NASCAR SPRINT CUP SERIES
第25戦 AdvoCare 500
開催日:9月6日
デニー・ハムリンが8位に入り"チェイス"入りに一歩前進
着実な走りで8位フィニッシュを果たしたデニー・ハムリン(#11)と
首位を争ったがクラッシュで23位に終わったカイル・ブッシュ(#18)
9月6日(火)、米国南東部ジョージア州ハンプトンのアトランタ・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第25戦「AdvoCare 500」が開催された。
シーズン終盤の10戦で、ランキング上位12台がポイントをリセットしてタイトルを争う"チェイス"へ向けた戦いは残すところ僅か2戦。
今季より、"チェイス"入りの条件が変更され、残り10戦の時点で、ランキング上位10台と、ランキング11位から20位の間で勝利数が多いドライバー2名となったため、ランキング10位以内でも未勝利のドライバーはまだ"チェイス"落ちの可能性があり、逆にランキング20位以内にいれば、勝利を挙げれば"チェイス"に入る可能性があるために、最後の26戦まで全く気の抜けない争いとなっている。
トヨタ勢では、カイル・ブッシュが誰よりも早く"チェイス"入りを確定。1勝を挙げたデニー・ハムリンも、ランキング13位で"チェイス"圏内につけており、昨年の同大会ではポールポジションから、エンジントラブルに見舞われるまでの74周にわたって首位を走行したハムリンの好走と"チェイス"入り確定に期待がかかった。
3日(土)午後5時10分より予選が行われ、勝利を挙げての"チェイス"入りを狙うケイシー・カーンが今季2度目のポールポジション。カイル・ブッシュとブライアン・ヴィッカーズが3,4番手で2列目に並び、同じく"チェイス"入りの可能性を残すマーティン・トゥルークス・Jr.が8番手。11台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
4日(日)は午後7時半にレースがスタートされる予定であったが、昼間からの断続的な雨により、レーススタートは順延。雨が止んだタイミングでジェットドライヤーカーでの路面乾燥を行い、レーススタートへの努力が続けられたが、再び降りだした雨により、この日レースは行われることなく、翌日も雨に加えて竜巻や強風が予想されていたため、安全を考慮し、翌々日の6日(火)に延期されることとなった。
1978年のミシガン戦以来、史上2度目の火曜日開催となった6日(火)は、重く雲が立ちこめる中、ジェットドライヤーカーで路面を乾燥させてのレース開始となった。3日(土)の予選の時点では30度を超える暑さだったアトランタは、この日は20度を下回る寒さとなり、それでも集まった3万人近いファンの見守る中、午前11時11分、1.54マイルオーバルを325周(500.5マイル:約800km)の長丁場で競われる決勝レースがスタートした。
ポールポジションのカーンが首位を争う一方で、3番手スタートのKy.ブッシュは10周目に2位に浮上。11周目にボビー・ラボンテが単独スピンを喫し、この日最初のイエローコーションが出されると、カーン、ヴィッカーズ、ハムリンらはコース上に残り、ピットへ向かったKy.ブッシュは20位近くまで後退。
17周目に再スタートが切られると、首位のカーンが出遅れ、後続に飲み込まれる一方で、中団グループは4ワイド(4台横一線)でのバトルを展開。Ky.ブッシュは4本交換した新品タイヤの優位性を活かし、目覚ましい追い上げで上位へ復帰した。
25周目には、ハムリンがついに首位に浮上。Ky.ブッシュが2位、ヴィッカーズが4位につけ、28周目に出された2回目のイエローコーションでは、好ピットを見せたKy.ブッシュとハムリンが最前列に並んでの再スタートとなった。
しかし、この再スタートではハムリンが遅れ、ポジションダウン。その後は速さを見せるジェフ・ゴードン(シボレー)とKy.ブッシュが首位を争い、その後方からハムリンが追う展開となった。
ポールポジションから序盤上位争いを繰り広げていたカーンは、前車との接触でラジエータを破損。ガレージでの長時間にわたる修復作業を余儀なくされ、後半コースに復帰したが大きく順位を落としてしまった。
150周目には、3位を走行していたKy.ブッシュがコーナー立ち上がりで僅かにアウト側の壁にヒット。これでバランスを崩してしまったKy.ブッシュは徐々に後退。ハムリンが3位に浮上した。
レースは折り返しを過ぎてまもなく、弱い雨が降り始め、一度イエローコーションが出された後再スタートが切られたが、201周目に再び強くなった雨と霧のためにイエローコーション。その後赤旗中断。ジェットドライヤーカーが路面を乾かし、25分ほどの中断の後レースは再開された。
241周目に、ハムリンとランキングで争っているクリント・ボウヤー(シボレー)がクラッシュし、この日8度目のイエローコーション。全車ピットに向かったが、ここで、15位前後を走行していたトゥルークス・Jr.が唯一タイヤ2本交換作戦を採り、首位へと浮上した。
しかし、ハンドリングの不調に見舞われていたトゥルークス・Jr.はポジションを守れず徐々に後退。その後はイエローコーションが出ず、グリーンピットを含むロングランの中で、ハムリンが健闘。"チェイス"入りへ向け、ランキング上位を維持するための着実な走りを遂行し、見事8位でフィニッシュ。ランキングも12位へと一つ上げ、残り1戦となった"チェイス"入りへと更に一歩前進した。
レースを通して好走を見せたヴィッカーズが11位。トゥルークス・Jr.は後半苦しみながらも14位に入った。
次戦第26戦は9月10日(土)、米国東部バージニア州リッチモンドのリッチモンド・インターナショナル・レースウェイで行われる。
ドライバー デニー・ハムリン:
「着実に走りきった。最後はかなり強いオーバーステア症状に見舞われていたが、とにかくポジションを維持することに徹した。チームにとっても良い一日だったと思う。僅かではあるが、我々は目標へと一歩進んだ。しかし、ライバルも皆強力であり、このスポーツは最後まで何が起こるかわからない。来週のリッチモンドでも、勝利を目指しながら、着実な走りをしていく。確実なのは、勝てば"チェイス"入りできるということだ」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 5 | 24 | ジェフ・ゴードン | シボレー | 325 | ||
2 | 17 | 48 | ジミー・ジョンソン | シボレー | 325 | ||
3 | 20 | 14 | トニー・スチュワート | シボレー | 325 | ||
8 | 13 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 325 | ||
11 | 4 | 83 | ブライアン・ヴィッカーズ | トヨタ カムリ | 325 | ||
14 | 8 | 56 | マーティン・トゥルークス・Jr. | トヨタ カムリ | 325 | ||
23 | 3 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 324 | ||
24 | 24 | 20 | ジョーイ・ロガーノ | トヨタ カムリ | 324 | ||
28 | 38 | 13 | ケイシー・メアーズ | トヨタ カムリ | 321 | ||
31 | 16 | 0 | デイビッド・ロイティマン | トヨタ カムリ | 315 | ||
34 | 1 | 4 | ケイシー・カーン | トヨタ カムリ | 269 | ||
38 | 23 | 47 | ボビー・ラボンテ | トヨタ カムリ | 91 | ||
40 | 34 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 27 | ||
41 | 28 | 66 | マイケル・マクドウェル | トヨタ カムリ | 23 | ||
観客数(主催者発表):29,700人(日曜日は87,600人) |
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NASCAR NATIONWIDE SERIES
第26戦 Great Clips 300
開催日:9月3日
カイル・ブッシュが首位を争うが惜しくも2位
カップ・シリーズのレギュラーと首位争いを展開したカイル・ブッシュ(#18)
9月3日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第26戦「Great Clips 300」がアトランタ・モーター・スピードウェイで開催された。
ここアトランタは、2008年にカイル・ブッシュが"トヨタ カムリ"に、スプリント・カップ・シリーズにおける初優勝をもたらした記念すべきコース。Ky.ブッシュはアトランタで、キャンピング・ワールド・トラック・シリーズでも勝利を飾っているが、ネイションワイド・シリーズでのみ勝ち星が無く、過去2年は連続で2位。念願の初勝利を目指しての参戦となった。
全ての走行スケジュールが1日で行われる今レース、3日(土)の午前中に2度にわたっての練習走行の後、午後3時35分から予選が行われ、カイル・ブッシュが2列目3番手を確保。スプリント・カップ・シリーズに"トヨタ カムリ"で出場しているマーティン・トゥルークス・Jr.の実弟であり、今レースよりジョー・ギブス・レーシングからの出場となった19歳のライアン・トゥルークスが同じく2列目の4番手で並び、8台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
非常に暑い夜となったアトランタで、午後7時47分に1.54マイルオーバルを195周(300.3マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。
序盤から、Ky.ブッシュは首位を奪うことこそなかったものの、2位、3位あたりにつけ、首位を追走。R.トゥルークスは若干順位を落としたものの、トップ10前後での走行を続けた。
43周目と70周目にイエローコーションが出され、それぞれ上位勢はピットイン。Ky.ブッシュはどちらも素晴らしいピット作業に助けられてトップでの再スタートを切ったが、その後は、強力なライバル勢と激しく順位を入れ替えながらの首位争いを展開した。
120周目過ぎからはグリーン下でのピット作業となり、終盤へ向けての燃費勝負になるかと思われたが、163周目に、マイケル・アネットがこの日2度目のスピンを喫し、イエローコーションが出されたため、全車最後まで走りきるだけの燃料を給油。169周目には複数台が巻き込まれる多重クラッシュが発生したが、上位勢には影響はなく、Ky.ブッシュは4位で再スタートを切った。
ケヴィン・ハーヴィック(シボレー)、カール・エドワーズ(シボレー)、ケイシー・カーン(シボレー)といったスプリント・カップ・シリーズのレギュラードライバーとの首位争いとなった終盤戦は、エドワーズが抜け出し、これをKy.ブッシュが追う展開。
最後までエドワーズを追ったKy.ブッシュだったが、0.697秒及ばず、2位でフィニッシュ。アトランタで3年連続の2位フィニッシュとなった。名門チームでの初レースを戦ったルーキーのR.トゥルークスはレースを通して好走を見せ、11位。ブライアン・スコット、スティーブ・ウォレスのシリーズレギュラー勢が12位、13位で続いた。
次戦第27戦は9月9日(金)、米国東部バージニア州リッチモンドのリッチモンド・インターナショナル・レースウェイで行われる。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「良いレースだったと思う。アトランタはコース幅が狭く、追い抜きが難しい。常に滑っているような状態でのレースとなるが、再スタート後はエキサイティングなバトルができた。我々の"トヨタ カムリ"はどちらかと言えばロングラン向けの仕上がりで、周回を重ねるごとに調子が良くなっていった。しかし、勝つまでには至らなかった。今年も2位に終わってしまったが、私はどのレースでも勝つつもりできているし、今日も惜しいところまでは来ていた。必ずいつか勝てるはずだ」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 1 | 60 | カール・エドワーズ | フォード | 195 | ||
2 | 3 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 195 | ||
3 | 5 | 6 | リッキー・ステンハウス・Jr. | フォード | 195 | ||
11 | 4 | 20 | ライアン・トゥルークス | トヨタ カムリ | 195 | ||
12 | 19 | 11 | ブライアン・スコット | トヨタ カムリ | 195 | ||
13 | 13 | 66 | スティーブ・ウォレス | トヨタ カムリ | 195 | ||
18 | 17 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 192 | ||
19 | 20 | 9 | ケニー・ウォレス | トヨタ カムリ | 192 | ||
20 | 24 | 62 | マイケル・アネット | トヨタ カムリ | 191 | ||
31 | 31 | 72 | ジョン・ジャクソン | トヨタ カムリ | 178 | ||
観客数(主催者発表):62,900人 |
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NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第17戦 Good Sam Club 200
開催日:9月2日
カイル・ブッシュが3位フィニッシュ
クリント・ボウヤー(シボレー:先頭左)とバトルを
繰り広げ3位に入ったカイル・ブッシュ(#18:先頭右)
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第17戦「Good Sam Club 200」が9月2日 (金)にアトランタ・モーター・スピードウェイで開催された。
2日(金)決勝に先立ち、午後5時5分から予選が行われ、カイル・ブッシュが6番手、ジョシュ・リチャーズが9番手、ティモシー・ペターズが10番手につけ、10台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。
予選の後、併催されるスプリント・カップ・シリーズの練習走行セッションを経て、36台のレーシングトラックがコースイン。空を夕闇が覆い、カクテルライトがコースを照らし始めた午後8時20分、30度近い暑さの中で、1.54マイルオーバルを130周(200.2マイル:約320km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
6番手スタートのKy.ブッシュは序盤から着実に順位を上げ、11周目には2位に浮上。首位を逃げるカップ・シリーズのレギュラードライバー、クリント・ボウヤー(シボレー)を追い、レースの大半はこの2台による一騎打ちとなった。
38周目に、19歳の女性ドライバー、ジョハンナ・ロングが他車と接触し、この日2度目のイエローコーション。ここで首位のボウヤーが一瞬ピットへ入るそぶりを見せたが、結局入らず。これにつられずにコースに残ったKy.ブッシュが首位に立ち再スタートとなった。
最前列に並んで再スタートを切ったKy.ブッシュとボウヤーの2台は、その後もサイド・バイ・サイドで順位を入れ替えながら、接触寸前のバトルを展開。
60周目にこの日3度目のイエローコーションが出されると上位勢はピットイン。その後は73周目に4回目のコーション。78周目には、序盤はトップ10圏内を走行していながらも、電気系のトラブルで後退していたペターズが、突然のタイヤパンクに見舞われスピン。この日5度目のイエローコーションが出されたが、この2回のイエローコーションでは上位勢はピットに入らず。
その後も変わらずKy.ブッシュとボウヤーが首位争いを繰り広げたが、イエローコーションが出ず、残り20周を切ったところで、上位勢は最後の給油のためにグリーン下でピット作業を開始。
しかし、先のイエローコーションで、順位を落としながらもピットタイミングをずらしていたベテランのロン・ホーナディ(シボレー)は、ピットに向かわず、燃料をセーブし、摩耗したタイヤで最後まで走りきる作戦を採った。
終盤は、ペースを落としたホーナディをボウヤーとKy.ブッシュが猛烈な勢いで追い上げたが届かず、Ky.ブッシュは3位でチェッカー。19番手スタートながらレースの大半をトップ10圏内で戦ったトッド・ボダインが9位でフィニッシュした。
ドライバーズランキング上位を争うペターズは、苦しみながらも16位でフィニッシュ。ランキング首位につけていたジョニー・ソーター(シボレー)が29位に終わったため、ペターズのランキング3位は変わらないものの、首位との差は1ポイント詰めて14ポイントとした。同シリーズのランキング争いは、ペターズを含むトップ4名が17ポイントという僅差で争っている。
次戦第18戦は9月16日(金)に米国中部イリノイ州ジョリエットのシカゴランド・スピードウェイで開催される。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「本当に素晴らしいレースだった。我々の"トヨタ タンドラ"は速く、この日2番目の速さは間違いなく持っていた。チームも良い仕事をしてくれた。(オーナーポイントを争う)2号車(クリント・ボウヤー)とのバトルもクリーンで、ポイント差が広がるのを最小限に抑えることができた。過去2週のレースではそれがうまくできなかったので、今日のレース結果には満足している。(ロン)ホーナディのような偉大なベテランドライバーがヴィクトリーレーンに立つのを見るのは良いことだし、彼とチームに祝福を送りたい」
リザルト
決勝結果 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 17 | 33 | ロン・ホーナディ | シボレー | 130 | ||
2 | 2 | 2 | クリント・ボウヤー | シボレー | 130 | ||
3 | 6 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ タンドラ | 130 | ||
9 | 19 | 5 | トッド・ボダイン | トヨタ タンドラ | 130 | ||
14 | 18 | 9 | マックス・パピス | トヨタ タンドラ | 130 | ||
16 | 10 | 17 | ティモシー・ペターズ | トヨタ タンドラ | 129 | ||
17 | 21 | 81 | デイビッド・スター | トヨタ タンドラ | 129 | ||
18 | 25 | 62 | ブレンダン・ゴーアン | トヨタ タンドラ | 129 | ||
21 | 9 | 15 | ジョシュ・リチャーズ | トヨタ タンドラ | 128 | ||
22 | 13 | 7 | ミゲル・パルド | トヨタ タンドラ | 128 | ||
26 | 22 | 6 | ジャスティン・ロフトン | トヨタ タンドラ | 124 | ||
31 | 14 | 20 | ジョハンナ・ロング | トヨタ タンドラ | 36 | ||
観客数(主催者発表):31,600人 |
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