2011年10月11日(火)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第30戦 Hollywood Casino 400

開催日:10月9日

ケイシー・カーンが惜しくも2位

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惜しくも2位でフィニッシュしたケイシー・カーン(#4:左)と
終盤上位を争ったが16位に終わったデニー・ハムリン(#11:右)

 10月9日(日)、米国中西部カンザス州カンザスシティのカンザス・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第30戦「Hollywood Casino 400」が開催された。

 7日(金)練習走行に続いて午後4時10分から予選が行われ、カイル・ブッシュが3番手。ケイシー・カーンが5番手、デニー・ハムリンが7番手、マーティン・トゥルークス・Jr.が8番手と4台の"トヨタ カムリ"がトップ10グリッドを獲得し、11台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 8日(土)の2度の練習走行を経て、9日(日)午後1時20分、1.5マイルオーバルを267周(400.5マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。
 スタートでは、2列目3番手グリッドのKy.ブッシュが好ダッシュを見せ2位に浮上。しかし、オーバーステア症状に苦しむKy.ブッシュはポジションをキープできず、徐々に後退。
 21周目にボビー・ラボンテがスピンを喫し、この日初めてのイエローコーション。ほぼ全車がタイヤ交換と給油、調整のためにピットへ向かったが、ここで2本タイヤ交換作戦を採った車両があり、上位の順位が入れ替わった。また、Ky.ブッシュはタイヤ交換作業時のタイムロスで14位へと後退。Ky.ブッシュと上位を争っていたカーンもジャッキのトラブルに見舞われ30位前後まで大きく後退を余儀なくされてしまった。
 その後、トゥルークス・Jr.がトップ5圏内で孤軍奮闘。ハムリンとKy.ブッシュが10位前後で走行を続ける中、カーンも素晴らしい追い上げで順位を戻して行った。
 60周目前後にグリーン下でのピット作業を経て、84周目にこの日2度目のイエローコーション。ここで、Ky.ブッシュはタイヤ2本交換作戦に出ると、見事なピット作業で首位に浮上。しかし、その後はイエローコーションがなかなか出なかったため、4本交換した車両にかわされ、順位を落とすこととなってしまった。
 前半戦上位を争っていたトゥルークス・Jr.は、駆動系のトラブルのためにガレージでの長時間の修復を余儀なくされ、無念の脱落。
 その後は200周目過ぎまで、120周近くに渡ってイエローコーションが出ず、2度のグリーンピットを経て、首位と同一周回がわずか15台という状況となったが、Ky.ブッシュはトップ5、カーンもトップ10、ハムリンが12位につけ、終盤戦での逆転のチャンスをうかがった。
 206周目にようやくこの日3度目のイエローコーションが出された後は、220周目、240周目とイエローコーションが連発。ここで各車のピット戦略が別れた。
 240周目のイエローコーションで、6位を走行していたカーンはピットへ向かい、タイヤを4本交換し、12位へ後退。逆に、13位を走行していたハムリンはピットへ入らず、2位へとポジションアップ。前のピットから、ぎりぎりの燃料を最後までもたせる作戦に出た。着実にトップ5圏を守っていたKy.ブッシュはタイヤを2本交換し、6位で再スタート。
 しかし、ハムリンは最前列からのスタートダッシュで後続に飲み込まれポジションダウン。Ky.ブッシュもハンドリングの不調に見舞われ順位を落とす中で、好走を見せたカーンが次々に前走車をかわしていき、257周目にはついに2位へと浮上。
 チェッカーへ向け、じりじりと首位との差を詰めていったカーンであったが、レースは残り2周となった265周目にイエローコーションが出され、5周延長されて"グリーン・ホワイト・チェッカー"で決されることに。
 最前列イン側から再スタートを切ったカーンは、最後まで首位のジミー・ジョンソン(シボレー)を追ったが、僅か0.548秒及ばず2位でフィニッシュ。
 Ky.ブッシュは11位。ハムリンは16位フィニッシュとなった。この結果、"チェイス"でのKy.ブッシュのランキング8位は変わらないものの、首位との差は僅かに増え、20ポイント差となった。しかし、"チェイス"はまだ6戦を残しており、今後の巻き返しに期待がかかる。

 次戦第31戦は10月15日(土)、米国東南部ノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー ケイシー・カーン:
「クルーチーフの素晴らしい判断により、戦略が上手く行った。我々の"トヨタ カムリ"は非常に速かったが、最後の再スタートでは若干タイヤを空転させてしまい、こちらの予想よりも若干早めのダッシュを決めたジミー(ジョンソン)の先行を許してしまった。最後は彼の巧みなライン取りによってターン3で空力的に厳しくなり、逆転は叶わなかった。我々にとっては良い一日だったが、まだ更に上を目指して戦い続けなくてはならない」

ドライバー デニー・ハムリン:
「今日はずっと苦しい戦いを強いられたが、チームの努力により状況は良くなって行った。終盤は10位前後で走ることができ、想像よりは良い感触だった。それだけに、最後の再スタートで失敗し、16位に終わったのは残念だ」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 19 48 ジミー・ジョンソン シボレー 272
2 5 4 ケイシー・カーン トヨタ カムリ 272
3 12 2 ブラッド・ケゼロウスキー ダッジ 272
11 3 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 272
16 7 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 272
19 15 83 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 271
29 20 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 270
30 33 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 269
35 27 0 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 264
36 8 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 241
39 40 66 マイケル・マクドウェル トヨタ カムリ 30
41 43 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 18
42 37 13 ケイシー・メアーズ トヨタ カムリ 16
観客数(主催者発表):82,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 カール・エドワーズ フォード 2161
2 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 2160
3 ジミー・ジョンソン シボレー 2157
8 カイル・ブッシュ トヨタ 2141
12 デニー・ハムリン トヨタ 2082
16 ケイシー・カーン トヨタ 817
22 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 769
23 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 759
26 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 697
28 デイビッド・ロイティマン トヨタ 624
29 ボビー・ラボンテ トヨタ 603
31 ケイシー・メアーズ トヨタ 415
37 マイケル・マクドウェル トヨタ 109
44 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 20
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 204
2 フォード 161
3 トヨタ 154
4 ダッジ 141

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第30戦 Kansas Lottery 300

開催日:10月8日

若手2台がトップ10フィニッシュ

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7位フィニッシュを果たしたジョーイ・ロガーノ(#18)

 10月8日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第30戦「Kansas Lottery 300」がカンザス・スピードウェイで開催された。
 カンザスでは、2009年と2010年の2年連続で、ジョーイ・ロガーノが勝利を飾っている。21歳ながらスプリント・カップ・シリーズのトップドライバーとして活躍しているロガーノが、ネイションワイド・シリーズのレギュラードライバーと共に、得意のカンザス戦に参戦した。

 7日(金)は2回の練習走行が行われ、8日(土)決勝を前に、午前9時5分から予選開始。19歳のルーキー、ライアン・トゥルークスが2列目3番手。23歳のブライアン・スコットが5番手。ロガーノが8番手と3人の若手ドライバーがトップ10グリッドを獲得。7台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 予選に続き、午後2時47分に1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。
 2列目3番手スタートのR.トゥルークスはひとつポジションを落としたものの3位を争い、その後方では、順位を上げてきたスコットとロガーノが加わって、前半戦はジョー・ギブス・レーシングの若手ドライバー3人が4位争いを展開した。
 しかし"トヨタ カムリ"勢の最上位4位を走行していたR.トゥルークスは、72周目にスローパンクチャーに見舞われ、グリーン下で痛恨のピットイン。周回遅れの29位へと大きく順位を落としてしまった。
 スコットとロガーノがトップ10圏内での走行を続ける一方で、周回遅れのR.トゥルークスは着実に順位を取り戻していき、173周目、この日6回目のイエローコーションで"ラッキー・ドッグ"を獲得。19位ながら首位と同一周回へと復帰した。
 一方、この日最後となったこのイエローコーションでは、それまで13位、15位につけていたマイケル・アネットとケニー・ウォレスが2本タイヤ交換作戦を採り、それぞれ2位、3位へと浮上。179周目に残り21周での再スタートが切られたが、やはり4本タイヤ交換組の猛追を凌ぐことはできず、アネットとK.ウォレスの2台はずるずると順位を落としてしまった。
 10番手で再スタートを切ったスコットも、他車との接触で後退。6番手で再スタートしたロガーノは、最後はタイヤの摩耗に苦しんだものの、"トヨタ カムリ"勢最上位の7位でチェッカーを受けた。
 19番手と後方からの再スタートとなったR.トゥルークスは、残り20周で素晴らしい追い上げを見せて前走車を次々にパスし、10位でフィニッシュ。21歳のロガーノと19歳のR.トゥルークスという若手2人が駆る"トヨタ カムリ"がトップ10フィニッシュを果たした。

 次戦第31戦は10月14日(金)、シャーロット・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー ジョーイ・ロガーノ:
「我々の"トヨタ カムリ"は絶好調とは言えなかった。調子の良い時には3位を走ることもでき、トップ3台についていけたが、22号車には叶わなかった。ハンドリングの調整を続けていたが、最後はタイヤが終わってしまった。摩耗してグリップの低下したタイヤで走らざるを得ず、順位をキープできなかった。今日18号車のチームクルー及びクルーチーフと良い時間を過ごし、多くを学べたことは誇りに思うが、結果だけが望み通りに行かなかった」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 2 22 ブラッド・ケゼロウスキー ダッジ 200
2 1 60 カール・エドワーズ フォード 200
3 12 2 エリオット・サドラー シボレー 200
7 8 18 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 200
10 3 20 ライアン・トゥルークス トヨタ カムリ 200
16 25 62 マイケル・アネット トヨタ カムリ 200
17 5 11 ブライアン・スコット トヨタ カムリ 200
19 11 9 ケニー・ウォレス トヨタ カムリ 200
20 16 66 スティーブ・ウォレス トヨタ カムリ 199
21 13 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 199
観客数(主催者発表):68,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 リッキー・ステンハウス・Jr. フォード 1064
2 エリオット・サドラー シボレー 1044
3 リード・ソレンソン シボレー 994
7 ケニー・ウォレス トヨタ 866
8 スティーブ・ウォレス トヨタ 839
9 ブライアン・スコット トヨタ 838
10 マイケル・アネット トヨタ 832
14 ジョー・ネメチェク トヨタ 665
22 ライアン・トゥルークス トヨタ 423
34 ドリュー・ヘリング トヨタ 139
40 ケヴィン・コンウェイ トヨタ 94
58 ジェイソン・ボウルズ トヨタ 49
79 パトリック・カーペンティア トヨタ 12
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 フォード 182
2 トヨタ 175
3 シボレー 159
4 ダッジ 144