2011年6月13日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第14戦 5-Hour Energy 500

開催日:6月12日

カイル・ブッシュが着実に3位フィニッシュ
デニー・ハムリンは無念のトラブルで3年連続勝利ならず

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3位フィニッシュを果たしたカイル・ブッシュ(#18)

 6月12日(日)、米国東部ペンシルバニア州ロングポンドのポコノ・レースウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第14戦「5-Hour Energy 500」が開催された。
 3本のストレートを3つのコーナーで繋ぐ、独特の三角形に近い形状の2.5マイルオーバルは、"トリッキー・トライアングル"の愛称を持ち、スプリント・カップ・シリーズ戦は年に2回開催されている。
 このコースは、デニー・ハムリンが得意としており、これまでに通算4勝。6月の大会は2009年、2010年と連覇しており、3年連続勝利に期待がかかった。

 11日(土)午前11時10分から予選が行われ、ハムリンが2列目4番手を確保。デイビッド・ロイティマンが9番手につけ、12台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 12日(日)午後1時19分に、2.5マイルトライオーバルを200周(500マイル:約800km)して競われる決勝レースがスタート。
 2列目4番手グリッドのハムリンは、好スタートで2位に上がると、2周目には早くも首位を奪取。みるみるうちに2位以下との差を広げていった。
 一方、昨年の春大会でハムリンに次ぐ2位に入り、1-2フィニッシュの一角を担ったカイル・ブッシュは、34番手と後方スタートを強いられ、序盤は中団グループでのバトルを繰り広げていたが、徐々にポジションを上げ、60周目過ぎにはトップ10圏内まで浮上。トップを快走するハムリン、トップ10圏内での走行を続けるケイシー・カーンと共に上位争いに加わった。
 19周目のイエローコーション以来なかなかコーションが出されず、2度にわたってグリーン下でのピット作業。ハムリンは2位以下に大差をつけていたが、77周目、2度目のグリーンピットの際に作業トラブルがあり、2位に後退。しかし、その後も首位争いにはとどまり、逆転のチャンスを待った。
 161周目、3位を走行していたハムリンが、突然のパンクに見舞われスローダウン。ピットへ戻りタイヤを交換したが、ダメージはブレーキ周りにも及んでおり、大きく後退を余儀なくされてしまった。
 無念の後退となったハムリンにかわり、チームメイトのKy.ブッシュがトップ5圏内でのバトルを展開。ポコノでの初勝利を狙ったが、惜しくも届かず、3位でフィニッシュ。
 やはり31番手と後方のスタートから前半戦はハンドリングに苦しんだマーティン・トゥルークス・Jr.が、後半着実にポジションを上げ10位でチェッカーを受けた。

 次戦第15戦は6月19日(日)、米国北東部ミシガン州ブルックリンのミシガン・インターナショナル・スピードウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「我々にとって本当に良い一日だった。序盤は若干不安定だったが、全力で問題を克服し、着実に3位という結果を得た。好調な"トヨタ カムリ"と良いセットアップ、そしてクルーによるピットロードでの素晴らしい作業でポジションを上げることができた。今日の3位はチームの力で得た結果だ」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 3 24 ジェフ・ゴードン シボレー 200
2 1 22 カート・ブッシュ ダッジ 200
3 34 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 200
10 31 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 200
11 19 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 200
12 17 4 ケイシー・カーン トヨタ カムリ 200
13 9 0 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 200
19 4 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 200
22 23 83 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 200
28 18 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 199
30 35 13 ケイシー・メアーズ トヨタ カムリ 198
39 43 50 T.J.ベル トヨタ カムリ 33
40 29 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 29
41 36 66 マイケル・マクドウェル トヨタ カムリ 29
観客数(主催者発表):90,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 カール・エドワーズ フォード 492
2 ジミー・ジョンソン シボレー 486
3 デイル・アーンハート・Jr. シボレー 482
5 カイル・ブッシュ トヨタ 467
12 デニー・ハムリン トヨタ 408
17 ケイシー・カーン トヨタ 371
20 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 358
23 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 333
24 デイビッド・ロイティマン トヨタ 332
26 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 314
28 ボビー・ラボンテ トヨタ 303
32 ケイシー・メアーズ トヨタ 212
39 マイケル・マクドウェル トヨタ 44
42 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 20
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 98
2 フォード 83
3 トヨタ 72
4 ダッジ 55

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第9戦 WinStar World Casino 400k

開催日:6月10日

3台の"トヨタ タンドラ"がトップ10フィニッシュ

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今季初レースで4位フィニッシュを果たしたブライアン・イックラー(#18)

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第9戦「WinStar World Casino 400k」が6月10日(金)に米国南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイで開催された。
 今大会はテキサスでインディカー・レースとの併催で行われた。この週末、他のNASCARレースはスプリント・カップ・シリーズが遠く離れたポコノで行われているため、カップ・レギュラードライバーの参戦はなく、トラック・シリーズのレギュラードライバーや若きスポット参戦ドライバーによるレースとなった。
 トヨタ勢では、レギュラードライバーに加え、カイル・ブッシュ・モータースポーツの18号車をブライアン・イックラーがドライブ。イックラーは今季初のトラックレース参戦となる。このテキサスはディフェンディングチャンピオンのトッド・ボダインが得意としており、6月の大会では2009年、2010年と連勝。通算6勝を挙げている。

 9日(木)午前11時から2度にわたって練習走行が行われた後、午後6時から予選開始。イックラーが7番手、ボダインが8番手で続き、12台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。

 10日(金)午後8時25分に1.5マイルのハイバンクオーバルを167周(250.5マイル:約400km)して競われる決勝レースがスタート。序盤から3ワイド、4ワイドでのバトルが各所で展開された。
 イックラーとボダインは順位を上げ、5位争いを展開していたが、52周目にサイド・バイ・サイドでの激しいバトルの末に接触、スピン。共に大きく順位を落とし、壁にヒットしたイックラーは修復のために周回遅れとなってしまった。
 しかし、この日好調だったイックラーは、60周目に出されたイエローコーションで"ラッキー・ドッグ"(イエローコーション発生時に周回遅れの最上位が首位と同一周回へと復帰できる措置)を獲得。さらに上位へとポジションを戻していった。
 追い上げをはかったボダインは、67周目にデイビッド・スターと接触し壁に激しくクラッシュ。2台共に無念のリタイア。
 この連続したイエローコーションで、ピットタイミングをずらしたルーキーのミゲル・パルドが73周目に首位に浮上。レースが折り返しとなる83周目に首位の座は譲ったものの、トップ10圏内での上位争いを続けた。
 一方イックラーも快調な走りでポジションアップ。99周目には10位、110周目には5位まで浮上。
 レースは終盤、コース記録となる10度目のイエローコーションが出され、1周延長されて"グリーン・ホワイト・チェッカー"で決されることに。イックラーが6位、パルド10位、19歳の女性ルーキードライバー、ジョハンナ・ロングが11位、トラヴィス・クヴァピルが12位、ジャスティン・ロフトンが13位でトップ10フィニッシュを狙いながらの再スタートとなった。
 この最後の2周スプリント、イックラーは激しいバトルで2つ順位を上げ4位、パルドが8位でフィニッシュ。
 その後方ではチェッカーを目前にした最終コーナーの立ち上がりでロフトンとクヴァピルが接触。ロフトンはそのまま走り抜き10位でチェッカーを受けたが、クヴァピルはバランスを崩しイン側のダートエリアへ。コントロールを失ったままコースへと戻っていったクヴァピルは、スタート/フィニッシュライン付近でロングの車両に激しくクラッシュ。2台はクラッシュしながら、ロングが11位、クヴァピルが12位でチェッカーを受けるという大波乱のフィニッシュとなった。ドライバーは共に無事であった。

 次戦第10戦は7月7日(木)に米国中東部ケンタッキー州スパルタのケンタッキー・スピードウェイで開催される。

ドライバー ブライアン・イックラー:
「この週末、我々の"トヨタ タンドラ"は本当に好調だった。トッド(ボダイン)とちょっと接触したときにスピンを喫し、タイヤ4本共にフラットスポットを作ってしまった。このため、ピットインせざるを得ず、周回遅れになってしまった。しかし、我々の"トヨタ タンドラ"は本当に速かったので上位へと復帰することができた。この機会を与えてくれたカイル(ブッシュ)とサマンサ(ブッシュ:カイルの妻)に感謝している。アイオワ(スピードウェイ:第11戦)でも"トヨタ タンドラ"をドライブすることができるので、とても楽しみにしている」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 13 33 ロン・ホーナディ シボレー 168
2 6 29 パーカー・クリガーマン ダッジ 168
3 16 2 デイビッド・メイヒュー シボレー 168
4 7 18 ブライアン・イックラー トヨタ タンドラ 168
8 22 7 ミゲル・パルド トヨタ タンドラ 168
10 25 77 ジャスティン・ロフトン トヨタ タンドラ 168
11 18 20 ジョハンナ・ロング トヨタ タンドラ 168
12 17 5 トラヴィス・クヴァピル トヨタ タンドラ 168
14 28 62 ブレンダン・ゴーアン トヨタ タンドラ 168
15 21 9 マックス・パピス トヨタ タンドラ 168
18 24 46 クレイグ・ゴース トヨタ タンドラ 168
20 23 17 ティモシー・ペターズ トヨタ タンドラ 168
30 12 81 デイビッド・スター トヨタ タンドラ 66
31 8 30 トッド・ボダイン トヨタ タンドラ 66
33 30 7 ジョニー・チャップマン トヨタ タンドラ 9
観客数(主催者発表):40,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ジョニー・ソーター シボレー 326
2 コール・ウィット シボレー 306
3 ロン・ホーナディ シボレー 293
6 ティモシー・ペターズ トヨタ 280
10 ブレンダン・ゴーアン トヨタ 245
11 マックス・パピス トヨタ 243
13 トッド・ボダイン トヨタ 237
18 ジャスティン・ロフトン トヨタ 221
19 ミゲル・パルド トヨタ 220
20 デイビッド・スター トヨタ 220
21 クレイグ・ゴース トヨタ 218
22 トラヴィス・クヴァピル トヨタ 218
25 ジョハンナ・ロング トヨタ 187
29 ジャスティン・ジョンソン トヨタ 88
32 ダスティ・デイヴィス トヨタ 60
40 マイク・スキナー トヨタ 20
42 テイラー・マルサム トヨタ 15
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 70
2 シボレー 63
3 ダッジ 37
4 フォード 28