2011年6月27日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第16戦 Toyota/Save Mart 350

開催日:6月26日

激しいロードコースバトルでジョーイ・ロガーノが6位

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乱戦を走り抜き6位でフィニッシュしたジョーイ・ロガーノ(#20)

 6月26日(日)、米国西部カリフォルニア州ソノマのロードコース、インフィニオン・レースウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第16戦「Toyota/Save Mart 350」が開催された。
 カリフォルニアワインの名産地として有名なソノマの丘陵地帯に位置する同コースでは、NASCARスプリント・カップ・シリーズで年に2回行われるロードコース戦の一つが開催される。アップダウンの激しい丘陵コースで、重いNASCAR車両による、車両をぶつけ合いながらの大迫力のロードコースバトルが展開された。

 24日(金)午後3時40分から予選が行われ、ジョーイ・ロガーノが今季初のポールポジションを獲得。自身にとってカップ・シリーズでのキャリア2度目、そしてロードコースでは初めてのポールポジション獲得であり、21歳1ヶ月のロガーノは、ロードコースでの最年少ポールポジション獲得記録を約50年ぶりに更新することとなった。
 前戦ミシガンで今季初勝利を挙げたデニー・ハムリンが2列目4番手、ケイシー・カーンが6番手、ブライアン・ヴィッカーズが10番手につけ、12台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 26日(日)午後12時21分、好天の下で1.99マイルのロードコースを110周(218.9マイル:約350km)して競われる決勝レースがスタートした。
 ポールポジションのロガーノはまずまずのスタートで序盤首位をキープしたが、ハムリンが順位を上げ7周目にロガーノをパス。ハンドリングに苦しむロガーノは、その後徐々に順位を落とすこととなってしまった。
 序盤はイエローコーションが出ず、上位を争っていたハムリン、カーンらは20周過ぎからグリーン下でピットイン。最後までピットインをせずに引っ張っていたケイシー・メアーズが33周目に燃料切れでストップ。このためイエローコーションとなった。
 このイエローコーション後は、ハムリンが首位、トゥルークス・Jr.が3位で再スタート。ハムリンはまもなくカート・ブッシュ(ダッジ)の先行を許すが、再逆転を狙い2位をキープ。
 38周目、18位を走行していたヴィッカーズがヘアピンで後ろから押される形でスピン。後続は大混乱となりこの日2度目のイエローコーション。
 42周目に2位、3位で再スタートを切ったハムリンとトゥルークス・Jr.は、サイド・バイ・サイドでの2位争いを繰り広げていたが、ヘアピンで接触し、スピンを喫したトゥルークス・Jr.は首位と同一周回の最後尾、37位まで順位を落としてしまった。
 接触により4位に後退したハムリンもサスペンションを破損。62周目にガレージへと向かい、長時間の修復を余儀なくされることとなってしまった。
 その後は再びイエローコーションが出ずにグリーン下で各車最後のピット作業へ。このピットを終えた時点で5位につけていたヴィッカーズは、ヘアピンで接触し、スピン。95周目には、上位争いに復帰していたカーンが元F1ドライバーのファン・モントーヤ(シボレー)とのバトルの末にコースオフ。20位以下まで落ちてしまった。
 一時ほぼ最後尾近くまで落ちていたトゥルークス・Jr.は、イエローコーションやピットのタイミングも活かして見事終盤にはトップ5圏内まで浮上。しかし、チェッカーまで5周となった時点でタイヤの摩耗が厳しくなり、それ以上の追い上げはならず。
 かわって、中盤はハンドリングに苦しみ後退したものの、最後のピットストップでの調整が効を奏したロガーノが一気に順位を上げ、6位でフィニッシュ。ロガーノにとってインフィニオンで初のトップ10フィニッシュを果たした。トゥルークス・Jr.も8位でチェッカー。
 レースを通して10位前後を走行しながら、残り10周を切ったところで前走車の接触によるアクシデントを避けきれずスピンを喫し、後退したKy.ブッシュはその後追い上げ、11位でチェッカーを受けた。接触でサスペンションを破損しガレージでの長い修復を余儀なくされたハムリンは、レースへは復帰したものの、11周遅れの37位に終わった。

 次戦第17戦は7月2日(土)、米国南東部フロリダ州デイトナビーチのデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われる。

ドライバー ジョーイ・ロガーノ:
「これまでのインフィニオンでの結果を考えれば、今日の結果には満足している。もう少し良い結果が出せるはずだと思っていたが、なにが悪かったのかはわからない。信じられないような激しいレースで、幸運にも数多くのクラッシュに巻き込まれずに済んだ。これまではスピンを喫してしまうことが多かったが、今日は良いレースを戦えた。今日の結果はシーズンを戦っていく上での良い兆候だし、今後に繋がっていくはずだ」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 11 22 カート・ブッシュ ダッジ 110
2 13 24 ジェフ・ゴードン シボレー 110
3 23 99 カール・エドワーズ フォード 110
6 1 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 110
8 14 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 110
11 19 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 110
20 6 4 ケイシー・カーン トヨタ カムリ 110
24 32 0 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 110
30 38 66 マイケル・マクドウェル トヨタ カムリ 110
34 27 13 ケイシー・メアーズ トヨタ カムリ 108
36 10 83 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 103
37 4 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 99
38 21 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 91
40 31 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 66
42 37 60 マイク・スキナー トヨタ カムリ 10
観客数(主催者発表):93,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 カール・エドワーズ フォード 573
2 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 548
3 ジミー・ジョンソン シボレー 540
5 カイル・ブッシュ トヨタ 536
11 デニー・ハムリン トヨタ 463
18 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 412
19 ケイシー・カーン トヨタ 411
23 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 398
25 デイビッド・ロイティマン トヨタ 361
26 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 356
29 ボビー・ラボンテ トヨタ 332
32 ケイシー・メアーズ トヨタ 229
38 マイケル・マクドウェル トヨタ 59
42 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 20
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 108
2 フォード 93
3 トヨタ 84
4 ダッジ 67

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第16戦 Bucyrus 200

開催日:6月25日

"トヨタ カムリ"大混乱のレースで首位を争うも7位に終わる

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"トヨタ カムリ"勢最上位の7位でフィニッシュしたマイケル・アネット(#62)

 6月25日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第16戦「Bucyrus 200」が米国北部ウィスコンシン州エルクハートレイクのロードコース、ロードアメリカで開催された。
 60年以上の歴史を持つロードアメリカでのNASCARレースは、昨年初めてネイションワイド・シリーズが開催。今季も同シリーズのみが行われる。14のコーナーを持つ1周4.048マイル(約6.5km)のコースは、同シリーズの開催される中で最長。
 この週末、スプリント・カップ・シリーズは遠く離れた西海岸のソノマで行われているため、ネイションワイド・シリーズのレギュラー勢及び、ロードコース・スペシャリストが多くを占めるレースとなった。久しぶりのNASCAR参戦となる、元F1ワールドチャンピオンのジャック・ヴィルヌーブ(ダッジ)の出場も注目を集めた。

 24日(金)に練習走行が行われ、25日(土)午後2時5分、決勝レースに先立って予選が行われた。今季は主にスプリント・カップ・シリーズに参戦しているマイケル・マクドウェルが今週末は両レースを掛け持ちし、ネイションワイド・シリーズにも出場。見事ポールポジションを獲得した。スティーブ・ウォレスが6番手、ジェイソン・ボウルズが10番手につけ、7台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 午後4時55分、1周4.048マイルのロードコースを50周(202.4マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。
 ポールポジションのマクドウェルが順調に首位を逃げ、これを追うヴィルヌーブらとの首位争いを展開。13番手スタートのブライアン・スコットもポジションを上げ、上位争いに加わった。
 残りが10周あまりとなった39周目にはスコットが首位に浮上。マクドウェルと、3位まで順位を上げたアネットが続き、"トヨタ カムリ"が1-2-3体制でのトップ争いとなった。
 最後まで走りきるには燃料が厳しい状況下で首位を争う"トヨタ カムリ"勢だったが、チェッカーを控えた47周目に他車のスピンによりイエローコーション。レースは延長され、"グリーン・ホワイト・チェッカー"で決されることとなった。
 マクドウェルが先頭、スコットが3番手での再スタートとなったが、ストレートでの加速中に、6位から前走車を抜こうとしたヴィルヌーブがコースオフ、バランスを崩したヴィルヌーブはスコットに追突。スコットは首位争いから脱落してしまった。
 2度目の"グリーン・ホワイト・チェッカー"も先頭でスタートしたマクドウェルだったが、長いストレートからの直角コーナーである第5コーナーで痛恨のコースアウト。上手く2位でコースに復帰したが、続く第6コーナーでもコースアウトを喫し、今度は復帰の際に後続と接触。多重クラッシュとなり、スティーブ・ウォレスが巻き込まれてしまった。
 規定によって最後となる3度目の"グリーン・ホワイト・チェッカー"では、ファイナルラップでコースアウト車両が出たためにイエローコーション。順位はその時点で確定となった。このイエローコーションラップ中に首位走行中の車両が燃料切れにより脱落するという、大波乱の幕切れとなったレースだったが、"トヨタ カムリ"勢は、アネットが最上位の7位フィニッシュとなった。レーズ最多の30周に渡って首位を走行したマクドウェルは12位に終わった。

 次戦第17戦は7月1日(金)、デイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われる。

ドライバー マイケル・アネット:
「自分自身、ロードコース向きのレーサーだとは思っていないが、今日はピット戦略が上手く行き、ハンドリングも良かったので、コース上での様々なアクシデントを回避することができた。クルーチーフの素晴らしい判断でポジションをアップでき、3度の"グリーン・ホワイト・チェッカー"による終盤の大混乱も我々に優位に働いた。今日の結果はチームのハードワークが報われたものであり、チームにトップ10フィニッシュを捧げることができ本当に嬉しい」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 12 32 リード・ソーレンソン シボレー 57
2 5 7 ロン・フェローズ シボレー 57
3 3 22 ジャック・ヴィルヌーブ ダッジ 57
7 22 62 マイケル・アネット トヨタ カムリ 57
12 1 18 マイケル・マクドウェル トヨタ カムリ 57
16 13 11 ブライアン・スコット トヨタ カムリ 57
24 28 87 ケヴィン・コンウェイ トヨタ カムリ 54
26 6 66 スティーブ・ウォレス トヨタ カムリ 52
28 16 9 ケニー・ウォレス トヨタ カムリ 49
34 10 64 ジェイソン・ボウルズ トヨタ カムリ 16
観客数(主催者発表):50,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 リード・ソレンソン シボレー 568
2 エリオット・サドラー シボレー 563
3 リッキー・ステンハウス・Jr. フォード 561
7 ケニー・ウォレス トヨタ 457
8 スティーブ・ウォレス トヨタ 434
9 ブライアン・スコット トヨタ 422
10 マイケル・アネット トヨタ 408
22 ライアン・トゥルークス トヨタ 249
51 ドリュー・ヘリング トヨタ 33
67 ジェイソン・ボウルズ トヨタ 10
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 101
2 フォード 97
3 シボレー 89
4 ダッジ 65