2011年8月16日(火)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第22戦 Heluva Good! Sour Cream Dips at the Glen

開催日:8月15日

カイル・ブッシュがランキング首位に浮上

写真
ポールポジションからレースを支配したが惜しくも3位フィニッシュ。
しかし、ランキングでは首位に浮上したカイル・ブッシュ(#18)

 8月15日(月)、米国東部ニューヨーク州ワトキンス・グレン・インターナショナルのロードコース、ワトキンス・グレン・インターナショナルでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第22戦「Heluva Good! Sour Cream Dips at the Glen」が開催された。
 ワトキンス・グレンはスプリント・カップ・シリーズで年に2戦のみ行われるロードコース戦の一戦で、過去にはF1アメリカGPも開催されたことのある伝統のコースが舞台となる。同コースでは、2008年にカイル・ブッシュが"トヨタ カムリ"で勝利を挙げている。

 13日(土)、併催されるネイションワイド・シリーズの予選と決勝の合間を縫って、午前11時40分より予選が行われ、カイル・ブッシュがコースレコードを更新するタイムをマーク。自身初となるロードコースでのポールポジションを獲得した。マーティン・トゥルークス・Jr.が9番手につけ、12台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
 シーズン最後の10戦でタイトルを争う"チェイス"入りに向け、現在のランキング11位から更なる上位を狙っているデニー・ハムリンは、予選アタックの最終コーナーでスピンしノータイム。ほぼ最後尾となる42番手グリッドから追い上げを強いられることとなった。

 14日(日)午後1時過ぎに予定されていた決勝レースは、スタート前のセレモニー中に雨が降り始め、スタートは順延。天候の回復を待ち、一旦は雨が止みかけたものの、夕方再び降り始めたため、午後4時半に、レースは翌日15日(月)に延期されることが決定された。
 15日(月)は曇り空ながらドライコンディションとなり、午前10時14分に2.45マイルロードコースを90周(220.5マイル:約350km)して競われる決勝レースがスタート。
 ポールポジションのKy.ブッシュは、スタート直後にロードコースを得意とするA.J.アルメンディンガー(フォード)とマーコス・アンブローズ(フォード)の先行を許すが、3位をキープ。その後、前を行く2台が早めにグリーン下でのピットインを行うとKy.ブッシュは再び首位に。9番手スタートのトゥルークス・Jr.、13番手スタートのジョーイ・ロガーノもトップ10圏内へとポジションを上げた。
 28周目にこの日最初のイエローコーションが出されるとKy.ブッシュはピットへ向かい、ピットに入った中ではトップでコースへ復帰。コースへ残った7台に続く、8位で再スタートとなった。
 1回目のイエローコーションでコースに残った車両は、40周目過ぎからグリーン下でピットイン開始。これで再びKy.ブッシュは首位に浮上。
 レースは残り30周を過ぎたあたりで、各車最後のピットイン。2周前に首位を争うブラッド・ケゼロウスキー(ダッジ)とのバトルで2位に後退していたKy.ブッシュは、好ピット作業に助けられケゼロウスキーの前に出ることに成功。トゥルークス・Jr.がこれに続き、そして最後尾スタートから素晴らしい追い上げを見せたハムリンも事実上のトップ10圏内までポジションをアップした。
 しかし、66周目の第1コーナーで、ハムリンは突然のタイヤパンクに見舞われ、ブレーキが効かない状態のままタイヤバリアに激しくクラッシュ。ハムリンは無事だったが、レースはここで終えることとなってしまった。
 このイエローコーションから、残り21周で、Ky.ブッシュがトップ、トゥルークス・Jr.が3位、ロガーノ10位で再スタート。しかし、この日絶好調だったアンブローズが猛烈な追い上げを見せ、終盤はKy.ブッシュと一騎打ちでのトップ争いとなった。
 残り4周となった86周目、ハムリンと"チェイス"入りを争っているポール・メナード(シボレー)がクラッシュ。レースは2周延長され、最後の2周"グリーン・ホワイト・チェッカー"で決されることとなった。
 Ky.ブッシュが最前列イン側、アンブローズがアウト側、2列目にはケゼロウスキーとトゥルークス・Jr.が続き、90周目に再スタートが切られると、Ky.ブッシュ、アンブローズ、ケゼロウスキーの3台が横一線で1コーナーへと進入。立ち上がりで行き場を失ったKy.ブッシュはコース外へ大きくふくらみ、3位に後退。再逆転を狙ったが、ファイナルラップに入ったとき、後続で大クラッシュが発生。デイビッド・レーガン(フォード)が接触でバランスを崩し、ガードレールにクラッシュ。跳ね返ってきたところに、後方を走っていたデイビッド・ロイティマンが突っ込み、ロイティマンは反対側のガードレールに激突。激しく回転し、車両は大破してしまった。ロイティマンは無事だったが、レースはその時点でイエローコーションとなり、順位が決定。Ky.ブッシュはレースの半分以上となる49周にわたって首位を走行したが、惜しくも3位に終わった。レースを通して好走を見せたトゥルークス・Jr.が4位。ロガーノが5位に入った。
 勝利は逃したKy.ブッシュだが、今大会の3位フィニッシュで、ドライバーズランキングでは首位(同ポイントだが勝利数で上回る)へと浮上した。

 次戦第23戦は8月21日(日)、米国北東部ミシガン州ブルックリンのミシガン・インターナショナル・スピードウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「最後の再スタートでは、特に進入で速すぎたということもないと思ったのだが、思ったように減速できず、望み通りのラインが取れなかった。窓には雨粒が当たっていたが、周りのライバルは問題なく走行していたし、私のミスだ。チームは最高の"トヨタ カムリ"を用意してくれたが、ライバルの先行を許してしまった。イエローコーションが出るまでは勝てると思っていただけに、残念だ」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 3 9 マーコス・アンブローズ フォード 92
2 12 2 ブラッド・ケゼロウスキー ダッジ 92
3 1 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 92
4 9 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 92
5 13 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 92
18 20 83 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 92
19 11 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 92
20 26 13 ケイシー・メアーズ トヨタ カムリ 92
26 18 4 ケイシー・カーン トヨタ カムリ 92
29 39 0 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 91
36 42 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 65
40 21 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 12
41 33 66 マイケル・マクドウェル トヨタ カムリ 7
43 37 60 マイク・スキナー トヨタ カムリ 4
観客数(主催者発表):85,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 カイル・ブッシュ トヨタ 752
2 カール・エドワーズ フォード 752
3 ジミー・ジョンソン シボレー 746
12 デニー・ハムリン トヨタ 626
17 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 587
19 ケイシー・カーン トヨタ 585
21 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 577
26 デイビッド・ロイティマン トヨタ 491
28 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 475
29 ボビー・ラボンテ トヨタ 471
31 ケイシー・メアーズ トヨタ 315
39 マイケル・マクドウェル トヨタ 78
43 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 20
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 143
2 フォード 128
3 トヨタ 118
4 ダッジ 95

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第23戦 Zippo 200 at the Glen

開催日:8月13日

ジョーイ・ロガーノとカイル・ブッシュが3-4位

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ロードコース戦で見事な走りを見せ3位に入ったジョーイ・ロガーノ(#20)

 8月13日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第23戦「Zippo 200 at the Glen」がワトキンス・グレン・インターナショナルで開催された。

 13日(土)午前9時45分から、6台ずつ8グループに分けての予選アタックが行われ、カイル・ブッシュが最前列2番手を確保。ジョーイ・ロガーノが8番手につけ、8台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進出。
 ロガーノはこの週末、NASCARのロードコース2戦に加えて、同コースでネイションワイド・シリーズのレース後に行われるスポーツカーレース、グランダムシリーズへもエントリーしており、この3連戦へ向けて、過去トヨタでCARTシリーズなどを戦い、現在はキャンピング・ワールド・トラック・シリーズに主に出場している元F1ドライバー、マックス・パピスからロードコースでのコーチを受けての参戦となった。

 予選に続き、午後2時13分に、11のコーナーを持つ2.45マイルロードコースを82周(200.9マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。
 2番手スタートのKy.ブッシュは、ポールポジションの実兄カート・ブッシュ(ダッジ)に続き、3番手のカール・エドワーズ(フォード)とのカップ・シリーズのトップドライバー3台が、後続を引き離す序盤戦となった。
 激しいトップ3での争いの中、Ky.ブッシュはコース外にはみ出たときに、草にラジエータをふさがれオーバーヒート。予定よりも早く18周目にピットインを強いられてしまった。
 これで一旦16位まで落ちたKy.ブッシュだったが、23周目から他車もピットイン開始。全車がピットを終えた時点でKy.ブッシュが首位に立った。
 25周目にイエローコーションが出されたが、上位勢はピットインせず。そのまま首位を守ったKy.ブッシュは、再びライバルよりも5周ほど早いタイミングで、50周目にグリーン下でピットイン。55周目に首位につけていた実兄のKu.ブッシュがピットインすると、Ky.ブッシュが首位に返り咲いた。
 終盤は完全にブッシュ兄弟2台による首位争いとなったが、ライバル勢よりも早めのピットタイミングとなったKy.ブッシュは、78周目についに給油のためにグリーン下でピットイン。後続とは大きな差をつけていたため、6位でコースへと復帰。その直後にイエローコーションが出され、レースは3周延長されて"グリーン・ホワイト・チェッカー"に。
 このイエローコーションで、トップ2台とKy.ブッシュらはコース上に残ったが、4位につけていたロガーノ他数台がピットイン。ロガーノはタイヤを4本交換し、4位のKy.ブッシュに続く5位で残り2周の再スタートに臨んだ。
 1コーナーへの進入で見事なダッシュを見せたKy.ブッシュが3位、ロガーノが4位へと順位を上げ、なおも激しいバトルを展開。ファイナルラップでは、新品タイヤの優位性を持つロガーノが、最終コーナーでKy.ブッシュに並び、チェッカー目前のストレートで逆転。ロガーノが3位、Ky.ブッシュが4位でチェッカーを受けた。

 次戦第24戦は8月20日(土)、カナダ・ケベック州モントリオールのジル・ヴィルヌーヴ・サーキットで行われる。

ドライバー ジョーイ・ロガーノ:
「我々にとっては良いレースだったし、私自身非常に楽しめた。序盤はあまり良い状態ではなく、特に私自身がコーナーでの不調について気づいていなかったのだが、クルーが素晴らしい調整を加えてくれたおかげで速さを取り戻すことができた。終盤のイエローコーションでもクルーチーフの判断は素晴らしく、ピットに入って4本タイヤを交換したことで、ひとつポジションを落としたが、2つ取り返して3位でフィニッシュできた。もちろん更なる上位フィニッシュを狙いたかったが、今日は全体的に見れば悪くない結果だ」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 1 22 カート・ブッシュ ダッジ 85
2 6 7 ジミー・ジョンソン シボレー 85
3 8 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 85
4 2 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 85
11 19 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 85
14 16 11 ブライアン・スコット トヨタ カムリ 84
16 14 66 スティーブ・ウォレス トヨタ カムリ 84
19 27 62 マイケル・アネット トヨタ カムリ 83
32 18 9 ケニー・ウォレス トヨタ カムリ 64
36 28 64 ジェイソン・ボウルズ トヨタ カムリ 52
観客数(主催者発表):40,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 リッキー・ステンハウス・Jr. フォード 816
2 リード・ソレンソン シボレー 806
3 エリオット・サドラー シボレー 792
7 ケニー・ウォレス トヨタ 686
8 スティーブ・ウォレス トヨタ 636
9 ブライアン・スコット トヨタ 626
10 マイケル・アネット トヨタ 623
23 ライアン・トゥルークス トヨタ 249
33 ドリュー・ヘリング トヨタ 139
67 ジェイソン・ボウルズ トヨタ 18
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 137
2 フォード 133
3 シボレー 131
4 ダッジ 105