2011年6月 6日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第13戦 STP 400

開催日:6月5日

燃費レースを走り抜きデニー・ハムリンが3位

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好戦略で終盤の燃費戦を戦い3位でフィニッシュしたデニー・ハムリン(#11)

 6月5日(日)、米国中西部カンザス州カンザスシティのカンザス・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第13戦「STP 400」が開催された。
 カンザスでのレースは、昨年までは年一回、秋に"チェイス"の中の一戦として開催されてきたが、今季は年2回の開催。これまでカンザスでは"トヨタ カムリ"は苦戦を強いられており、2009年のデニー・ハムリンによる5位入賞が最高位となっている。秋の"チェイス"戦へ向けてのデータ収集としても重要な一戦となった。

 4日(土)併催されるキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ戦の予選と決勝の合間を縫って、午前11時10分よりスプリント・カップ・シリーズ戦の予選が行われた。
 カイル・ブッシュが2列目3番手。ブライアン・ヴィッカーズが4番手、ジョーイ・ロガーノが5番手と続き、マーティン・トゥルークス・Jr.が8番手を確保。12台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 午後12時18分、1.5マイルオーバルを267周(400.5マイル:約640km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
 3番手からスタートしたKy.ブッシュは、2周目にポールポジションの実兄カート・ブッシュ(ダッジ)と元F1ドライバーのファン・モントーヤ(シボレー)をかわし、首位を奪取。後方では6番手スタートのロガーノが、4番手スタートのヴィッカーズとスリーワイドでのバトルを展開した。
 40周目前後から各車グリーン下で最初のピット作業を開始。15番手スタートから中団グループの渋滞に苦戦していたデニー・ハムリンは、このピットでの調整が奏効し、ハイペースでポジションアップ。113周目、この日2度目のイエローコーションでは、好ピット作業にも助けられ3位で再スタート。117周目にはチームメイトのKy.ブッシュをかわし首位に立った。
 その後も首位を走行したハムリンだったが、中盤からハンドリングの不調に見舞われ、これを改善すべく161周目のイエローコーションでピットイン。ライバルは直前のイエローコーションでピット作業を終えていたためコース上に残り、上位勢では唯一ピットインし調整と給油を行ったハムリンは21位まで後退を余儀なくされてしまった。
 しかし、その後は全くイエローコーションが出ず、200周目前後からグリーン下で給油のためのピット作業がスタート。このコースでは燃料をフルに入れて通常50周強の走行が可能なため、全267周のレースでは、もう一度の給油が必要となる。しかし、ダメージ修復のためにライバルよりも遅いピットを行っていたハムリンは、215周目までピット作業を引っ張り、その1回のピットのみで最後まで走り抜く戦略を採った。
 ピット作業を終え、20位前後まで順位を落としたハムリンだったが、残り20周を切ると、イエローコーションを期待して粘っていた各車も給油のため次々に脱落。4位までポジションを上げたヴィッカーズも残り16周でピットへ。
 厳しい燃費勝負を最後まで走りきったハムリンは、3位でチェッカー。自身のカップ・シリーズ出走通算200戦目をトップ3フィニッシュで飾った。
 シーズンの前半戦苦戦を強いられたハムリンは、ここ5戦中4戦でトップ10フィニッシュと調子を上げてきており、シーズンの最後10戦で争われる"チェイス"へ向けた26戦のうち半分が終了した時点でランキングでも11位へ浮上し、"チェイス"圏内を射程に捕らえた。
 車両バランスに苦しみながらもレースを通してトップ10圏内での走行を続けたKy.ブッシュは12位でフィニッシュし、ランキング5位はキープ。ケイシー・カーンが14位に入り、ランキングも18位へと一つ順位を上げた。

 次戦第14戦は6月12日(日)、米国東部ペンシルバニア州ロングポンドのポコノ・レースウェイで行われる。

ドライバー デニー・ハムリン:
「チームを誇りに思う。レース序盤は好調だったが、中盤に進むにつれ、車両前部の何かがおかしくなったのだと思うが、アンダーステア症状が酷くなっていった。そのため、これを調整し、燃料の戦略も考えてピットインを決断した。その作戦が非常に上手く行った。チームにはいくら感謝しても足りない。我々はシーズン序盤、苦戦を強いられてきたが、ここ数週間のクルーの成長もあり、着実にポジションを戻してきている。我々は滑りやすいコースを比較的得意としており、これから夏に向けて、さらに暑いコースでのレースが続くことで勢いに乗れると思う。特に来週のポコノは得意なコースであり、楽しみにしている」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 25 2 ブラッド・ケゼロウスキー ダッジ 267
2 28 88 デイル・アーンハート・Jr. シボレー 267
3 15 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 267
12 3 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 267
14 17 4 ケイシー・カーン トヨタ カムリ 267
16 4 83 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 267
20 8 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 266
22 23 0 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 266
23 5 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 266
28 20 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 266
37 33 13 ケイシー・メアーズ トヨタ カムリ 100
40 43 60 マイク・スキナー トヨタ カムリ 34
41 37 66 マイケル・マクドウェル トヨタ カムリ 33
43 34 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 19
観客数(主催者発表):80,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 カール・エドワーズ フォード 485
2 ジミー・ジョンソン シボレー 445
3 デイル・アーンハート・Jr. シボレー 444
5 カイル・ブッシュ トヨタ 425
11 デニー・ハムリン トヨタ 381
18 ケイシー・カーン トヨタ 339
22 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 324
23 デイビッド・ロイティマン トヨタ 301
25 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 300
26 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 292
28 ボビー・ラボンテ トヨタ 287
32 ケイシー・メアーズ トヨタ 198
40 マイケル・マクドウェル トヨタ 40
42 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 20
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 89
2 フォード 80
3 トヨタ 68
4 ダッジ 49

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第14戦 STP 300

開催日:6月4日

3台の"トヨタ カムリ"がトップ10フィニッシュ

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"トヨタ カムリ"最上位の7位でフィニッシュしたケニー・ウォレス(#09)

 6月4日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第14戦「STP 300」が米国中部イリノイ州ジョリエットのシカゴランド・スピードウェイで開催された。
 この週末はスプリント・カップ・シリーズとキャンピング・ワールド・トラック・シリーズがカンザスで開催されており、シリーズレギュラーとスポット参戦をメインとしたドライバーラインナップでレースが行われた。

 3日(金)に2回に渡って練習走行が行われ、予選は4日(土)の午後3時35分から行われたが、17台目まで出走したところで、激しい雨に見舞われたために中断。そのまま予選はキャンセルとなり、規定に則り前日の練習走行のタイムによってグリッドが決定。
 ブライアン・スコットが8番手、ライアン・トゥルークスが9番手、スティーブ・ウォレスが10番手となり、7台の"トヨタ カムリ"が決勝へ進んだ。

 予選はキャンセルとなったがその後雨は止み、午後7時18分に1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。
 スタート直後は大きな順位変動はなかったが、26周目にコンペティション・コーション(予定されたコーション)が出され、全車ピットへ向かうと、17番手スタートだったケリー・バイアスがタイヤ2本交換作戦を採りジャンプアップ、2位で再スタート。31周目に一旦首位には立つが、タイヤが厳しくなり徐々に後退してしまった。
 その後はスコットがトップ10圏内を維持。62周目に2度目のイエローコーションが出された後はなかなかコーションが出ず、各車110周目過ぎからグリーン下でのピット開始。
 その直後にイエローコーションが出たが上位勢はピットインせず、139周目に出されたこの日4度目のイエローコーションでピットへ。残り60周弱という周回数は、燃料をフルに入れてもギリギリの距離であり、各車イエローコーションを期待しながらの、燃費勝負の終盤戦となった。
 144周目、マイケル・アネットが5位、スコットが7位で再スタート。アネットは順位を落とし、スコットがトップ5圏内へと浮上。前を行くライバルが燃料切れとタイヤパンクにより脱落し、194周目には3位へ浮上したが、198周目に痛恨の燃料切れ。ピットで"スプラッシュ・アンド・ゴー"と呼ばれる短い給油を行ったが大きく後退。
 最後はトップを争っていた2台もチェッカー目前で燃料切れになりながら、惰性でチェッカーを受けるという劇的な幕切れとなったが、トヨタ勢はこの争いに加われず、ベテランのケニー・ウォレスが最上位7位フィニッシュ。バイアスが8位、アネットが9位。スコットは17位に終わった。

 次戦第15戦は6月18日(土)、米国北東部ミシガン州ブルックリンのミシガン・インターナショナル・スピードウェイで行われる。

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 13 31 ジャスティン・アルゲイヤー シボレー 200
2 4 60 カール・エドワーズ フォード 200
3 31 16 トレヴァー・バイン フォード 200
7 15 9 ケニー・ウォレス トヨタ カムリ 200
8 17 18 ケリー・バイアス トヨタ カムリ 200
9 11 62 マイケル・アネット トヨタ カムリ 200
12 10 66 スティーブ・ウォレス トヨタ カムリ 199
17 8 11 ブライアン・スコット トヨタ カムリ 199
20 9 99 ライアン・トゥルークス トヨタ カムリ 198
21 29 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 198
観客数(主催者発表):28,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 リード・ソレンソン シボレー 488
2 エリオット・サドラー シボレー 486
3 リッキー・ステンハウス・Jr. フォード 482
7 ケニー・ウォレス トヨタ 417
8 スティーブ・ウォレス トヨタ 385
9 ブライアン・スコット トヨタ 366
10 マイケル・アネット トヨタ 346
17 ライアン・トゥルークス トヨタ 249
44 ドリュー・ヘリング トヨタ 33
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 91
2 フォード 85
3 シボレー 76
4 ダッジ 56

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第8戦 O'Reilly Auto Parts 250

開催日:6月4日

トッド・ボダインが復活の3位
"トヨタ タンドラ"4台がトップ10フィニッシュ

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今季2度目の3位フィニッシュを果たしたトッド・ボダイン(#30)と
後半追い上げ6位に入ったカイル・ブッシュ(#18)

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第8戦「O'Reilly Auto Parts 250」が6月4日(土)にカンザス・スピードウェイで開催された。
 今大会は、NASCARのトラック・シリーズが1995年に初開催されて以来、記念すべき400戦目のレースとなる。トヨタは2004年から"トヨタ タンドラ"で同シリーズに参戦を続けている。

 4日(土)決勝を前に、午前9時40分から予選が行われ、練習走行でトップタイムをマークしたトッド・ボダインが10番手。カイル・ブッシュが11番手、ティモシー・ペターズが12につけ、12台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。

 スプリント・カップ・シリーズの予選を経て、午後1時21分、1.5マイルオーバルを167周(250.5マイル:約400km)して競われる、キャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第8戦の決勝レースがスタートした。
 11番手スタートのKy.ブッシュは序盤から順調にポジションを上げ、20周目、最初のイエローコーションからの再スタートでは3位に浮上。10番手スタートのボダインもまもなく4位に浮上しKy.ブッシュに続いた。
 しかし、上位の12台はこの最初のコーションでピットインしておらず、50周目あたりから上位勢はグリーン下でのピットを強いられることに。最初のコーションで給油を行っていたグループが上位に浮上し、55周目にジャスティン・ロフトンが首位、ミゲル・パルド、トラヴィス・クヴァピルが続く形となった。
 62周目のイエローコーションを皮切りに、連続して3度のコーションが発生。再び順位は入れ替わり、ボダインが3位に復帰。一方Ky.ブッシュはピットでの調整のために25位まで後退を余儀なくされてしまった。
 その後もボダインはトップ争いを展開。再スタート後の103周目と119周目には首位に立つ走りを見せたが、この日速さで勝ったシボレー勢の先行を許してしまった。
 それでも諦めずにライバルを追ったボダインは、終盤も2位ジョニー・ソーター(シボレー)とのテール・トゥ・ノーズでのバトルを繰り広げ、ファイナルラップには第3ターンでインに並びかけるまでには至ったが、惜しくも逆転はならず。3位でチェッカーを受けた。
 一時は首位と同一周回の最後尾近くまで後退していたKy.ブッシュもめざましい追い上げを見せ、最後は5位争いを展開したが及ばず、6位でフィニッシュ。ブレンダン・ゴーアンが7位、クヴァピルが10位に入り、"トヨタ タンドラ"は4台がトップ10フィニッシュを果たした。
 昨年のシリーズチャンピオンながら、今季の序盤、苦戦を強いられているボダインだったが、今大会はレースを通して首位争いを展開。第3戦ダーリントン以来、今季2度目のトップ5フィニッシュを果たし、ドライバーズランキングでも9位に浮上。今レースではハンドリングに苦しんだペターズも14位でフィニッシュし、ランキング5位へと一つ順位を上げた。

 次戦第9戦は6月10日(金)に米国南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイで開催される。

ドライバー トッド・ボダイン:
「今回は新車の"トヨタ タンドラ"を持ち込んだ。この新しい車両は素晴らしい仕上がりで、速かった。しかし、熱対策や細かい点など、まだまだやることはある。我々には素晴らしい"トヨタ タンドラ"があり、チームも毎週良い仕事をしてくれたが、スランプに陥っていた。我々は勝利を渇望している。それは確かだが、今日はクリント(ボウヤー)とジョニー(ソーター)を破るまでには至らなかった。最後は、あと10周か15周あれば捕まえることができたかも知れないが。それでも今日は素晴らしい一日だった」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 2 2 クリント・ボウヤー シボレー 167
2 3 13 ジョニー・ソーター シボレー 167
3 10 30 トッド・ボダイン トヨタ タンドラ 167
6 11 18 カイル・ブッシュ トヨタ タンドラ 167
7 24 62 ブレンダン・ゴーアン トヨタ タンドラ 167
10 19 5 トラヴィス・クヴァピル トヨタ タンドラ 167
13 15 7 ミゲル・パルド トヨタ タンドラ 167
14 12 17 ティモシー・ペターズ トヨタ タンドラ 167
16 22 81 デイビッド・スター トヨタ タンドラ 167
19 18 77 ジャスティン・ロフトン トヨタ タンドラ 167
22 20 9 マックス・パピス トヨタ タンドラ 167
23 25 46 クレイグ・ゴース トヨタ タンドラ 167
24 21 20 ジョハンナ・ロング トヨタ タンドラ 166
36 28 7 スコット・リグス トヨタ タンドラ 4
観客数(主催者発表):40,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ジョニー・ソーター シボレー 302
2 コール・ウィット シボレー 290
3 オースティン・ディロン シボレー 272
5 ティモシー・ペターズ トヨタ 255
9 トッド・ボダイン トヨタ 224
10 ブレンダン・ゴーアン トヨタ 215
12 マックス・パピス トヨタ 214
14 デイビッド・スター トヨタ 206
20 クレイグ・ゴース トヨタ 192
21 ジャスティン・ロフトン トヨタ 187
22 トラヴィス・クヴァピル トヨタ 186
23 ミゲル・パルド トヨタ 183
25 ジョハンナ・ロング トヨタ 154
29 ジャスティン・ジョンソン トヨタ 88
31 ダスティ・デイヴィス トヨタ 60
39 マイク・スキナー トヨタ 20
41 テイラー・マルサム トヨタ 15
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 66
2 シボレー 54
3 ダッジ 31
4 フォード 25