2011年7月 4日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第17戦 Coke Zero 400

開催日:7月2日

"トヨタ カムリ"3-4-5位フィニッシュ

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3ワイド(3列横並び)での超高速バトルを繰り広げた"トヨタ カムリ"。
ジョーイ・ロガーノ(#20)が3位、ケイシー・カーン(#4)が4位、
カイル・ブッシュ(#18)が5位に入った

 7月2日(土)、米国南東部フロリダ州デイトナビーチのデイトナ・インターナショナル・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第17戦「Coke Zero 400」が開催された。
 シーズン開幕戦の「デイトナ500」に続き今季2度目の開催となるデイトナでは、ハイスピードオーバルでの出力を抑制するために吸気制限プレートを取り付けてレースが行われる。今季のレギュレーションによる車両特性とあわせ、2台ずつが連なって空気抵抗を低減する「2カードラフト」での激戦が展開された。

 1日(金)午後4時10分から予選が行われ、ケイシー・カーンが最上位の13番手。ランキングの上位を争うデニー・ハムリンは36番手、チームメイトのジョーイ・ロガーノを挟み、カイル・ブッシュが38番手と後方スタート。13台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 2日(土)午後7時52分、沈みかけた夕日に照らされる中、43台のレースカーが2.5マイルオーバルを160周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースのスタートを切った。
 37、38番手と後方スタートのロガーノとKy.ブッシュはチームを組み、序盤からめざましいポジションアップ。リストリクタープレートレースならではの、めまぐるしく順位が入れ替わる展開の中で、上位争いへと浮上。また、カーンとブライアン・ヴィッカーズ、マーティン・トゥルークス・Jr.とデイビッド・ロイティマンのチームメイト同士もパートナーとなり、首位争いを展開した。
 レースは53周目、3回目のイエローコーションからの再スタートが切られて以来なかなかイエローコーションが出ず、90周目前後から各車グリーン下でピットイン。ほぼ全車がピットを終えた100周目には、ヴィッカーズがトップ、カーン、トゥルークス・Jr.、ロイティマン、Ky.ブッシュ、ロガーノとトップ6を"トヨタ カムリ"が占める快走を見せた。
 一方、ライアン・ニューマン(シボレー)とパートナーを組み、前半戦は後方に沈んでいたハムリンが後半戦に入り一気にペースアップ。108周目にはついに首位に立った。
 130周目前後に再びグリーン下での、このレース最後となるピットイン。ニューマンとハムリンのコンビが首位、Ky.ブッシュとロガーノがそれに続き、"トヨタ カムリ"が2-3-4位体制で最後の逆転を目指した。
 イエローコーションが出ないまま100周以上を走破しながらも、なおも僅差でのレースが続く中、残り3周となったところで、勝負をかけた上位勢が3ワイドでの激しいバトル。ここで中央のジェフ・ゴードン(シボレー)がバランスを崩し、スピン。アウトにいたKy.ブッシュは行き場を失い、壁に接触。
 これで4度目のイエローコーションとなったが、タイヤのパンクに見舞われたKy.ブッシュは首位と同一周回のほぼ最後尾、29位まで順位を落としてしまった。
 レースは延長され、"グリーン・ホワイト・チェッカー"で162周目に再スタートが切られたが、上位争いの中でロガーノの後方につけようとしたマーク・マーティン(シボレー)が接触からバランスを崩したところに後続が次々に突っ込み、大クラッシュとなった。このアクシデントに、トゥルークス・Jr.とロイティマン、ヴィッカーズ、ジョー・ネメチェク、ケイシー・メアーズらが巻き込まれてしまった。
 168周目に2度目の"グリーン・ホワイト・チェッカー"で再スタート。4番手で再スタートを切り、ニューマンと共に首位を狙ったハムリンだったが、後続との3ワイドバトルの中で失速し、一気に15位前後まで後退。
 共にチームメイトを失ったロガーノとカーンがパートナーとなり、前を行くフォードの2台を追い、一度は前に出かけたが、逆転までには至らず。
 ファイナルラップの最終コーナー付近では、上位争いと中団グループの両方で多重クラッシュが発生。ハムリンは直前のニューマンが巻き込まれたのを間一髪でかわしたが、ハーフスピンを喫し、イン側のダートエリアへコースオフ。
 そのままチェッカーとなり、ロガーノが3位、カーンが4位でフィニッシュ。最後の2度に渡る大混乱を見事切り抜け順位を上げたKy.ブッシュが5位に入った。クラッシュに巻き込まれながらもそのまま走り抜いてチェッカーを受けたヴィッカーズが12位、ハムリンは13位となった。

 次戦第18戦は7月9日(土)、米国中東部ケンタッキー州スパルタのケンタッキー・スピードウェイで行われる。

ドライバー ジョーイ・ロガーノ:
「最後の再スタートでは、後方にケイシー(カーン)が見え、他に選択肢はなかった。彼と共にアウトからの逆転を目指し、一旦は首位に立てたと思った。しかし、その後先行を許し、バックストレートでも追い越しを狙ったが、届かなかった。最後の望みは、前の2台が首位争いをしてくれることだったが、彼らはチームメイト同士であり、それは叶わないとわかっていた。しかし、3位というのはチームにとっては素晴らしい結果だ。2週続けてトップ10フィニッシュを果たし、勢いに乗っている。全てが順調だ」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 5 6 デイビッド・レーガン フォード 170
2 16 17 マット・ケンゼス フォード 170
3 37 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 170
4 13 4 ケイシー・カーン トヨタ カムリ 170
5 38 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 170
12 20 83 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 170
13 36 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 170
25 23 0 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 170
30 43 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 169
31 24 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 168
32 32 13 ケイシー・メアーズ トヨタ カムリ 164
35 34 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 162
40 29 60 マイク・スキナー トヨタ カムリ 5
42 33 66 マイケル・マクドウェル トヨタ カムリ 2
43 22 97 ケヴィン・コンウェイ トヨタ カムリ 1
観客数(主催者発表):115,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 586
2 カール・エドワーズ フォード 581
3 カイル・ブッシュ トヨタ 576
11 デニー・ハムリン トヨタ 495
19 ケイシー・カーン トヨタ 452
20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 439
23 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 422
25 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 388
26 デイビッド・ロイティマン トヨタ 380
29 ボビー・ラボンテ トヨタ 345
32 ケイシー・メアーズ トヨタ 242
39 マイケル・マクドウェル トヨタ 61
42 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 20
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 112
2 フォード 102
3 トヨタ 90
4 ダッジ 70

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第17戦 Subway Jalapeno 250

開催日:7月1日

後方スタートから最終周の大逆転!
ジョーイ・ロガーノが今季初勝利

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大逆転で今季初勝利を挙げたジョーイ・ロガーノ(#20)

 7月1日(金)にNASCARネイションワイド・シリーズの第17戦「Subway Jalapeno 250」がデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催された。

 1日(金)決勝に先立ち、午後2時10分から予選が行われ、カイル・ブッシュが14番手。ブライアン・スコットが17番手、ジョーイ・ロガーノが18番手、スティーブ・ウォレスが19番手につけ、8台の"トヨタ カムリ"が決勝に進んだ。

 午後7時50分、2.5マイルオーバルを100周(250マイル:約400km)して競われる決勝レースがスタート。18番手スタートの予定だったロガーノは、予選後にクラッチトラブルに見舞われ、規定外の作業を余儀なくされたために、ほぼ最後尾へとグリッド後退となり、そこから追い上げることとなった。
 序盤、Ky.ブッシュはリッキー・ステンハウス・Jr.(フォード)と組んでトップ争いに加わったが、まもなくステンハウス・Jr.がチームメイトへとパートナーを切り替えたために、パートナーを失い失速。大きく順位を落としてしまった。
 ロガーノはチームメイトのスコットと組んで順調にポジションアップ。トップ争いに加わったが、26周目に痛恨のスピン。幸いどこにもぶつからなかったものの、トップと同一周回最後尾の32位までポジションダウン。
 レースが折り返しを迎える頃には、ブラッド・ケセロウスキー(ダッジ)と組んだKy.ブッシュは再び首位争いに復帰し、65周目には首位を走行。その後、他車とのペアで順位を上げてきたロガーノとKy.ブッシュがこの日初めてパートナーとなり、首位争いを展開した。
 89周目、チームメイト同士でパートナーとなり、7位、8位まで浮上していたジョー・ネメチェクとケヴィン・コンウェイがバランスを崩し、共に壁に接触。イエローコーションとなり、Ky.ブッシュが7番手、これにロガーノ、ケニー・ウォレス、スコットが続いて最後の7周への再スタートとなった。
 ここで20位以下からの再スタートながら素晴らしい追い上げを見せたマイケル・アネットとS.ウォレスの2台が首位争いに加わり、ファイナルラップに入った直後に首位を奪取したが、まもなくロガーノとKy.ブッシュが彼らをかわしてこの日初めての首位浮上。最後はシボレー勢とのバトルとなり、最終コーナーを立ち上がった後、Ky.ブッシュがアウトへとラインを変えるとイン側に入ってきたシボレー勢と共に、4台がもつれ合うようにフィニッシュラインを越えたが、ロガーノが見事トップを守ってチェッカー。Ky.ブッシュは惜しくも4位でフィニッシュ。
 トップ4台がチェッカーを受ける直前、その後方のグループでは多重クラッシュが発生。これをかわしたアネットとK.ウォレスはそれぞれ6位、7位でフィニッシュしたが、巻き込まれたS.ウォレスとスコットはクラッシュしながら11位、12位でチェッカーを受ける大波乱の幕切れとなった。
 ほぼ最後尾からスタートを切ったロガーノは、途中でスピンを喫するなど苦戦を強いられ、最後のチェッカー以外一度も首位に立つことのなかったレースで、見事ファイナルラップで逆転。今季初勝利を飾った。

 次戦第18戦は7月8日(金)、ケンタッキー・スピードウェイで行われる。

ドライバー ジョーイ・ロガーノ:
「こちら側(ヴィクトリーレーン)にいるのは素晴らしい気分だ。ここはデイトナだし、本当に興奮している。プッシュしてくれたカイル(ブッシュ)には感謝している。私はいつも押す側なので、2位のことが多かった。最後は好バトルだった。チェッカー直前でミラーを見たとき、また2位になるのかと思ったが、カイルがアウトへと向かうのを見てブロックせざるを得なかった。彼が3位以降の車両を防いでいたことはわかっていた。ともかく、この結果は本当に嬉しい」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 18 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 100
2 15 38 ジェイソン・リフラー シボレー 100
3 9 32 リード・ソーレンソン シボレー 100
4 14 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 100
6 22 62 マイケル・アネット トヨタ カムリ 100
7 42 9 ケニー・ウォレス トヨタ カムリ 100
11 19 66 スティーブ・ウォレス トヨタ カムリ 100
12 17 11 ブライアン・スコット トヨタ カムリ 100
25 24 87 ケヴィン・コンウェイ トヨタ カムリ 100
26 23 97 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 100
観客数(主催者発表):50,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 リード・ソ-レンソン シボレー 610
2 エリオット・サドラー シボレー 601
3 リッキー・ステンハウス・Jr. フォード 579
7 ケニー・ウォレス トヨタ 494
8 スティーブ・ウォレス トヨタ 467
9 ブライアン・スコット トヨタ 454
10 マイケル・アネット トヨタ 446
22 ライアン・トゥルークス トヨタ 249
51 ドリュー・ヘリング トヨタ 33
67 ジェイソン・ボウルズ トヨタ 10
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 110
2 フォード 101
3 シボレー 95
4 ダッジ 68