NASCAR SPRINT CUP SERIES
第31戦 Bank of America 500
開催日:10月15日
カイル・ブッシュが2位に入りランキング4位に浮上!
2位でフィニッシュしたカイル・ブッシュ(#18)
10月15日(土)、米国東南部ノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第31戦「Bank of America 500」が開催された。
シリーズの終盤10戦でチャンピオンを決定するプレーオフ"チェイス"も5戦目となり、前半戦を終えることとなる。トヨタ勢では、カイル・ブッシュがランキング8位ながらも首位と僅か20ポイント差につけており、ランキング12位のデニー・ハムリンと共に、中盤戦での巻き返しに期待がかかった。
13日(木)午後3時半からのの練習走行を経て、午後7時10分から予選が行われ、ケイシー・カーンが8番手グリッドを獲得。デニー・ハムリンは17番手、Ky.ブッシュは25番手につけ、11台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
15日(土)午後7時52分、1.5マイルオーバルを334周(501マイル:約800km)して競われる決勝レースがスタート。
25番手グリッドを獲得していたKy.ブッシュは、レース前に不調に見舞われたエンジンの交換を行ったため、最後尾からのスタートとなった。
序盤はカーンがトップ10をキープする一方で、後方では最後尾スタートのKy.ブッシュが徐々にポジションアップ。イエローコーションが出ないまま40周目過ぎからグリーン下でのピット作業が行われ、長いグリーン走行で多くの車両が周回遅れになっていく中で、Ky.ブッシュは首位と同一周回の22位まで順位を上げた。
77周目、コース上の異物によりこの日初めてのイエローコーション。全車ピットに向かい、何台かが2本タイヤ交換を行ったため、4本交換したカーンは若干ポジションダウン。逆に、4本交換しながらも、ピットの好作業に助けられたハムリンは13位、Ky.ブッシュは20位へと順位を上げて再スタートを切った。
その後はまたしてもイエローコーションが出ず、120周を過ぎたあたりから各車グリーンピット。ここでも素晴らしいピット作業を見せたハムリンとKy.ブッシュは、それぞれ6位、9位までジャンプアップを果たした。
147周目には再びコース上の異物のためにこの日2度目のイエローコーション。ハムリンに続く7位を走行していたKy.ブッシュはここでタイヤ2本交換作戦に出て、一気に2位に浮上。同じく2本タイヤ交換としたハムリンは5位へと順位を上げた。
レースが200周目に近づくと、この日3度目となるグリーン下でのピット作業が開始。2位につけ、首位を争っていたKy.ブッシュはこのピット作業でついに首位を奪取。その後は後続との差を広げていった。
その後もイエローコーションが出ず、グリーン下でのピット作業を経た240周目過ぎには、首位と同一周回は僅か14台。首位を走るKy.ブッシュの後方では、ハムリンもトップ10圏内をキープ。また、一時順位を落としていたカーンもトップ10圏内へと浮上してきた。
287周目にエンジンブローの車両があったために5度目のイエローコーション。各車最後となるであろうピットイン。Ky.ブッシュは首位を守り、カーンが3位へとポジションアップ。ハムリンも6位で再スタート。
再スタートが切られてすぐ、この日初めてとなるクラッシュが発生。再スタート直後の混乱の中で、3ワイドとなった車両が接触。その真ん中にいたカーンが巻き込まれたが、奇跡的に壁への接触は無かったためすぐにピットで修復し、首位と同一周回最後尾の13位でレースを再開。周回遅れになっていたジョーイ・ロガーノが"ラッキー・ドッグ"を獲得し首位と同一周回に復帰した。
200周目に首位に立って以来、100周以上に渡って首位を守ってきたKy.ブッシュだったが、終盤に入るとマット・ケンゼス(フォード)の猛追を受け、310周目についに首位の座を譲ることに。
317周目には、5年連続のシリーズチャンピオンであり、前戦優勝したことでランキング3位につけていたジミー・ジョンソン(シボレー)がバトルの中でバランスを崩し、壁に激しくクラッシュ。ジョンソンはここでレースを終えることとなり、"チェイス"のランキング争いでも大きく順位を落とすこととなった。
このクラッシュによる8度目のイエローコーションから、Ky.ブッシュが2位、ハムリンが5位、素晴らしい走りで順位を上げてきたカーンが7位につけ、残り11周で再スタート。
2位のKy.ブッシュは首位を追ったが、ランキング首位につけるカール・エドワーズ(フォード)からの追撃を受け、2位争いを展開。しかし、これを凌ぎきり、2位でチェッカー。クラッシュに巻き込まれながらも、終盤見事な追い上げを見せたカーンが4位。ハムリンも9位に入り、"トヨタ カムリ"は3台がトップ10フィニッシュを果たした。
今レースの結果、2位に入ったKy.ブッシュはランキングでも4位へと浮上。最多リードラップのボーナスも獲得したことで、首位エドワーズとのポイント差も僅かながら詰め、18ポイント差とした。
次戦第32戦は10月23日(日)、米国南部アラバマ州タラデガのタラデガ・スーパースピードウェイで行われる。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「チームは素晴らしい"トヨタ カムリ"を用意してくれた。しかし、勝利には若干足りなかった。(マット)ケンゼスは最後、我々よりも明らかに速かった。"チェイス"を戦っていくためには、今日のようなレースを続けていかなくてはならない。2位フィニッシュという結果は、ひとつポジションを落としただけではあるが、勝利のボーナスを含め、4ポイントを失ったのと同じことだ。それは残念だが、この後もずっと2位フィニッシュを続けていければ、タイトルを勝ち取ることができるかも知れない。99号車(カール・エドワーズ)や29号車(ケヴィン・ハーヴィック)のような強力なライバル達も今夜は良い順位でフィニッシュしている。我々はまだタイトル争いに残っているし、最後まで戦い続ける」
リザルト
決勝結果 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 2 | 17 | マット・ケンゼス | フォード | 334 | ||
2 | 25 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 334 | ||
3 | 3 | 99 | カール・エドワーズ | フォード | 334 | ||
4 | 8 | 4 | ケイシー・カーン | トヨタ カムリ | 334 | ||
9 | 17 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 334 | ||
12 | 16 | 20 | ジョーイ・ロガーノ | トヨタ カムリ | 334 | ||
20 | 31 | 83 | ブライアン・ヴィッカーズ | トヨタ カムリ | 333 | ||
23 | 18 | 56 | マーティン・トゥルークス・Jr. | トヨタ カムリ | 332 | ||
26 | 29 | 0 | デイビッド・ロイティマン | トヨタ カムリ | 332 | ||
29 | 22 | 47 | ボビー・ラボンテ | トヨタ カムリ | 331 | ||
32 | 24 | 13 | ケイシー・メアーズ | トヨタ カムリ | 323 | ||
39 | 37 | 66 | マイケル・マクドウェル | トヨタ カムリ | 30 | ||
43 | 39 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 11 | ||
観客数(主催者発表):105,000人 |
|
|
NASCAR NATIONWIDE SERIES
第31戦 Dollar General 300 Miles of Courage
開催日:10月14日
カイル・ブッシュが惜しくも2位フィニッシュ
後半戦を支配したが惜しくも2位に終わったカイル・ブッシュ(#18)、
クラッシュで19位に終わったジョーイ・ロガーノ(#20)、
5位フィニッシュを果たしたブライアン・スコット(#11)
10月14日(金)にNASCARネイションワイド・シリーズの第31戦「Dollar General 300 Miles of Courage」がシャーロット・モーター・スピードウェイで開催された。
13日(木)に2度の練習走行を行い、14日(金)決勝を前に午後3時5分から予選開始。ジョーイ・ロガーノが4番手、Ky.ブッシュが6番手、ブライアン・スコットが8番手と、ジョー・ギブス・レーシングの3台がトップ10グリッドを獲得し、9台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
午後7時48分、1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。
4番手スタートのロガーノが若干後退したのと入れ替わるように、好スタートを切ったKy.ブッシュが4位へ。その後、2台がひとつずつ順位を上げた25周目、中団グループにつけていたジョー・ネメチェクがエンジントラブルに見舞われ最初のイエローコーション。全車最初の給油を行うべくピットへ。Ky.ブッシュが4位、ロガーノが7位で再スタートを切ったあとは、ロガーノが順位を上げ、Ky.ブッシュと共にトップ5をキープした。
68周目に出された3度目のイエローコーションで全車が2度目のピットへ向かうと、唯一2本タイヤ交換としたスティーブ・ウォレスが19位から一気にKy.ブッシュ、ロガーノに次ぐ6位へとジャンプアップを果たした。しかし、S.ウォレスは再スタートで出遅れ、後続に飲み込まれる形でずるずると後退。
その後、3位を走行していたKy.ブッシュは、95周目についに前走車を捕らえ、2位に浮上した。
前のイエローコーションでのピット作業から50周以上が過ぎ、何台かがグリーン下でのピット作業を始めた127周目、20位前後を走行していたライアン・トゥルークスが壁に接触。車体右側にダメージを負ったR.トゥルークスはそのままガレージへ。上位勢はピットへ向かうと、他のチームよりも2秒以上速いピット作業をこなしたKy.ブッシュが首位に浮上。ロガーノは3位キープ、スコットも3つポジションを上げて6位で再スタートとなった。
135周目に再スタートが切られると、3ワイドのバトルでロガーノがKy.ブッシュのインをつき、前に出たが首位奪取はならず。Ky.ブッシュはロガーノを抜き返し、前を行く2台を追うと、158周目に2位浮上。首位を行くブラッド・ケゼロウスキー(ダッジ)を追った。
170周目、首位を走行していたケゼロウスキーがタイヤのパンクに見舞われ突然スローダウン。直後のKy.ブッシュは間一髪でこれをかわし、イエローコーションでのピットに向かったが、数台が2本タイヤ交換作戦を採ったため、4位で再スタート。Ky.ブッシュは再スタート後、前を行く3台をあっという間にパスし、首位に再浮上した。
Ky.ブッシュに続く2位へと浮上し、追いすがる2台のフォード勢と2位争いを繰り広げていたロガーノは、残り10周となった190周目、サイド・バイ・サイドでのバトルでバランスを崩し、ウォールにヒット。ピットでの修復を余儀なくされ、首位と同一周回にはとどまったものの最後尾の19位へと後退してしまった。
残り5周で再スタートが切られると、首位のKy.ブッシュは最前列に並んでいたカール・エドワーズ(フォード)の先行を許し、2位へ後退。Ky.ブッシュは諦めずにエドワーズを追い、テール・トゥ・ノーズでのバトルが最後まで続いたが、僅かに及ばず、0.223秒差でKy.ブッシュは2位フィニッシュ。スコットが5位に入った。
次戦第32戦は11月5日(土)、米国南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイで行われる。
18号車(カイル・ブッシュ)のクルーチーフ ジェイソン・ラトクリフ:
「首位争いができ、エキサイティングなレースだった。1.5マイルオーバルは、今季の我々にとっては得意なコースではない。しかし努力を続けてきた甲斐があった。今夜は大部分が上手く行っていたが、唯一再スタートで少し苦しんでいた。単純にパワーの問題ではないかと思う。カイル(ブッシュ)は非常に上手く戦ってくれたし、逆転されたのは彼の実力不足によるものではない。首位争いができたのは素晴らしいことであり、残念ながらあと一つ順位は届かなかったが、カイルとチームを本当に誇りに思っている」
リザルト
決勝結果 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 5 | 60 | カール・エドワーズ | フォード | 200 | ||
2 | 6 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 200 | ||
3 | 11 | 16 | トレヴァー・バイン | フォード | 200 | ||
5 | 8 | 11 | ブライアン・スコット | トヨタ カムリ | 200 | ||
13 | 19 | 66 | スティーブ・ウォレス | トヨタ カムリ | 200 | ||
16 | 20 | 9 | ケニー・ウォレス | トヨタ カムリ | 200 | ||
17 | 22 | 62 | マイケル・アネット | トヨタ カムリ | 200 | ||
19 | 4 | 20 | ジョーイ・ロガーノ | トヨタ カムリ | 200 | ||
34 | 16 | 99 | ライアン・トゥルークス | トヨタ カムリ | 126 | ||
36 | 40 | 87 | ケヴィン・コンウェイ | トヨタ カムリ | 76 | ||
37 | 28 | 97 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 25 | ||
観客数(主催者発表):45,000人 |
|
|
NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第21戦 Smith's 350
開催日:10月15日
2台の"トヨタ タンドラ"がトップ5フィニッシュ
3位フィニッシュを果たしたティモシー・ペターズ(#17)
惜しくもクラッシュでレースを終えたルーキーのミゲル・パルド(#7)
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第21戦「Smith's 350」が10月15日(土)に米国西部ネバダ州ラスベガスのラスベガス・モーター・スピードウェイで開催された。
今大会はスプリント・カップ・シリーズ、ネイションワイド・シリーズがシャーロットでの開催のため、トラック・シリーズのみでの開催。
14日(金)午後4時半から予選が行われ、ブライアン・イックラーが8番手、ルーキーのミゲル・パルドが10番手グリッドを獲得。ティモシー・ペターズが11番手、トッド・ボダインが13番手につけ、8台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。
15日(土)午後0時30分過ぎに、1.5マイルオーバルを146周(219マイル:約350km)して競われる決勝レースがスタート。3周目からポイントリーダーのオースティン・ディロン(シボレー)がスピンしイエローコーションが出されるなど、波乱のレースとなった。
再スタート後はボダインがジャンプアップし、4位のイックラーに続く5位に浮上。ペターズも7位へと順位を上げ、パルドを含めた4台が序盤からトップ10圏内でバトルを繰り広げた。
23周目には、20位前後を走行していたマックス・パピスが後続から追突され、壁にクラッシュ。再スタート直後の30周目には、元二輪モトクロスのスーパースター、リッキー・カーマイケル(シボレー)がスピンし、コース上を横切る形となったところに後続のイックラーとパルドが突っ込んで多重クラッシュ。2台の車両は大破し、車両排除のために10分あまりの赤旗中断となってしまった。
レース再開後も、前半戦はクラッシュによるイエローコーションが多発。ピット戦略の違いで順位が入れ替わり、61周目に出されたこの日7回目のイエローコーションでは、ボダインがピットに入り13位へ後退したのに対し、ピットに入らなかったブレンダン・ゴーアンが2位に浮上した。
しかし、その後は一転イエローコーションが出ず、ゴーアンは96周目にグリーン下でピットイン。他の車両も次々にグリーン下でのピット作業を行っていったことで、コースに留まり続けたボダインは徐々に順位を上げていき、110周目には2位のボダインを含む僅か3台のみが首位と同一周回という状況となった。
その後、ボダインらもピットに向かい、全車がピットを終えた直後の116周目にイエローコーション。ここでボダインは再びピットに向かい、タイヤ2本交換と給油に加えてバッテリーも交換し、10位に後退。トヨタ勢ではペターズが4位、ゴーアンが8位につけ、残り25周での再スタートとなった。
再スタートしてすぐの123周目には、バランスを崩した車両がアウト側にいたゴーアンに接触。ゴーアンは修復のためにピットへ向かい、首位と同一周回最後尾の10位に後退。
136周目にもクラッシュでイエローコーションが出され、残り6周で再スタート。3ワイドでのバトルで首位を追ったペターズとボダインだったが、最後はペターズが3位、ボダインが5位でフィニッシュ。ゴーアンも首位と同一周回の9位でチェッカーを受けた。
この結果、"トヨタ タンドラ"最上位でランキングを争うペターズは、順位こそひとつ落としたものの、首位とのポイント差は15ポイント詰め、25ポイント差へと迫った。
次戦第22戦は10月22日(土)にタラデガ・スーパースピードウェイで開催される。
リザルト
決勝結果 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 1 | 2 | ロン・ホーナディ | シボレー | 146 | ||
2 | 5 | 88 | マット・クラフトン | シボレー | 146 | ||
3 | 11 | 17 | ティモシー・ペターズ | トヨタ タンドラ | 146 | ||
5 | 13 | 5 | トッド・ボダイン | トヨタ タンドラ | 146 | ||
9 | 21 | 62 | ブレンダン・ゴーアン | トヨタ タンドラ | 146 | ||
16 | 16 | 81 | デイビッド・スター | トヨタ タンドラ | 134 | ||
24 | 28 | 7 | ブッチ・ミラー | トヨタ タンドラ | 51 | ||
27 | 10 | 7 | ミゲル・パルド | トヨタ タンドラ | 29 | ||
28 | 8 | 18 | ブライアン・イックラー | トヨタ タンドラ | 29 | ||
29 | 15 | 9 | マックス・パピス | トヨタ タンドラ | 26 | ||
観客数(主催者発表):22,500人 |
|
|