2011年9月12日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第26戦 Wonderful Pistachios 400

開催日:9月10日

デニー・ハムリンが9位に入り"チェイス"入り決定!
カイル・ブッシュと共に悲願のタイトルを目指す

写真
アクシデントから追い上げ6位フィニッシュを果たしたKy.ブッシュ(#18)

 9月10日(土)、米国東部バージニア州リッチモンドのリッチモンド・インターナショナル・レースウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第26戦「Wonderful Pistachios 400」が開催された。
 今大会は、シーズン終盤の10戦で上位のドライバー12名がポイントをリセットし、タイトルを争う"チェイス"へ向けた最後の1戦となる。今季から新しくなった"チェイス"入りの条件により、まだ3つの椅子を残した状況となっており、この時点でワイルドカードの権利を持つデニー・ハムリンに加え、まだ"チェイス"入りの可能性を残すケイシー・カーンやマーティン・トゥルークス・Jr.らが、逆転での"チェイス"入りを目指してこの26戦に臨んだ。
 また、今大会決勝の翌日9月11日(日)は、2001年のアメリカ同時多発テロからちょうど10年目にあたり、カイル・ブッシュを含めた複数の車両が、スペシャルカラーリングでの出場となった。

 9日(金)併催されるネイションワイド・シリーズの練習走行と予選の合間を縫って、カップ・シリーズの練習走行が行われ、午後5時35分から予選が開始。デイビッド・ロイティマンが今季初となるポールポジションを獲得。カーンが12番手、Ky.ブッシュが13番手。ハムリンは28番手と後方のスタート。11台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 美しい夕日から夜の闇へと移り、コースをカクテルライトが照らし始めた午後7時50分、0.75マイルオーバルを400周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。
 9周目にポールポジションのデイビッド・ロイティマンと、ハムリンと"チェイス"入りを競っているクリント・ボウヤー(シボレー)が接触し、ボウヤーがスピン。これを避けようとした、ハムリンを含む後続が多重クラッシュ。ハムリンはピットでの修復を余儀なくされ、1周遅れの40位へと後退してしまった。
 "チェイス"入りをかけての最後の戦いとなる今レースの激戦は、序盤から多くのアクシデントを招き、27周目には逆転での"チェイス"入りを目指しトップ10圏内を目前にしていたカーンがウォールにクラッシュ。再スタート後にはマーティン・トゥルークス・Jr.もタイヤのパンクに見舞われ後退。
 周回遅れとなっていたハムリンは、38周目のこの日4度目のイエローコーションで、"ラッキー・ドッグ(イエローコーション発生時に周回遅れの最上位車両が首位と同一周回に復帰できる特別措置)"を獲得。
 クラッシュの後もかろうじて周回遅れになることなくレースに復帰したカーンだったが、51周目にチームメイトのブライアン・ヴィッカーズと絡んで再びクラッシュ。カーンはここでレースを終えることとなってしまった。
 この序盤戦、13番手スタートから4位まで浮上し"トヨタ カムリ"勢の最上位を走行していたKy.ブッシュは、このイエローコーションでのピット作業後、ホイールが緩むアクシデントに見舞われ、再スタート後の69周目にグリーン下で予期せぬピットイン。31位へと後退してしまった。
 400周という長いレースの序盤戦から大波乱のレースとなったが、Ky.ブッシュとハムリンは、チームの素晴らしい作業にも助けられ、徐々にポジションを回復。共に、レースが折り返しを過ぎた頃には、トップ10圏内を争うまでに順位を上げていた。
 その後も上位争いを繰り広げた2台だったが、首位争いまでには届かず、Ky.ブッシュが6位、ハムリンが9位と、2台共にシングルフィニッシュ。
 この結果、ハムリンは見事ワイルドカードでの"チェイス"入りを決定。ハムリンはカップ・シリーズにフル参戦を開始して以来6年連続での"チェイス"進出となった。
 今季首位タイとなる4勝を挙げているKy.ブッシュも勝利数×3ポイントのボーナスを獲得し、まずはランキング首位をキープ。トヨタ勢ではこの2台がシーズン最後の10戦で、12台がタイトルを争うプレーオフ"チェイス"へと進出することとなった。

 いよいよ"チェイス"がスタートする次戦第27戦は9月18日(日)、米国中部イリノイ州ジョリエットのシカゴランド・スピードウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「今夜のレースが"チェイス"の一戦でなかったのは幸いだ。今日のレースは、ホイールの緩みで後退を余儀なくされ、そこから追い上げた、それが全てだ。トップ10フィニッシュを果たすことができ、レース自体は楽しかったが、もう少し良い結果が欲しかった。最後は、首位を争っていた2台(ケヴィン・ハーヴィックとカール・エドワーズ)が完璧な走りで、全く追いつけなかったのが残念だし、"チェイス"では彼らを破らなくてはならない」

ドライバー デニー・ハムリン:
「どうやって後方から上位に復帰したのか、自分でも信じられない。我々の"トヨタ カムリ"はクラッシュで致命的なダメージを負い、恐らく修復に20周は必要だと思った。しかし、短期間の修復でコースに復帰でき、その後は素晴らしく速かった。今季は苦戦を強いられてきたが、後半調子を上げて"チェイス"入りすることができた。これからのことは誰にもわからないが、この勢いを活かして戦っていきたい」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 7 29 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 400
2 8 99 カール・エドワーズ フォード 400
3 17 24 ジェフ・ゴードン シボレー 400
6 13 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 400
9 28 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 400
17 30 13 ケイシー・メアーズ トヨタ カムリ 400
20 32 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 400
26 1 0 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 399
30 29 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 391
33 24 83 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 328
35 16 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 296
38 12 4 ケイシー・カーン トヨタ カムリ 50
39 31 66 マイケル・マクドウェル トヨタ カムリ 46
41 39 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 24
観客数(主催者発表):88,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 カイル・ブッシュ トヨタ 2012
2 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 2012
3 ジェフ・ゴードン シボレー 2009
12 デニー・ハムリン トヨタ 2000
17 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 690
21 ケイシー・カーン トヨタ 673
22 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 671
27 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 571
28 デイビッド・ロイティマン トヨタ 556
29 ボビー・ラボンテ トヨタ 539
31 ケイシー・メアーズ トヨタ 387
39 マイケル・マクドウェル トヨタ 91
44 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 20
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 171
2 フォード 144
3 トヨタ 139
4 ダッジ 118

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第27戦 Virginia 529 College Savings 250

開催日:9月9日

カイル・ブッシュがシリーズ通算51勝目!
ライアン・トゥルークスがキャリア最高の4位フィニッシュ

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今季8勝目を挙げたカイル・ブッシュ(#18)

 5月14日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第11戦「5-Hour Energy 200」がドーバー・インターナショナル・スピードウェイで開催された。

 9月9日(金)にNASCARネイションワイド・シリーズの第27戦「Virginia 529 College Savings 250」がリッチモンド・インターナショナル・レースウェイで開催された。

 9日(金)の一日で全ての走行スケジュールを終える今大会、午前中に2回にわたって行われたプラクティスに続き、午後4時5分から予選が行われ、カイル・ブッシュが2列目3番手グリッドを確保。シリーズレギュラーのケニー・ウォレスが5番手、スティーブ・ウォレスが7番手、名門ジョー・ギブス・レーシングから2戦目の出場となる19歳のルーキー、ライアン・トゥルークスも10番手につけ、7台の"トヨタ カムリ"が決勝に進んだ。

 午後7時41分に、0.75マイルオーバルを250周(187.5マイル:約300km)して競われる決勝レースがスタート。予選で10番手につけたR.トゥルークスは、スタート直前に電装系のトラブルに見舞われ、かろうじてスタートには間に合ったものの、最後尾近くからの追い上げを余儀なくされてしまった。
 3番手スタートのKy.ブッシュは、スタートで2位に上がると、カール・エドワーズ(フォード)とサイド・バイ・サイドでのバトルを展開。狭いコースで一歩も譲らぬ激戦を繰り広げた。
 68周目にクラッシュによりこの日初めてのイエローコーションが出され、全車ピットイン。この時点で、15位前後まで素晴らしい追い上げを見せていたR.トゥルークスは、ピット作業にも助けられ、12位で再スタート。3位をキープしたKy.ブッシュは、得意の再スタートを決め、首位に立った。
 しかし、この日は圧倒的な速さを見せたエドワーズとのバトルの末に、再び首位を奪われ、2位に後退。その後も、ピット作業と再スタートのダッシュでKy.ブッシュが首位に出るが、サイド・バイ・サイドのバトルの末にエドワーズが逆転、というレースが繰り返された。
 一方で、中盤にはトップ10入りを果たしていたR.トゥルークスと、5番手スタートから常にトップ10圏内をキープし続けるK.ウォレスが好走。Ky.ブッシュと首位を争うフォード2台を追う形となった。
 209周目、上位を争っていたケヴィン・ハーヴィック(シボレー)とトレヴァー・バイン(フォード)が接触しクラッシュ。この日6度目のイエローコーションが出され、全車最後のピットイン。ここで、首位のエドワーズがピット作業でタイムロス。Ky.ブッシュが首位に立つと共に、素晴らしいピット作業を見せたR.トゥルークスは、8位から3位へと一気にジャンプアップ。
 220周目、残り30周での再スタートが切られると、Ky.ブッシュは首位をキープ。エドワーズからの猛追を受けたが、ピット毎の調整で、着実に調子を上げていったKy.ブッシュが最後は逃げ切り、見事今季8勝目を挙げた。Ky.ブッシュはこの勝利で、ネイションワイド・シリーズで自身が持つ通算勝利数記録を51へと伸ばした。
 R.トゥルークスは自己最高となる4位フィニッシュ。K.ウォレスも"トヨタ カムリ"での自己最高位となる5位に入り、"トヨタ カムリ"は3台がトップ5フィニッシュを果たした。

 次戦第28戦は9月17日(土)、シカゴランド・スピードウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「カール(エドワーズ)は確かに速かった。序盤我々は恐らく3番手か4番手くらいの速さだと思われた。その後、調整していったことで最後は2番手の速さまで上げていった。そして、レースを通しての我がチームのピット作業の速さが、相手チームにプレッシャーを与え、最後のピットでの結果になったんだと思う。ずっと彼を追い続けた結果、最後は良いポジションと良い"トヨタ カムリ"を得て、勝つことができた」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 3 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 250
2 2 60 カール・エドワーズ フォード 250
3 6 6 リッキー・ステンハウス・Jr. フォード 250
4 10 20 ライアン・トゥルークス トヨタ カムリ 250
5 5 9 ケニー・ウォレス トヨタ カムリ 250
10 15 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 250
11 26 62 マイケル・アネット トヨタ カムリ 250
16 7 66 スティーブ・ウォレス トヨタ カムリ 250
32 12 11 ブライアン・スコット トヨタ カムリ 145
観客数(主催者発表):38,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 リッキー・ステンハウス・Jr. フォード 950
2 エリオット・サドラー シボレー 934
3 リード・ソレンソン シボレー 905
7 ケニー・ウォレス トヨタ 786
8 スティーブ・ウォレス トヨタ 765
9 マイケル・アネット トヨタ 744
10 ブライアン・スコット トヨタ 736
13 ジョー・ネメチェク トヨタ 628
23 ライアン・トゥルークス トヨタ 322
34 ドリュー・ヘリング トヨタ 139
43 ケヴィン・コンウェイ トヨタ 74
55 ジェイソン・ボウルズ トヨタ 49
79 パトリック・カーペンティア トヨタ 12
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 165
2 フォード 161
3 シボレー 148
4 ダッジ 120