2011年10月 3日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第29戦 AAA 400

開催日:10月2日

ケイシー・カーンが4位、カイル・ブッシュ6位
カイル・ブッシュはランキング首位との差を縮める

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"トヨタ カムリ"最上位の4位でフィニッシュしたケイシー・カーン(#4)と
6位に入り"チェイス"タイトル争いを続けるカイル・ブッシュ(#18)

 10月2日(日)、米国東部デラウェア州ドーバーのドーバー・インターナショナル・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第29戦「AAA 400」が開催された。
 "チェイス"も3戦目となり、"トヨタ カムリ"勢で"チェイス"を戦うカイル・ブッシュとデニー・ハムリンは序盤戦苦戦を強いられているが、"モンスター・マイル"と呼ばれるコンクリート舗装のドーバーでは、Ky.ブッシュは過去2勝、ハムリンも昨年開催された2レース共にトップ10フィニッシュを果たしており、巻き返しに期待がかかった。

 1日(土)午後1時40分より予選が行われ、ドーバーとはデラウェア湾を挟んだ隣州ニュージャージー出身のマーティン・トゥルークス・Jr.が今季初のポールポジションを獲得。Ky.ブッシュが5番手、ボビー・ラボンテが8番手、ケイシー・カーンが9番手、ハムリンが11番手につけ、11台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 2日(日)午後2時20分に1マイルコンクリートオーバルを400周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのトゥルークス・Jr.はスタート直後は首位の座を守ったが、3周目にかわされ2位に後退。
 コースには小雨が降り始め、19周目にイエローコーションが出されたが、レースはそのまま続行され、23周目に再スタート。Ky.ブッシュとハムリンも上位へとポジションを上げてきた。
 前夜降った雨のために予定されていた40周目のコンペティション・コーションで各車ピットイン。タイヤ交換と給油、調整を行い、46周目に再スタート。その後はなかなかイエローコーションが出ないまま、長いグリーン下でのレースが続いたが、トゥルークス・Jr.とハムリンはハンドリングの悪化に苦しみ、順位を落とすこととなってしまった。
 前半戦トップ5圏内をキープしていたKy.ブッシュも、レースが折り返しとなる頃には若干ハンドリングが悪化し、壁に軽く接触するなど苦戦。それでもトップ10圏内での走行を続けた。
 後半戦に入って調子を上げてきたのがカーン。序盤のピット作業で一時は20位近くまで順位を落としていたが、徐々に取り戻し、Ky.ブッシュと共にトップ10圏内でのバトルに加わった。
 256周目にも小雨によるイエローコーション。今回もそのままレースは続くこととなったが、この時点でKy.ブッシュもかわし、3位まで浮上していたカーンは、再スタート後も前を行く2台を猛追した。
 306周目にこの日8回目のイエローコーションから再スタートが切られ、また燃費レースとなるかと思われたが、352周目に他車のクラッシュにより9回目のイエローコーション。再スタート後すぐの359周目にもイエローコーションが出され、カーンが3番手、Ky.ブッシュが4番手と2列目に並んで再スタート。
 Ky.ブッシュは得意の再スタートで3位に浮上したが、その後オーバーステア症状に見舞われ、ずるずるとポジションダウン。カーンはカール・エドワーズ(フォード)との3位争いを展開したが、惜しくも4位でフィニッシュ。Ky.ブッシュは6位でチェッカーを受けた。
 苦しみながらもシングルフィニッシュを果たしたKy.ブッシュは、ランキングでは8位と2つ順位を落とすことになったが、"チェイス"2連勝でランキング首位につけていたトニー・スチュワート(シボレー)が25位に終わったため、上位の順位が入れ替わり、Ky.ブッシュも首位との差を15ポイントに縮めることとなった。

ドライバー ケイシー・カーン:
「我々の"トヨタ カムリ"はレースを通して強力で、ある時には最速だったが、最後は若干アンダーステア症状が出てしまった。それでも素晴らしい再スタートをきることができ、2位が狙えると思っていたが、ジミー(ジョンソン)とのバトルでクラッシュしそうになり、それは叶わなかった。しかしこれもレースだし、我々は良いレースを戦えた」

ドライバー カイル・ブッシュ:
「首位との差を縮めながらもランキングが2つ落ちるというのは騙されたような感じだ。タイトル争いに復帰することこそが重要であり、我々はまだその中にいる。今後もベストを尽くして戦い続けるだけだ」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 2 22 カート・ブッシュ ダッジ 400
2 6 48 ジミー・ジョンソン シボレー 400
3 4 99 カール・エドワーズ フォード 400
4 9 4 ケイシー・カーン トヨタ カムリ 400
6 5 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 400
13 14 0 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 400
14 30 83 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 400
18 11 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 400
26 8 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 398
29 33 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 397
30 1 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 396
35 39 13 ケイシー・メアーズ トヨタ カムリ 366
39 42 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 49
40 35 66 マイケル・マクドウェル トヨタ カムリ 44
観客数(主催者発表):83,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 2122
2 カール・エドワーズ フォード 2122
3 トニー・スチュワート シボレー 2113
8 カイル・ブッシュ トヨタ 2107
12 デニー・ハムリン トヨタ 2054
17 ケイシー・カーン トヨタ 775
20 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 761
22 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 744
26 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 672
28 デイビッド・ロイティマン トヨタ 615
29 ボビー・ラボンテ トヨタ 589
31 ケイシー・メアーズ トヨタ 413
37 マイケル・マクドウェル トヨタ 104
44 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 20
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 195
2 フォード 158
3 トヨタ 148
4 ダッジ 137

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第29戦 OneMain Financial 200

開催日:10月1日

ルーキーのライアン・トゥルークスが8位

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上位を争い8位でフィニッシュしたライアン・トゥルークス(#20)と
序盤首位争いを展開するも13位に終わったジョーイ・ロガーノ(#18)

 10月1日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第29戦「OneMain Financial 200」がドーバー・インターナショナル・スピードウェイで開催された。

 1日(土)決勝を前に午後0時5分から予選が行われ、ジョーイ・ロガーノが3番手、隣州ニュージャージー出身のルーキー、ライアン・トゥルークスが5番手グリッド。ケニー・ウォレスが10番手につけ、7台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 午後3時47分、1マイルオーバルを200周(200マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。
 3番手スタートのロガーノはすぐに2位へ浮上し、上位争いを展開。しかし、リアタイヤのグリップ不足に苦しみ、ポジションダウン。かわってR.トゥルークスが4位に浮上した。
 79周目、この日3度目のイエローコーションが出され、各車ピットへ。ここで素晴らしいピット作業に助けられ、R.トゥルークスは2位、チームメイトのブライアン・スコットが8位へポジションアップ。一方でロガーノは調整に時間を取られ、15位へと後退してしまった。
 その後はイエローコーションが出ず、156周目に3位走行中のR.トゥルークス、翌周にロガーノらがグリーン下でピットイン。しかし、その直後の158周目に、7位につけていたスコットがピットへ向かおうとして、直前の車両と交錯し、ピットロード入り口の壁を保護するために置かれている砂タンクに接触。これで4度目のイエローコーションとなった。
 先にグリーン下でピットに入っていたR.トゥルークスらは周回遅れとなっていたため、このイエローコーションで首位と同一周回には復帰したものの、10位まで後退。コースに残っていた前の9台とは、多くの周回遅れを挟んでの苦しい再スタートとなった。
 168周目に再スタートが切られると、R.トゥルークスは周回遅れをかき分けながらポジションアップ。"トヨタ カムリ"勢最上位の8位でフィニッシュした。
 接触のダメージが小さかったためその後も着実な走行を続けたスコットが11位、最後のイエローコーションでトップ9に入っていたマイケル・アネットが12位。ロガーノは13位に終わった。

 次戦第30戦は10月8日(土)、カンザス・スピードウェイで行われる。

ドライバー ライアン・トゥルークス:
「今日は素晴らしい一日だった。レースの大半をトップ5圏内で戦えた。素晴らしいピット作業のおかげで3位に上がり、60号車(カール・エドワーズ)と33号車(クリント・ボウヤー)について行くこともできた。しかし、彼らは本当に速く、逆転することは叶わなかった。我々は3位走行中にグリーン下でのピットをこなしたが、その直後のイエローコーションで順位が落ちてしまった。周回遅れにも阻まれる形となり、8位フィニッシュとなったが、少なくともトップ5には入れる速さは持っていたと思う」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 2 60 カール・エドワーズ フォード 200
2 8 22 ブラッド・ケゼロウスキー ダッジ 200
3 4 33 クリント・ボウヤー シボレー 200
8 5 20 ライアン・トゥルークス トヨタ カムリ 200
11 11 11 ブライアン・スコット トヨタ カムリ 200
12 18 62 マイケル・アネット トヨタ カムリ 200
13 3 18 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 199
16 10 9 ケニー・ウォレス トヨタ カムリ 199
20 12 66 スティーブ・ウォレス トヨタ カムリ 198
30 24 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 137
観客数(主催者発表):38,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 リッキー・ステンハウス・Jr. フォード 1025
2 エリオット・サドラー シボレー 1003
3 リード・ソレンソン シボレー 976
7 ケニー・ウォレス トヨタ 841
8 スティーブ・ウォレス トヨタ 815
9 ブライアン・スコット トヨタ 811
10 マイケル・アネット トヨタ 804
14 ジョー・ネメチェク トヨタ 642
22 ライアン・トゥルークス トヨタ 389
34 ドリュー・ヘリング トヨタ 139
40 ケヴィン・コンウェイ トヨタ 94
57 ジェイソン・ボウルズ トヨタ 49
79 パトリック・カーペンティア トヨタ 12
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 フォード 176
2 トヨタ 172
3 シボレー 155
4 ダッジ 135

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第20戦 Kentucky 225

開催日:10月1日

3台の"トヨタ タンドラ"がトップ10フィニッシュ

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今季3度目のトラック・シリーズ参戦ながら"トヨタ タンドラ"勢最上位の
5位でフィニッシュしたブライアン・イックラー(#18)

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第20戦「Kentucky 225」が10月1日 (土)に米国中東部ケンタッキー州スパルタのケンタッキー・スピードウェイで開催された。
 今週末はネイションワイド・シリーズとスプリント・カップ・シリーズがドーバーで開催されているため、両シリーズのドライバーによる出場はなく、オーナーズポイントでタイトルを争っているカイル・ブッシュ・モータースポーツの18号車は、今季3度目のトラック・シリーズ参戦となるブライアン・イックラーがドライブすることとなった。

 9月30日(金)の2度の練習走行を経て、10月1日(土)決勝を前に午後4時15分から予選が行われ、スポット参戦のイックラーが2列目4番手。ジョシュ・リチャーズが11番手、トッド・ボダイン、ティモシー・ペターズ、デイビッド・スターが12番手以降に続き、9台の"トヨタ タンドラ"が決勝レースへと進んだ。

 気温は10度を下回る寒い夜となったこの日、午後8時26分に1.5マイルオーバルを150周(225マイル:約360km)して競われる決勝レースがスタート。
 2列目アウト側からスタートを切ったイックラーは、好スタートで3位に浮上すると、3ワイド(3台横一線)でのバトルを制し、2周目には首位に浮上。
 5周目にジョシュ・リチャーズがスピンからクラッシュを喫し、いきなりのイエローコーションが出され、13周目に再スタートが切られると、首位のイックラーはシボレー勢の追撃を受け、惜しくも3位に後退。しかし、イックラーを含むトップ3台は、4位以降を引き離してのバトルを繰り広げた。
 22周目にこの日2度目のイエローコーションが出されると、上位勢は一斉にピットイン。ほとんどが給油のみを行い、コースへ戻ったが、トップ10圏内につけていたボダインは再度調整のためにピットイン。20位以下へと大きく順位を落としてしまった。
 42周目の3回目のイエローコーションでは、多くの車両がタイヤを交換する中、タイヤ無交換としたペターズが首位に浮上し再スタート。
 49周目には、5位を走行していたルーキーのミゲル・パルドが他車との接触でスピンしクラッシュ。このクラッシュした車両を避けきれず接触した、マックス・パピスも車両にダメージを負ってしまった。
 その後も、67周目にジョン・キング、87周目にブレンダン・ゴーアンがスピンを喫しイエローコーションが連発したが、89周目に7回目のイエローコーションから再スタートが切られた後はイエローコーションが出ず、レースを最後まで走りきるには、もう一度給油ピットインが必要な状況での燃費レースとなった。
 116周目に5位を走行していたペターズがグリーン下でのピットへと向かったが、ここで痛恨のピットロード速度違反を犯し、大きくポジションダウン。周回遅れとなってしまった。
 イックラーは4位までポジションを上げて122周目にピットイン。11位でコースへと復帰。その後、上位勢が次々にピットへ向かっていく中で、徐々に順位を戻していった。
 最後までピットインを引っ張ったのはボダインとゴーアン。残り10周でピットに向かったボダインは8位でコースに復帰。一方で、最後まで無給油での走行を狙ったゴーアンは残り5周で痛恨の燃料切れに見舞われスローダウン。
 着実にレースを戦ったイックラーが"トヨタ タンドラ"勢最上位の5位でフィニッシュ。ボダインが7位。スターが10位に入り、"トヨタ タンドラ"は3台がトップ10フィニッシュを果たした。

 次戦第21戦は10月15日(土)に米国西部ネバダ州ラスベガスのラスベガス・モーター・スピードウェイで開催される。

ドライバー ブライアン・イックラー:
「我々の"トヨタ タンドラ"はレースを通して好調で、着実なフィニッシュを果たすことができた。チームはオーナーズポイントでタイトルを争っており、私の任務は確実に走りきってポイントを稼ぐことだった。残念ながら、(タイトルを争う)2号車が勝利を挙げたので数ポイント差は広がってしまったが、チームクルーは素晴らしい仕事で、練習走行から我々の"トヨタ タンドラ"を着実に進歩させ、レースでは上位を争うことができた。トヨタやスポンサー、チームに感謝している。数週間後のラスベガス戦で再びこの"トヨタ タンドラ"でレースを戦うのが楽しみだ」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 2 2 ロン・ホーナディ シボレー 150
2 1 3 オースティン・ディロン シボレー 150
3 8 31 ジェームズ・ビュッシャー シボレー 150
5 4 18 ブライアン・イックラー トヨタ タンドラ 150
7 12 5 トッド・ボダイン トヨタ タンドラ 149
10 14 81 デイビッド・スター トヨタ タンドラ 149
17 13 17 ティモシー・ペターズ トヨタ タンドラ 148
19 18 62 ブレンダン・ゴーアン トヨタ タンドラ 147
25 21 7 ミゲル・パルド トヨタ タンドラ 109
27 30 7 ジョン・キング トヨタ タンドラ 72
28 22 9 マックス・パピス トヨタ タンドラ 51
34 11 51 ジョシュ・リチャーズ トヨタ タンドラ 4
観客数(主催者発表):22,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 オースティン・ディロン シボレー 704
2 ジェームス・ビュッシャー シボレー 701
3 ジョニー・ソーター シボレー 685
4 ティモシー・ペターズ トヨタ 664
9 トッド・ボダイン トヨタ 631
12 デイビッド・スター トヨタ 582
13 ブレンダン・ゴーアン トヨタ 569
15 ミゲル・パルド トヨタ 533
18 マックス・パピス トヨタ 515
22 ジョハンナ・ロング トヨタ 282
24 トラヴィス・クヴァピル トヨタ 252
26 クレイグ・ゴース トヨタ 218
32 ジョシュ・リチャーズ トヨタ 119
37 ジャスティン・ジョンソン トヨタ 88
40 ブライアン・イックラー トヨタ 70
44 ダスティ・デイヴィス トヨタ 60
47 ジョン・キング トヨタ 46
57 ジャーマン・キロガ トヨタ 28
62 マイク・スキナー トヨタ 20
66 テイラー・マルサム トヨタ 15
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 151
2 トヨタ 143
3 ダッジ 83
4 フォード 60