 450
7 ケニー・ウォレス トヨタ 379
8 スティーブ・ウォレス トヨタ 352
9 ブライアン・スコット トヨタ 339
11 マイケル・アネット トヨタ 311
18 ライアン・トゥルークス トヨタ 225
42 ドリュー・ヘリング トヨタ 33
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 87
2 フォード 79
3 シボレー 67
4 ダッジ 53