2011年9月26日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第28戦 Sylvania 300

開催日:9月25日

ブライアン・ヴィッカーズが燃費レースで5位フィニッシュ
カイル・ブッシュは11位に入り、ランキング6位に浮上

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"トヨタ カムリ"最上位の5位フィニッシュを果たしたブライアン・ヴィッカーズ(#83)と
首位を争ったが惜しくも15位に終わったケイシー・カーン(#4)

 9月25日(日)、米国北東部ニューハンプシャー州ロードンのニューハンプシャー・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第28戦「Sylvania 300」が開催された。
 "マジック・マイル"の愛称を持つ同コースは、バンク角が小さく、難コースとして知られている。スプリント・カップ・シリーズでは年に2回開催。そのうちの一戦は毎年"チェイス"の中に組み込まれ、2009年と2010年はデニー・ハムリンが2位フィニッシュを果たしている。

 23日(金)に1回練習走行を走った後、午後3時10分から予選が開始。ケイシー・カーンとブライアン・ヴィッカーズのチームメイト同士がが2番手、3番手グリッドと好位置からのスタート。カイル・ブッシュが8番手、マーティン・トゥルークス・Jr.が9番手でトップ10グリッドを確保し、11台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。ハムリンは"チェイス"ドライバー最下位の28番手からの追い上げを強いられることとなった。

 25日(日)、抜けるような秋晴れの空の下、10万人近い観客の見守る中で、午後2時19分に1.058マイルを300周(317.4マイル:約510km)して競われる決勝レースがスタート。
 序盤は2番手スタートのカーンがトップ争いに加わり、ヴィッカーズとトゥルークス・Jr.もトップ10圏内をキープ。イエローコーションは出ず、60周目前後から各車グリーン下でピットインを開始し、全車がピットを終えた時点で、カーンは首位に躍り出た。
 86周目にこの日最初のイエローコーションが出されると、3台を残して各車ピットイン。カーンはコース上に残った3台に続く、4位で再スタートを切ると、すぐに前を行く元F1ドライバーのファン・モントーヤ(シボレー)らをかわして2位に浮上。首位を行くマーク・マーティン(シボレー)と激しい争いを展開。134周目にはマーティンをかわして再び首位に立った。
 140周目過ぎから各車2回目のグリーン下でのピット作業となり、カーンも147周目にピットイン。しかし、そのすぐ後、156周目にスピン車両によりこの日2度目のイエローコーションとなった。
 ピットインしたばかりのカーンはここで唯一コース上に残り、他の車両はピットへ。173周目にもイエローコーションが出されたが、今度はトップ9台がコース上に残る作戦を採った。これで入らなかったカーンが2位、28番手スタートから着実に順位を上げてきたハムリンが9位、ピットへ入ったKy.ブッシュが12位で再スタート。
 その後は再びイエローコーションが出ない展開となり、各車燃費レースを想定しての、後半戦となった。ここで苦しくなったのは、2回目、3回目のイエローコーションで給油しなかったカーンと、3回目のイエローコーションでコースに残った、ハムリンを含む8台。
 カーンは217周目にグリーン下でピットに向かったが、フルタンクで70周程度走行できるこのコースでは、もう一度給油が必要となり、終盤でのイエローコーションを期待することとなった。
 ハムリンは225周目、この日ハンドリングに苦しみながらもハムリンとトップ10前後を争っていたKy.ブッシュは231周目にピットイン。3番手スタートから中盤順位を落としながらも再び調子を戻してきたヴィッカーズも、237周目にピットへ向かった。
 カーンの期待していたイエローコーションは結局最後まで出ず、燃料をセーブして3位を走行していたカーンは284周目にグリーン下でピットイン。20位以下へと後退。
 残り10周を切り、ハムリンが6位、ヴィッカーズが7位でのチェッカーを目前にしていたが、残り3周となった297周目、ハムリンは痛恨の燃料切れに見舞われスローダウン。
 他にも燃料切れの車両が出る波乱の幕切れで、"トヨタ カムリ"勢では、ヴィッカーズが最上位となる5位でフィニッシュ。Ky.ブッシュも最後まで走りきり11位。この結果、Ky.ブッシュは"チェイス"のランキングで6位へと順位を上げた。

 次戦第29戦は10月2日(日)、米国東部デラウェア州ドーバーのドーバー・インターナショナル・スピードウェイで行われる。

ドライバー ブライアン・ヴィッカーズ:
「我々にとって良いレースだった。チームは一日を通して良い仕事をしてくれた。最初のスティントは良かったが最高ではなかった。2回目と3回目のスティントでは調整を加えたが、オーバーステア症状が強くなり、順位を落としてしまった。最後の2スティントは絶好調だった。コース上で最速の一台だったと思うが、トップ5に返り咲くだけでも20台もの追い越しをしなくてはならず、最後は時間切れだった。チームの素晴らしい働きを誇りに思っている」

ドライバー カイル・ブッシュ:
「今日はずっとハードに戦い続けた。走り始めは調子がいいのだが、ロングランが続くにつれてペースが落ちてしまった。コーナーの進入は良かったのだが、コーナー中央でアンダーステア症状が強く、苦戦を強いられた。このコースはポジション取りが重要であり、それを守るために一日中努力してくれたチームに感謝しなくてはならない。今日はなんとか戦い抜くことができた。来週は得意なドーバーで好結果を狙いたい」

ドライバー デニー・ハムリン:
「我々は好調だったと思う。今日のレースを含め、最近戦略が結果を左右するレースが多いということだ。最後は燃料が足りなかった。最後のスティントでは好調に走れていたので、燃費が考えていたほど良くなかったのは、燃料を完全に入れられなかったか、燃料を使いすぎてしまったか、どちらかだ。今日も厳しいレースになってしまったが、その差は僅かであり、今我々が何をすればいいかは明確だ」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 20 14 トニー・スチュワート シボレー 300
2 16 2 ブラッド・ケゼロウスキー ダッジ 300
3 4 16 グレッグ・ビッフル フォード 300
5 3 83 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 300
11 8 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 300
14 24 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 300
15 2 4 ケイシー・カーン トヨタ カムリ 300
16 9 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 300
19 15 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 299
28 19 0 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 298
29 28 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 298
36 39 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 38
37 35 66 マイケル・マクドウェル トヨタ カムリ 35
42 37 13 ケイシー・メアーズ トヨタ カムリ 19
観客数(主催者発表):95,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 トニー・スチュワート シボレー 2094
2 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 2087
3 ブラッド・ケゼロウスキー ダッジ 2083
6 カイル・ブッシュ トヨタ 2068
12 デニー・ハムリン トヨタ 2028
18 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 746
20 ケイシー・カーン トヨタ 735
21 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 729
26 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 642
28 デイビッド・ロイティマン トヨタ 584
29 ボビー・ラボンテ トヨタ 571
31 ケイシー・メアーズ トヨタ 404
38 マイケル・マクドウェル トヨタ 99
44 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 20
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 189
2 フォード 154
3 トヨタ 145
4 ダッジ 128

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第19戦 F.W. Webb 175

開催日:9月24日

カイル・ブッシュがポール・トゥ・ウィンで今季6勝目!

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ポール・トゥ・ウィンでレースを支配し今季6勝目を挙げたカイル・ブッシュ(#18)

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第19戦「F.W. Webb 175」が9月24日 (土)にニューハンプシャー・モーター・スピードウェイで開催された。
 このニューハンプシャーでは、カイル・ブッシュが2009年、2010年と2年連続勝利を果たしている。

 23日(金)の2度の練習走行を経て、24日(土)は決勝レースを前に午前10時40分から予選開始。Ky.ブッシュが今季2度目のポールポジションを獲得。9番手にティモシー・ペターズがつけ、8台の"トヨタ タンドラ"が決勝レースへと進んだ。
 今大会には、カイル・ブッシュ・モータースポーツの2台目の車両として、NASCARメキシコシリーズのチャンピオンに2度輝いているジャーマン・キロガがトラック・シリーズに初出場。17番手からのスタートとなった。

 予選の後、併催されるスプリント・カップ・シリーズの練習走行を挟んで、午後3時19分、1.058マイルオーバルを175周(185.15マイル:約300km)して競われる決勝レースがスタート。
 ポールポジションのKy.ブッシュはスタートを決め、序盤から首位を快走。ペターズがトップ10圏内をキープして前半戦を戦った。
 レースは63周目までイエローコーションが出ず、首位のKy.ブッシュは周回遅れをかき分けながらシボレー勢から逃げ、追いすがるオースティン・ディロン(シボレー)に4秒差、3位以降には10秒以上もの大差をつけて独走を続けた。
 63周目の最初のイエローコーションで全車ピットイン。71周目にも続けてイエローコーションが出され、Ky.ブッシュはこれまでのマージンを失うこととなったが、好ピット作業と得意の再スタートで首位の座はキープ。
 その後も全くイエローコーションは出ず、レースはKy.ブッシュとディロンとの一騎打ちの様相に。130周目にKy.ブッシュがグリーン下で最後のピット作業を行うと、この日初めて首位の座を譲ることとなったが、その後各車グリーン下でピット作業を行っていき、全車がピットを終えた141周目には、再びKy.ブッシュが首位に復帰。2位ディロンとの差は5秒以上に開き、首位と同一周回は僅か6台という圧倒的なレースとなった。
 終盤、若干ディロンに差を詰められたものの、Ky.ブッシュは逃げ切ってトップでチェッカー。全175周中165周で首位を走行する速さでレースを支配し、今季6勝目を挙げた。この勝利でKy.ブッシュは史上2位につけるトラック・シリーズの通算勝利数を30へと伸ばした。
 最後のグリーンピットで2本タイヤ交換作戦を採り順位を上げたトッド・ボダインが8位。常にこの日トップ10圏内を走行したペターズが9位、ルーキーのミゲル・パルドが10位に入り、"トヨタ タンドラ"は4台がトップ10フィニッシュ。トラック・シリーズのレースデビューとなったキロガも16位で完走を果たした。
 今レースは2回しかイエローコーションが出ず、これはコースの新記録。同時に、最少コーションラップ(7周)や最速レース平均速度、首位と同一周回フィニッシュ車両数(最少:6台)でもコース新記録を更新した。

 次戦第20戦は10月1日(土)に米国中東部ケンタッキー州スパルタのケンタッキー・スピードウェイで開催される。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「我々の"トヨタ タンドラ"は驚くべき速さだった。我がチームは1.5マイルやそれ以上に高速なコースでは最速だったとは言い難い。しかし今日のようなショートトラックでは感触が良かった。このコースは追い越しが難しく、最後は3号車(オースティン・ディロン)が追い上げてきたことで時にはアグレッシブな走りも必要だったが、逃げ切ることができた。トヨタやスポンサー、チーム、そしてファンの皆に本当に感謝している。多くのサポートのおかげで素晴らしいパフォーマンスを見せることができ、楽しいレースを戦えた」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 1 18 カイル・ブッシュ トヨタ タンドラ 175
2 4 3 オースティン・ディロン シボレー 175
3 2 2 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 175
8 11 5 トッド・ボダイン トヨタ タンドラ 174
9 9 17 ティモシー・ペターズ トヨタ タンドラ 174
10 15 7 ミゲル・パルド トヨタ タンドラ 174
12 12 62 ブレンダン・ゴーアン トヨタ タンドラ 174
14 16 81 デイビッド・スター トヨタ タンドラ 173
16 17 51 ジャーマン・キロガ トヨタ タンドラ 172
20 13 9 マックス・パピス トヨタ タンドラ 172
観客数(主催者発表):35,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 オースティン・ディロン シボレー 661
2 ジェームス・ビュッシャー シボレー 659
3 ジョニー・ソーター シボレー 654
4 ティモシー・ペターズ トヨタ 636
10 トッド・ボダイン トヨタ 593
11 デイビッド・スター トヨタ 548
13 ブレンダン・ゴーアン トヨタ 544
14 ミゲル・パルド トヨタ 514
16 マックス・パピス トヨタ 499
22 ジョハンナ・ロング トヨタ 282
23 トラヴィス・クヴァピル トヨタ 252
26 クレイグ・ゴース トヨタ 218
31 ジョシュ・リチャーズ トヨタ 109
37 ジャスティン・ジョンソン トヨタ 88
42 ダスティ・デイヴィス トヨタ 60
53 ブライアン・イックラー トヨタ 30
55 ジャーマン・キロガ トヨタ 28
56 ジョン・キング トヨタ 28
60 マイク・スキナー トヨタ 20
64 テイラー・マルサム トヨタ 15
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 142
2 トヨタ 137
3 ダッジ 79
4 フォード 57