NASCAR SPRINT CUP SERIES
第27戦 Geico 400
開催日:9月19日
"チェイス"開幕。雨天順延となったレースでトヨタ勢苦戦
"トヨタ カムリ"勢最上位の12位でフィニッシュしたケイシー・カーン(#4)
9月19日(月)、米国中部イリノイ州ジョリエットのシカゴランド・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第27戦「Geico 400」が開催された。
年間36戦もあるNASCARスプリント・カップ・シリーズの終盤10戦で、上位12名のドライバーが一旦ポイントをリセットしてタイトルを争うプレーオフ、"チェイス・フォー・ザ・スプリント・カップ"(通称チェイス)がついに始まった。
トヨタ勢では、今季これまでに4勝を挙げ、誰よりも早く"チェイス"入りを決めたカイル・ブッシュと、昨年最終戦までタイトルを争うも、惜しくも2位に終わり、今季雪辱に燃えるデニー・ハムリンの2名がタイトルを争う"チェイス"の12台に入り、終盤10戦でのタイトル争いに挑む。
今大会が行われるシカゴランドでは、2008年にKy.ブッシュ、昨年はデイビッド・ロイティマンが勝利を飾っている。
17日(土)午後0時40分より予選が行われ、ブライアン・ヴィッカーズが8番手、Ky.ブッシュが9番手、ジョーイ・ロガーノが10番手。ハムリンは27番手グリッドからの追い上げを強いられることとなり、11台の"トヨタ カムリ"が決勝に進んだ。
18日(日)は午後1時過ぎに決勝レースのスタートが予定されていたが、断続的な降雨に見舞われ、スタートは遅延。ジェットドライヤーカーで路面乾燥を行い、レーススタートのチャンスを伺ったが、その甲斐無く、約6時間経った午後7時過ぎに、翌19日(月)への延期が決定。午前11時より決勝レースが行われることとなった。
19日(月)曇り空の下、午前11時13分に1.5マイルオーバルを267周(400.5マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。
9番手スタートのKy.ブッシュは序盤7位前後を走行していたが、30周目にコンペティション・コーションが出され、各車ピットへ向かうと、ここで2本タイヤ交換作戦を採ってポジションを上げ、34周目に首位浮上。その後実兄のカート・ブッシュ(ダッジ)と首位争いを展開した。
70周目にこの日2度目のイエローコーションが出され、各車再びピットイン。ここでタイヤを4本交換したKy.ブッシュは若干順位を落とすものの、トップ10はキープ。一方で、20位前後を走行していたハムリンは、再スタート後にタイヤの異常振動に見舞われるアクシデント。グリーン下での再ピットインを強いられ、周回遅れとなってしまった。
その後"ラッキー・ドッグ"(イエローコーション発生時に周回遅れの最上位が首位と同一周回に戻れる措置)獲得を狙っていたハムリンだったが、なかなかイエローコーションは出ず、次のピット作業は全車グリーン下でとなったため、更に後れを取ることとなってしまった。
145周目にようやくこの日3度目のイエローコーションが出され、全車ピットイン。トップ5を走行していたKy.ブッシュがこのピット作業で大きくタイムロスを喫し、19位へと後退。しかし、Ky.ブッシュはそこから猛烈な追い上げを開始し、4回目のイエローコーションからの再スタートとなった170周目過ぎにはトップ10圏内まで復帰した。
上位を"チェイス"のドライバーが占める中、"チェイス"外のドライバーでは、マーティン・トゥルークス・Jr.が好走を見せ、後半はトップ10圏内をキープ。204周目にこの日5度目、213周目に6度目のイエローコーションが連続で出されると、上位勢が両方でピットインする中で、6度目はコース上に残ったトゥルークス・Jr.が残り50周の時点で首位に立った。
また、この6度目のコーションでは、序盤ピットロードでのスピード違反と、壁へのクラッシュで周回遅れとなっていたケイシー・カーンが"ラッキー・ドッグ"を獲得し首位と同一周回に復帰した。
終盤首位争いを展開したトゥルークス・Jr.は、さすがに最後までは燃料が持たず、253周目にピットイン。トゥルークス・Jr.よりも10周ほど後に給油を行った上位勢にとっては、最後まで燃料をもたせられるかの燃費戦となった。
Ky.ブッシュは8位を走行していたが、ファイナルラップを示すホワイトフラッグが降られた直後、痛恨の燃料切れ。チェッカーフラッグを受けることができず、1周遅れの22位でレースを終えることとなった。
他にも多くの車両が最後に燃料切れとなる波乱の幕切れとなったこのレース、トヨタ勢では、残り50周で周回遅れを脱した後、素晴らしい追い上げを見せたカーンが12位で最上位フィニッシュ。チームメイトのヴィッカーズが13位で続いた。トゥルークス・Jr.は18位。終盤タイヤのパンクにも見舞われるなど不運が続いたハムリンは31位に終わった。
次戦第28戦は9月25日(日)、米国北東部ニューハンプシャー州ロードンのニューハンプシャー・モーター・スピードウェイで行われる。
ドライバー ケイシー・カーン:
「我々の"トヨタ カムリ"は本当に絶好調だった。チームは素晴らしい仕事をしてくれ、エンジンも最高だった。私のミスで壁にヒットしたことを除けば、全てがいつも通り上手く行っていた。壁にヒットしたことで、車体後部にかなりのダメージを負って後退を余儀なくされたが、チームのおかげで周回遅れからリードラップに復帰することができた。終盤は我々は非常に速かったのだが、結果には繋がらなかった。我々は今日優勝を狙えるチームだったが、私のミスもあり、トップ5入りすることもできなかった。しかし、今日の"トヨタ カムリ"は確かにこれまでで最高の仕上がりだった」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 26 | 14 | トニー・スチュワート | シボレー | 267 | ||
2 | 30 | 29 | ケヴィン・ハーヴィック | シボレー | 267 | ||
3 | 19 | 88 | デイル・アーンハート・Jr. | シボレー | 267 | ||
12 | 24 | 4 | ケイシー・カーン | トヨタ カムリ | 267 | ||
13 | 8 | 83 | ブライアン・ヴィッカーズ | トヨタ カムリ | 267 | ||
16 | 10 | 20 | ジョーイ・ロガーノ | トヨタ カムリ | 267 | ||
18 | 20 | 56 | マーティン・トゥルークス・Jr. | トヨタ カムリ | 267 | ||
22 | 9 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 266 | ||
29 | 41 | 13 | ケイシー・メアーズ | トヨタ カムリ | 265 | ||
31 | 27 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 264 | ||
32 | 29 | 0 | デイビッド・ロイティマン | トヨタ カムリ | 263 | ||
37 | 11 | 47 | ボビー・ラボンテ | トヨタ カムリ | 236 | ||
40 | 36 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 45 | ||
43 | 33 | 66 | マイケル・マクドウェル | トヨタ カムリ | 25 | ||
観客数(主催者発表):42,000人(日曜日は72,000人) |
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NASCAR NATIONWIDE SERIES
第28戦 Dollar General 300
開催日:9月17日
ブライアン・スコットがキャリア最高となる3位
キャリア初のポールポジションから、過去最高となる
3位フィニッシュを果たしたブライアン・スコット(#11)
9月17日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第28戦「Dollar General 300」がシカゴランド・スピードウェイで開催された。
16日(金)の2度の練習走行を経て、17日(土)午前11時5分から予選が行われ、ブライアン・スコットが同シリーズでのキャリア初となるポールポジションを獲得。19歳のルーキー、ライアン・トゥルークスが2列目4番手。2009年の同レースを制し、2010年も2位に入っているジョーイ・ロガーノが8番手につけ、7台の"トヨタ カムリ"が決勝に進んだ。
午後2時54分、好天に恵まれたシカゴランド・スピードウェイで、1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。
ポールポジションのスコットは好スタートを切ったが、2周目の最終コーナーでブラッド・ケゼロウスキー(ダッジ)にかわされ2位に後退。その後方では、順位を上げてきたロガーノとR.トゥルークスとの4位争いが展開された。
ロガーノにかわされたR.トゥルークスは、7周目にバトルの中でバランスを崩してスピン。幸いどこにも接触はしなかったが、この日初のイエローコーションとなった。
上位勢はピットインしなかったが、R.トゥルークスはピットへ向かい、34位へと大きく後退し再スタート。上位勢では、ロガーノがスコットをかわし、上位をカップ・シリーズのレギュラードライバーが占める中で、ネイションワイド・シリーズのレギュラー最上位を走行していたスコットは、17周目に壁に軽くヒット。ダメージはあまり大きくなかったものの、若干順位を落としてしまった。
46周目、コース上の異物によりこの日2度目のイエローコーションとなり、全車ピットイン。ピット作業を終えた時点で、ロガーノが5位、スコットは8位、そして後方から着実に追い上げてきていたR.トゥルークスは、なんとこの時点で13位まで順位を取り戻して再スタートを切り、まもなくトップ10圏内まで浮上した。
64周目に3度目のイエローコーションが出されて上位勢はピットイン。ここで、タイヤ交換戦略の違いにより、4本タイヤを交換したトヨタ勢は若干順位を落とすこととなったが、その後はイエローコーションが出ず、新しいタイヤの優位性を活かしたスコットとR.トゥルークスがポジションアップ。一方で、ロガーノはオーバーステア症状に苦しみ、順位を落としてしまった。
115周目あたりから各車グリーン下でのピットイン開始。全車がピットを終えた時点で、スコットは3位に浮上。R.トゥルークスも11位をキープした。
スコットは138周目には2位に上がり、先のピットで順位を落とし、追い上げてきたカール・エドワーズ(フォード)との2位争いとなった。170周目に、スコットとエドワーズは同時にピットイン。共にタイヤを4本交換したこのピット作業勝負はほぼ互角だったが、ピットアウトからの加速でエドワーズが先行。
その後もスコットとエドワーズの2位争いは続いたが、逆転は惜しくも叶わず、スコットはカップ・シリーズレギュラーの2台に続く3位でチェッカー。しかし、3位という結果はスコットにとって、ネイションワイド・シリーズでのキャリア最上位フィニッシュとなった。また、好走を見せたトゥルークスは13位でフィニッシュした。
次戦第29戦は10月1日(土)、米国東部デラウェア州ドーバーのドーバー・インターナショナル・スピードウェイで行われる。
ドライバー ブライアン・スコット:
「今日の走りにはとても満足している。ポールを獲得し、スタートでも首位に立てた。しかし、22号車(ブラッド・ケゼロウスキー)は本当に強かった。今日は彼との戦いになるとわかっていたので、更に調子を上げるべく調整を続けた。クルーチーフの素晴らしい判断と調整で、終盤のロングランでは多くの車両をパスし、カール(エドワーズ)と2位争いができた。シリーズ戦は一週間空くことになるが、次のレースが待ちきれない。次戦ドーバーも私の好きなコースであり、良いレースができることを願っている」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 2 | 22 | ブラッド・ケゼロウスキー | ダッジ | 200 | ||
2 | 10 | 60 | カール・エドワーズ | フォード | 200 | ||
3 | 1 | 11 | ブライアン・スコット | トヨタ カムリ | 200 | ||
13 | 4 | 20 | ライアン・トゥルークス | トヨタ カムリ | 199 | ||
16 | 19 | 62 | マイケル・アネット | トヨタ カムリ | 198 | ||
17 | 15 | 9 | ケニー・ウォレス | トヨタ カムリ | 198 | ||
18 | 17 | 66 | スティーブ・ウォレス | トヨタ カムリ | 198 | ||
19 | 8 | 18 | ジョーイ・ロガーノ | トヨタ カムリ | 198 | ||
24 | 25 | 87 | ケヴィン・コンウェイ | トヨタ カムリ | 195 | ||
観客数(主催者発表):36,000人 |
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NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第18戦 Fast Five 225
開催日:9月16日
カイル・ブッシュが苦しみながらも5位フィニッシュ
"トヨタ タンドラ"勢最上位の5位でフィニッシュしたカイル・ブッシュ(#18)
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第18戦「Fast Five 225」が9月16日(金)にシカゴランド・スピードウェイで開催された。
ここシカゴランドでは、2009年、2010年の2年連続で、カイル・ブッシュが勝利。トッド・ボダインが2位で続き、"トヨタ タンドラ"が1-2フィニッシュを飾っている。
全ての走行スケジュールが16日(金)に行われる今大会、午前中に2度の練習走行を行った後、午後2時40分から予選開始。ボダインが8番手、ルーキーのミゲル・パルドが9番手、Ky.ブッシュは14番手につけ、7台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。
日も沈み、ライトでコースが照らされた午後7時21分、1.5マイルオーバルを150周(225マイル:約360km)して競われる決勝レースがスタート。14番手スタートのKy.ブッシュは序盤から積極的にポジションを上げ、3周目にはトップ10入り。11周目にこの日最初のイエローコーションが出されると、その後の再スタートを決め、17周目には4位に浮上した。
ほとんどがコース上に残ったこのイエローコーションで、ボダインは調整のためにピットイン。25位へと後退。
4位に浮上したKy.ブッシュだったが、アンダーステア症状に苦しみ、上位3台の攻略までには至らず順位をキープ。
40周目前後からグリーン下でのピット作業がスタート。上位勢はピットでの給油やタイヤ交換を行ったが、序盤のイエローコーションでピットに入っていたボダインが首位に浮上。ブレンダン・ゴーアン、デイビッド・スターと"トヨタ タンドラ"がトップ3に浮上し、Ky.ブッシュはピットに入った中での2番手、5位で続いた。
58周目、2位、3位につけていたゴーアンとスターがグリーン下でピットイン。その直後の59周目にこの日2度目のイエローコーションとなり、ボダインを先頭に上位勢がピットイン。給油のみで素早いピット作業をこなしたKy.ブッシュが首位に浮上する一方で、4本のタイヤを交換し、調整も行ったボダインは5位に後退。
再スタートで好ダッシュを決め、首位を守ったKy.ブッシュだったが、同じカップ・シリーズのトップドライバーであり、トラック・シリーズでは自らのチームから参戦する車両のオーナーズポイントを争っているケヴィン・ハーヴィック(シボレー)との首位争いで、惜しくも首位を譲ることとなってしまった。
レースの半分を過ぎた83周目にこの日3度目のイエローコーション。このピットではボダインのチームが好作業で2位へ浮上。Ky.ブッシュは3位で再スタート。
その後は、ハンドリングに苦しみながらも首位を追うKy.ブッシュと、トップ5圏につけるボダインが好走を見せる後半戦となったが、イエローコーションは出ない展開となり、125周目過ぎから続々と上位勢がグリーン下でピットイン。
そんな中で、最後までピットインを引っ張り、元F1ドライバーのネルソン・ピケ・Jr.(シボレー)に続く2位まで浮上し、133周目にピットへ向かったボダインだったが、ピットアウト時に痛恨のピットロードスピード違反。首位争いから脱落を余儀なくされてしまった。
全車がピットを終えた時点で、好ピット作業で首位に立ったオースティン・ディロン(シボレー)の後方でKy.ブッシュとハーヴィックがサイド・バイ・サイドでの2位争いを展開。しかし、2本タイヤ交換作戦を採ったKy.ブッシュは、チェッカーを目前にして右リアタイヤの不調にも見舞われ、ペースダウン。それでも"トヨタ タンドラ"勢最上位となる、5位でチェッカーを受けた。ルーキーのパルドが8位に入った。
次戦第19戦は9月24日(土)にニューハンプシャー・モーター・スピードウェイで開催される。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「(最後のピットストップでのタイヤ2本交換作戦は)コース上での良いポジションを得るために正しい判断だった。今夜の我々には、早い段階から良いポジションにつけて、ライバルを抑えるだけの力がなかった。チームとして何かが上手く行っていなかったようだ」
リザルト
決勝結果 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 5 | 3 | オースティン・ディロン | シボレー | 150 | ||
2 | 2 | 2 | ケヴィン・ハーヴィック | シボレー | 150 | ||
3 | 12 | 8 | ネルソン・ピケ・Jr. | シボレー | 150 | ||
5 | 14 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ タンドラ | 150 | ||
8 | 9 | 7 | ミゲル・パルド | トヨタ タンドラ | 150 | ||
13 | 8 | 5 | トッド・ボダイン | トヨタ タンドラ | 149 | ||
14 | 17 | 62 | ブレンダン・ゴーアン | トヨタ タンドラ | 149 | ||
17 | 24 | 17 | ティモシー・ペターズ | トヨタ タンドラ | 148 | ||
18 | 19 | 9 | マックス・パピス | トヨタ タンドラ | 148 | ||
19 | 20 | 81 | デイビッド・スター | トヨタ タンドラ | 147 | ||
観客数(主催者発表):30,000人 |
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